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ファイル暗号化とは?仕組み・必要性・方法や業務効率化にも効くツールを解説

セキュリティ事故は今や中小企業も無視できない身近なリスクになっています。情報漏えいやランサムウェアのリスクに危機感を覚えており、ファイル暗号化について理解を深めたい方もいるのではないでしょうか。

ファイル暗号化の考え方や有用性、具体的な暗号化方法を知ることで、セキュリティ対策のために取るべき行動を理解できます。安全なクラウドを活用した暗号化にも目を向け、大切な情報資産をスマートに保護しましょう。

そこでこの記事では、ファイル暗号化の仕組み・必要性・方法や、業務効率化と両立できるツールについてご紹介します。

ファイルの暗号化とは


ビジネスで利用する情報は、社内のみで利用するものでも暗号化する必要があります。ファイルを暗号化することによって、正規の権限のない第三者がデータを読み取ることを防ぎます。

さまざまな暗号方式の中で、現在主流かつ最も強力とされているものはAESです。まずは基礎知識として暗号化の仕組みと重要性、AESの概要を見ていきましょう。

暗号化とは

暗号化とは、元データ(平文)を第三者が読んでも解読できないように、一定の計算手順(暗号方式)に基づいて意味が分からない文字列に変換することを指します。

暗号化したデータを元の形に戻すことを「復号」と呼び、どちらの処理にも「暗号鍵」と呼ばれる秘密の符号が必要です。つまり、暗号化されたファイルは暗号鍵を持つユーザーしか復号できません。同じ暗号方式でファイルを暗号化しても、異なる暗号鍵を用いて計算することで、異なる暗号文を得られます。

ファイル暗号化の仕組みと必要性

暗号化していないファイルは、アクセスさえできれば誰でも中身を確認できてしまう状態です。ファイルはネットワーク間でやり取りをする機会も多く、暗号化していない状態だと情報が筒抜けになってしまい、セキュリティ上問題があります。

暗号化・復号はパソコンなどのマシンパワーを用いて行われますが、悪意ある第三者が不正に復号しようとした場合も同様です。

そこで暗号化は鍵長(暗号鍵のビット数)を長くし、暗号鍵を推定できないよう複雑な計算方法でファイルを無意味化するなどします。これにより演算能力の理論的限界を超えることで暗号鍵を逆算できなくし、元データを現実的に解読不可能にする仕組みです。

暗号方式はAESが主流

暗号方式にはさまざまなものがありますが、現在主流かつ最も安全とされているのはAESです。AESの鍵長は128ビット・192ビット・256ビットの3種類があり、特にAES256ビットで暗号化されたファイルは、現在最も高速なコンピュータでも解読するのは事実上不可能とされています。

AESはWi-FiセキュリティやインターネットのSSL/TLS通信、圧縮ファイルなど、さまざまな場面で採用される暗号方式です。

ファイル暗号化のメリット


ファイルの暗号化は主に以下3つのパターンのリスク軽減に活用されます。

・ファイル持ち出し
・マルウェア感染
・ファイル共有時

ここからは、暗号化の必要性をよりクリアにイメージしていきましょう。

ファイル持ち出しのリスク軽減

ファイルを保存したUSBメモリなどを紛失してしまったり、盗難に遭ったりするケースは珍しくありません。またWebサイトなどで誤って機密ファイルを公開し、閲覧可能な状態にしてしまう恐れもあります。

こういった事態でも情報漏えいを起こさないために、ファイル暗号化は重要です。ファイルが流出してしまっても、第三者は暗号鍵を持っていなければ復号できません。つまり強力な暗号方式で暗号化しておけば、ファイルの持ち出しや紛失などがあっても、中身をのぞかれることを防げます。

マルウェア感染のリスク軽減

ウイルスやランサムウェアなどの悪意あるプログラムを総称してマルウェアと呼びます。マルウェアの主な被害は、ファイルの改変や不正コピー、外部への不正送信などです。ファイルを暗号化しておけばこのような被害を抑えられます。

近年猛威をふるうランサムウェアはファイルを暗号化しますが、先に暗号化しておけば不正な暗号化を防ぎ、復号できない状況を回避できるのもメリットです。

ファイル共有時のリスク軽減

多くの企業は有線または無線のネットワークを経由してファイルを共有します。Wi-Fiやインターネットを経由しファイルを共有することは多く、またメールの添付ファイルを利用する企業も珍しくありません。

しかしネットワーク盗聴による情報窃取の脅威は常にあり、メールを誤送信してしまう場合もあります。こういったケースでもファイルを暗号化しておけば、第三者に内容を盗み見られることを防止できるのもメリットです。

ファイルを暗号化する方法


ファイルを暗号化する主な方法は以下4種類です。

・圧縮ファイル
・Windows EFS
・暗号化ツール
・クラウドストレージ

クラウドストレージなら安全なクラウド上にファイルを退避させ、LANから切り離した場所でファイルを保存・管理できるため、特におすすめの方法です。

圧縮ファイルの暗号化

Zip形式などの圧縮ファイルは元データを組み替えてファイル容量を小さくします。通常は暗号化を伴いませんが、設定次第ではAESなどによる暗号化も可能です。AES256ビット暗号化なら暗号化強度は十分ですが、パスワード付きZipファイルを作成する場合には注意を要します。

類推しやすいパスワードなら容易にセキュリティを突破されてしまい、セキュリティレベルは高くありません。また、メールの宛先間違いでパスワードが漏えいするケースもあります。

Windows EFSによる暗号化

EFSはWindowsのファイルシステムが提供する暗号化機能です。EFSでファイル・フォルダやドライブ全体を暗号化すれば、正当なアクセス権を持たない第三者は復号できません。EFSによるファイル暗号化の方法は以下の通りです。

1.暗号化したいファイルやフォルダを右クリックし[プロパティ]をクリック
2.[全般]タブの[詳細設定]をクリック
3.[内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する]にチェックを入れ、[OK]をクリック

暗号化ツールによる暗号化

暗号化ツールを用いて暗号化する方法もあります。無料で利用できるツールもありますが、基本的に信頼性が高いのは有料ツールです。ファイル保存時の自動暗号化や、閲覧・編集履歴の監視など、ツールによってさまざまな機能があります。

ただし1ライセンス当たり月額数万円、買い切りで数十万円など高価なものが多く、費用負担が大きいのは難点です。

おすすめ!クラウドストレージによる暗号化

クラウドストレージでファイルを暗号化した上で保存・管理・共有するのは、非常に効率的な方法です。圧縮ファイルはセキュリティリスクが大きく、EFSはWindows PC上のファイルにしか適用できません。暗号化ツールは暗号化・復号するだけで料金がかかるのはデメリットです。

高セキュアなクラウドストレージは、ファイルを保存したり送受信したりする際に自動的に暗号化します。ファイルの共有にメールを使う必要もなくなり、ファイル管理を一本化できるため、コスト・業務効率化の面でも優秀と言えます。

ファイル暗号化と業務効率化の両立はイッツコム!


イッツコムが提供する容量無制限のクラウドストレージ「Box」は、通信・保存の両方でファイルを強力に暗号化します。またクラウド型名刺管理・営業支援ツール「ホットプロファイル」は営業支援と個人情報漏えい防止を両立できるツールです。これらのツールを組み合わせれば、ファイルの暗号化・保護と業務効率化を両立させられます。

ランサムウェア感染拡大も防ぐクラウドストレージ「Box」

隙のないセキュリティ体制を構築する上で、暗号化はファイルの保存時にも通信時にも必要です。世界最高峰のセキュリティレベルを誇るクラウドストレージ「Box」なら、考え得るあらゆる手法でファイルを強力に保護します。

容量無制限かつ1,500以上のアプリのファイルマネージャーとして利用できるため、安全なクラウド上で全ての業務ファイルの一括保護が可能です。

通信時には高強度のTLS 1.2暗号化、保存時にはAES256暗号化でファイルの改変や流出を保護し、Box上でランサムウェアが感染拡大する恐れもありません。

「Box Drive」を利用するとデスクトップから直接Box上のファイルを編集できます。パソコン内でランサムウェアに感染すると不正に暗号化されたファイルが同期される場合もありますが、Boxは50世代以上のバージョンを自動保存するため、簡単な操作で感染前の状態に戻せるのも安心できるポイントです。

営業支援と個人情報漏えい防止には「ホットプロファイル」

営業部門でデータ活用が進むと、営業担当者はパソコンやスマホで顧客情報を扱います。ここで注意したいのは、移動中のフリーWi-Fi利用やデバイスの紛失・盗難などによる、個人情報漏えいリスクです。

国際的に信頼性の高いAWSのプラットフォーム上で提供されるクラウド型名刺管理・営業支援ツール「ホットプロファイル」なら、個人情報や営業履歴を保護しつつ、営業組織をスマートに強化できます。スマホで名刺をスキャンするだけで安全なクラウド上に顧客データベースを作成でき、顧客関連情報の取得や営業履歴との紐づけを自動化、名刺やGPSと連携した営業報告も可能です。

システム間の通信はSSL/TLSで暗号化され、デバイスの紛失や盗難があってもリモートでロックまたはデータ削除でき、第三者による顧客情報閲覧を防止します。

まとめ


ランサムウェアなどのマルウェア感染の被害が増えて続けている昨今、ファイルの暗号化はセキュリティ対策として必須です。オンプレミス環境での暗号化には困難が付きまとうため、クラウド上でのファイル管理と暗号化を活用しましょう。

イッツコムなら「Box」と「ホットプロファイル」により、あらゆるファイル・データを保護しつつ、業務効率化と両立できます。情報資産の確実な保護をお求めなら、暗号化だけでなくビジネス加速もサポートできるイッツコムにご相談ください。