インバウンド対策に必須!多言語対応の事例から学ぶ課題解決のヒント
訪日外国人観光客の回復とともに、店舗や宿泊施設では「多言語対応」の重要性が一段と増しています。英語だけでは対応しきれない場面が増え、現場ではスタッフの言語負担や接客トラブルが課題となっているのではないでしょうか。
そこで本記事では、実際に多言語対応に取り組んだ企業や自治体の事例を紹介しながら、現場が抱える課題とその乗り越え方を整理します。多様化するニーズに応えるためのヒントを、現場目線で解説します。
多言語対応が求められる理由とは?
訪日外国人の数はコロナ禍を経て急速に回復し、観光地だけでなく都市部の飲食店、ドラッグストア、公共交通機関など、あらゆる現場で「多言語対応」が当たり前に求められるようになりました。
観光庁の調査によれば、日本滞在中に困ったことの上位には、「店員とのコミュニケーションが取れない」「多言語表示が少ない」といった言語に関する悩みが常に含まれています。
(参考:「訪日外国人旅行者の受入環境整備における国内の多言語対応に関するアンケート」結果)
こうした背景から、単に「英語ができる人材を雇う」だけでは対応しきれない現実があり、現場では以下のような問題が発生しています。
- スタッフが外国語対応に不安を感じている
- 情報を正確に伝えられず、クレームや不信感に繋がる
- 対応の質にばらつきがあり、業務効率も低下
言葉の壁は、外国人客にとっての「不便さ」であると同時に、事業者側にとっては「ビジネス機会の損失」に直結します。そのため、多言語対応は「余裕があればやること」ではなく、集客力・接客品質を維持するための基本インフラになりつつあります。
多言語対応で現場が抱えるよくある課題
多言語対応の重要性は理解していても、実際の現場では「どこから、どう始めればいいのか」が分からないまま、対応が後回しになっているケースも少なくありません。以下は、店舗・ホテル・医療機関など、さまざまな現場で共通して見られる課題です。
・人手不足と人件費の壁
外国語対応ができるスタッフを確保するには採用・教育コストがかかり、特に中小規模の施設では現実的でないケースも。
・翻訳アプリの限界
無料のスマホアプリでは、騒音下で音声を認識しにくい、操作が煩雑、誤訳が生じる、といった課題があり、実用性に欠ける場面がある。
・言語対応のばらつきによる接客品質の不安定化
担当者によって対応の可否や説明力に差が出ると、外国人客の満足度にもムラが生じる。これがリピートや口コミに影響することも。
現場では「外国語対応ができる人がいたらいいのに」と思いながらも、属人化した対策では限界があることが多く、再現性のある仕組みとしての多言語対応が求められています。
多言語対応の課題を解決した7つの事例
訪日外国人観光客が多様化し、対応言語や状況も複雑になる中で、店舗・交通・医療などの各現場では、翻訳ツールの活用が成果を上げています。ここでは、実際に多言語対応を導入し、業務効率や顧客満足度の向上につながった7つの具体的な事例を紹介します。
1.駅構内案内がスムーズになり、外国人顧客の満足度が向上
京阪電鉄では、訪日外国人の増加に対応するため、駅員による多言語案内の強化を目的に、2024年2月よりポケトークの導入を開始しました。外国人のお客様が多い地域を中心に、大半の駅へ36台を配備し、外国語対応の即時性と正確性を大きく向上させています。
英語や中国語などに自信がない駅員でも、端末を使ってスムーズに対応できるようになり、以前は単語やジェスチャーに頼っていた場面でも自信を持って接客できるようになったとの声が寄せられています。案内ミスや聞き返しが減少し、乗客の満足度が向上しただけでなく、駅員自身の業務負担やストレスの軽減にもつながっています。
2.飲食店でスタッフの負担が軽減され、接客品質が安定
東京都内の虎ノ門ヒルズにある「虎ノ門横丁」では、外国人観光客の増加に伴い、複数の飲食店舗でポケトークの導入検証が行われました。外国語対応に不安を感じていたスタッフも、機器を使って自分の力で会話ができるようになったことで、接客に対する心理的なハードルが下がり、より自然な対応ができるようになっています。
複数の店舗では、外国人客とのやり取りがスムーズになり、コミュニケーションの正確さが増したことで、スタッフの業務効率が上がったという声が聞かれています。結果として、接客品質のばらつきが減り、施設全体のサービス水準が底上げされる効果があったとされています。
【関連記事:飲食店のメニュー翻訳アプリ・サービス8選!翻訳のポイントも解説】
3.観光案内所で多言語対応力が高まり受入環境が前進
三重県志摩市の「志摩市観光案内所」では、外国人観光案内所としての機能向上を目指し、カテゴリー3認定に向けた環境整備を行う中で、多言語AI翻訳機「ポケトーク」を導入しました。常駐する外国語対応スタッフによる案内に加え、英語以外の言語にも対応できる手段として活用されています。
案内所内ではこのほかにも、 Wi-FiやPCの整備、多言語パンフレットの充実、インバウンド向けSNS発信など、多言語での情報提供体制の強化が進められており、コロナ禍においても訪日旅行者の受け入れ環境整備に積極的に取り組んできた事例です。
4.医療現場で希少言語に対応し、安心感が向上
成田赤十字病院では、さまざまな国籍の患者と接する中で、医療現場における言語トラブルを防ぐため、ポケトークを導入しました。特に英語以外の言語、たとえばベトナム語やタイ語などの希少言語にも対応できることから、患者とスタッフ双方にとって安心感が生まれています。
導入後は、症状の聞き取りや説明が正確に行えるようになり、患者の満足度とスタッフの業務効率がともに向上したと評価されています。
5.薬局で服薬指導・免税手続きが円滑に行えるようになった
スギ薬局では、外国人顧客への服薬指導や免税対応など、接客時の言語対応に課題を抱えていました。ポケトークを導入したことで、スタッフが外国語に不安を感じることなく、正確な情報を伝えられるようになっています。
説明ミスや聞き返しが減ったことで接客時間が短縮され、店舗の業務効率も改善しました。現在は、インバウンド需要の多い店舗を中心に展開が進んでいます。
6.騒音環境でも翻訳が使え、外国人とのやり取りが円滑に
バンダイナムコアミューズメントでは、ゲームセンターなどの騒がしい環境でも正確に音声認識できる点を評価し、ポケトークを導入しました。ゲーム音が鳴り響く中でも翻訳精度が高く、スタッフと外国人観光客の間で円滑なコミュニケーションが可能となっています。
導入以降、言葉の壁による接客ストレスが軽減され、現場の対応力と顧客満足度の両方が向上しています。
7.外国人スタッフとの意思疎通が改善し、業務効率が上がった
食品メーカーの玉三屋食品では、外国人技能実習生とのコミュニケーションに課題がありました。製造現場では迅速かつ正確な指示伝達が求められますが、言語の壁が障害となる場面も少なくありませんでした。ポケトークを導入してからは、作業指示や安全に関する説明も円滑に行えるようになり、職場内の連携が強化されています。
これにより業務効率の向上だけでなく、外国人スタッフの定着率向上にもつながっていると考えられます。
多言語対応なら「ポケトーク」を取り扱うイッツコムにお任せ!
多言語対応の現場で注目されているのが、事例でも紹介したAI翻訳機「ポケトーク」です。イッツコムでは、法人向けにポケトークSとデータ通信SIM(国内通信)をセットでレンタル提供しています。初期費用は不要で、月額1,900円(税抜)で利用できるため、宿泊施設や自治体、飲食店など幅広い業種で導入が進んでいます。
言葉の壁を一瞬で超える、実践的な翻訳精度と対応言語
ポケトークの対応言語数は、POCKETALK Sシリーズで85言語(うち74言語が音声とテキスト、11言語がテキストのみ)に対応しています(2025年3月現在)。
クラウドベースの翻訳エンジンにより、常に最新の精度が維持されている点も特徴です。カメラ翻訳機能も搭載しており、メニューや掲示物の翻訳にも幅広く活用できます。
誰でもすぐに使える安心感
ポケトークは、ボタンを押して話すだけのシンプルな操作設計で、ITスキルに関係なく、どなたでもすぐに使用できます。導入現場からは「外国語に不安があるスタッフでも安心して対応できるようになった」「翻訳を他人に頼らずに自分で完結できることで業務の効率が上がった」といった声が挙がっていました。こうした変化は、接客品質の安定化や顧客満足度の向上にもつながっています。
まとめ
多言語対応では、外国語が得意な人材をそろえることも大切ですが、誰もがすぐに対応できる体制を整えることも同様に重要です。今回紹介した事例では、観光案内所、飲食店、交通機関、医療施設など、それぞれの現場で翻訳機やAIツールを活用し、業務の効率化や顧客対応の質の向上を実現してきました。
今後、訪日外国人の増加を見据えるうえでも、多言語対応を「仕組み」として取り入れることが、持続可能なインバウンド対策につながるといえるでしょう。
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