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タッチパネル式デジタルサイネージとは?活用事例や導入のコツを解説

タッチパネル式デジタルサイネージは、平常時のコンテンツ配信とユーザー操作による情報取得の両方に対応できるため、インタラクティブな情報配信システムとして多彩なシーンで活用されます。

タッチパネル式デジタルサイネージについて、理解を深めたい方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、タッチパネル式デジタルサイネージの活用シーンやメリット、導入のポイントについて紹介します。

タッチパネル式デジタルサイネージとは?

タッチパネル式デジタルサイネージとは、ディスプレイに広告などの情報を表示するだけでなく、ユーザーがタッチ操作することで必要な情報にアクセスできるものです。

スマホなどのタッチ操作に慣れている方は、「大きなタブレット端末」のような感覚で違和感なく利用できるでしょう。活用シーンは広く、商業施設・観光施設や交通機関の案内板などでよく見られます。

タッチパネル式デジタルサイネージは、以下のハードウェア・ソフトウェアを組み合わせています。

・タッチパネル式ディスプレイ
・コンテンツ配信用のSTB(セットトップボックス)
・タッチパネル対応コンテンツ作成ソフト

タッチパネル式デジタルサイネージの活用シーン

タッチパネル式デジタルサイネージの大きな特徴は、施設側がスケジュール設定をして提供する「プッシュ型」の情報配信と、ユーザーが自発的に情報を取得する「プル型」の情報配信の両方に対応できることです。

インタラクティブな情報配信ができる性質を利用して、施設案内・商品検索・セルフオーダーシステム・観光案内など多彩なシーンで活用されており、インバウンド対策にも役立ちます。

【関連記事:デジタルサイネージ導入事例や施設別のコンテンツ例を一挙解説!

施設案内

タッチパネル式デジタルサイネージは、ショッピングモール・アミューズメントパーク・展示会場など、大型施設の施設案内に活用されています。

どのフロアのどの位置にどのような店舗があるかといった基本的な施設マップ情報に加え、混雑状況・イベント情報・セール情報なども併せて検索できる、総合案内を自動化する端末としての運用が可能です。

英語・韓国語・中国語など外国語のメニューにワンタッチで切り替えられるようにすると、インバウンド対策にも役立ちます。

商品検索

タッチパネル式デジタルサイネージは商品検索用の端末としても活用されています。例えばドラッグストアの商品陳列棚に設置される、小型のタッチパネル端末です。

ドラッグストアでは同カテゴリの商品が多数陳列されているケースもよくありますが、機能・効能などから商品名を検索できるようにすることで、来客は目的に合う商品を購入しやすくなります。関連商品のセット販売も併せて提案するなど、複合的な情報提供も可能です。

セルフオーダーシステム

タッチパネル式デジタルサイネージはセルフオーダーシステムとしても活用されます。例えば飲食店の注文・支払いカウンターに併設された、タッチパネル式のキオスク端末です。

POSレジ・現金自動約銭機と組み合わせて自動精算機とすることや、QRコードリーダー・NFCリーダーと組み合わせキャッシュレス決済に対応することもできます。コンテンツを多言語表示にして、訪日外国人の対応を自動化することも可能です。

観光案内

タッチパネル式デジタルサイネージは観光案内にも活用されます。例えば、空港や駅の構内・周辺に設置される、旅行者向け情報端末です。

訪日外国人客が表示言語を選んで観光情報を検索できる他、出入国審査時の注意事項やイベント情報など、状況に合わせたタイムリーな情報配信もできます。QRコードをスマホで読み込んで詳細情報を表示するなど、多彩な情報を提供することが可能です。

タッチパネル式デジタルサイネージを導入するメリット

タッチパネル式デジタルサイネージを導入する主なメリットとして「人手不足の解消につながる」「宣伝や告知を効果的に行える」「顧客情報の収集と分析に活用できる」という3点を挙げられます。

ここではそれぞれのメリットについて詳しく紹介します。タッチパネル式デジタルサイネージを導入するかどうかを判断する際の参考にしてください。

人手不足の解消につながる

タッチパネル式デジタルサイネージの特徴の1つとして「ユーザー自身がタッチ操作をして、欲しい情報を自ら選択できる」ということが挙げられます。周辺案内や売り場案内として導入すれば、スタッフの代わりとして活用できるでしょう。

また、情報の表示や検索はすべてユーザーが行います。スタッフによる聞き間違いや接客態度の不備といったトラブルも防げるでしょう。適切な情報がすぐに表示されるので、ユーザーを待たせずに済みます。

スタッフの代わりとして活用することで、人手不足の解消につなげられるというメリットもあります。代用できるところをデジタルサイネージに任せ、スタッフは他の仕事をすることで顧客満足度の向上も期待できるでしょう。

商品の宣伝や告知を効果的に行える

同じ商品やサービスを求めている顧客でも、本当に欲しいと思っている情報はひとりひとり違うということも少なくありません。

タッチパネル式デジタルサイネージでは双方向のコミュニケーションがとれるので、商品の効果的な宣伝や告知が期待できます。顧客に納得してもらった上で商品を選んでもらえるため、「自分で商品を選びたい」という方には特に満足度の高い買い物をしてもらえるでしょう。

また顧客自身が「情報を得たい」と思ったタイミングで効率よく情報を得られるというメリットもあります。商品を選んでいるときに店員から声をかけられることにストレスを感じてしまうという方にもストレスなく利用してもらえるでしょう。

顧客情報の収集と分析に活用できる

タッチパネル式デジタルサイネージは、接客や情報提供を自動化できるだけでなく、顧客情報を収集するツールとしても活用できます。例えばユーザーのタッチ操作から操作情報や検索情報を収集でき、さらにAIカメラや赤外線センサーを併用して来客の属性・表情や混雑状況なども把握可能です。

これらの情報を総合的に分析することで、どのような来客層にどのようなコンテンツが求められているかを詳細に把握でき、ユーザビリティや顧客満足度の向上につなげられます。

一般的なデジタルサイネージでも各種センサーを活用できますが、「顧客がどのような情報を引き出そうとしているか」まで把握できるのは、インタラクティブな情報提供ができるタッチパネル式デジタルサイネージならではの強みです。

タッチパネル式デジタルサイネージの導入事例

タッチパネル式デジタルサイネージは、その特徴を生かしてさまざまな施設の課題を解決できる情報配信システムです。ここからは実際にタッチパネル式デジタルサイネージを導入した事例を3つ紹介します。これらの事例を参考に、タッチパネル式デジタルサイネージを導入した場合の利用イメージを膨らませてみましょう。

不動産会社での物件検索システム

不動産会社は多くの物件を取り扱っています。店内で物件を探している方の希望や条件を聞き、数ある物件情報の中から適切なものを提案するのが一般的な接客の流れです。

しかし、店舗の外にタッチパネル式デジタルサイネージを設置すれば、顧客は店舗の中に入ることなく自分で条件に合った物件情報を検索できます。スタッフが提案した物件とは異なる物件も見つかるかもしれません。

また不動産会社側には、物件情報を記載した紙を貼り出すよりも、多くの情報を限られたスペースで発信できるというメリットがあります。「膨大な選択肢の中から希望者に適した物件を絞り込む」という作業を簡略化できるのもうれしいポイントでしょう。

ショッピングモールのインフォメーションボード

多くの店舗が入っているショッピングモールでは、来客が目的の店舗までうまくたどり着けないことも少なくありません。タッチパネル式デジタルサイネージをショッピングモールのインフォメーションボードとして導入することで、地図の確認やお店の検索がしやすくなります。来客にスムーズなショッピングを楽しんでもらえるでしょう。

また、緊急時や災害時など、万が一の際には避難誘導用の情報に切り替えられます。来客に適切な案内ができるとともに災害担当者の負担を減らせるため、被害を最小限に食い止められるでしょう。

展望デッキのナビゲーションシステム

高層ビルや電波塔などの展望デッキにもタッチパネル式デジタルサイネージは有効といえます。展望デッキから見えている景色と同じものをデジタルサイネージに映し出し、タッチをしてもらうことで景色の説明を楽しめるといったアイデアも実現可能です。

また、ズーム機能を持たせることで望遠鏡をのぞいているかのような景色も映し出せます。ユーザーにさまざまな楽しみ方をしてもらえることも、タッチパネル式デジタルサイネージを導入する大きな魅力といえるのではないでしょうか。

タッチパネル式デジタルサイネージを導入する際の注意点

タッチパネル式デジタルサイネージを導入するなら、長期運用を前提とした機種選びが重要です。故障リスクを抑えるために、設置環境に応じた耐久性があることは必須といえます。衛生面の懸念があればホバータッチ式、導入コストが問題になるなら後付け方式の機材も視野に入れましょう。

環境に応じた防塵・防水性能や耐熱性能が求められる

タッチパネル式デジタルサイネージは精密機器であるため、設置場所にかかわらず、防塵・防水性能は重要です。特に屋外に設置する場合は風雨にさらされても故障しない、「IP56」や「IP66」の防塵・防水性能が求められます。

直射日光にさらされる環境だと温度上昇によるブラックアウト(画面の一部が黒くなってしまう現象)を起こす場合があり、逆に冬場の冷気により機能が停止しかねないことも注意点です。このため設置環境によっては、ファンやヒーターを内蔵していることが求められます。

【関連記事:屋外用デジタルサイネージの種類・メリット・活用事例や選び方を解説

皮脂汚れなど衛生面の課題もある

タッチパネル式デジタルサイネージはユーザーが画面に直接触れるため、皮脂で汚れるなどして検知精度が低下することもあります。衛生面の課題により、導入しにくい場合もあるでしょう。

こういった場合は、指を近付けるだけでタッチ操作ができる、ホバータッチ式のディスプレイが効果を発揮します。ホバータッチ対応なら非接触のセルフオーダー端末として利用できる他、高いレベルで衛生管理が必要な医療機関などでも便利に活用できるでしょう。

導入コストが高い懸念も

タッチパネル式デジタルサイネージは一般的な製品より高価で、屋外対応の高性能機種だと1台100万円を超える場合もあります。コストの問題で導入を考えにくい場合もあるでしょう。

すでに何らかのディスプレイを導入済みの場合、後付けでタッチパネルの機能を付与できる製品も候補に入ります。既存ディスプレイにパネルタイプやバータイプのタッチセンサーを装着することで、タッチパネル式デジタルサイネージとして活用することが可能です。

【関連記事:デジタルサイネージの価格相場はいくら?導入や運用にかかる費用

タッチパネル式デジタルサイネージを設置する際のポイント

タッチパネル式デジタルサイネージを導入することにはさまざまなメリットがあります。しかし、ただ設置しただけでは思ったような効果が得られないことがあるので注意が必要です。

ここでは、タッチパネル式デジタルサイネージを設置する際のポイントについて紹介します。導入後に行う必要があることについても説明します。

設置場所が適切か

タッチパネル式デジタルサイネージを導入しても、ユーザーに操作されなければ意味がありません。実際に導入する際には、ユーザーにきちんと活用してもらえる設置場所を選ぶ必要があります。

既存の案内板や広告は壁側に設置されることが多いでしょう。しかし、タッチによる操作が可能なデジタルサイネージは通路の中央に設置しておくことで視認性が上がり、活用してもらえる機会が増えます。タッチパネル式デジタルサイネージを導入の際には「通路の中央に設置すること」を意識してみるのもよいでしょう。

操作性が良いか

「はじめてでも誰もが問題なく操作できる」といった点もタッチパネル式デジタルサイネージを設置する際のポイントの1つです。多くの方にとって使いやすい操作性の良いものを選びましょう。

例えば画面に傾斜があるものは、子どもや車いすを利用している方でも操作しやすいというメリットがあります。それぞれ使いやすい目線の高さのものを選べば、多くの方に活用されるでしょう。

何のために設置するのか

タッチパネル式デジタルサイネージを導入する際には「どのようなサービスを提供するのか」「どのような問題を解決したいか」という目的を明確にしておくことも大切です。目的もなくただ設置しただけでは、タッチパネル式デジタルサイネージのメリットを生かしきれないかもしれません。

ショッピングモールや映画館など、デジタルサイネージに表示させる情報は業態によってさまざまです。業態に合った適切な使い方ができるように導入しましょう。

保守や管理の体制が整っているか

タッチパネル式デジタルサイネージを利用する場合、導入を決めた段階で保守体制や管理体制の整備について考えておくことも重要です。実際に導入してもメンテナンスが行き届かず突然使えなくなってしまうと、かえってユーザーに迷惑をかけてしまうかもしれません。

特に注意しておきたいのがディスプレイの清掃です。汚れている画面は見えづらいため操作しにくく、ホコリが溜まっていれば操作自体をためらってしまいます。こまめに掃除をしながら運用しましょう。

タッチパネル式デジタルサイネージの導入・運用ならイッツコム!

タッチパネル式デジタルサイネージは、プル型のタッチコンテンツとプッシュ型の広告・販促コンテンツの両方を配信できます。一般的なデジタルサイネージより便利に活用できますが、運用に当たってはコンテンツの更新体制が課題です。

イッツコムならクラウド型のデジタルサイネージ運用をきめ細やかにサポートできます。複数店舗のコンテンツ配信もWebブラウザから一括で更新・管理でき、少人数の運営でコスト削減が可能です。

東急グループの駅・商業施設・電車内などで豊富な実績・経験を持つスタッフが導入をサポートするため、未経験の担当者でも安心して利用開始できます。

【関連記事:クラウド型デジタルサイネージとは?配信方式別メリットや導入の流れ

まとめ

タッチパネル式デジタルサイネージはインタラクティブな情報配信ができ、施設案内・商品検索・セルフオーダーシステムなど多彩な用途に活用されます。導入に当たっては、最適な機種選びと効率的なコンテンツ配信体制の整備が重要となるため、専門の事業者をパートナーとしてクラウド型デジタルサイネージを運用するのがおすすめです。

イッツコムなら豊富な導入・運用実績に基づき、ニーズに合った柔軟な提案ができます。タッチパネル式デジタルサイネージの効果的な活用をお求めなら、導入から運用までワンストップサポートができるイッツコムにご相談ください。