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ファイルサーバーやNASと比較検証!boxでファイル共有すべき7つの理由

社内LAN内のファイル共有システムは、自社構築のファイルサーバーやNASを利用するのが一般的ですが、テレワーク環境ではクラウドストレージを利用するのが効率的です。クラウドストレージの中でもboxは特に高セキュアで、国内外の多くの企業に採用されています。

ファイル共有システムの最適化を検討しており、自社構築のファイル共有システムとboxの違いを詳細に把握したい方もいるのではないでしょうか。ファイルサーバー・NASとboxを比較検証し、boxがビジネスユースに向いている理由を知ることで、boxの利用方法を具体的に検討できます。

また、有償版のboxでしか利用できない機能も把握し、適切な運用方法を検討しましょう。そこでこの記事では、ファイルサーバー・NASと比較してboxの魅力をご紹介します。

ファイル共有とboxの基礎知識

ファイル共有を実現する古典的な方法は、自社構築のサーバーをファイル共有用に運用する方法です。boxのようなクラウドストレージを利用する以外にもさまざまな方法があります。ファイルサーバーやNASとboxを比較検証する前に、まずはファイル共有とは何か、boxとは何かという基礎知識をおさらいしましょう。

ファイル共有とは?

複数のコンピュータやユーザー間で、ストレージに保存されたファイルやフォルダ(ディレクトリ)を共有することをファイル共有と呼びます。社内LAN内における自社構築のサーバー環境を利用したファイル共有の他、クラウド上のストレージを利用したインターネット経由でのファイル共有も可能です。

ICT(情報通信技術)を活用してチーム体制で業務を進めるスタイルが一般化した現代、多くの企業がファイル共有システムを採用して業務効率化・生産性向上を図っています。特にテレワーク環境ではオフィス機能が分散化されるので、離れた拠点間でのコラボレーションを促進するファイル共有は必須です。

ファイル共有に当たってはファイル・フォルダ単位でアクセス権限を設定したり、ストレージへのアクセスに認証を求めたりして、不正アクセスや情報漏えいのリスクを低減します。

boxとは?

boxは世界で最も有名かつ高セキュアなクラウドストレージサービスのひとつです。boxの利用企業は全世界で9万5,000社以上に及び、フォーチュン誌が選ぶ総収益ベースの世界ランキング「Fortune 500」に選出された企業のうち、約70%で利用されています。

日本でも4,800以上の企業に利用されており、日経平均株価の対象である225ある企業のうち約45%で採用されるほどです。Boxはグローバルスタンダードであるだけでなく、国内の主要な企業からも厚い信頼を寄せられています。

以前のビジネスファイル共有の主流はメール添付やファイルサーバーでしたが、ICTが進歩・浸透した現代ではビジネスユーザーのニーズを満たせないケースも珍しくありません。そこでboxに人気が集まっています。boxはシンプルで使いやすい上、安全にファイル共有できるのが大きな特徴です。

3つのファイル共有方法とそれぞれのメリット・デメリット

ファイル共有を実現する方法は複数ありますが、ビジネスレベルのファイル共有システムの選択肢はファイルサーバー・NAS・クラウドストレージサービスの3種類です。それぞれのファイル共有システムについてメリット・デメリットを解説します。

ファイルサーバー

ファイルサーバーはネットワーク上でファイル共有するためのサーバーで、大容量ストレージに保存されたファイル・フォルダを共有します。

Windows ServerなどOSのファイル共有機能を用いて、主に社内LAN内でのファイル共有システムとして活用するのが一般的です。ファイルサーバーは企業内でファイル共有をする最も基礎的な方法で、多くの企業がITインフラとして採用しています。

ファイルサーバーを利用する利点はファイルやフォルダのアクセス権限を詳細に設定できることです。ストレージ容量が足りなくなれば簡単にHDDを増設できる上、社内情報のバックアップ用にも活用できます。

ただし、運用に当たっては管理者の人件費がかかり、データセンター・サーバールームの整備にかかるコストや電気代も発生するのはデメリットです。サーバーが専有するスペースも広いので、オフィスのサイズによっては自社運用が難しいケースもあります。

また、ソフトウェアの設定・管理・アップデートに手間がかかることも懸念点です。企業規模が大きくなると支社・支店ごとにファイルサーバーを設置することもあり、管理工数は肥大化します。

NAS

「NAS(Network-Attached Storage)」はLANケーブルでネットワークに直接接続し、さまざまな機器からネットワークを通じてファイルの保存先として利用できるストレージです。

NASは一般的なサーバーと異なりファイルサーバー専用機なので、ファイルシステムやネットワーク機能がデフォルトで搭載されています。ファイル共有のために必要な設定は設置時点で済んでいるので、導入や管理の手間が省けるのはメリットです。ファイルサーバーに比べて人件費も抑えられます。

さらに、機能特化型なのでハードウェアのサイズが比較的小さく、ファイルサーバーほど広い設置スペースを必要としません。省電力かつ静音であることもメリットです。

ただし、ストレージ容量の不足によりHDDの増設をする際には、汎用コンピュータベースのファイルサーバーより手間がかかります。HDD増設ができないタイプのNASもあり、拡張性の面でファイルサーバーに劣るのはデメリットです。

また、ファイルサーバーほど詳細なアクセス権限の設定ができません。共有ファイルは直接編集できず、一旦ダウンロードしてから編集し、新バージョンをアップロードし直すことが必要です。「ファイルをいつでも取り出せる状態で保存する」という目的には合致しますが、ファイル共有の安全性や効率性はファイルサーバーに劣ります。

クラウドストレージサービス

クラウドストレージサービスはインターネット経由で利用できるストレージ容量を貸し出すサービスです。ファイルサーバーやNASとは異なり、自社内にファイル共有用のストレージを設置しません。ストレージはサービス事業者が運用しており、ユーザーはオンラインでファイル共有をします。

クラウドストレージの大きなメリットは低コストであることです。物理的なストレージを用意する初期費用がかからない上、定額料金・月額料金は安価で、サーバー運用に依存する電気代もかかりません。ストレージの管理はサービス事業者が実施するので、手間がかからない上、ハードウェア管理者の人件費がかからないこともメリットです。

さらに、インターネット環境さえあれば場所・デバイスを問わず利用できます。管理いらずの上、いつでもどこからでもアクセスできるのは、ファイルサーバーやNASにはない利点です。さらに、サービス内容を変更するだけでストレージ容量の増減ができるので、事業規模に合わせて無駄なくコスト投下できます。

ファイルサーバーやNASは基本的に社内LAN内でのファイル共有を前提としますが、クラウドストレージはインターネット経由のファイル共有が前提です。LANや物理的なストレージに依存しないので、USBメモリでファイルを持ち出す手間もかかりません。

ファイルサーバーやNASは物理的な障害によってデータ損失が起こり得ますが、クラウドストレージはサービス事業者側でデータ保護の仕組みを構築しているためバックアップも不要です。共有ファイルは複数人で同時編集もできます。

オフラインで利用できるサービスもありますが、利用の際はクラウドストレージにアクセスすることが前提なので、基本的にはインターネット環境が必須です。インターネット環境さえ整備できれば、ファイルサーバーやNASより効率的なファイル共有ができます。

boxでファイル共有する7つのメリット

クラウドストレージサービスの中で、ファイルサーバーやNASのクラウド化に最も有効な選択肢はboxです。boxの有償版は非常に多機能・高機能で、単なるファイル共有システムに留まらない魅力があります。boxでファイル共有するメリットは主に以下の7つです。

有償版は容量無制限

ファイルサーバーやNASで問題になることのひとつは、ファイル共有を活用するほどストレージ容量が圧迫されることです。容量不足になればストレージの増設が求められ、共有するファイルが大容量になるほど高コストになります。

ここがboxと大きく違う点のひとつで、boxの有償版は容量無制限です。料金は定額制なので、大容量のファイルを大量に共有してもコストは変わりません。さらに、1ファイル当たり最大5GBまで利用可能です。動画ファイルや圧縮ファイルなど、大容量ファイルを頻繁にやりとりするならboxは最適な選択肢といえます。

政府・行政機関に採用されるほど高セキュア

社内情報は企業にとって情報資産です。情報漏えいが起これば事業継続性に深刻なダメージを被るケースもあります。ファイル共有においてはセキュリティレベルが最大の懸念点のひとつですが、boxは政府・行政機関に採用されるほど高セキュアです。

boxで保存される全てのデータは地理的に分散した場所で管理され、AES 256ビット暗号化によって保護されます。さらに、二要素認証や電子透かしを利用したログイン制御とデータ保護はbox標準です。企業内の管理者はログイン・ログオフやデータの送受信、編集履歴などを完全に可視化して監査できます。

不正アクセス・情報漏えい・なりすまし・データ紛失のリスクを極限まで抑えられる点は、boxが多くの組織から信頼される理由のひとつです。

7種類のアクセス権限が設定できる

NASではファイル・フォルダ単位の詳細なアクセス権限の設定ができません。ファイルサーバーはOSの機能をベースにアクセス権限を設定します。NASよりは詳細なアクセス権限を設定できますが、LAN内の利用を想定した機能なので、外部ネットワークからのアクセスに対して詳細な権限設定は不可能です。

boxはファイルのアップロードのみができる「アップローダ」から、ダウンロード・プレビュー・リンクの取得・ファイル編集・削除・所有まで全てができる「共同所有者」まで、7種類のアクセス権限を使い分けられます。

さらに、アクセス権限を設定できる管理者属性もユーザーごとに設定できるので、特定グループのみの管理者なども細かく設定可能です。情報漏えいの危険を未然に防げるだけでなく、管理の合理化・効率化が図れます。

はコラボレーションプラットフォーム

boxユーザーは外部ユーザーを「コラボレーター」として招待し、ファイルの閲覧や共同編集の権限を与えられます。ファイルサーバーやNASでは共同編集の仕組みを別途用意する必要がありますが、boxは単一のツールかつオンラインでコラボレーションが完結するのも大きなメリットです。

また、シングルサインオンサービスとの連携や、豊富なAPIを通じて外部のWebサイトや業務システムとの連携もできます。ファイル共有システムという意味以上に、コラボレーションプラットフォームとして利用できるのもboxの大きなメリットのひとつです。なお、シングルサインオン機能を利用するにはBusinessアカウント以上が求められます。

自社のファイアウォールを無視できる

社内LAN内で運用しているファイルサーバーやNASの問題点のひとつは、自社のファイアウォール内にあることです。テレワーカーや営業担当者が社内情報にアクセスしたいとき、接続する場所やデバイスによっては認証プロセスが弊害になるケースもあります。

社内LANのセキュリティ確保という意味でファイアウォールは必須ですが、社員のアクセスを拒絶してしまうケースもあるのは注意点です。また、社外のコラボレーターとファイル共有したいとき、社内LAN内にアクセスさせることのリスクにも注意を要します。

boxならインターネット経由のログインなので、接続する場所やデバイスに影響を受けません。さらに、アカウント情報やアクセス権限さえ設定しておけば、社外のコラボレーターとも安全かつスムーズにファイル共有ができます。「場合によってはメール添付やファイル転送サービスが必要」という状況が生まれないのは大きな利点です。

100種類以上のファイル形式に対応

boxではWordファイルやExcelファイルといったテキストベースのドキュメントをはじめ、プレゼンテーション・画像・オーディオ・ビデオ・3Dなど、100種類以上のファイル形式をオンラインでプレビューできます。

box上でファイルを閲覧できるので、閲覧するだけならデバイスにダウンロードする必要がありません。ファイル共有の効率化を図れるだけでなく、社内情報の漏えい防止にも役立ちます。

zip形式の圧縮ファイルであれば、box上でzipファイルをクリックするだけで圧縮ファイル内のフォルダ・ファイルが閲覧可能です。中身を確認するためにデバイスにダウンロードしたり解凍(展開)したりする必要はありません。

なお、ビデオプレビューはBusinessレベル以上のboxアカウントに限定され、3DプレビューはBusiness Plusレベル以上のboxアカウントに限定されています。無料版ではビデオや3Dのファイル共有に支障が生じるので、ビジネスユーザー向けの有償プランがおすすめです。

強化なバージョン管理機能

ファイルサーバーやNASではファイルのバージョン管理が問題になるケースも珍しくありません。ファイルを直接編集すると旧バージョンの情報が失われてしまうため、バージョン違いの差分ファイルが大量に共有される状況はよくあります。差分ファイルが増えるとあらゆる意味で非効率ですが、boxはこの悩みとは無縁です。

boxは強力なバージョン管理機能を備えており、アカウントレベルによって50世代~100世代までのバージョン履歴を自動的に保存します。ファイルを直接編集しても旧バージョンは保存されているので、差分ファイルを作成する必要はありません。必要に応じて簡単な操作で旧バージョンを復元できるため、検索効率・業務効率の向上が期待できます。

boxだけじゃない!ファイル共有を最大限に活用するならイッツコム

イッツコムは日本語サポート込みの有償版boxだけでなく、ICTを活用したさまざまなサービスを提供しています。ネットワーク時代のITインフラ強化に役立つサービスは、イッツコム光回線やモバイル閉域接続です。boxと組み合わせると効果的な2つのサービスをご紹介します。

イッツコムの法人向け光回線

社内からboxにアクセスしたり社外から社内ネットワークにアクセスしたりするとき、自社のネットワークリソースを消費しています。ネットワーク利用が活発になるなら通信回線のアップグレードも必要です。

イッツコムの法人向け光回線「イッツコム光接続サービス」はイッツコム独自の光ファイバー網を使用しており、下り最大2Gbpsの高速かつ安定した通信回線を提供します。

プロバイダ・光回線一体型のサービスなので、トラブル発生時にはひとつの窓口でスピーディーに対応できることもメリットです。また、電話サポート以外のオプションは選択式なので、不必要なサービスに料金を支払い続けることもありません。

モバイル閉域接続

boxは非常に高セキュアですが、インターネット経由で利用するため通信経路のセキュリティには懸念があります。また、テレワーカーが社内ネットワークにアクセスする際にはVPN接続が必須です。

これらの課題はイッツコムの「モバイル閉域接続」で解決できます。モバイル閉域接続はVPNの仕組みを利用した通信サービスで、PCやスマホに専用SIMを挿入するだけで、閉域網を経由して安全に社内ネットワークへアクセスできます。

boxに接続する際も社内LANを経由するので、トラフィック管理やセキュリティポリシーの標準化に役立つこともメリットです。

まとめ

ファイルサーバーやNASによるファイル共有は社内LAN内では便利ですが、多くのテレワーカーや社外のコラボレーターともファイル共有するなら、クラウドストレージサービスの採用が効果的かつ現実的です。容量無制限かつ高セキュアな有償版boxを採用して、コラボレーションプラットフォームとして活用しましょう。

イッツコムはモバイル閉域接続・boxによるセキュリティ対策やワークフロー管理の他、ZoomやホットプロファイルによるWeb会議や営業支援、光回線やWi-Fi接続によるインフラ整備まで幅広いサービスを提供しています。ビジネス環境のトータルなアップグレードをお求めなら、多彩なサービスを自由に組み合わせられるイッツコムにご相談ください。