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VPNは「安いから」で選ばない!セキュリティや通信速度もチェックしよう

現代では企業にとってインターネットの導入は不可欠です。併せて、セキュリティ対策も必須となり、VPNを導入する企業が増えています。ネットインフラにかかる費用は負担となるため、安いことを基準にVPNを探している方もいるのではないでしょうか。しかし、VPN選びに失敗しないためには、さまざまな項目に目を向けることが重要です。

そこでこの記事では、安さだけにとらわれないVPNの選び方について解説します。VPNの仕組みと重要性が分かり、適切なVPNの選び方が把握できる内容です。

安いだけではだめ!VPNの種類と費用の仕組み

VPNを導入する際に安いことを重視する企業もありますが、セキュリティ対策を万全にするには品質にも気を配ることが大切です。ここでは、VPNの種類や費用の仕組みについて解説します。必要な機能や構築する際の費用が分かれば、最適なVPNサービスを選べるでしょう。

VPNとは?

VPNとは「Virtual Private Network」の略で、私用の専用ネットワークを意味します。公衆のネットワークを介した情報のやり取りには盗み見や改ざんのリスクがあり、重要な情報を扱う企業は危険が伴います。

VPNはネット上に特定のユーザーだけがアクセスできる専用ネットワークを形成することで、重要な情報を取り扱えるセキュアな環境を構築するサービスです。

種類1.インターネットVPN

インターネットVPNは、インターネット回線上に仮想の専用回線を構築する形式です。既存の回線を利用するため工事が不要で、コストが抑えられるというメリットがあります。複数のプロバイダ間でやり取りできるのも魅力といえるでしょう。IP-VPN、SSL-VPN、IPSec-VPNといった通信方法でアクセスできます。

一方、公衆回線を介するため、回線の混雑具合に左右されるのがデメリットです。時間帯によっては通信速度が低下したりつながりにくくなったりします。また、公衆回線を利用する以上は情報漏えいのリスクもあり、セキュリティが頼りないと感じる方もいるでしょう。無料のWi-Fiを利用する場合や海外と日本の間で通信を行う際によく使われます。

種類2.IP-VPN

IP-VPNは独自の閉域ネットワークを利用する形式です。閉域ネットワークは自社で用意するわけではなく、事業者が提供するサービスを使用します。公衆回線と切り離した通信網でやり取りを行うため、インターネット回線の混雑とは無関係に安定した環境で通信できるのがメリットです。

閉域ネットワークにアクセスできるのは事業者と契約者のみで、事業者がしっかりと管理すれば安全な環境で通信ができます。インターネットVPNは通信の暗号化が不可欠ですが、第三者が干渉できないIP-VPNは暗号化が必要ありません。

快適で安全な通信環境を構築できる反面、導入コストが高く、準備に時間がかかるのがデメリットです。通信プロトコルがIPに限定される点にもご注意ください。

VPNの構築費用の仕組み

インターネットVPNとIP-VPNでは、導入コストやランニングコストが異なります。インターネットVPN構築にかかる費用はルーター購入費と導入時の設定のみで、2万円~5万円程度です。

IP-VPNは導入コストに加えてランニングコストがかかるため、月によってかかる費用は大きく変わります。導入コストは3万円前後、ランニングコストは月額5,000円~5万円ほどが相場です。

VPNサービスを利用するメリットと注意点

VPNの導入にはさまざまなメリットがある一方、注意したほうがよいポイントも存在します。メリットだけでなくデメリットも正しく把握しなければ、VPNを活用するのは難しいでしょう。ここでは、VPNサービスを利用するメリットと注意点について解説します。

VPNのメリット

VPNの最たる特徴は、権限のある方のみがアクセス可能な専用のネットワークを構築できることです。専用ネットワークの構築には、以下のようなメリットがあります。

・外部から不正アクセスされる心配がなく、安全に重要なデータのやり取りができる
・会社にいなくてもオフィスのパソコンや業務システムにアクセスでき、リモートワークにも対応可能
・モバイル端末からアクセスできるので、パソコンがない外回り中でも手軽に社内ネットワークと通信可能
・セキュリティに関して競合となる専用線と比較すると導入費用を大きく抑えられる
・物理的なケーブルの縛りがないため、距離に関係なく複数の拠点間でも通信できる

VPNの注意点

VPNはリモートワークに対応可能で強固なセキュリティ対策ができる一方、以下のような注意点があります。デメリットも理解した上で運用しましょう。

・インターネットVPNを使用する場合、公衆回線の圧迫によって通常のインターネット通信の通信速度が低下する場合がある
・高機能のVPNは価格が高い傾向があり、コストを抑えることばかりを考えると機能や安全性に不安が残る
・高機能のVPNを導入しても情報漏えいのリスクはゼロにはならない

失敗しない!VPNサービスを選ぶポイント

さまざまな事業者がVPNサービスを提供しているため、何を基準にして選べばよいのか悩んでいる方もいるでしょう。VPNサービスの内容は事業者やプランごとに異なります。それぞれの内容を吟味し、ニーズに合ったものを選択することが大切です。ここでは、VPNを選ぶときに注目したいポイントを紹介します。

導入コスト・ランニングコスト

導入や維持にかかるコストは、事業者やVPNの種類によってさまざまです。高額なサービスほど高機能で安全性が高いのが一般的ですが、不要な機能は無駄な出費になります。用途を明確にした上で、費用対効果の高いサービスを選ぶことが重要です。

コストの安さだけでなく「何のために導入するのか」「どのような機能が必要なのか」を十分に考慮し、適切なVPNを検討しましょう。

通信速度

回線のタイプにはベストエフォート型と帯域保証(確保)型があります。ベストエフォートとは「最善努力」を意味し、回線のポテンシャルを最大限に発揮した場合のスペックを示す指標です。数字通りのスペックが出ることはほとんどなく、実際の通信速度は使用するまで分かりません。

一方、帯域保証(確保)型は最低限の通信速度を保証している方式で、2Gbpsの回線を契約すれば実際に2Gbpsの速度で運用できます。予算を考慮して、通信が途切れないような工夫をしているサービスを選びましょう。

ノーログポリシー

ノーログポリシーとは、事業者がVPNを利用した行動ログを保存しないという取り決めです。ログがなければ情報が外部に漏えいしないため、セキュリティ対策やプライバシー保護の一環として多くの事業者が採用しています。

ただし、ノーログポリシーは事業者がユーザーの行動を把握できないということで、システムに問題が生じた際にログの解析ができません。

サーバーの設置数

事業者の規模によってサーバーの設置数に差があります。サーバーの設置数が多いほど利用可能な国も多く、安定性の高いサービスを受けられるでしょう。

海外の事業者を利用する場合、日本にサーバーがあるかどうかも速度に大きく影響します。サーバーの設置数と同時に、日本サーバーの有無や展開国の数もチェックすることが快適にVPNを使うためのポイントです。

同時使用できるデバイス数

多くのVPNサービスは、同時に接続できるデバイス数に上限を設けています。複数の従業員がVPNにアクセスするビジネス環境下では、同時使用できるデバイス数に気を配ることが大切です。パソコンだけでなくスマートフォンやタブレット端末から手軽にアクセスできれば、業務効率が向上するでしょう。

大手の事業者でも同時に接続可能なデバイス数が5台~7台程度と少ない場合があるため、接続上限はきちんとチェックする必要があります。

手軽で高セキュア!VPN導入なら「モバイル閉域接続」

イッツコムでは、安心して利用できるセキュリティ対策万全のVPNサービス「モバイル閉域接続」を提供しています。リモートワークに対応したオフィスのインフラ整備をご希望の方はイッツコムへご相談ください。ここでは、モバイル閉域接続の特徴を紹介します。

インターネットを経由しないセキュアなネットワーク

社内システムにアクセスする際に公衆のインターネット回線を経由している限り、VPNサービスを利用しても情報漏えいのリスクは避けられません。モバイル閉域接続はインターネットを経由せずに独自の専用閉域網を使うことで、通信の存在自体を第三者に隠匿できます。

また、一貫した経路管理によってVPNハッキングやID・パスワードの傍受を防ぎ、安全性が保障されたセキュアな環境で通信ができるサービスです。

専用SIMのみでセキュリティ確保

専用SIMの使用によって簡単にセキュリティ対策ができるのも特徴です。VPNアプリで入力するIDやパスワードが必要なく、発行にかかる管理業務にリソースを割く必要がありません。不正アクセスを防ぐとともに、業務の負担を軽減する効果が期待できます。

さらに、登録していないデバイスからのアクセスを防ぐオプションもあり、SIMの盗難や持ち出し禁止デバイスの転用といったトラブルも防げるでしょう。

社外でも社内セキュリティポリシーが適用可能

社外からアクセスするときも閉域接続を経由して社内LANへアクセスするため、場所を選ばずセキュアな環境でネットワークを利用できます。社外からのアクセスに対しては、時間や端末に関する情報のログを取得し、トラブルがあった際に検証可能です。VPN経由で閲覧した情報や通信履歴といったデータを解析することで、問題の解決に貢献します。

まとめ

VPNサービスの内容は提供する事業者やプランによって異なり、機能や品質、費用の相場はさまざまです。VPNを導入する際は、安いことだけでなく通信速度やセキュリティの高さに注目することが求められます。用途を明確にした上で、費用対効果が高いサービスを選びましょう。

イッツコムでは、法人向けの高度なセキュリティを備えたVPNサービス「モバイル閉域接続」を提供しています。安心して利用できる利便性の高いVPNをお探しの方は、イッツコムにご相談ください。