ファイルサーバーのバックアップは重要!最適な方法&おすすめサービスとは?
目次
ファイルサーバーは、ほかの端末とネットワーク上でデータを共有できるシステムです。部署やプロジェクト単位のデータ管理に秀でており、導入している会社も多く見られます。しかし、バックアップまでは意識していない方もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事ではファイルサーバー管理におけるバックアップの重要性について紹介します。リスクや最適なバックアップ方法が分かれば、より安心してファイル共有できるでしょう。
バックアップの種類から最適な方法を選ぼう
ファイルサーバーをバックアップする方法は3種類あります。方法によってかかる時間や復元の際の手間が異なるので、無駄のないスムーズなバックアップを行うには状況に応じた方法を選択することが大切です。まずは、3種類のバックアップ方法の特徴を解説します。
種類1.フルバックアップ
フルバックアップは、ファイルサーバー内のすべてのデータをバックアップする方式です。一度フルバックアップすると、その時点のすべてのデータを復旧できますが、扱うデータ量が多いため所要時間も多くなります。
ファイルサーバーにはデータの追加や変更があった際の履歴も保存されているため、バックアップの際は一定期間ごとのデータを確保するのが特徴です。そのためバックアップするデータは「データ量×世代」分となり、データ量が膨大になります。
種類2.差分バックアップ
差分バックアップは、前回フルバックアップを行った時点から更新があった部分のみをバックアップする方式です。変更がなかった部分のデータはバックアップしないので、フルバックアップよりも所要時間は少なくて済みます。
最後に差分バックアップを行った状態に復旧するには、フルバックアップと最新の差分データの2回分のバックアップデータが必要です。
種類3.増分バックアップ
増分バックアップは、前回バックアップした時点から更新された部分のみをバックアップする方式です。差分バックアップとの違いは、差分バックアップが最後に実施したフルバックアップからの更新分を対象とするのに対し、増分バックアップは種類を問わず前回のバックアップからの更新分を対象にする点です。
差分バックアップはフルバックアップから時間が経つほど更新データが大きくなっていきますが、増分バックアップはフルバックアップからの時間の影響を受けません。所要時間は短いですが、復旧の際にはフルバックアップに加えて、増分バックアップを実施した回数分のデータが必要です。
なぜファイルサーバーのバックアップが必要なのか?
ファイルサーバーを運用する際にはバックアップが必要不可欠ですが、なぜバックアップが必要なのか疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。サーバー内のデータはさまざまなトラブルで失われることがあるため、復旧できるように備えておく必要があります。どのようなトラブルやリスクがあるのか解説しましょう。
ハードディスクが原因のデータ破損・消失
データを保存しているハードディスクなどの記憶媒体が物理的に故障したり紛失したりするとアクセスできなくなり、保存していたデータが失われてしまいます。ユーザーが厳重に管理していても、災害などの物理的なダメージを受けることもあるでしょう。このような場合に、バックアップがあれば事業を継続することができます。
ソフトウェアが原因のデータ破損・消失
ハードウェアに物理的な故障がなくても、ソフトウェアが原因の論理的データ破損が起こる可能性もあります。保存しているファイルが破損してうまく読み込めなくなったり、消失したりすることを考慮しておくことも大切です。
論理的な障害の場合は復旧ソフトで復元できる可能性がありますが、必ず復元できるとは限りません。バックアップをしていれば、機材に故障がない限り復旧できます。
ヒューマンエラーによるデータ改変・消失
ユーザーの誤操作でデータが失われることもあります。人間が扱う以上、ヒューマンエラーを完全になくすことはできません。ファイルの内容を古いデータで上書きしてしまった、大事なファイルを誤って削除してしまった、といった人的ミスの備えとしてもバックアップが必要です。
ウイルスなどへの感染
コンピューターウイルスに感染すると、データへアクセスができなったり、勝手に削除される論理障害が発生したりする可能性があります。セキュリティソフトを導入することで対策が可能ですが、完全に防げるという保証はありません。ウイルスに感染してしまった時の備えとして、修復用のバックアップを準備しておきましょう。
ファイルサーバーはどのようにバックアップする?
ファイルサーバーをバックアップするには、バックアップしたデータを保存するための記憶媒体が必要です。どのような機材があり、それぞれにどのような特徴があるのかを把握しておけば、最適な方法でバックアップを行えるでしょう。
磁気テープを利用する
ひとつは、データ保存用の磁気テープ「LTO」などを用いるバックアップ方法です。磁気テープにデータを保存するには、テープドライブを用意する必要があります。テープドライブを接続してから、バックアップソフトウェアで保存先を選択しましょう。
磁気テープと聞くと古めかしいものと思う方もいるかもしれませんが、構造が単純な分複雑な機械よりも故障しにくく、持ち運びやすいので可搬性が高いというメリットがあります。ただし、操作性や取り扱いに難があるのがデメリットです。
外付けハードディスクを利用する
外付けのハードディスクを保存先に設定する方法もあります。OSが入っているハードディスクに保存すると、パソコンが故障した場合にデータを取り出せなくなるので、独立性のある外付けのものを使用するのがポイントです。
外付けハードディスクを接続してバックアップソフトウェアを起動しておけば、一定期間ごとに自動でバックアップを行うこともできます。ただし、外付けハードディスクはファイルサーバーの近くに置くことになるので、災害などの際に同時に破損する可能性があることがデメリットです。
遠隔地やクラウドにバックアップする
クラウドなどを利用して、遠隔地にバックアップする方法です。クラウドバックアップは導入や運用を事業者に任せられるため、手間や費用を削減できる可能性があります。保存メディアの破損や紛失の心配がないことも魅力です。
保存するファイル量が増えるとバックアップ先の容量も増加する必要があり、保存メディアの管理が負担になることもあるでしょう。クラウドに保存すれば増え続けるバックアップデータを一元管理でき、管理コストを軽減できます。
ファイルサーバーをバックアップする際の注意点
ファイルサーバーのバックアップを行う際には、いくつか注意すべきポイントがあります。壊れたら交換できる機材とは異なり、完全に失われたデータは元に戻せません。確実にバックアップを保存するために、リスクになる可能性があるポイントを把握しておきましょう。
テープメディアは劣化する
テープメディアはメジャーなバックアップの保存先ですが、繰り返し使用していると劣化していくことに注意が必要です。劣化したテープを使用していると、いざという時にデータを復旧出来ない恐れがあるので、年に1回は新品に交換しましょう。
バックアップログを確認する
きちんとバックアップしたつもりでも、エラーが発生していてファイルのコピーに失敗しているケースもあるので注意しましょう。エラーがあるファイルをそのままにしておくと、エラーデータが混じって完全な復旧ができない可能性があります。バックアップログを確認して、エラーが出ていないかチェックしましょう。
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まとめ
ファイルサーバーのバックアップ方法は、時間がある休日などにフルバックアップを行い、平日は差分バックアップや増分バックアップで補完するのが一般的です。保存先には、一元管理が容易で物理的な破損の心配がないクラウドをおすすめします。
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