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回線速度の「上り」と「下り」とは?高速通信するなら下り速度に注目!

インターネットを利用しているとき、「ダウンロードのみが遅い」と不満に感じている方もいるのではないでしょうか。それは「上り」と「下り」という回線速度のうち、下りが遅いからです。

上りと下りの区別をきちんと理解すると、用途に合ったインターネット回線を選べるようになります。そこでこの記事では、ダウンロードに関わる「下り」の重要性についてまとめました。下りだけが遅い場合の対処法や、ビジネスにおすすめの光回線サービスについても紹介します。

回線速度には「上り」と「下り」がある!

インターネットを利用しているときは、端末とインターネットとの間で、データの送信と受信を繰り返しています。送信を「上り」受信を「下り」と呼び、両者は別物扱いするのが一般的です。より具体的にはどのような違いがあるのか、重要なポイントを解説します。

回線速度の「上り」とは?

パソコンやスマートフォンなどの端末から、インターネットにデータ送信(アップロード)を行う方向が「上り」です。したがって、インターネットでの「上り速度」とは「データを転送するスピードである」と言い換えられます。

上り速度が遅いと、メールの送信やブログ・SNSへの投稿、クラウドストレージへのファイル送信などに時間がかかる仕組みです。

回線速度の「下り」とは?

インターネットからパソコンやスマートフォンなどの端末へ、データ受信(ダウンロード)を行う方向が「下り」です。したがって、インターネットでの「下り速度」とは、「ダウンロードできるスピードである」と言い換えられます。

下り速度が十分でないと、メールの受信やWebサイトの閲覧、クラウドストレージからのファイル受信などに時間がかかる仕組みです。

回線速度の単位について

インターネットの回線速度は、多くの場合「bps(bits per second)」という単位で表します。bpsは「1秒間に何ビットのデータを伝送できるか」を意味する単位です。伝送速度が1秒間に1,000ビットなら1Kbps(キロビーピーエス)、1秒間に100万ビットなら1Mbps(メガビーピーエス)、1秒間に10億ビットなら1Gbps(ギガビーピーエス)と書きます。

なお、データ量を表す単位としてbyte(バイト)を用いることもありますが、8ビットは1バイトです。つまり80Mbpsなら1秒間に10MB(メガバイト)を伝送できる計算になります。

インターネットを快適に使うための回線速度の目安

単位の意味は理解できても、どのくらい速ければ不自由なくインターネットを使えるかは分かりにくいかもしれません。快適なインターネット回線を求めるなら、使用目的に耐えられる回線速度を把握することが重要です。ここでは、上り・下りに必要な回線速度の目安を用途別に解説します。

「上り」に必要な回線速度

早ければ数秒、遅くとも数分以内など、快適に感じる上りの回線速度は取り扱うデータサイズによって異なります。そこで、主な用途別に必要な回線速度の目安をまとめました。

用途必要な回線速度の目安
メール・チャットのメッセージ送信
SNSのテキスト投稿
1Mbps
SNSの写真投稿3Mbps
SNSの動画投稿10Mbps

メールやチャットでテキストを送信するなら、回線速度は1Mbpsもあれば十分です。写真を投稿する場合は少しデータサイズが大きいものの、一般的には3Mbpsあれば快適に使えます。動画はさらにデータサイズが大きいため、10Mbps以上あるのが理想です。大量の写真や大容量の動画となると、より高速な回線速度がないと送信に時間がかかります。

「下り」に必要な回線速度

上りの仕組みと同じく、下りも受信するデータサイズによって必要な回線速度が異なります。主な用途別で見た、下りに必要な回線速度の目安は以下の通りです。

用途必要な回線速度の目安
メール・チャットのメッセージ受信128Kbps~1Mbps
Webサイト・ブログ・SNSの閲覧1Mbps~10Mbps
動画視聴3Mbps~25Mbps

メールやチャットでテキストを受信する程度なら、回線速度は1Mbpsあれば十分です。Webサイトやブログを閲覧する際、テキストがメインのページであれば、1Mbps程度でも問題ありません。それ以上のスピードが必要かは、画像の多さや重さによります。

動画の視聴は画質によって必要な回線速度が異なりますが、高画質な動画だと25Mbps前後ないとストレスを感じるかもしれません。

インターネット回線を選ぶ注目ポイント

大容量ファイルのアップロードが多い業務を除いて、重視したいのは下り速度です。下りは利用頻度が高い上、時間帯によっては混雑することもあります。また、回線速度の公表値はあくまで「理論値」であり、実務上で意味を成すのは「実測値」です。インターネット回線を選ぶ際の注目ポイントについて解説します。

回線速度は「下り」が重要

インターネットを利用するユーザーにとって、多くの場合、利便性を左右するのは下りの回線速度です。例えば、メールは送信数より受信数のほうが多くはないでしょうか。そこに大容量の添付データがあると、下り速度次第では待機時間が増えます。WebサイトやSNSも、更新より閲覧する機会のほうが多いでしょう。

利用する人の時間帯が集中することで、下り速度が遅くなることもあります。特に夜間や休日は混み合う時間帯の代表例と言えるでしょう。混雑するのは仕方ないにしても、それでいて快適さを失わないインターネット回線を選べると安心です。

公式データは理論値である

インターネット回線の公式サイトやカタログでは、上り速度や下り速度を記載しています。例えば、光回線でよく見られる「下り最大1Gbps」という表記は、ダウンロードには何の支障もなく思えるでしょう。

しかし、実際に値通りのパフォーマンスが出るとは限りません。最大の回線速度は、基本的に「ベストエフォート型」の理論値が記載されているからです。「回線品質について最大限の努力はするが、結果の保証はしない」という方式で、実測値は理論値を大きく下回る場合があります。

実際の回線速度を計測する方法

回線速度がどのくらい出ているかは、インターネット通信機器の構成や接続する時間帯などによって変わります。実測値を調べる簡単な方法は、「Fast.com」や「Speedtest by Ookla」などのWebサイトにアクセスすることです。

Fast.comにアクセスすると、自動的に速度計測が始まります。計測後に表示された数値が下り速度です。上り速度も知りたい場合は「詳細を表示」から確認できます。Speedtest by Ooklaで実測値を測るときは「GO」ボタンを押しましょう。計測が始まり、上り・下りの回線速度が同じページで確認できます。

回線速度が下りだけ遅い気がする?

インターネットを利用していると、上りは快適でも下りはやけに時間がかかることがあります。考えられる主な原因は、下りは利用者が多いこと、加えてデータ伝送量も多いことです。

目的地が同じ車が同じ道を走ると渋滞になるのと同じで、ダウンロードをする利用者が多いほど下り速度は遅くなります。夜間や休日に思うようなパフォーマンスが出ないのは、主にこれが原因です。回線を共有する利用者が少なくても、特定の利用者が大量のデータ受信を行うことで、自身の回線速度が遅くなる場合もあります。

回線速度が遅い時の対処法

回線速度は時間帯によって不安定になることがありますが、いつ接続してもつながりにくかったり、夜間や休日でもないのに遅かったりする場合もあります。これらのケースでは、端末や通信機器、接続方式に問題があるかもしれません。回線速度が遅い場合の対処法について解説します。

パソコンやスマートフォンなどを再起動する

回線速度が高速でも、パソコンやスマートフォンなどの端末に問題があるために、動作が遅いケースもあります。端末を起動する時間が長いほど動作は不安定になりやすいため、まずは端末を再起動してみましょう。

ブラウザで開いているタブが多かったり、同時に起動しているアプリが多かったりしても動作は重くなります。タブやアプリはこまめに閉じ、使用するメモリ量を最小限に抑えましょう。メモリ不足が主な原因なら、メモリの増設や端末の買い換えをすることで改善が期待できます。

ONUなどの通信機器を再起動する

光回線では、「ONU(光回線終端装置)」やWi-Fiルーターといった通信機器を利用します。通信機器は長時間の起動で動作が不安定になる場合もあるため、再起動を試してみましょう。

なお、多くの通信機器には電源ボタンがありません。電源ケーブルを抜き差しすれば再起動できますが、通信機器によって正しい手順は異なるため、マニュアルを確認しましょう。また、LANケーブルや光ファイバーケーブルの接触不良も原因として考えられます。ケーブル類は全てチェックしましょう。

IPv6を使う

現在のインターネット通信は、ほとんどが「IPv4(Internet Protocol version 4)」というプロトコル(通信規約)で行われます。回線速度の問題が浮上するのは、多くの場合でIPv4による通信です。

近年ではIPv4に代わり、「IPv6(Internet Protocol version 6)」の導入が進んでいます。IPv6通信は利用者数が比較的少なく高速で、回線速度問題の根本的な解決が可能です。ただし、IPv6に対応しているプロバイダは限られます。IPv6通信を利用したい場合は、プロバイダがIPv6対応プランを用意しているかを確かめましょう。

高速通信できるWi-Fiルーターを使う

利用者側が使う通信機器では、最大通信速度を設定できます。Wi-Fiルーターで通信を中継するなら、Wi-Fiルーターの最大通信速度が回線速度の限界です。したがって、光回線の下り最大速度が1Gbpsでも、玄関となるWi-Fiルーターの下り最大速度が100Mbpsならそれ以上の通信はできません。

Wi-Fiルーターの問題で希望の速度が出ない場合は、高速通信できる機種に買い換えるか、プロバイダからのレンタルを検討しましょう。

インターネット回線を見直す

端末や通信機器の問題をクリアしても回線速度が改善しないなら、インターネット回線を見直しましょう。1Gbpsも出れば通常は十分ですが、さらに高速なプランを提供しているプロバイダも存在します。通信の混雑を避け、安定したインターネット接続ができるプロバイダを選ぶことも大切です。

現状は高速で安定していても、IPv6通信を利用できなければ、いつ回線速度の問題が発生するか分かりません。IPv6対応のプランが選べるかどうかも重視しましょう。

企業におすすめ!回線速度で選ぶなら「イッツコムひかりfor Business」

「イッツコム光接続サービス」では、イッツコム独自のFTTH回線網を利用して、快適なインターネット接続が可能です。下り最大2Gbps・上り最大1Gbpsの高速なプランも選択でき、全てのプランでIPv6通信を標準で提供します。

専用線を利用する「専用線インターネット接続サービス」では、さらに安定した高速通信が可能です。グローバル固定IPアドレスも利用できるため、自社サイト・ブログの運営にも問題なく対応できます。

まとめ


インターネットで下りの回線速度が重要なのは、上りよりも利用する機会が多いためです。一般的なIPv4対応の光回線は利用者数も多く、時間帯によっては不便さを感じるかもしれません。

イッツコム光接続サービスはIPv6通信に標準対応しており、安定した高速回線を利用できます。専用線インターネット接続サービスではグローバル固定IPアドレスにも対応しており、ビジネス利用に最適です。ビジネスを加速する光回線をお求めなら、イッツコムの法人向け光回線サービスをご利用ください。