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ペーパーレス化とは?メリットや必要性、推進のポイントをわかりやすく解説

働き方改革の一環としてペーパーレス化を進める企業も増えています。従来、紙を利用していた文書や書類、資料などを電子化することを「ペーパーレス化」と呼びますが、導入するにあたり、ペーパーレス化のメリットや同時に考えられるデメリットについて詳しく知りたいという企業担当の方もいらっしゃるでしょう。

IT技術が日々進歩する中で、従来の紙資料をペーパーレス化して運用することは、今後の業務効率化にも見逃せない項目です。そこで本記事では、ペーパーレス化の概要や導入方法、ペーパーレス化を推進するポイントについて解説します。紙に縛られない働き方を進めることで、環境負担の軽減だけでなく生産性向上や業務効率化も期待できるでしょう。

ペーパーレス化とは


ペーパーレス化とは「紙」の使用を減らし、デジタル化したデータを管理・活用していくことで、業務効率を上げる取り組みです。ビジネスシーンの具体例として、以下のものが挙げられます。

・紙資料を電子データ化する
・会議の際には、タブレットなどの端末を使用する
・データ化した書類をデータベースで管理・活用する

データベースにデジタル化した資料を保存することで、インターネット環境があれば、どこにいても文書の閲覧・作成・編集の作業ができます。場所や時間を選ばないペーパーレスは、厚生労働省が推進する「テレワーク」にも欠かせない存在です。

ペーパーレス化のメリット


ペーパーレス化には、コスト削減以外にもいくつかのメリットがあります。そもそも、紙ベースでの資料保管は文書検索に時間がかかり、保管スペースも必要です。また、修正や共有に関しても時間や手間を要します。このような面を解消するのがペーパーレス化のメリットです。ここでは、これらのメリットについて詳しく見ていきましょう。

1.紙代・印刷代の削減

ペーパーレス化では、これまでの紙資料をデータ化して活用します。そのため、紙代や印刷代を大幅に削減することが可能です。例えば、1日に1,000枚の紙資料を使う場合、1枚当たりのコストを3円とすると、年間で約100万円のコストがかかることになります。

また、紙は印刷だけでなく処分にも手間や費用がかかることを忘れてはいけません。特に社外秘の資料を処分する際には、専用の処理方法が必要になります。ペーパーレス化では、これらの手間や費用を削減できるのが大きな魅力のひとつです。

2.情報の検索性の向上

紙資料を使う際に、目的の資料がなかなか見つからなくて困った経験はないでしょうか。オフィスごとに、紙の資料は保管方法を決められていることが多いですが、全てがいつもルール通りに正しく保管されているとは限りません。

中には、古くからの慣習で資料の保管ルールが曖昧になっていることや、ある特定の人しか資料の場所を把握していないこともあります。ペーパーレス化によって全ての資料がデータ化されるため、検索機能を利用して目的の資料を素早く手に入れることが可能です。

3.保管スペースの削減

資料が増えていくほど、問題になるのが保管場所の確保です。日々膨大な量の資料を扱うオフィスでは、この問題を避けては通れません。保管場所への資料の運搬も、従業員には無視できない負担です。

ペーパーレス化によって物理的な紙資料ではなく、データで保存・管理されます。紙を使っていたときとは違い、物理的なスペースが不要になるため、保管スペースの確保や資料の運搬は必要ありません。

4.紛失・劣化のリスク低減

紙資料は持ち運ぶこともあるため、「紛失のリスク」が懸念点です。万が一、社外で紛失した際には情報漏えいにつながり、大きな問題となります。また、紙の経年劣化によって、紙が破けてしまったり、文字がかすれて見えにくくなったりすることもあるでしょう。

ペーパーレス化によりデータとして管理されるため、劣化せず安全に資料として活用できます。バックアップを取っておけば、万が一パソコンが故障した際にもデータの復旧が容易です。

5.業務効率化や生産性向上

ペーパーレス化を推進すると、データの保存場所を自由に選べます。社内LAN内のファイルサーバはもちろん、クラウドストレージで一元管理することも可能です。これにより必要なデータの検索性が向上し、いつでもどこからでもアクセスできるようになります。

また電子契約システムやワークフローシステムを導入すれば、決済プロセスがオンラインで完結するため、紙とハンコによる非効率な決済からの脱却も可能です。テレワーク環境におけるデータの利活用もスムーズになり、業務効率化や生産性向上につながります。

6.企業のイメージ向上

ペーパーレス化はSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みのひとつで、企業のイメージ向上に寄与します。SDGsとは、17のゴールと169のターゲットから成る、「サステナブル(持続可能)な世界」を目指して国連が定めた指針です。

例えば紙は樹木を消費して作られますが、紙を際限なく使って廃棄する仕組みは森林破壊や地球温暖化を助長し、長期的に見れば世界を萎縮させます。ペーパーレス化はこの流れを変えるために重要で、多くの大企業やグローバル企業にとっては必須の取り組みです。

ペーパーレス化に取り組むことで、CSR(企業の社会的責任)を果たしていることをアピールでき、取引先や一般消費者からの信頼を得やすくなります。

ペーパーレス化のデメリット

ペーパーレス化は多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。業務内容によっては、うまく導入できないこともあるでしょう。そこでここでは、ペーパーレス化を導入する前に知っておきたい注意点について見ていきましょう。デメリットを理解しつつ、適切な対応をしていきましょう。

1.導入コストがかかる

ペーパーレス化の導入の際には、データ化した資料を表示させるためのパソコンやタブレットなどの端末が必要になります。それらの端末の導入コストは注意したいポイントです。

例えば、ペーパーレス化の導入のために1台3万円のタブレットを100台導入する場合、300万円の費用がかかります。導入する企業・部署の規模によっては、これ以上かかること

も考えられます。導入コストが問題になる場合は、初期費用と削減できるコストのバランスを見て、部分的に導入することを検討するとよいでしょう。

2.画面の大きさによっては資料が見にくい

取り扱う資料の内容によっては、表示する端末の画面サイズでは見にくい場合があります。紙であれば、大きく広げることや、いくつかの資料を一緒に広げて同時に見ることが可能です。

端末上で見る場合でも拡大や縮小は可能ですが、画面サイズには物理的な限界があるため、紙と全く同じように見えるわけではありません。ペーパーレス化するとしても、扱う内容によっては紙のまま運用したほうが効率的なものもあるので、適材適所で使い分けるのがよいでしょう。

3.システムや機器の障害・故障リスクがある

ペーパーレス化には、電子機器が欠かせません。そのため、表示するための端末やペーパーレス化したデータを保存するシステムに障害が起きたり、故障したりした場合には資料を利用できなくなってしまいます。

表示するための端末は、修理したり買い替えたりすれば問題ありませんが、データのバックアップと復元ができるようにしておく必要があります。ペーパーレス化を導入する際には、万が一のときにも対応できるような準備も併せて行っておきましょう。

4.一定のITリテラシーが必要

ペーパーレス化では、これまでの紙資料をデータとして扱います。表示のためにパソコンやタブレットなどの端末を用いることが多くなるでしょう。そのため、端末の取り扱いに関する最低限のITリテラシーは必要になります。

全ての従業員が使いこなせるとは限らないため、導入の際には従業員向けの研修を行うなど、ITリテラシー向上のための活動も必要になるでしょう。

ペーパーレス化する方法


ペーパーレス化の導入にはいくつかの方法があります。主な方法として以下の3つが挙げられますが、既存の紙資料を電子化するものと、電子化したデータの保管先が必要です。

・OCR
・電子化代行サービスの利用
・クラウドサービスの利用

ここからは、それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

OCR

OCRはOptical Character Recognitionの略で、紙の書類をスキャンし画像データに変換する技術です。通常、スキャナーやカメラで読み取った紙の書類は、画像データとして保存されるのみです。OCRは書かれている文字を認識する点が特徴で、既存の紙資料の整理にも有効です。

ただし、手書きの書類や、縦書きや横書きが混在した書類に関しては、データ化の精度が落ちることもある点に注意が必要です。

電子化代行サービスを利用する

既存の紙資料をペーパーレス化する場合、「電子化代行サービス」の利用もおすすめです。紙資料をデータに変換するためには、多くの資料をスキャンしなくてはなりません。

しかし、膨大な量のスキャンを通常業務と平行して行うのは、多くの支障が出てしまいます。そのような場合に「電子化代行サービス」が有効です。データ化を代行することで、無理なくペーパーレス化を実現できます。

クラウドサービスを利用する

データ化した資料を保存・管理するためには「クラウドストレージ」を利用するのがおすすめです。クラウドストレージを利用するメリットは、インターネットにさえつないでいれば、いつでも、どこからでも資料にアクセスできる点です。

自社で保存用のシステムを構築する場合は、保守や管理の手間やコストがかかるでしょう。クラウドストレージの場合は、サービス提供者が行ってくれます。信頼できるセキュリティを備えたサービスであれば、自社でデータを管理するよりも、手間なく便利にペーパーレス環境を利用できるでしょう。

【関連記事:『クラウドストレージとは?メリットや比較するときのポイントを解説』

ペーパーレス化推進のポイント


ペーパーレス化推進のポイントは現場の理解とクラウドサービスの2点です。経営層にペーパーレス化推進の意思があっても、現場が抵抗すると計画はスムーズに進行しません。まずは、経営層のマインドを現場に理解させることが必要です。その上で紙依存になりがちなレガシーシステムを脱却するために、ペーパーレス化の基盤となるクラウドサービスを導入しましょう。

経営層のマインドを現場に理解させる

日々の業務に追われる従業員は、SDGsの意味や意義を理解しなかったり、ペーパーレス化にかかる労力を嫌ったりするケースがあります。紙による資料の保存・共有に慣れた企業にはありがちな問題です。

そこで経営層のマインドを現場に伝えることが求められます。どのようなツールを使って仕組みを変え、それがどのような効果を生むのかを明確に示し、仕事がしやすくなるというイメージを踏まえてペーパーレス化の必要性を周知しましょう。

ペーパーレス化に効くクラウドサービスを導入する

現場の理解を得た上で、費用対効果の高い、ペーパーレス化の基盤となるツールを整備しましょう。クラウド型サービスなら、インターネット経由で利用でき、自社リソースによるサーバ管理が必要ありません。インターネット回線を通じていつでもどこからでもアクセスできることや、管理コストを抑えられるのが利点です。

外部からアクセスしにくく社内リソースで管理するオンプレミス型の業務システムでは、業務効率化や生産性向上に十分な効果を得られません。データの保存・共有の基盤となるクラウドストレージや、ペーパーレス会議の基盤となるWeb会議システムなどを整備し、利用範囲のルールを策定・周知しましょう。

ペーパーレス化の基盤となるクラウドサービス整備はイッツコム!


イッツコムはあらゆるファイルの安全な一元管理と契約ワークフロー自動化ができる「Box」、名刺のペーパーレス化と営業支援ができる「ホットプロファイル」、ペーパーレス会議とビジネスチャットを一本化できる「Zoom」を提供しています。ペーパーレス化の基盤となる3つのクラウドサービスの魅力を見ていきましょう。

あらゆるファイルの安全な一元管理と契約ワークフロー自動化「Box」

ペーパーレス化の取り組みにはファイルの効率的な保存・共有が基本です。クラウドストレージは必須ツールですが、多くのサービスは容量に応じてコスト増となり、長期運用に懸念があります。

そこで導入したいのが、容量無制限の法人向けクラウドストレージ「Box」です。保存・通信データの強力な暗号化や7種類のアクセス権限設定、70種類以上のログ監視などセキュリティ機能も万全で、あらゆるファイルを安全に一元管理できます。

50世代以上のバージョン管理にも対応するため、長期運用でもファイルの乱立を防止し、フォルダ構造を常にクリーンに保てるのも利点です。また「Box Sign」による無制限の電子サインや「Box Relay」によるワークフロー自動化も利用でき、稟議や承認もBox上で完結できます。

名刺のペーパーレス化と営業支援「ホットプロファイル」

名刺は重要な顧客情報を含みますが、多くの従業員は名刺を紙のまま個別に管理しており、社内人脈を営業活動に生かせていない状況があります。

そこで導入したいのが、名刺管理と営業支援を一本化できる「ホットプロファイル」です。名刺のスキャンやCSVファイルの読み込みだけで安全なクラウド上に顧客データベースを作成し、最新の企業ニュースや営業履歴と紐づけ、システム利用者全員で情報共有できます。

あらゆる顧客関連データをPCやスマホを使って出先で確認・操作できるため、Boxで営業資料を管理すれば紙資料を持ち運ぶ必要がありません。さらにオンライン営業報告やタスク・営業アプローチリストの作成管理などにも対応し、営業効率や生産性を大幅に向上させられます。

ペーパーレス会議とビジネスチャットの一本化「Zoom」

Web会議システムによる会議のペーパーレス化も重要です。しかし一般的なサービスはライセンス数に応じてコスト増となります。

そこで導入したいのが、低コストかつ高機能なWeb会議システム「Zoom」です。無料版にはミーティングの40分制限がありますが、有料版は実質無制限(30時間/1回)で利用できます。有料ライセンス契約が必要なのはホスト(主催者)のみで、その他の参加者は無料プランで問題ありません。

画面共有機能を使うとBox内の資料をスムーズに会議利用でき、ホワイトボードを参加者で共有できる上、ZoomまたはBox経由で資料配布まで完結できます。「Zoom Chat」機能によりWeb会議システムとビジネスチャットを一本化できるのも利点です。

イッツコムなら日本語サポート付きの有料版Zoomをプロプラン1ライセンスから提供しています。小規模な運用であれば複数ライセンスの取得は必要ありません。管理者向けの各種マニュアルも充実している他、請求書払いにも対応しております。

まとめ


ペーパーレス化を導入する際には、メリット・デメリットをしっかりと把握し、自社の業務内容との相性も考慮しておく必要があります。全てペーパーレス化するのが難しい場合は、部分的に少しずつ導入していくとよいでしょう。

ペーパーレス化したデータを管理するには高セキュアの「Box」がおすすめです。また、営業活動での名刺整理に「ホットプロファイル」を利用すれば、電子化と顧客データの管理を一度に行えます。ペーパーレス化の推進をすすめたい際は、ぜひイッツコムへご相談ください。