クラウドストレージとは?メリットや比較するときのポイントを解説
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クラウドストレージはオンライン上にデータを保管できる便利なシステムです。プライベートでクラウドストレージを利用していると「業務でも利用したほうが便利になるのではないだろうか」「ビジネス向けのクラウドストレージにはどのようなものがあるのだろうか」と考える方も多いでしょう。
そこでこの記事では、企業がクラウドストレージを導入するメリットや、ビジネス向けクラウドストレージの選び方をご紹介します。ファイル管理・共有をスムーズにできれば、業務効率をさらに高められるでしょう。
クラウドストレージを利用する6つのメリット
ファイルを共有するには、クラウドストレージ以外にも社内にファイルサーバーを設置する方法があります。スムーズなビジネス環境という観点でこの2つを比較すると、クラウドストレージを利用するほうがおすすめです。
ここからは、なぜクラウドストレージがおすすめなのか、クラウドストレージにはどのようなメリットがあるのかについて解説します。
1. テレワークに対応しやすくなる
クラウドストレージを導入すると、社外からでもデータへのアクセスと共有が容易になります。テレワークでは社外からデータのやり取りが必須になるため、会社が通信の安定したクラウドストレージを用意すると業務がスムーズに進行します。
社員それぞれが違うやり方でファイルやデータを共有するのは効率が悪く、同じ作業を繰り返す、ファイルが行方不明になるといった事態が想定されます。会社全体でファイルの共有方法を統一しておくことは、効率や生産性を上げるとともに社員のストレス軽減にもなります。
2. データの共有がスムーズになる
社内だけでなく社外の取引先などともデータのやり取りが発生する場面があります。複数人でデータを確認する際に、クラウドに保管してあればセキュアな環境で同時にデータ共有が可能です。
クラウドストレージを使えばファイルをアップロードするだけでデータにアクセスできるので、いままでのメールにファイルを添付するなどの手間を減らせます。サービスによってはクラウド上でファイルを閲覧できるので、わざわざパソコンにダウンロードする必要もありません。
3. 自動バックアップでデータの消失を防げる
クラウドストレージはほとんどの場合、サービス提供事業者による自動バックアップ機能を搭載しています。パソコンの故障やデータの破損などのトラブル時にもバックアップを取っていればデータの消失を避けられるので安心です。
地震や火災などの万が一の災害時にも活用できるため、企業の重要なデータを守るという意味でもクラウドストレージの導入はメリットが大きいと言えます。
4. どこからでもアクセスできる
クラウドストレージはインターネット上にあるデータ保管庫です。そのため、アクセスする側もインターネットがあればどこからでも利用できます。
営業スタッフが外回り中に資料にアクセスしたり、オンラインで報告書を提出したりできるため、資料・ファイルをやり取りするのにメールを送信したりオフィスに行ったりする必要はありません。
資料共有にかかる無駄な手間やコストを大きく削減でき、各スタッフはより重要な業務に時間を使えるようになります。
5. クラウド上でファイルを編集できる
中にはクラウド上でファイルを直接編集できるサービスもあり、そのようなサービスを選べば編集にかかる手間を大幅に削減可能です。もし、クラウド上で同時編集する機能がなければ編集作業の手順が以下のようになります。
1. 編集者がファイルをダウンロードする
2. 必要な編集を加える
3. 編集後のファイルをクラウドにアップロードする
この作業を編集するユーザーそれぞれが行わなければなりません。しかし、クラウド上での同時編集に対応しているなら、クラウド上のファイルにアクセスして直接編集するだけで完了です。
これだけで大幅に手間を削減できるため、社員同士でファイルを編集する機会が多いなら同時編集に対応しているものを選びましょう。
6. イニシャルコスト・ランニングコストを削減できる
ファイルサーバーを自社で設置すると、ハードウェアの調達費用や管理・運用費用などで多額のコストがかかります。クラウドストレージも契約すると月額料金という形でコストが発生しますが、ハードウェアの調達や管理が不要な分コストを削減することが可能です。
利便性が高いだけでなく、導入から運用までにかかるコストを大幅に削減できるので一石二鳥と言えるでしょう。コストをかけずにファイル共有をスムーズにしたいと考えているなら、クラウドストレージの利用がおすすめです。
クラウドストレージを利用する際の問題点
クラウドストレージは非常に便利なシステムですが、いくつか問題点もあります。ここではクラウドストレージを利用するときに遭遇する4つの問題点について解説します。それぞれの問題点に適切に対処すれば、それらは大きなデメリットにはなりません。
1. インターネット環境がなければ使用できない
クラウドストレージはインターネット経由でアクセスして使用するものなので、オフライン環境では一切使用できません。
しかし、スマホが普及している最近では、多くの場所でモバイルデータ通信を利用できます。山間部や海上などで利用するのでない限り大きなデメリットにはならないでしょう。
通信障害が発生したときや提供元のサーバーが止まってしまったときは、利用できなくなります。極めて重要な資料はバックアップとしてオフラインで保存するなどの対策を施すのもおすすめです。
2. カスタマイズしにくい
クラウドストレージの基本的な仕様は提供元に依存します。ある程度カスタマイズできるものもありますが、どの程度カスタマイズ可能かは、提供元が定めた範囲に依存するので注意しましょう。
クラウドストレージはカスタマイズしにくいものという意識を持ち、あらかじめ必要な機能を備えているか確認してからサービスを選ぶのがおすすめです。最初から必要な機能がそろっていれば、カスタマイズしにくい点は大きなデメリットにならないでしょう。
3. 基本的なセキュリティが提供元に依存する
不正アクセスやサイバー攻撃など、外部からの攻撃に対する防衛は提供元が行います。基本的なセキュリティは提供元に依存するため、セキュリティ強度が高いサービスを選びましょう。
ただし、自社で施さなければならないセキュリティ対策もあるのが事実です。クラウドストレージのセキュリティが万全でも、通信経路上で盗まれると情報が流出してしまいます。
クラウドストレージに保存するファイルを事前に暗号化したり、通信にVPNや閉域網アクセスサービスを利用したりして、できる限りの対策を施すのも重要です。
4. 無料プランを法人で利用するのは危険
利用するクラウドストレージに無料プランと有料プランが存在する場合、ビジネスで利用するときは有料プランを契約しましょう。有料プランと無料プランでセキュリティ強度に差があります。無料プランではセキュリティ面で安全とは言い切れないでしょう。
有料プランを契約するとセキュリティ関連の設定が細かくできるものもあります。また、複数の有料プランが用意されていて、プランによって仕様が細かく異なるものもあるでしょう。利用したいサービスの仕様を細かくチェックして適切なプランを契約することが大切です。
クラウドストレージを比較する際のチェックポイント7つ
クラウドストレージには多種多様なサービスがあるため、自社の状況にマッチしたものを選ぶにはさまざまな観点で比較・検討するのがおすすめです。
ここからは、最適なクラウドストレージを選ぶためにチェックしたい7つのポイントを解説します。クラウドストレージ選びで迷ったときは、これらのポイントを重点的にチェックしましょう。
1. 初期費用と月額料金
クラウドストレージを導入する前に、毎月かかるランニングコストと導入コストを算出します。クラウドストレージは基本的にスペースをサービス会社から借りるという仕様なので、ほとんどの場合、料金は月額制です。
導入のために自社に足りないものと既に稼働しているものをチェックし、初期にどれくらいのコストがかかるかも把握しておく必要があります。
2. ストレージ容量
ストレージ容量もクラウドストレージを導入する上で重要なポイントです。容量が少ないとすぐに上限に達してしまい、さらに容量を追加してしまうなどを繰り返すことで月額料金は膨れ上がってしまいます。
「中小企業ならそこまで容量を使わないのでは」と思うかもしれませんが、近年の画像データや動画などはひとつあたりの容量が大きく、少数でもすぐに上限に達してしまう可能性があるので注意しましょう。社員のローカルストレージ使用量を確認して容量を予測したり、容量無制限のサービスを選んだりすることをおすすめします。
3. 1ファイルあたりの容量上限
ストレージの総容量が無制限のサービスでも、1ファイルあたりの最大サイズには制限が課せられているものがあります。容量が無制限だからといって高画質動画や大容量の図面などを保管しようとすると、1ファイルあたりの制限に引っかかってしまうケースにも注意しましょう。
クラウドストレージの容量を検討するときは、総容量だけではなく1ファイルあたりの容量制限やプラットフォームごとの容量制限の有無についてもチェックすることが大切です。
4. セキュリティのレベル
クラウドストレージには会社のさまざまなデータを保存するため、セキュリティは絶対に無視できない問題です。ネットワーク上にファイルを保存するという性質上、どうしても情報漏洩のリスクがつきまといます。
また、クラウドにアクセスする社員側にもセキュリティ意識を持ってもらわなければなりません。社員の操作ミスや知識不足から情報漏洩につながる可能性も否定できません。特にテレワークになると社員のネットワーク利用状況の管理が困難になるので、セキュリティ意識を高める教育も必須となります。
【関連記事】クラウドサーバーのセキュリティは安全?対策方法は?
5. 既存アプリとの互換性
どんなに機能が優れているクラウドストレージでも、現行の業務との相性が良くなければ使い物にはなりません。既存のアプリやOSを使用して、正常に動作するか、連携が取りやすいかなどを、使用する端末で事前に確認してから導入しましょう。
6. スマホ・タブレットへの対応状況
クラウドストレージがマルチデバイスに対応していないと作業効率が落ち、使い勝手が悪くなります。例えば移動中にデータをスマホで確認したり、取引先でタブレットからファイルを開くシーンがあったりと、業務で一つのデバイスのみを使うことは少ないものです。
クラウドストレージの「いつどこからでもデータにアクセスできる」という最大のメリットを生かすためにも、新しく端末を導入したり、社用スマートフォンの通信容量を増やしたりと、クラウドストレージに対応した機器の導入を積極的に行いましょう。
クラウドストレージを活用するためにも、マルチデバイス対応かどうかは必ず事前にチェックしましょう。
7. 操作がシンプルで使いやすいか
多機能なクラウドストレージは魅力的ですが、UIが複雑になりすぎていると社員が使いこなせない可能性が出てきます。せっかく導入したクラウドストレージも、使われなければ宝の持ち腐れです。
特にITへの知識がそこまで高くない社員が多い場合は、一目見て操作方法が分かるような、シンプルなものを選ぶのがおすすめです。それでも社員に対して操作方法の教育業務が発生することは念頭に置いておくとよいでしょう。
法人向けクラウドストレージを導入するなら「box」がおすすめ
ビジネス向けのクラウドストレージ選びで迷っているなら、イッツコムでも提供している「box」がおすすめです。boxはビジネスシーンで使うことを想定して開発したサービスのため、法人利用にぴったりの機能を多数搭載しています。
セキュリティを重視したい方や細かくアクセスログを取得したい方は、ぜひboxの導入をご検討ください。
国際規格に準拠した高いセキュリティを実現
boxは高いセキュリティレベルを実現したサービスを提供しており、機密情報を保管したい方にも最適です。boxのセキュリティレベルはさまざまな機関から高く評価されており、政府機関や金融機関などでも採用されています。
ディレクトリごとにアクセス権限を細かく設定したり、外部ユーザー用のフォルダを準備したりすることも可能です。ディレクトリごとに保存した情報を必要とするユーザーにのみアクセスを許可できるため、不要なユーザーにアクセスを許可して情報漏洩の原因になることを防げます。
ストレージの容量は無制限
イッツコムでは「Business」「BusinessPlus」「Enterprise」の3プランを提供していますが、いずれのプランでもストレージの総容量は無制限です。大量のファイルを保存する方でも安心してご利用いただけますので、無制限のクラウドストレージを探している方にも適しています。
ただし、1ファイル当たりのサイズには最大15GBの制限があります。4K動画などのサイズが大きくなりがちなファイルを業務で利用する方は、この制限がボトルネックにならないかあらかじめチェックしましょう。
「Box Platform」を提供していてカスタマイズ性が高い
boxでは「Box Platform」というAPIを提供しており、さまざまなビジネス向けITツールと連携できます。一例として、以下のような製品とboxを連携して使用可能です。
・Microsoft Office 365
・Slack
・Google Workspace
・Salesforce
・Zoom
ビジネスチャットやSFA、Microsoft Officeなど、仕事で使用する多くのソフトウェアと連携できることが分かるのではないでしょうか。自社でこれらのツールを使用しているなら、boxと連携させることで、さらに便利にご利用いただけます。
クラウドストレージの利用を助ける「イッツコム光接続サービス」
クラウドストレージを導入すると、インターネット上のやり取りが増えるため、いままで以上の通信負荷がかかることが予測されます。「イッツコム光接続サービス」では、大容量のデータのやり取りが発生しても問題ない通信回線をご用意しています。
下り最大2Gbps/上り最大1Gbpsという高速通信を実現しており、独自のFTTH回線網を利用した安定した通信回線です。さらにイッツコム光接続サービスは、回線網とプロバイダサービスを一括契約するため、万一のトラブル対応も窓口がひとつとなりスムーズです。
クラウドストレージの導入とともにインターネット回線を見直すことで、業務効率を改善して日々の生産性を大きく高められます。
まとめ
クラウドストレージは中小企業であっても導入する価値のあるサービスです。社内にサーバーを作って管理する手間を考えると、保守管理を任せられる月額料金制のクラウドストレージのほうがコストパフォーマンスに優れることもあります。特にクラウドサービスは設備が必要ない分イニシャルコストも抑えられるので、手軽に始めやすいのが魅力です。
イッツコムではboxをはじめとした、クラウドストレージの導入に役立つサービスを展開しています。クラウドストレージ導入でお悩みのことがあれば、ぜひ一度お問い合わせください。