バックアップにおすすめのメディア・方法は?クラウドストレージの魅力も解説
目次
ビジネスのデジタル化やDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組むと、管理するデータは日々増大します。ランサムウェアなどのサイバー攻撃のリスクも高まる中、バックアップの必要性を感じており、おすすめのバックアップ方法やメディアを知りたい企業担当の方もいるのではないでしょうか。
バックアップが求められる理由や具体的な実施方法を知ることで、自社に合ったバックアップ体制を選択できます。多くの企業で導入を進めるクラウドストレージによる安全かつ利便性の高いバックアップにも目を向け、情報資産をビジネスに有効活用しましょう。
そこでこの記事では、バックアップの必要性やおすすめメディア・方法、クラウドストレージの魅力についてご紹介します。
バックアップの意味や必要性
バックアップは日々増えてゆく情報資産を適切に保護し、事業継続性を担保するために必須の活動です。自然災害やサイバー攻撃、保存メディアの経年劣化などのリスクに備えましょう。まずはバックアップの意味や必要性を解説します。
バックアップとは?
バックアップとは、データのコピーを保存することや、そのコピー自体を指します。「バックアップを取る(バックアップする)」という表現の意味は、データの一部または全部をコピーし、何らかのストレージ(記憶装置)に保存することです。
「バックアップから復元」という表現は、元データや使用中のPCに不具合が発生した場合などに、コピーしたデータを使って以前の状態に戻すことを指します。
バックアップの必要性
バックアップは情報資産の保護や事業継続性の担保のために必須です。バックアップを保存したストレージは、経年劣化によりデータ損失を起こし、自然災害や取り扱いの不注意などで損傷することもあります。
またランサムウェアなどのマルウェアによって、データが不正に暗号化・破壊されたりデバイス自体にロックをかけられたりして、データにアクセスできなくなるケースも珍しくありません。
蓄積した機密情報や個人情報がデータ損失・アクセス不可となれば、ビジネスに甚大な被害を与えます。こういった状況への対策として、複数の方法・場所で分散的にバックアップを取り、情報資産の保護と事業継続性の担保に努めることは重要です。
【関連記事:『ランサムウェアの感染経路は?最新の攻撃手法や感染対策をわかりやすく解説』】
バックアップにおすすめのメディア・方法は?
バックアップはPC内で行う他に、外付けHDD・光学ディスクやクラウドストレージなど、さまざまなメディア・方法があります。ランサムウェア対策としておすすめなのは、耐久性を高めた光学ディスクとクラウドストレージの併用です。ここからは、それぞれのメディア・方法の特徴や潜在リスクを見ていきましょう。
PC内でバックアップ
最も一般的なバックアップ方法は、バックアップソフトを使って、PC内のストレージ(HDDやSSD)にバックアップすることです。Windows PC やMacなら、OS標準のバックアップ機能も利用できます。
ただし、想定される用途は、使用中のPCの作業データやシステム情報をバックアップすることです。外部デバイスのデータ、社内で共有されるデータのバックアップには不向きでしょう。またPC自体が経年劣化・損傷すると、バックアップから復元できなくなる恐れもあります。
外付けHDDでバックアップ
外付けHDDも一般的なバックアップメディアです。PCの周辺機器としてのストレージ機能に特化しているため、数TBの容量があるものでも比較的安価に利用できます。
ただしHDDは、回転するディスク上を磁気ヘッドが高速で動き、データを読み書きする仕組みです。物理的な駆動部分が多く、衝撃や振動に弱いため、故障を起こしやすいという懸念があります。寿命は数年程度という製品が多く、長期的なバックアップには注意が必要です。
NASでバックアップ
NAS(Network Attached Storage)は、ネットワーク(LAN)上に接続されるストレージです。USBケーブルで接続する周辺機器ではなく、LANケーブルで接続するネットワーク上のストレージサーバで、ネットワークHDDとも呼ばれます。
外付けHDDとは異なり、LAN内のデバイスと1対多で接続できることや、設定によってはLAN外(外出先)から直接アクセスできることなどが利点です。
ただし寿命は短く、一般的には3年保証となっています。NAS自体高価ですが、突然故障することもあり、頻繁にリプレイスのコストがかかることも懸念点です。
外付けSSDでバックアップ
外付けSSDもバックアップメディアとして利用されます。SDDはフラッシュメモリを用いた高速ストレージです。
半導体素子に電気的にデータを読み書きするため、HDDのような物理的な駆動がありません。HDDよりも高速に読み書きできることや、衝撃・振動に強いことが利点です。可搬性の高い薄型・小型の製品もあります。
ただし容量当たりの単価はHDDより高く、書き込み回数に制限があることも懸念点です。寿命は一般的に5年程度で、長期的なバックアップには向きません。一般的にはアクセス頻度の高い作業ファイルやプログラム用のストレージとして利用します。
USBメモリでバックアップ
USBメモリもバックアップメディアとして利用できます。SSDと同じくフラッシュメモリを用いており、高速アクセスができる上、外付けSSDよりさらに可搬性が高いのは利点です。USBポートに差し込むだけでデータをやり取りできる、誰でも簡単に使える手軽さもあり、データの一時的な保存や持ち運びに広く利用されています。
ただしUSBメモリは長期保存を想定しておらず、寿命はおおむね1~2年程度です。小型であるため紛失しやすく、盗難の被害に遭いやすい懸念もあります。実際に個人情報を保存したUSBメモリを紛失するなどの事故・事件も度々起こっており、重要な情報資産のバックアップには向きません。
光学ディスクでバックアップ
DVDやブルーレイディスクなどの光学ディスクもバックアップメディアとして活用できます。光学ディスクは可搬性が高く、製品によっては1枚当たり数十GBを保存できるのも利点です。一般的には短寿命ですが、M-DISC(耐久性を高めたDVDやブルーレイディスク)であれば、寿命100年~1,000年程度という圧倒的な耐久性を誇ります。
書き込みには専用のドライブが必要で、枚数が多くなるほど広い保管スペースを要するものの、半永久的にバックアップを保存できるのは強みです。容易にネットワークから分離できるため、マルウェア感染の防止にも効果を発揮します。
クラウドストレージでバックアップ
近年バックアップ先として利用が加速しているのはクラウドストレージです。インターネット経由でアクセスする外部サーバを利用するため、NASよりも高度な利便性を享受できます。
サーバ管理やセキュリティ対策はサービス事業者側が実施し、基本的に寿命を意識する必要がありません。ひとつのサービスでバックアップとファイル共有・編集を両立させられるのもメリットです。
例えば、クラウドストレージを日常的なバックアップ先・ファイル共有のプラットフォームとして利用し、重要な情報資産はM-DISCで長期保存・一括管理という方法が考えられます。
【関連記事:『クラウドストレージとは?メリットや比較するときのポイントを解説』】
バックアップにおすすめの方法はクラウドストレージ
日々アクセスするメインのバックアップ方法としてはクラウドストレージがおすすめです。クラウドストレージは手間・コスト・セキュリティ面の恩恵が大きく、社外ユーザーとのファイル共有に活用できる利便性もあります。ここでは、クラウドストレージのバックアップ方法としての魅力を見ていきましょう。
管理の手間がかからない
クラウドストレージは、外付けHDDなどのメディアを使う方法に比べて、管理の手間がかかりません。NASの運用には専任の管理者が必要で、メンテナンスやリプレイスの手間もかかります。
どのようなメディアを使う場合でも、自社オフィス内にバックアップがある限り、物理的・電子的なセキュリティ対策や侵入検知などの取り組みも必要です。
この点クラウドストレージなら、サービス事業者に保守管理を一任でき、ユーザー側はアクセス権限設定や定期的なログ監視などの手間だけで済みます。
データを損失しない
HDDやSSDなど、あらゆるメディアは経年劣化でデータが失われます。非常に長寿命のM-DISCであっても、物理的な損傷で読み出し不可になることは懸念点です。
この点クラウドストレージは、サービス事業者側が半永久的にデータ管理し、サーバの分散管理などの取り組みでデータ損失を防ぎます。
サービスによってデータ保護の取り組みは異なりますが、「数年後にアクセスしたらファイルが壊れていた」といった問題を回避しやすいのも、クラウドストレージでバックアップを取る利点です。
管理・セキュリティ対策のコスト削減
クラウドストレージによるバックアップは低コストであることもメリットです。自社でサーバ資産を抱える必要がないため、メディアのメンテナンスやリプレイスの費用はかかりません。
メディアを保管するためのスペースを圧縮でき、システムを稼働させるための電気代や人件費も抑えられます。さらに、暗号化・アンチウイルス・認証システムなどのセキュリティ機能もセットで利用できるため、セキュリティ対策費を大幅に圧縮できるのも利点です。
ランサムウェア対策にも効果的
企業のバックアップ体制で重要性が高まっているのはランサムウェア対策です。業務利用するデバイスがランサムウェアに感染すると、LAN内の全てのデバイス・メディアに感染拡大を起こし、バックアップを含めたデータが全滅する恐れもあります。
この点、インターネット経由でアクセスするクラウドストレージは感染経路を遮断しやすく、感染爆発を防止できるのが利点です。「Box」などの高セキュアなサービスなら、サーバ内で感染拡大を起こさない仕組みも取り入れています。
バージョン管理機能も利用できる
バージョン管理機能のあるクラウドストレージなら、ファイル単位のバックアップができることもメリットです。ファイルを編集することで自動的にバックアップも取れ、バージョン履歴から簡単に復元もできるため、複数のコピーを作成する必要がありません。
バージョン管理機能は、ファイルの乱立防止や検索性の維持にも役立ちます。フォルダ構造をクリーンに保ちながら、ファイル共有・編集とバックアップをスマートに両立させられるのも利点です。
社外ユーザーも安全に招待できる
クラウドストレージは社外ユーザーも含めて活用できるのも利点です。ファイルにはいつでもどこからでもアクセスでき、アクセスするデバイスも選びません。
サービスによってはアクセス権限設定や強力な認証システムにより、社外ユーザーも同じフォルダへ安全に招待できます。オンライン共同編集に対応したサービスなら、コラボレーションの結果をそのまま同じプラットフォームでバックアップでき、非常に効率的です。
クラウドストレージでバックアップするなら「Box」がおすすめ
数あるクラウドストレージの中でも特におすすめなのが、法人向けに開発された「Box」です。全ての有料プランが容量無制限であることや、世界最高峰のセキュリティレベルを誇ることなど、ビジネスユースに最適な特徴を備えます。
ビジネスユースとして最適
クラウドストレージはサービスによってセキュリティレベルや共有・編集機能などがさまざまです。世界最高峰のセキュリティレベルを誇る「Box」なら、あらゆるファイルを安全なクラウド上でバックアップ・共有・編集できます。
全ての有料アカウントは容量無制限で、容量に依存したコスト増はありません。7段階のアクセス権限設定や二要素認証により、社内外ユーザーと安全に共有・共同編集できるのも利点です。
また1,500以上のアプリと連携できるため、Web会議システム・グループウェア・SFA・MAなどの作業データも、安全なクラウド上で一元管理できます。マルチデバイス対応で、スマホやタブレットから利用できることも利点です。有料版Boxは5ユーザーから契約できるため、少人数のチーム・企業でも利用できます。
ランサムウェア対策にも有効
バックアップはランサムウェア対策という意味でも重要です。Box上のファイルは自動的に256ビットAESで暗号化される上、暗号鍵もさらに暗号化(ラッピング)されます。PCや自社運用するサーバとは異なり、ランサムウェアが活動する余地はありません。
さらに50世代以上のバージョン履歴を自動保存するため、万が一ランサムウェアに感染したファイルが同期されても、簡単な操作で復元できます。
安全なバックアップに効くクラウド整備はイッツコム!
イッツコムなら有料版「Box」を1カ月無料で利用でき、クラウド型営業支援ツール「ホットプロファイル」で個人情報保護と営業活動促進もサポートできます。組み合わせると安全なファイル・データ管理と業務効率化を両立させられ、生産性向上に大いに役立つのが魅力です。
イッツコムなら有料版「Box」を1カ月トライアル可能
有料版BoxはBox公式サイトから契約すると米国法人からの英語サポート、クレジットカード決済です。日本語サポートを受けられるのは日本の販売代理店で契約した場合のみです。
イッツコムなら容量無制限かつ高セキュアな有料版Boxを、1カ月無料で利用できます。導入時だけでなく運用中にも回数無制限のメールおよび電話のサポートが標準で付帯するため、疑問をスピーディに解消したいときも、トラブルの際も安心です。
また専任の担当者が導入から運用定着まで支援するメニューも用意しており、管理者や各種ユーザーの設定、フォルダ設計まで幅広くご相談いただけます。
個人情報保護と営業活動促進に「ホットプロファイル」
営業部門は日々個人情報を扱いますが、出先の営業担当者が各自で個人情報を持ち出し・管理するのは、セキュリティ上のリスクがあります。
そこで導入したいのが、名刺管理・SFA・MA一体型のクラウド型営業支援ツール「ホットプロファイル」です。名刺をスマホでスキャンするだけで顧客データベースを作成し、企業ニュースや営業履歴と関連付け、部署や会社全体で情報共有できます。
NASAや米国国防省でも採用されるAWSプラットフォーム上で提供され、システム間の通信は強力に暗号化されるのも強みです。指定したIPアドレス以外からのアクセスはシャットアウトし、スマホを紛失した場合には遠隔でロック・データ削除もできます。
Boxと連携させることで、顧客の属性情報や営業履歴はホットプロファイルに、各種提案資料や契約書などのコンテンツはBoxに、それぞれセキュアに保管することができます。
まとめ
バックアップを検討する際に重視したいのは、自然災害やランサムウェア、メディアの経年劣化などのリスクに対応できることです。クラウドストレージなら管理の手間・コストがかからず、自然災害やランサムウェアの対策にもなる安全性があり、メディアの寿命を意識する必要もありません。
イッツコムは容量無制限かつ高セキュアな「Box」を1カ月無料で利用でき、クラウド型営業支援ツール「ホットプロファイル」との連携もサポートできます。安全なファイル・データ管理をお求めなら、クラウド型サービスの組み合わせでバックアップと業務効率化を両立できるイッツコムにご相談ください。