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クリニックに最適な翻訳機は?医療通訳の必要性やポケトークの活用方法

訪日外国人旅行者や在留外国人の増加に伴い、外国人患者の受け入れ体制が課題となっているクリニックも少なくありません。自院を受診する外国人患者の人数や国籍数は、今後さらに増加する可能性があります。

通訳体制の整備はスタッフの負担軽減にも直結しますが、医療通訳者を常時活用するとなるとコスト面の懸念が残ります。リソースが限られる小規模クリニックには、高性能な翻訳機、とりわけPOCKETALK(ポケトーク)の導入が有効です。

本記事では、クリニックが通訳体制を整備すべき理由と具体的な方法、そしてポケトーク活用のイメージを解説します。

クリニックが通訳体制を整備する必要性

訪日外国人旅行者数の増加などを背景に、自院を受診する外国人患者の人数だけでなく、国籍数も今後増加する可能性があります。通訳体制が整っていない場合には、患者の家族や友人などが通訳を担当することもありますが、これには多くのリスクが伴います。また、スタッフの負担が増すことも大きな懸念点です。

外国人患者数は今後ますますの増加が予想される

コロナ禍以後、訪日外国人旅行者数や在留外国人数は増加傾向が続いており、それに伴い外国人患者の数も今後さらに増えると見込まれます。一方で、外国人患者の中には日本語でのコミュニケーションが難しいケースも多く見られます。日本語に不自由な患者を受け入れる以上、医療安全を確保する上でも、適切な通訳体制の整備が欠かせません。

とはいえ、通訳体制の必要性を認識していながら、「家族や友人、同僚、あるいはバイリンガル職員の通訳で十分対応できる」と考え、対応が後回しになっているクリニックもあるでしょう。

患者家族やバイリンガル職員による通訳にはリスクがある

家族・友人・同僚やバイリンガル職員による通訳には、主に以下のようなリスクがあります

  • 医学的概念・医療用語や通訳技術、倫理的規範に関する知識の不足により、不正確または低品質な通訳になる恐れがある
  • 肉親としての感情や会社の都合などにより、医療者が伝えたい深刻な事実や患者本人の意向について、変更・歪曲・抑制が起こりやすい
  • 医療従事者のストレスや不安の増加、医療費に関するトラブルなどを招く恐れがある

こうしたリスクを回避するためにも適切な医療通訳は重要ですが、日本の医療通訳者不足や外国人患者の多言語化といった背景もあり、医療通訳者だけで対応するのは困難です。このため、さまざまな通訳手法を吟味し、自院にとって実現可能かつ最適な通訳体制を整備することが求められます。

クリニックが導入を検討したい通訳の方法

通訳体制を整備するにあたり、「医療通訳者を自院で確保する」という選択肢は、病院であっても稀です。医療通訳者によるコミュニケーションの補助が必要な場合、多くは遠隔による医療通訳サービスの利用を検討することになります。特にリソースが限られる小規模なクリニックでは、基本的に翻訳機、中でもポケトークの導入がおすすめです。

対面通訳(雇用または派遣)

対面通訳とは、医療通訳者を自院で雇用するか、外部の専門事業者から派遣を受ける方法です。インフォームド・コンセント(IC)など、複雑で高度な説明が求められる場面でも対応力があり、医療安全の観点からは最も望ましい方法といえるでしょう。

しかし、高度な知識とスキルを持つ医療通訳者は非常に限られており、人件費の負担も大きいため、通訳者を自院で雇用するのは現実的な選択とはいえません。医療通訳者の派遣サービスを利用できる地域も限られています。厚生労働省が2022年に実施した調査によれば、医療通訳者の人数を「0人」と回答した医療機関は93.3%に上りました。

さらに、外国人患者の母国語が必ずしも英語や中国語であるとは限らず、対応すべき言語は多岐にわたります。マイナー言語を含めた多言語対応が可能な人材は非常に希少であり、自院の通訳体制は基本的に別の方法で整備する必要があります。

参考:『医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査 結果報告書|厚生労働省』

遠隔通訳サービス(電話やビデオ通話)

専門事業者が提供する遠隔通訳サービスは、電話やビデオ通話を通じて、医療通訳者が医療者と患者の間のコミュニケーションを仲介する方法です。事業者ごとに対応可能な言語数などは異なりますが、対面通訳よりも柔軟な運用が可能です。外国人患者の来院が多く、高度かつ複雑なやり取りが求められる場合には、積極的に導入を検討したいサービスです。

ただし、通訳の正確性や品質は担当する通訳者の能力に左右されます。また、利用料金は通訳時間に応じた従量制が一般的であり、契約内容や使用状況によっては、対面通訳よりもコストがかかる場合があります。

翻訳機(ポケトークなど)

ポケトークに代表される翻訳機は、翻訳・通訳機能に特化したハンディ端末です。対応言語数や翻訳精度などは機種によって異なりますが、英語や中国語だけでなく、通訳者が対応しにくいマイナー言語にも幅広く対応できる点が特長です。

必要なときにすぐ使用でき、音声や文章による通訳を一定の品質で行えるため、医師やスタッフと外国人患者との円滑なコミュニケーションを支援するツールとして活用できます。カメラ翻訳機能を備えた機種であれば、治療説明書や同意書などの書面も翻訳可能です。

さらに、比較的安価な定額制で利用できるため、リソースの限られる小規模なクリニックでも導入しやすいのが利点です。なお、厚生労働省の調査によれば、翻訳機能を備えた機器・サービスを導入している医療機関のうち、ポケトークを採用している割合は77.2%に上っています。

参考:『医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査 結果報告書|厚生労働省』
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病院・クリニックにおけるポケトークの活用事例

翻訳機の代表格であるポケトークは、日本企業のポケトーク株式会社が開発・販売している製品で、機能・性能と使いやすさのバランスに優れています。セキュリティやプライバシー面においても高い信頼性を備えており、医療機関での導入実績も豊富です。

ここでは、外国人患者の来院が多い地域に立地する病院や、外国人住民の増加が見られるエリアのクリニックにおける、ポケトークの活用事例を紹介します。

外国人患者が多い立地での活用事例

成田赤十字病院は成田国際空港に近い場所柄、多くの外国人患者が訪れます。外国語対応のために翻訳用タブレットの導入やバイリンガル職員の配置などの整備を進めてきましたが、英語や中国語以外を話す外国人患者が年々増え、受付・案内業務における対応の難しさを感じていました。

そこで複数の翻訳機を比較し、対応言語数や翻訳のスピード・精度、直感的な操作のしやすさなどに優れたポケトークを採用します。希少言語でもスムーズに外国語対応ができるようになったことで、バイリンガル職員に頼る回数も減り、「ポケトークが手元にある」ということがスタッフの安心感にもつながっているようです。

また、ポケトーク・指さしシート・災害時案内ボードなどを使用した窓口周りの対応が評価され、JMIP(外国人患者受入れ医療機関認証制度)認証の更新にもつながっています。

参考:『ニチイ学館様・成田赤十字病院様|活用!なっとく事例集 ポケトークの導入で現場はどう変わったのか?!|ポケトーク株式会社』

外国人住民が増えてきた地域での活用事例

中條医院の主な患者層は近隣の日本語話者ですが、所在地の外国人住民が増加傾向にある中、診察する外国人患者の人数も国籍数も増えています。比較的少数の外国人患者の対応を考え、スタッフが多言語を習得したり多言語話者を雇用したりするのは現実的ではなく、派遣または遠隔の医療通訳サービスの利用も金銭的負担が懸念点です。

そこで、軽症かつ急性期の外国人患者が多いことから、試験的導入も容易なポケトークを採用します。これまでスタッフは片言の英語やジェスチャーでコミュニケーションを取っていましたが、ポケトークで翻訳した音声や文章を繰り返し提示することで、多様な外国人患者とスムーズに意思疎通ができるようになりました。

スタッフの精神的・身体的な負担の軽減、外国語対応にかかる時間の削減など、医療通訳サービスに求められる重要な導入効果を実感しているようです。

参考:『外国人患者増加時代の試み ~「町のクリニック」におけるポケトーク導入の経験~|日本内科学会雑誌 108巻 4号|J-STAGE』

クリニックでポケトークの翻訳精度をさらに高めるコツ

AI通訳機ポケトークは翻訳精度に優れており、医療用語の通訳にも対応できます。ただし、あくまで機械翻訳である以上、話し方によって翻訳の精度が左右されることもあります。ここでは、ポケトークの翻訳精度をより高めるための工夫をご紹介します。

翻訳機が理解しやすい話し方をする

日本語特有の表現は、翻訳機が文章の構造や文意を正しく理解しにくく、意図しない語句の挿入や誤訳を招くことがあります。基本的には「やさしい日本語」を意識し、次の点に注意して話しかけましょう。

  • 主語や所有格(「あなたの」など)を省略しない
  • 長文は避け、一文を短くして語尾を明瞭に区切る(「です」「ます」など)
  • 尊敬語・謙譲語を避け、丁寧語を使う・「お疲れさまでした」「お邪魔しました」などの慣用句は避ける
  • 「ムカムカ」「ズキズキ」などのオノマトペ(擬音語・擬態語)は平易な日本語に置き換える
  • 外来語や略語(「コロナ」など)は極力使わない
  • 発言の誤認識を防ぐため、はっきり・ゆっくり話す

外国人患者に方言ではなく標準語で話してもらう

ポケトークは言語ペアごとに最も高精度な翻訳エンジンを使用し、総合的に高い翻訳精度を実現しています。とはいえ、日本語でも地域によって話される言葉に違いがあるように、外国語にも標準語と方言の違いがあります。標準語の翻訳精度は高い言語でも、外国人患者が方言で話すと正しく翻訳されない可能性もあります。

意思疎通に違和感がある場合、なるべく標準語で話してもらうように伝えてみましょう。その上で、端末に表示される翻訳結果の文章を患者に見せ、都度確認を取りながらコミュニケーションを取ることがポイントです。

クリニックの外国語対応に最適なポケトークの導入ならイッツコム!

対面や遠隔の医療通訳サービスは金銭的負担が大きく、クリニックでは導入が難しい場合もあります。この点、ポケトークは低コストで80以上の言語に対応でき、外国人患者とのコミュニケーション補助に最適です。

クラウド上の最新翻訳エンジンを常に利用することで、ネイティブ講師も認める翻訳精度を実現しており、導入後も精度の向上が期待できます。翻訳言語は国旗の一覧から検索することもでき、使用言語が不明な場合にもスムーズに対応できます。またカメラ翻訳により、治療説明書や処方箋の翻訳も可能です。

イッツコムは情報通信事業者ならではのサービスとして、法人データSIMをセットにした、ポケトークSのレンタルサービスを提供しています。初期費用0円、月額1,900円(税抜)/台にて、低コストで利用できます。

簡単かつスピーディに利用開始できることもポイントです。機器は郵送でのお届けとなり、お申し込みから最短8営業日で利用開始できます。付属の法人データSIMで通信できるため、追加のネットワーク工事も不要です。

まとめ


訪日外国人旅行者や在留外国人の増加に伴い、クリニックを受診する外国人患者の増加も予想されます。また、「外国人患者の多言語化」という側面もあります。医療通訳者の確保は現実的ではなく、医療通訳サービスは利用コストが懸念点です。

小規模なクリニックでは、低コストで導入できる高性能な翻訳機が活躍します。ポケトークは対応言語数が非常に多く、またイッツコムでレンタルすれば安価に定額利用でき、外国人患者の人数や国籍数が増えても柔軟に対応可能です。

外国人対応の課題解決をお考えなら、医療機関での採用実績も豊富なポケトークを安価に提供できるイッツコムにご相談ください。

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