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レンタルスペース開業に必要な許可・手続きは?運用方法と成功のコツ

レンタルスペース事業は、空きスペースや遊休不動産の収益化に最適な活用方法です。開業に当たり、どのような許可が必要か知りたい方も多いのではないでしょうか。

この記事では、開業に当たり必要なケースもある許可・手続きや、レンタルスペース経営の課題解決のポイントを解説します。事業用途に最適化されたスマートロックや管理システムを活用し、効率的かつ安全な遠隔管理を目指しましょう。

レンタルスペース経営は許可不要で始められる?まずは基礎知識を確認

レンタルスペースは貸し会議室や撮影スタジオなどさまざまな種類があり、施設形態によっては、許可不要で開業することもできます。事業者にとってのメリットも多く、空きスペースや遊休不動産の収益化に最適な活用方法です。まずはレンタルスペース経営の基礎知識を確認しておきましょう。

施設形態によっては特別な資格・許可は不要

レンタルスペース経営とは、所有または賃借している空きスペースを、会議・イベント・撮影・パーティーなどさまざまな用途で時間単位や日単位で利用者に有料で貸し出すビジネスです。施設形態によっては、事業開始に当たって特別な資格や許可は必要ありません。

オフィスビルのエントランスや空室、商業施設の駐車場・イベントスペースや店内の空きスペースなど、さまざまな空間を活用できます。一般的な賃貸借契約とは異なり、予約・決済といった手続きをスムーズに行えることも特徴です。遊休不動産を有効活用して収益を得る資産運用、また副業としても注目されており、稼働率を高めることで収益を最大化できます。

レンタルスペースの主な種類

レンタルスペースは、立地や構造、設備によって多様な運用方法があります。

  • 貸し会議室・ワークスペース:ビジネスミーティング、研修、セミナー、コワーキングなどに利用されるスペース
  • イベントスペース・パーティー会場:展示会、ポップアップストア、パーティー、懇親会、上映会など多人数のイベントに適したスペース
  • 撮影スタジオ:写真や動画制作に必要な照明・機材・背景が整ったスペース
  • スタジオ・教室スペース:ヨガ、ダンス、バレエ、絵画など少人数の習い事やワークショップ向けのスペース
  • キッチン・サロン:料理教室やパーティーで使えるキッチン、ネイルサロンや脱毛サロンなど小規模ビジネスに適したスペース

レンタルスペース経営が事業者にもたらす価値

レンタルスペース経営には、事業者にとって主に次のようなメリットがあります。

  • 高い単価と収益性:一般的な賃貸借契約よりも時間単位で高く設定でき、不動産の資産価値を最大化できる
  • 初期投資の柔軟性:既存の施設・設備を流用でき、賃貸物件を借りて始めることも可能
  • 未利用空間の活用:遊休ビルの一室や店舗の一角、マンションの部屋などを収益化できる
  • 既存事業とのシナジー効果:多様な利用者が訪れることで、商業施設の集客やPR効果が期待できる
  • 社会課題解決:空き家問題の解消や地域活性化にもつながる

レンタルスペースの開業で必要なケースもある許可・手続き

利用者の宿泊を伴わないなど、スペースの用途によっては行政による営業許可は不要です。とはいえ、事業開始に当たり、開業届の提出や定款の事業目的の更新が必要になる場合もあるでしょう。また、賃貸物件をレンタルスペース事業に活用する場合、活用の実態として特殊建築物に該当する場合などは、事前に手続きが必要です。

開業届の提出や定款の事業目的の更新

個人が新たにレンタルスペース事業を始める場合、所轄の税務署へ開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を提出する必要があります。確定申告の条件を有利にするなら、青色申告承認申請書(所得税の青色申告承認申請書)も提出しましょう。青色申告は複式簿記で記帳するため、通常の確定申告(白色申告)よりも難易度は上がりますが、最大65万円の特別控除など税制上の優遇措置を受けられます。

法人の場合、法人設立時やレンタルスペース事業開始に当たり、定款の事業目的にレンタルスペース事業に関する内容を記載する必要があります。すでに事業を営んでいる法人が新たにレンタルスペース事業を始めるなら、定款の事業目的に「レンタルスペースの管理及び運営」といった内容を追加しましょう。

【賃貸物件の場合】オーナーから書面で許可をもらう

自社所有物件ではなく賃貸物件をレンタルスペース事業に活用する場合、オーナー(大家)の許可が必要です。レンタルスペース事業は、物件の一部または全部を事業用途で使用するだけでなく、オーナーから借りている物件を利用者に一時的に貸し出すことになります。

「無許可での転貸借(又貸し)」とみなされると、賃貸契約違反と判断され、損害賠償請求や立ち退き命令といったトラブルにつながる恐れがあります。事業用途での使用は認められていても、必ず事前に書面にて、レンタルスペース営業の許可をもらっておきましょう。

【特殊建築物に該当する場合】自治体窓口などで確認申請手続き

施設の全体や一角をレンタルスペースとして運用する際、その用途や面積などによっては、建築基準法における「特殊建築物」とみなされる場合があります。特殊建築物は、一般の建築物よりも強い制限を課す建築物です。事業開始に当たって建築行為を伴わなくても、特殊建築物に該当する部分の面積が200㎡を超える場合、用途変更を行う前に確認申請手続きが必要です。

例えば、不特定多数のユーザーが出入りするレンタルスペースの総床面積によっては、その物件は特殊建築物の「集会場」に該当する場合があります。特殊建築物の判断基準は自治体によって違いがあり、また課される制限は一律ではなく、床面積や階数などを特定して適用されます。建築基準法上の用途の判断や必要な手続きについては、建築士や自治体の建築課に相談するとよいでしょう。

【特殊建築物に該当する場合】防火・避難安全性を確保する設備追加や定期報告

レンタルスペース事業で使用する物件が特殊建築物に該当する場合、建築基準法に基づき防火・避難安全性などを調査・検査し、所定の機関や自治体へ定期報告する義務があります。

さらに消防法により、施設の用途や収容人数に応じて以下の設備を追加設置しなければならない場合があります。

  • 消火設備:スプリンクラー、屋内消火栓、ガス系消火設備など
  • 警報設備:自動火災報知設備、消防機関通報装置など
  • 避難設備:誘導灯、標識、避難器具など

また、パーティションによる間取り変更などを行う場合は、営業開始前に所管消防署へ「防火対象物使用開始届出書」を提出する必要があります。詳細な要件は、自治体の建築課や消防署に確認してください。

【食品関係の用途でレンタルする場合】保健所に営業許可申請を行う

レンタルキッチンなど食品関係の用途でレンタルスペースを提供する場合、取り扱う食品や営業形態に応じて、食品関係営業許可を取得しておくことが必要です。これは食品を取り扱う施設・設備などの許可を得るためのもので、レンタルスペース事業を営む側が所管の保健所に申請し、確認検査を合格すると取得できます。

営業許可申請書の提出時、施設の設計図や水質検査成績書、食品衛生責任者の資格を証明する書類なども提出が求められます。飲食店営業・菓子製造業・魚介類販売業など、業種によって営業施設に求められる基準が異なるため、詳細は保健所に相談しましょう。

レンタルスペース経営の注意点と成功のカギ

レンタルスペース経営の注意点として、利用者との鍵の受け渡しや、スペースで起こる保安・衛生面のトラブルを挙げられます。スマートロックやクラウド型の管理システムを活用することで、運営の手間やリスクを抑え、効率的かつ安全な遠隔管理を目指せます。

鍵の受け渡しの課題はスマートロック活用で解決

レンタルスペース事業で貸し会議室などを運用する場合、利用者と施設・部屋の合鍵の受け渡しが必要です。対面での受け渡しは手間がかかり、鍵の紛失・盗難・無断複製といった防犯上の懸念もあります。

鍵の受け渡しの懸念を解消するには、スマートロックの導入が有効です。法人向けの鍵管理サービスは、遠隔で解錠キーの発行・配布ができるだけでなく、施設予約や決済なども一元的に管理できます。利便性と安全性を両立できる製品・サービスを選びましょう。

【関連記事:スマートロックとは?導入メリット・注意点やおすすめの選び方を解説

運用中のトラブルは遠隔管理ができるシステムで防止

レンタルスペースは利用者層がさまざまで、貸し会議室をパーティーに利用するなど、利用方法もユーザーによって異なります。運用中のトラブルを防止するには、鍵の受け渡しだけでなく、施設の状況を遠隔で管理できる仕組みも重要です。

例えば、IPカメラ(ネットワークカメラ)と連携したセキュリティ対策、清掃スタッフの遠隔での手配などを挙げられます。複数の施設・部屋を運用する場合、全ての物件の予約状況などを一元管理できるシステムも重要です。各種管理システムを活用して、自動化により人件費を削減しつつ、遠隔でも常に快適なスペースを提供できる体制を整えましょう。

レンタルスペース経営に最適なスマートロック・管理システムの導入ならイッツコム!

イッツコムは、レンタルスペースの遠隔管理に最適なスマートロック・管理システムを提供しています。「Connected Space Share(コネクティッドスペースシェア)」はLINEアプリだけで時間貸しスペース利用が完結するシステムで、「Connected Portal(コネクティッドポータル)」は数日間のレンタルなどにも柔軟に対応できます。

LINEアプリだけで時間貸しスペース利用が完結する「Connected Space Share(コネクティッドスペースシェア)」

「1時間当たり○円」といった時間貸しのレンタルスペースを運用する場合、利用者にも運営側にも利便性の高い管理システムが望まれます。スマホ1つで解錠できるスマートロックと予約・鍵管理システムの連携は便利ですが、一般的なサービスでは専用アプリのダウンロードや複数デバイスの連携が必要です。

よりシンプルな仕組みを求めるなら、LINEアプリだけで予約・決済・解錠が完結する「Connected Space Share(コネクティッドスペースシェア)」がおすすめです。対象スペースのLINE公式アカウントを友だち登録するだけで、利用手続きや運営側とのやりとりもLINE上で行えます。

ユーザーが予約・決済を行うと、Stripeによるクレジットカード決済と時限キーの自動発行が同時に完了するため、管理の手間がかかりません。予約状況や売り上げ、ライブ映像は専用ダッシュボード(Webページ)で一括管理でき、清掃などの内部予約も同じシステムで処理できます。効率的なスペース運用を実現できるのが特徴です。

数日間のレンタルなどにも柔軟に対応できる「Connected Portal(コネクティッドポータル)」

「1日当たり○円」といった数日単位での利用や、ユーザーごとに利用スペースが異なる施設では、日またぎの予約や会員ごとの設定に対応できるシステムが必要です。

このようなニーズには、特定ユーザーに特定期間だけ有効な時限キーを発行できる「Connected Portal(コネクティッドポータル)」が最適です。スマートロックは穴開け工事不要で設置でき、ICカード・暗証番号・遠隔解錠に対応しています。さらにIPカメラやセンサー、家電コントローラーと連携し、鍵と連動した動画撮影や空調管理も行えます。

また、PMS(ホテル管理システム)とAPI連携することで、施設予約から時限キー発行まで自動化が可能です。高いセキュリティを確保しつつ、サービス向上や業務効率化を実現できるシステムです。

まとめ

レンタルスペースは、空きスペースや遊休不動産の収益化に最適な活用方法です。食品関係の用途で運用する場合や特殊建築物に該当する場合などは法令に基づく手続きが必要ですが、施設形態によっては特別な許可や資格は必要ありません。

事業用途に最適なスマートロックや各種管理システムを活用し、鍵の受け渡しや保安・衛生面のトラブルを防止して、レンタルスペース経営の成功を目指しましょう。開業時に必須の環境整備をお考えなら、運用ニーズに応じて最適なシステムを提案できるイッツコムにご相談ください。