1. コラム
  2. コラム
  3. Zoomを使ったライブ配信に必要なネット環境とは?光回線やWi-Fiのスマートな導入方法

Zoomを使ったライブ配信に必要なネット環境とは?光回線やWi-Fiのスマートな導入方法

コロナ禍の影響もあってWeb会議システムの活用方法は多様化しており、ライブ配信のニーズも高まっています。Zoomで視聴者向けにライブ配信することを検討していて、必要なネット環境が知りたい方もいるのではないでしょうか。

Zoomのライブ配信に必要なネット環境のスペックや不足した場合のリスク、ネット環境を一括整備するポイントを知ることで、配信者・視聴者ともに快適なライブ配信が可能です。そこでこの記事では、ライブ配信時のネット環境の基礎知識やインターネット回線の種類、ネット環境整備のポイントについて紹介します。

ライブ配信に重要なネット環境の基礎知識


ライブ配信をするなら、インターネット回線の上り速度・下り速度の違いや配信時に必要な回線速度の目安、実測値と理論値の違いなどを知っておくことが必要です。まずは基礎知識として、回線速度の考え方や測り方を見ていきましょう。

ライブ配信に重要なのは上り速度

インターネットの回線速度には下り速度と上り速度があります。下り速度はデータをダウンロードする(デバイス側に落とす)方向の回線速度で、上り速度はデータをアップロードする(サーバー側に上げる)方向の回線速度です。

一般的なインターネット利用には下り速度が重視されます。上り速度はライブ配信用のサーバーにデータを届ける方向の回線速度なので、映像や音声のデータを視聴者に届けるには上り速度が重要です。

Zoomのライブ配信は回線速度10Mbps~30Mbpsが目安

映像・音声のライブ配信によく利用されるのが、Web会議システムのZoomです。Zoomは独自のデータ圧縮技術により狭帯域でも安定して映像・音声を届けられるツールで、仕様上は上り・下り3Mbpsほどの回線速度があれば利用できます。

ただし状況次第ではより高速な回線速度が求められるため、小規模なライブ配信でも上り・下り10Mbps程度の回線速度は必須です。参加人数が多い場合は上り・下り30Mbps程度の回線速度が求められます。

回線速度は実測値をみることが必要

インターネット回線の回線速度は、サービス事業者側の公表値として上り・下り1Gbpsなどと表されます。このカタログスペックは理論値と呼ばれ、技術仕様上の理想的な最大値です。

多くの場合、回線速度の実測値は理論値の半分以下となり、同時接続数や時間帯などの影響でさらに低速になります。スペック上は高速なインターネット回線でも、実際のパフォーマンスは実測値を測定してみなければ分かりません。

回線速度の実測値の測り方

実測値を測定する簡単な方法は、Google検索で「スピードテスト」をキーワード検索することです。検索結果の最上部に「インターネット速度テスト」が表示されるので、「速度テストを実行」ボタンをタップ/クリックします。これだけで、しばらく待つとダウンロード速度・アップロード速度の実測値を測定可能です。

有料版ZoomはSNSでライブ配信できる

Zoomミーティングは参加者間での映像・音声のライブ配信機能を持ちますが、有料アカウントを取得すれば、YouTubeやFacebookでミーティングのストリーミング配信もできます。さらにウェビナーアドオンを購入すれば、最大1万人参加のウェビナーをストリーミング配信することも可能です。

Zoomを利用していないユーザーもYouTubeやFacebookにアクセスすればミーティングやウェビナーを視聴できるので、スマートに配信規模を拡大できます。

ライブ配信時にネットの回線速度が遅いデメリット


ライブ配信時にインターネット回線が低速だと、以下のような事態を招く場合があります。

・映像や音声の遅延
・コネクションの強制切断
・遅延や強制切断による機会損失や信用失墜

安定した回線速度を発揮できるインターネット回線が必要なことを認識しましょう。

映像や音声の遅延

インターネット回線の上り速度が遅いと、視聴者側で映像・音声のズレが起こったり、映像だけが止まったりします。これは視聴者のストレスの原因になる上、講演内容を正しく伝えられないことも懸念点です。

視聴者のリアクションが遅れたり、スムーズな講演進行が阻害されたりすることによって、講演の運営が難しくなることも考えられます。

コネクションの強制切断

映像・音声のズレは許容できる場合もありますが、回線速度が遅いとミーティングやウェビナーが強制切断される場合もあります。参加者が個別に強制退出させられることも問題ですが、配信者側のコネクションが強制切断される状況は深刻です。

遅延や強制切断による機会損失や信用失墜

遅延や強制切断が起こるとミーティングやウェビナーの進行に支障をきたすだけでなく、ユーザー離れの原因にもなり得ます。せっかくのライブ配信も内容を正しく伝達できず、視聴者の満足度も低くなってしまい、機会損失を招いてしまいます。

遅延や強制切断は前提といえるほど回線速度が遅ければ、サービス提供者としては満足のいく結果とはならないでしょう。通信状況の改善が見られなければ、企業の信用を失墜させかねません。

ライブ配信に利用するネット回線の種類


上り速度を重視するなら、インターネット回線は光回線の一択です。モバイルWi-Fiルーターやホームルーターによるモバイル回線は上り速度が貧弱で、ライブ配信時に遅延や強制切断を起こす懸念があります。ここでは、ライブ配信に利用するネット回線として光回線・モバイルWi-Fiルーター・ホームルーターを比較して見ていきましょう。

光回線

光回線は光ファイバーケーブルを室内に引き込んで利用する、有線接続の固定回線です。通信速度は上り・下りともに1Gbps(理論値)が標準で、オフィス内や店舗内からのライブ配信に最適といえます。月額定額制かつ通信容量無制限であることもメリットです。

LANケーブルを配線できないエリアやデバイスでライブ配信をする場合、Wi-FiルーターやWi-Fiアクセスポイントによる無線接続でデータを中継します。

モバイルWi-Fiルーター

モバイルWi-FiルーターはWi-Fi機能とモバイルデータ通信機能という2種類の無線通信機能が一体型の通信機器です。デバイスとモバイルWi-FiルーターはWi-Fi規格の電波で無線接続し、モバイルWi-Fiルーターとキャリアの基地局はWiMAXや4G LTEなどのモバイル回線で無線接続します。

カタログスペック上は下り速度が光回線並みに高速なサービスも登場していますが、主にダウンロード利用を想定しているため上り速度は低速です。また、基本的には月間または直近数日間のデータ通信量に応じて速度制限がかかります。

ホームルーター

ホームルーターは据え置き型のモバイルWi-Fiルーターで、置くだけWi-Fiとも呼ばれます。基地局との無線接続にはWiMAXや4G LTEを利用し、光回線を利用しません。

モバイルWi-Fiルーターのような携帯性はありませんが、電源ケーブルを差すだけで簡単に使い始められます。モバイルWi-Fiルーターより大型・高性能であるものの、上り速度が遅く、速度制限がかかることはモバイルWi-Fiルーターと同様です。

あくまで「屋内で簡単にWi-Fi環境を整えられる」ことを魅力とする通信回線・通信機器で、光回線の工事完了までの「つなぎ」として貸与されるケースもあります。

ライブ配信のネット環境を整備するポイント


ライブ配信のネット環境整備には、以下のようなポイントを押さえることが大切です。

・法人向けの光回線
・プロバイダがIPv6 IPoE対応
・Wi-Fi機器はWi-Fi6対応
・Wi-Fiアクセスポイントの増設
・有料版Zoomの利用

それぞれのポイントの意味を理解し、快適なネット環境を整えましょう。

法人向けの光回線

モバイルWi-Fiルーターやホームルーターは上り速度が遅いため、安定したライブ配信には向きません。遅延や強制切断を起こさないためには、高速かつ安定した光回線を選択しましょう。

モバイル回線は個人利用を想定していますが、光回線にはビジネスユースを想定した法人向けサービスがあります。法人向け光回線なら個人向け光回線より安定性が高く、ライブ配信に最適です。

プロバイダがIPv6 IPoE対応

現在主流のインターネット接続方式は「IPv4 PPPoE」で、この方式にはアクセス集中による速度低下を起こしやすい問題があります。夜間や休日に通信速度が低下しやすいことの根本的な原因は、プロバイダがIPv4 PPPoEでインターネット接続を中継していることです。

この問題を解決するには、「IPv6 IPoE」に対応したプロバイダと契約することが求められます。プロバイダによってサービス名は異なりますが、IPv6 IPoEであれば同時接続数や時間帯によらず安定したライブ配信が可能です。

Wi-Fi機器はWi-Fi6対応

ライブ配信をする場所やデバイスによってはWi-Fiによるデータ中継が求められますが、Wi-Fi規格はバージョンによって最大通信速度などの仕様が異なります。最新のWi-Fi規格は「Wi-Fi6」です。Wi-Fi6には以下のような特徴があります。

・最大通信速度9.6Gbps:光回線のパフォーマンスを発揮できる
・OFDMA対応:複数デバイスを同時にWi-Fi接続しても通信待ちが発生しない
・2.4GHz帯と5GHz帯の両方に対応:障害物や電波干渉に応じて周波数帯を切り替えられる

古いWi-Fi規格だと「遅い」「つながらない」問題が発生しやすいので、Wi-Fi6対応のWi-Fi機器を利用しましょう。

Wi-Fiアクセスポイントの増設

光回線を契約し、ONU(光回線終端装置)とWi-FiルーターをLANケーブルと接続することでWi-Fi接続ができます。Wi-FiルーターとLANケーブルで接続し、Wi-Fiの基地局を増設できるのがWi-Fiアクセスポイント(AP)です。

APを増設することで、Wi-FiルーターだけではカバーできないエリアでWi-Fi接続できます。またWi-Fiルーターが旧式でもAPが最新なら、APのWi-Fi機能を優先的に利用できることもメリットです。

有料版Zoomの利用

Zoomは無料で利用できますが、無料版ZoomはSNSストリーミング配信ができず、またZoomビデオウェビナー機能も利用できません。ライブ配信の仕組みを整えるなら、Zoomの有料アカウントの登録が求められます。

無料版Zoomにはグループミーティングの40分制限など複数の機能制限がありますが、有料版Zoomなら実質無制限(30時間/1回)で利用でき、共同ホストの指名や利用履歴の管理ができることもメリットです。

ライブ配信のネット環境を一括整備するならイッツコム!


イッツコムはIPv6 IPoE対応の法人向け光回線「イッツコム光接続サービス」や、Wi-Fi6対応のWi-Fiアクセスポイント「かんたんWi-Fi」を提供しています。これらに加え、有料版Zoomをそろえればライブ配信のネット環境は万全です。イッツコムなら日本語サポート込みの有料版Zoomを1か月無料で利用できます。

IPv6 IPoE対応の法人向け光回線「イッツコム光接続サービス」

ライブ配信には光回線による通信の安定化が必須ですが、個人向け光回線には安定性に懸念があります。イッツコムが提供する法人向け光回線「イッツコム光接続サービス」は、高速かつ安定した通信が特徴です。

通信速度は一般的な光回線より高速な下り2Gbps・上り1Gbpsである上、IPv6 IPoEに標準対応するため、時間帯にかかわらず安定したライブ配信ができます。光回線・プロバイダ一体型のサービスなので、他社サービスよりランニングコストを抑えられる上、トラブルの際の対応がスピーディーであることもメリットです。

Wi-Fi6対応のWi-Fiアクセスポイント「かんたんWi-Fi」

Wi-Fi接続によるライブ配信は場所やデバイスの制限が少なく便利ですが、Wi-Fiルーターには同時接続数や通信の安定性の懸念があります。そこで導入したいのが、高機能なWi-Fiアクセスポイント(AP)を簡単に増設できる「かんたんWi-Fi」です。

かんたんWi-Fiは届いたAPにLANケーブルと電源ケーブルを接続するだけで使い始められます。「ハイエンド6」プランならWi-Fi6に対応し、同時接続数は1AP当たり最大100台なので、他の業務と並行利用しても安定したライブ配信が可能です。365日の遠隔サポートも利用できるため、設定ミスや通信の問題が発生してもスピーディーに解決できます。

まずは1か月無料トライアル「有料版Zoom」

Zoomは企業がライブ配信をするには必須ツールといえますが、無料版はストリーミング配信や利用履歴の管理に対応しておらず、ビジネスユースには向きません。

ホスト(主催者)が有料アカウントに登録していれば、YouTubeや Facebookでミーティングのストリーミング配信ができ、ウェビナーアドオンを購入すればウェビナーのストリーミング配信も可能です。参加者に有料アカウントの登録は必要ありません。

イッツコムなら有料版Zoomを1か月無料で利用できます。全てのアカウントレベルで日本語サポートが付属するため、トラブルの際も安心です。まずは無料トライアルで使用感を確かめましょう。

まとめ


Zoomのミーティングやウェビナーをライブ配信するには、少なくとも10Mbps、できれば30Mbpsの回線速度を維持したいところです。安定した回線速度を維持するには、プロバイダがIPv6 IPoEに対応していること、Wi-Fi経由ならWi-Fi機器がWi-Fi6対応であることも求められます。

イッツコムならIPv6 IPoE対応の法人向け光回線と、Wi-Fi6対応のWi-Fiアクセスポイントの一括整備が可能です。さらに、ウェビナー運営も可能な有料版Zoomを1か月無料で利用できます。配信者・視聴者ともに快適なライブ配信をお求めなら、複数サービスの組み合わせでネット環境を一括整備できるイッツコムにご相談ください。

また、ご自宅のライブ配信環境を整えたい方にもイッツコムのサービスはおすすめです。イッツコムの個人向けサービスはこちらから。