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高速・安全なWi-Fi6接続の確認方法や魅力、Wi-Fi5との違いを解説

2019年に登場したWi-Fi6は、速度・安定性ともにWi-Fi5以前のバージョンより大幅に強化されており、またWi-Fiセキュリティも万全です。現代のビジネスにインターネットは欠かせません。インターネットの速度低下は業務効率を低下させる原因のひとつです。

オフィスでのワークスタイルを安定させるためにWi-Fi6の導入拡大を検討しており、Wi-Fi6接続の確認方法や魅力を知りたい企業担当の方もいるのではないでしょうか。

Wi-Fi5以前との違いや機能を最大限に発揮する方法を知ることで、Wi-Fi6の導入拡大のプランを具体化できます。Wi-Fiアクセスポイントの増設にも目を向け、快適かつ安全なWi-Fi環境を整備しましょう。

そこでこの記事では、Wi-Fi6の仕様や接続確認方法、Wi-Fi5以前との違いについてご紹介します。

Wi-Fi6とは?


モバイルデバイスの利用拡大もあってWi-Fi接続は日常生活にもビジネスにも浸透していますが、あらためて「Wi-Fiとは何か」と問われると即答できない方も多いのではないでしょうか。まずはWi-Fiの仕組みや規格の名称と歴史、最新のWi-Fi規格Wi-Fi6の基礎情報について確認していきましょう。

Wi-Fiとは?

Wi-Fiとは、2.4GHz帯または5GHz帯の電波を使ってLAN (Local Area Network)を構築する無線技術で、事実上唯一の無線LAN規格です。

オフィス内などで構築される構内ネットワークをLANと呼びますが、以前はLANケーブルなどによってデバイスを相互接続する有線LANが主流でした。これを電波による相互接続とし、無線LANルーター(Wi-Fiルーター)とPC・スマホなどの間で、電波によってデータをやり取りする技術規格がWi-Fiです。

Wi-FiとIEEE 802.11シリーズ

Wi-Fiは「Wi-Fi Alliance」が無線LAN規格の普及のために用いるブランド名で、正式には標準化団体「IEEE」が策定するIEEE 802.11シリーズ規格です。

Wi-Fi規格は1997年の登場から数年おきにバージョンアップを続けており、バージョンによって利用できる周波数帯域や最大通信速度などが異なります。

Wi-Fi規格の歴史

Wi-Fi規格は1997年に登場し、2019年までに以下のようなバージョンアップを重ねています。

・IEEE 802.11:1997年制定。2.4GHz帯対応のプロトタイプ。最高速度2Mbps
・IEEE 802.11a:1999年制定。5GHz帯対応のプロトタイプ。最高速度54Mbps
・IEEE 802.11b:1999年制定。11の上位規格。最高速度11Mbpsへ高速化
・IEEE 802.11g:2003年制定。11bの上位規格。最高速度54Mbpsへ高速化
・IEEE 802.11n(Wi-Fi4):2009年制定。2.4GHz帯・5GHz帯両対応のプロトタイプ。最高速度600Mbps
・IEEE 802.11ac(Wi-Fi5):2014年制定。11aの上位規格。最高速度6.9Gbpsへ高速化
・IEEE 802.11ax(Wi-Fi6):2019年制定。11nの上位規格。最高速度9.6Gbpsへ高速化

最新のWi-Fi規格「Wi-Fi6」の特徴

IEEE 802.11という名称は分かりにくいため、2009年以降のWi-Fi規格は分かりやすく「Wi-Fi4」「Wi-Fi5」「Wi-Fi6」と通称します。2019年登場のWi-Fi6(11ax)は最新のWi-Fi規格です。

昨今の通信データの大容量化を受け非常に高速であることの他、さまざまな最新技術を活用することで、通信の安定性・セキュリティレベル・省電力性などの性能にも優れています。

Wi-Fi6に接続できる?使用条件や確認方法


電波は目に見えないため、Wi-Fi6で無線接続できているかどうかは判断しにくいかもしれません。Wi-Fi6で無線接続するには条件があり、またPCやスマホで接続確認する方法もあります。ここでは、Wi-Fi6の使用条件や確認方法を見ていきましょう。

Wi-Fi6を利用する必須条件

Wi-Fi6を利用する必須条件は、Wi-Fi機器とデバイス両方がWi-Fi6に対応していることです。片方の機器しか対応していなければWi-Fi6を利用できません。例えばスマホがWi-Fi6対応、Wi-FiルーターがWi-Fi5まで対応なら、Wi-Fi5までの規格で無線接続する仕組みです。

Wi-Fi機器やPC・スマホなどの製品仕様には、対応無線LAN規格が記載されています。またWi-Fi Allianceの認定プログラム「Wi-Fi CERTIFIED 6」のロゴがあれば、標準規格を満たしたWi-Fi6対応機器です。

Wi-Fi6対応機器は2019年以降発売モデル

Wi-Fi規格のバージョンと制定年の対応関係は以下の通りです。

Wi-Fi規格制定年
IEEE802.11ax(Wi-Fi6)2019年
IEEE802.11ac(Wi-Fi5)2014年
IEEE802.11n(Wi-Fi4)2003年
IEEE802.11g2003年
IEEE802.11a1999年
IEEE802.11b1999年

Wi-Fi6は2019年に制定された最新規格であるため、古い機器は非対応です。対応デバイスは2019年以降発売モデルに限られます。

例えばiPhoneなら、2019年発売のiPhone11以降のモデルがWi-Fi6対応です。Wi-Fiルーターも2019年以降発売モデルでなければWi-Fi6に対応していません。

PCにおけるWi-Fi6接続の確認方法

Windows PCの場合、実際にWi-Fi6で接続しているかどうかは以下の手順で確認できます。

1.Wi-Fi6対応のWi-Fiルーターと無線接続
2.タスクバー右側のWi-Fiネットワークアイコンを選択し、Wi-Fiクイック設定で[Wi-Fi接続の管理]をクリック
3.接続中Wi-Fiネットワークの[プロパティ]を選択
4.[プロトコル]欄に「Wi-Fi6(802.11ax)」と表示されていればWi-Fi6で接続中

スマホにおけるWi-Fi6接続の確認方法

iPhoneなどのスマホは、スマホ・Wi-Fi機器のWi-Fiネットワーク情報から、デバイスに割り当てられたMACアドレス(ネットワーク機器の識別番号)を確認しましょう。iPhoneでのWi-Fi6接続確認方法は以下の通りです。

1.[設定]アプリを開き、[Wi-Fi]から接続中のネットワークをタップ
2.[Wi-Fiアドレス]欄の文字列(iPhoneに割り当てられたMACアドレス)を確認
3.取扱説明書に記載の方法(Webブラウザや専用アプリからアクセス)でWi-Fi機器の設定画面を開く
4.Wi-Fi接続デバイス(iPhone)のMACアドレスを確認し、対応するWi-Fi規格のバージョンがWi-Fi6(802.11ax)であればWi-Fi6で接続中

Wi-Fi6とWi-Fi5以前の比較


Wi-Fi6とWi-Fi5以前のバージョンは、主に以下の点で違いがあります。

・最大通信速度
・通信の安定性
・対応する周波数帯
・Wi-Fiセキュリティ規格

ここからは、Wi-Fi6がいかに優れた無線LAN規格かを、よりクリアにイメージしましょう。

最大通信速度の違い

Wi-Fi規格のバージョンと最大通信速度の対応関係は以下の通りです。

Wi-Fi規格最大通信速度
IEEE802.11ax(Wi-Fi6)9.6Gbps
IEEE802.11ac(Wi-Fi5)6.9Gbps
IEEE802.11n(Wi-Fi4)600Mbps
IEEE802.11g54Mbps
IEEE802.11a54Mbps
IEEE802.11b11Mbps

Wi-Fi規格には通信速度の上限が定められており、上限値以上の速度での通信はできません。例えば11gは最高速度54Mbpsで、Cat5のLANケーブルの最高速度(100Mbps)にも劣ります。

Wi-Fi4は最高速度600Mbpsで、これはCat6のLANケーブルの最高速度(1Gbps)以下です。Wi-Fi5は最高速度6.9Gbpsで非常に高速ですが、Cat7のLANケーブルの最高速度(10Gbps)には劣ります。

Wi-Fi6は最高速度9.6Gbpsで、有線LANで発揮できる最高速度並みのパフォーマンスを実現しています。

安定性の違い

Wi-Fi4やWi-Fi5はOFDMという技術で通信しますが、Wi-Fi6はOFDMAという技術を採用しています。これで大きく変わったことは、多台数を接続しても「遅い」「つながらない」という問題が発生しにくくなったことです。

OFDMAを採用するWi-Fi6なら、多台数接続時にも通信の順番待ちが発生しないため、社員の多いオフィスや混雑した店内でも安定したWi-Fi接続ができます。

対応する周波数帯の違い

Wi-Fi規格のバージョンと周波数帯の対応関係は以下の通りです。

Wi-Fi規格対応周波数帯
IEEE802.11ax(Wi-Fi6)2.4GHz帯/5GHz帯
IEEE802.11ac(Wi-Fi5)5GHz帯
IEEE802.11n(Wi-Fi4)2.4GHz帯/5GHz帯
IEEE802.11g2.4GHz帯
IEEE802.11a5GHz帯
IEEE802.11b2.4GHz帯

Wi-Fiの電波は2.4GHz帯か5GHz帯のいずれかを用いますが、これは周波数帯によって混信・減衰といった特性が異なるためです。2.4GHz帯の電波は壁などの障害物を透過させやすい一方、家電やPCなどの電子機器も多用するため、混信により通信速度が低下します。

5GHz帯の電波は障害物で減衰が起こりやすい一方、混信を起こすことが少なく、通信速度が安定しやすいのはメリットです。2.4GHz帯と5GHz帯の両方に対応しているWi-Fi規格は、Wi-Fi4とWi-Fi6のみとなっています。Wi-Fi6なら状況に応じて周波数帯を切り替え、高速かつ安定したWi-Fi接続が可能です。

Wi-Fiセキュリティ規格の違い

Wi-Fiと共にセキュリティ規格もバージョンアップを続けています。過去に用いられた「WEP」や「WPA」は暗号化や認証の安全性が低く、現在では使用が推奨されません。

2006年以降、「WPA2」に対応しない機器は「Wi-Fi CERTIFIED」認証を得られなくなっています。ただしWPA2も暗号化プロトコルが「TKIP」の場合は低セキュアで、iPhoneでは「安全性の低いセキュリティ」として警告が出る仕様です。

Wi-Fi6なら最新のWi-Fiセキュリティ規格「WPA3」に標準対応しています。WPA3に対応していることは「Wi-Fi CERTIFIED 6」認証の必須条件なので、ラベルが貼られている機器は高セキュアです。

Wi-Fi6に接続するためのWi-Fi機器選定ポイント


Wi-Fi6をビジネスシーンで利用するなら、選択肢に入るWi-Fi機器のカテゴリは、法人用Wi-FiルーターかWi-Fiアクセスポイントです。またWi-Fiを利用する空間の広さや構造(電波が安定して届く範囲)、Wi-Fi機器の同時接続台数もしっかりと検討しましょう。

法人用Wi-FiルーターかWi-Fiアクセスポイントか

ビジネスユースのWi-Fi機器は「法人用Wi-Fiルーター」と「Wi-Fiアクセスポイント」に大別できます。いずれもWi-Fiの基地局として動作しますが、後者にはルーター機能がありません。Wi-Fiアクセスポイントは、Wi-FiルーターとLANケーブルで接続し、「Wi-Fiの基地局を増設する」という用途に使われるWi-Fi機器です。

Wi-Fiルーターが旧型でも、接続するWi-Fiアクセスポイントが最新型なら、Wi-Fi6で無線接続できます。無線電波増強のためWi-Fiルーターを増設すると「二重ルーター」の状態で設定が複雑になりますが、Wi-Fiアクセスポイントなら簡単に何台でも増設可能です。

広範囲に電波を飛ばせるか

Wi-Fi機器は電波を送受信するためのアンテナを持ちますが、このアンテナの本数や採用技術により、電波が安定して届く範囲は変わります。小規模かつワンフロアのオフィスなら、1台のWi-Fiルーターで十分という場合もあるでしょう。

しかし電波は壁やオフィス家具などによって減衰・拡散するため、1台のWi-Fiルーターではどうしても死角ができてしまうというケースも珍しくありません。複数階にまたがるオフィスや店舗・事務所の全エリアをカバーしたい場合などには、Wi-Fiアクセスポイントの増設が向いています。

同時接続台数は何台可能か

Wi-Fi機器は機種によって最大同時接続台数が異なります。家庭用Wi-Fiルーターはおおむね最大10台未満、法人用Wi-FiルーターやWi-Fiアクセスポイントは機種によって性能に大きな差があり、最大10台~100台程度といった具合です。

オフィスではPCの他にスマホ・タブレット・サーバ・複合機など、さまざまなWi-Fi対応機器を接続します。特に同時接続台数が読みにくい店舗に導入する場合、人数ベースではなくデバイス数ベースで試算し、余裕のある運用を検討することが大切です。

快適なWi-Fi6を簡単に導入するならイッツコム!


Wi-FiはLAN内で無線接続するための規格で、その速度や安定性を最大限に発揮するならインターネット回線のグレードアップも必須です。イッツコムなら、オフィスや店舗の全エリアにWi-Fi6を提供できる「かんたんWi-Fi」、Wi-Fi6の速さ・安定性を最大限に発揮できる「イッツコム光接続サービス」をセットで導入できます。

オフィスや店舗の全エリアにWi-Fi6を提供「かんたんWi-Fi」

Wi-Fi6を利用するには対応Wi-Fi機器が必要です。しかしWi-Fiルーターの買い替えは設定が煩雑で、1台のWi-Fi機器ではオフィスの全エリアをカバーできない場合もあります。

そこで導入したいのが、Wi-Fiアクセスポイント(AP)を簡単に増設できる「かんたんWi-Fi」です。届いたAPに電源ケーブルとLANケーブルを接続するだけで、好きな場所にWi-Fiの基地局を増設できます。面倒な設定は必要ありません。

「ハイエンド6」プランならWi-Fi6に標準対応し、同時接続台数は1AP当たり100台です。APは何台でも簡単に増設できるため、オフィスや店舗の全エリアに快適かつ安全なWi-Fi6を提供できます。またゲストWi-Fi機能にも対応するため、業務用Wi-Fiとネットワークを分離し、安全にフリーWi-Fiを提供できるのも魅力です。

Wi-Fi6の速さ・安定性を最大限に発揮するには「イッツコム光接続サービス」

Wi-FiはあくまでLAN内の無線通信技術です。Wi-Fi6の通信速度の速さ・安定性を最大限に発揮するには、インターネット回線のグレードアップも求められます。

そこで導入したいのが、高速かつ安定した法人向け光回線「イッツコム光接続サービス」です。下り最大2Gbps・上り最大1Gbpsの高速回線である上、最新のインターネット接続方式「IPv6 IPoE」に標準対応し、時間帯や同時接続数にかかわらず安定した通信ができます。

またプロバイダ・光回線一体型であるため、他社サービスよりランニングコストを抑えられ、ひとつの窓口でスピーディにトラブルシューティングができることも魅力です。

まとめ


Wi-Fi6は有線LAN並みに高速である上、同時接続台数が多くなっても接続待ちを起こしません。WPA3に標準対応し、高セキュアであることも魅力です。オフィス・店舗の全エリアをカバーするならWi-Fi6対応のWi-Fiアクセスポイントを増設し、光回線のグレードアップでWi-Fi6の魅力を最大限に発揮しましょう。

イッツコムなら「かんたんWi-Fi」と「イッツコム光接続サービス」により、Wi-Fi6と法人向け光回線をセットで導入できます。Wi-Fi6の導入拡大をお求めなら、Wi-Fi環境をトータルに整備できるイッツコムにご相談ください。