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インターネット回線の種類を徹底比較!企業が回線整備するポイントとは?

ビジネスのデジタルシフトが加速する昨今、インターネット回線の速さや安定性はビジネスの基盤です。現在のインターネット回線に速さや安定性の問題があり、光回線への乗り換えを検討している企業担当の方もいるのではないでしょうか。

インターネット回線の種類やメリット・デメリット、回線整備のポイントを知ることで、通信環境の改善を具体的に検討できます。安全なモバイルデータ通信サービスやWi-Fiアクセスポイントの導入も視野に入れ、通信環境をトータルにグレードアップしましょう。そこでこの記事では、インターネット回線の種類や回線整備のポイントについてご紹介します。

有線タイプのインターネット回線の種類

企業が利用する有線タイプのインターネット回線は主に以下の4種類です。

・光回線
・ADSL
・CATV
・ISDN

これらのうち、乗り換え先として現実的な候補はほぼ光回線のみです。その点も踏まえて、それぞれのインターネット回線を解説します。

光回線

光回線は現在主流のインターネット回線です。電柱などから光ファイバーケーブルを拠点内に引き込み、ONU(光回線終端装置)で光信号と電気信号を変換し、高速かつ安定したインターネット接続ができます。通信速度は下り最大1Gbps/上り最大1Gbpsのサービスが多く、基本的に通信制限はありません。

総務省が発表した統計情報によると、2020年時点でブロードバンド回線を利用している企業は95.0%、その中で光回線を利用している企業は87.6%にも上ります。NTT東日本・西日本から光回線を借り受けて光回線・プロバイダサービスを一括提供する「光コラボレーション(光コラボ)」の利用も増えている状況です。

参考:『令和2年 通信利用状況報告書(企業編)』

ADSL

ADSLは固定電話回線を利用したインターネット回線です。光回線ほどの高速データ通信はできませんが、大容量データ通信ができるブロードバンド回線の一種で、光回線が台頭するまでは主流でした。しかし現在は新規申し込みを終了しています。2020年3月以降、一部地域からサービス自体が順次終了となっており、2024年3月末には完全に提供終了となる予定です。

元々ADSLは光回線が普及するまでの「つなぎ」として使われていたインターネット回線で、現在はすでに光回線が主流となっています。つまりADSLは「過去の技術/サービス」です。現在、ADSLを利用中なら光回線へ乗り換えを検討しましょう。

CATV

ケーブルテレビ局はケーブルテレビ用の同軸ケーブルや光ケーブルを用いて有線放送や電話などのサービスを提供しています。これらのケーブルを通じてインターネット接続するサービスがCATVです。

CATVには加入者宅へ同軸ケーブルを引き込むものと光ファイバーケーブルを引き込むものの2種類があります。前者は通信速度が遅く、後者は「ケーブルテレビ局が運営する光回線」なので高速です。いずれにせよ基本的には一般家庭用のインターネット回線で、総務省の統計情報によると2020年時点の採用企業はわずか2.5%です。

参考:『令和2年 通信利用状況報告書(企業編)』

ISDN

ISDNは電話回線や光ファイバーケーブルを利用したインターネット回線です。主にNTT東日本・西日本が提供しています。高速化のために光ファイバーケーブルを利用する場合もありますが、通信速度は1.5Mbps程度で、現在の光回線の水準からすると非常に低速です。2000年代にADSLや光回線が登場するまでは主流のインターネット回線でした。

一般家庭ではほぼ使われなくなっていますが、企業ではPOS(販売情報管理システム)や企業内WAN(本社・支社間などの拠点間ネットワーク)で使われているケースがあります。

NTT東日本・西日本のINSネット(デジタル通信モード)、つまりISDNによるインターネット接続は2024年1月にサービス終了の予定です。ISDNを利用している企業は早急なサービス切り替えが求められます。

無線タイプのインターネット回線の種類

無線タイプのインターネット回線は、5Gや4G LTE、またはWiMAXといった電波によるインターネット回線を提供します。Wi-Fiも電波を使った無線通信の規格ですが、こちらはデバイスと通信機器を無線接続する規格で、インターネット回線には使用されません。無線通信でインターネット回線を利用する3つの方法・サービスを解説します。

モバイルWi-Fiルーター(5Gや4G LTE)

モバイルWi-FiルーターはWi-Fi機能と移動体データ通信(基地局への無線通信)機能を併せ持つモバイルデバイスです。Wi-Fi機能によってモバイルWi-FiルーターとスマホやPCなどを無線接続し、同時にインターネット回線を提供します。

代表的なモバイルWi-Fiルーターのひとつは、移動体データ通信に5Gや4G LTEを用いるものです。このタイプのモバイルWi-FiルーターはソフトバンクやNTTドコモなどが提供しています。光回線ほど高速な通信速度は期待できませんが、各社は5Gの対応エリアを拡大中です。

モバイルWi-Fiルーター(WiMAX)

もうひとつの代表的なモバイルWi-Fiルーターは、移動体データ通信の規格にWiMAXを利用するものです。WiMAXはUQコミュニケーションズが提供するインターネット回線(UQ WiMAX)で、5Gや4G LTEとは周波数帯や通信速度などに違いがあります。

UQ mobile事業はKDDIに統合されており、このタイプのモバイルWi-FiルーターはWiMAXとau網の5Gや4G LTEを併用できることが利点です。

ホームルーター

ホームルーターは「電源ケーブルをつなぐだけ」でインターネット接続ができる、据え置き型の無線通信機器です。機能はモバイルWi-Fiルーターと似ており、Wi-Fiによるデバイスとの無線接続機能と、5G・4G LTEやWiMAXによるインターネット接続機能を備えます。回線を提供するのはソフトバンクやNTTドコモ、UQ WiMAXなどです。

モバイルWi-Fiルーターより同時接続台数や通信速度など性能面で優れており、通常の据え置き型Wi-Fiルーターとは違って有線タイプの固定回線は必要ありません。ただし接続の安定性などは光回線に劣り、光回線の工事までに「つなぎ」として貸与されるケースもあります。

有線タイプのインターネット回線(光回線)のメリット・デメリット

ADSLやISDNはサービス終了が近く、CATVは基本的に個人宅向けです。企業が使用する有線タイプのインターネット回線は、ほぼ光回線一択と言っていいでしょう。実際に大多数の企業は光回線へ乗り換え済みです。ここでは、光回線の主なメリット・デメリットを解説します。

光回線の3つのメリット

光回線は安定した高速通信と、月額定額制で使い放題であることが主な魅力です。

・通信速度が速い:光回線なら下りだけでなく上りも最大1Gbpsのサービスが多く、ダウンロード・アップロード共に高速
・接続が安定している:光ファイバーケーブルは電気的な干渉を受けにくく、安定した通信ができる
・月額定額制で使い放題:基本的に光回線には通信データ量の制限がなく、追加料金なしで好きなだけダウンロード・アップロードできる

光回線の3つのデメリット

光回線が未導入の物件であれば回線工事が必要です。ONUからルーター、ルーターからデバイスや中継機器までの配線も要します。

・回線工事が必要:建物内や室内にケーブルを引き込む工事が必要で、工事の予約や待ち時間も発生する
・LANケーブルによる配線が必要:ルーターからデバイスや中継機器までLANケーブルによる配線を要する
・マルチデバイス対応ならWi-Fiルーターの設置が必須:LANポートのないデバイスはWi-Fi接続が必須なので、Wi-Fiルーターの設置を要する。ただし、Wi-Fiルーターや、Wi-Fiルーター機能一体型のONUを貸与するサービスもある

無線タイプのインターネット回線のメリット・デメリット

無線タイプのインターネット回線は、デバイスに挿入したSIMカードで契約者を判別し、スマホのパケット通信サービスと基本的に同じ仕組みでデータ通信をします。パケット通信に特化したサービスを、スマホではなくモバイルWi-Fiルーターなどのデバイスを通じて提供する仕組みです。

ここでは、無線タイプのインターネット回線のメリット・デメリットを解説します。

無線タイプの3つのメリット

無線タイプのインターネット回線の主なメリットは、手軽にインターネット接続できることです。

・回線工事が不要:モバイルWi-Fiルーターもホームルーターも回線工事不要で、契約当日から使い始められる
・LANケーブルの配線不要:モバイルWi-Fiルーターやホームルーターは単体でWi-Fi機能とインターネット通信機能を備えるので、LANケーブル不要
・拠点から離れた場所でも利用できる:モバイルWi-Fiルーターなら持ち運びできるので、オフィスや自宅から離れた場所でもインターネット接続できる

無線タイプの5つのデメリット

無線タイプのインターネット回線には光回線にはない仕様上の制限があります。

・通信速度の問題:基本的に光回線より通信速度が遅い。特に上り速度は仕様上かなり低速
・通信の安定性の問題:電波が届かない場所では使えず、接続できても電波干渉により通信が不安定になりやすい
・電源の問題:モバイルWi-Fiルーターはバッテリーがなくなると使えなくなる
・通信制限のかかるプランも:一部プランを除き、基本的には3日間で10GBなどデータ通信量の制限がある
・機種代金が別途かかる場合も:機種・プランによっては通信サービスの料金以外に機種代金がかかり、光回線より高額になる

企業がインターネット回線を整備するポイント

企業がオフィス・従業員向けにインターネット回線を整備する場合、サービスの選び方には注意を要します。企業がインターネット回線を整備するポイントは以下4点です。

・通信速度と安定性
・コストパフォーマンス
・セキュリティ対策
・場所にとらわれないアクセス

ここでは、それぞれのポイントを解説します。

通信速度と安定性

個人利用のインターネット回線なら、通信の速度・安定性が低くてもストレスの原因になる程度で済むでしょう。しかしビジネスのデジタルシフトが進展する昨今、業務利用のインターネット回線が遅く不安定だと、生産性や業績の低下に直結する恐れがあります。そこで重要なのは、高速かつ安定したインターネット回線を整備することです。

コストパフォーマンス

有線タイプのインターネット回線は光回線がマストですが、法人向け光回線は不必要なオプションサービス込みの料金設定になっている場合があります。また、たまに利用する程度のモバイルWi-Fiルーターに支払う月額料金もコストの無駄といえるでしょう。

こういったコストの無駄が積み重なると、年間で大きなロスが発生します。必要なサービスのみに抑えた光回線や、月額料金を抑えやすいモバイルデータ通信サービスの選択も大切です。

セキュリティ対策

インターネット接続する際、通信データは悪意ある第三者に傍受される恐れがあります。また、社内LANと外部ネットワークの通信にも注意が必要です。社会やビジネスのデジタル化の進展に伴い、不正アクセスや情報漏えいのリスクは高まっています。そこでVPN接続の利用など、通信の安全性を高めるセキュリティ対策も重要です。

場所にとらわれないアクセス

テレワークを導入する企業やスマホによるインターネット利用が一般化し、「いつでもどこでもネットワーク接続できること」の重要性が高まっています。

無線タイプのインターネット回線だけでなく、オフィスにWi-Fi環境を整備することや、店舗にフリーWi-Fiを導入することもポイントです。フリーWi-FiはWi-Fiアクセスポイントを増設することで設定・提供できます。

オフィスや店舗なら光回線とWi-FiルーターやWi-Fiアクセスポイントを組み合わせればよく、あえて低速かつ不安定なホームルーターを選択するメリットはありません。

インターネット回線をグレードアップするならイッツコム!

社内に光回線とWi-Fiルーターを導入すれば、小規模オフィスなら快適なWi-Fi接続が利用できます。しかしそれだけでは通信エリアが限られ、万全の回線整備とは呼べません。イッツコムなら法人向け光回線に加え、安全なモバイルデータ通信サービスやWi-Fiアクセスポイントも提供しており、テレワーカーや大規模オフィス・店舗の通信環境まで整備できます。

オフィス内の有線タイプなら イッツコム光接続サービス

ビジネスのオンラインシフトが進展する中、企業にとってインターネット回線はビジネスの基盤です。一般的な光回線は下り最大1Gbps・上り最大1Gbpsですが、イッツコムの法人向け光回線「イッツコム光接続サービス」は下り最大2Gbps・上り最大1Gbpsの安定した高速回線を利用できます。

プロバイダ一体型のサービスである上、電話サポート以外のオプションサービスは任意選択なので、他社サービスよりランニングコストを抑えられることも魅力です。またONUはWi-Fiルーター機能一体型なので、導入直後からオフィス内で快適なWi-Fi接続を利用できます。

安全な無線タイプなら モバイル閉域接続 × イッツコム光接続サービス

テレワークが一般化している昨今、テレワーカーのインターネット環境を整備・標準化することも重要度が高まっています。そこで導入したいのが、VPNの仕組みを利用したモバイルデータ通信サービス「モバイル閉域接続」です。

モバイル閉域接続はスマホやPCに専用SIMを挿入するだけで経路判別し、インターネットではなく閉域網を経由して社内LANへアクセスできる上、インターネット接続の際は社内LANを経由します。
イッツコム光接続サービスと組み合わせれば、有線・無線の万全なインターネット回線を整備できます。

Wi-Fi利用を活性化するなら かんたんWi-Fi × イッツコム光接続サービス

オフィス内でWi-Fiを利用すると固定的なデスクやLANケーブルにとらわれない自由な働き方、つまりフリーアドレスを実現できます。しかし、Wi-Fiルーターには同時接続台数や電波の届く距離に制限があるのは懸念点です。そこで導入したいのが「かんたんWi-Fi」です。

かんたんWi-FiはWi-Fiアクセスポイントを簡単に増設できるサービスで、届いた機器に電源ケーブルとLANケーブルを接続するだけで、Wi-Fiの利用範囲・同時接続台数を拡大できます。さらに、来客用にフリーWi-Fiの設定も可能です。「出先でインターネットを無料で利用したい」というニーズに応えられ、企業イメージや顧客満足度の向上につながります。

まとめ

ADSLやISDNは2024年内にサービス終了するため、有線タイプのインターネット回線を乗り換えるなら、ほぼ光回線のみが現実的な選択肢です。無線タイプのインターネット回線なら、セキュリティやコストも加味したサービスを選びましょう。

イッツコムは法人向け光回線に加え、モバイル閉域接続やかんたんWi-Fiを提供しており、大規模オフィス・店舗やテレワーカーの通信環境までトータルに整備できます。さらに有料版boxや有料版Zoomなど、ビジネスを加速させるICTサービスの取り扱いも豊富です。

通信環境の整備と、それに伴う業務効率化や生産性向上をお求めなら、複数サービスの組み合わせで相乗効果が得られるイッツコムにご相談ください。