LAN工事の基礎知識！有線無線の違いや工事内容、費用目安や業者選びを解説

オフィス内のネットワーク構成を最適化するならLAN工事が必要です。LAN環境の構築を検討しており、有線LAN・無線LANの違いや工事について知りたい企業担当の方もいるのではないでしょうか。

有線LANと無線LANの違いやLAN工事の進め方を理解すれば、どのようにLAN環境を整備すべきかを具体的に検討できます。LAN工事に付随する関連サービスの導入にも目を向け、快適なビジネス環境を整えましょう。

そこでこの記事では、LAN工事に関する基礎知識や有線無線のメリット・デメリット、事前計画や事業者選びについてご紹介します。

LAN工事に関する基礎知識をおさらいしよう

LAN工事の必須知識として押さえておきたいのは、LANとインターネットの関係や、有線LANと無線LANの違いです。一般的にLAN工事といえば有線LANの工事を指しますが、これは無線LANの整備にも影響します。まずはLAN工事の基礎知識をおさらいしていきましょう。

LANとは

LAN（Local Area Network）とは、オフィス内や工場内など、施設・敷地内で構築されるネットワークです。対比される用語がWAN（Wide Area Network）で、こちらは通信事業者の回線網やインターネットを指します。

構内（施設・敷地内）のネットワークとしてLANを構築し、光回線などのインターネット回線を通じ、プロバイダによる仲介サービスでインターネット接続ができる仕組みです。

LAN工事とは

LAN工事とは、構内でネットワーク機器の設置・設定や通信ケーブルの配線をし、有線または無線のLANを構築することです。PC・サーバ・複合機・スマホなどを、LANケーブルやWi-Fiで相互接続できる環境を整えます。

専門の事業者が配線やコンセント設置などの基礎的な工事を行うケースや、通信事業者がサービスの一環としてLAN構築をするケースなど、事業者によって形態はさまざまです。

有線LANとは

有線LANとは、通信ケーブルでネットワーク機器と各種デバイスを接続して構築される、構内ネットワークです。多くの場合LANケーブルを用いますが、TVで使われる同軸ケーブルによる有線LAN構築もできます。

構内の配管内や壁面に通信ケーブルを通すことで、複数のフロア・部屋や施設をまたぐLANを構築可能です。使用するLANケーブルが多くなる場合、集線装置であるハブ（ネットワークハブ）で分岐を管理します。

無線LANとは

無線LANとは、Wi-Fi機器を電波の基地局として設置し、無線通信によって各種デバイスを相互接続する構内ネットワークです。Wi-Fiは有線LANを無線化するために開発された技術で、事実上唯一の無線LAN規格となっています。

据え置き型のWi-Fi機器はルーターとLANケーブルで接続するため、無線LANの構築にも配線作業が必要です。Wi-Fi基地局の増設には、無線LANのハブとして機能するWi-Fiアクセスポイントを活用します。効率よく電波を送受信できる位置にWi-Fiアクセスポイントを設置し、ルーターまでLANケーブルを配線する形です。

有線LANと無線LANのメリット・デメリット

有線LANと無線LANにはそれぞれメリット・デメリットがあります。有線LANはサーバや複合機などの据え置き型の機器には有利ですが、各機器に1本ずつ配線する必要があり、またLAN端子のない機器には対応できません。無線LANはWi-Fi機能のある全ての機器を同時接続できますが、接続が不安定になる場合もあります。

有線LANのメリット

有線LANは通信速度の速さや安定性が大きなメリットのひとつです。使用するLANケーブルのカテゴリ（バージョン）によって通信速度の上限は異なりますが、高速な光回線と組み合わせると快適なパフォーマンスを発揮できます。無線LANのような電波の減衰や干渉による速度低下も起こりません。

またセキュリティに優れていることもメリットです。通信データはケーブル内を電気信号として伝わるため、外部から傍受されることはありません。

有線LANのデメリット

有線LANの場合、LANポートなどの接続端子があるデバイスでなければネットワークに接続できません。スマホやタブレットなどのモバイルデバイスに対応できないことはデメリットです。

有線LANの工事ではインターネット接続したい全てのフロア・部屋に配線する必要があります。接続デバイス1台につき1本の通信ケーブルが必要であるため、接続台数の増減に対して柔軟な対応が難しいこともデメリットです。また床やデスク上でケーブルの取り回しが難しく、端子の破損やケーブル断裂などの事故を起こしやすいという懸念もあります。

これらの問題は、OAフロアの活用が有効です。OAフロアとは、床を二重にして床下に配線スペースを作ることです。フロアの施工には費用や日数もかかりますが、配線の煩雑になることを防げます。

無線LANのメリット

無線LANはWi-FiアクセスポイントまでLANケーブルをつなぐだけで済み、デバイスまで配線する必要がありません。LAN工事の手間を大幅に削減できます。スマホやタブレットなどのモバイルデバイスに対応できるのも大きなメリットです。

配線が複雑になりがちな有線LANとは異なり、オフィス家具や調度品のレイアウトを邪魔することもありません。また接続台数の増減にも柔軟に対応しやすく、特に店舗では重宝するでしょう。

無線LANのデメリット

Wi-Fiの電波は混信・減衰を起こすため、強力な電波を発する電子機器や壁・障害物の影響を受け、有線LANに比べて通信速度が遅くなりがちです。同様に接続が不安定になる場合もあります。

また第三者による通信の傍受やWi-Fi機器への不正アクセスなど、有線LANにはないセキュリティ上の懸念点があることもデメリットです。

オフィスのLAN工事前に決めておくべきこと

LAN工事には計画性が必要不可欠です。オフィスのLAN環境を構築する際は主に以下の内容を事前に決めておきます。

・接続デバイスの台数
・有線無線の使い分け
・Wi-Fi機器の機能・性能
・構内のレイアウト

このように工事後の使いやすさを想定して計画を立てることが、快適な業務遂行へとつながります。

接続デバイスの台数

有線LANの場合、接続デバイスの台数はLANケーブルの必要本数に直結します。フロア・部屋ごとのハブの必要台数を決めるという意味でも、接続デバイスの台数をあらかじめ想定しておくことは重要です。

また無線LANであっても、Wi-Fi機器には同時接続台数の上限があり、有線LANとは異なりモバイルデバイスも接続デバイスに含めます。Wi-Fiアクセスポイントの必要台数や接続の安定性に影響するため、接続デバイス数は多めに見積もりましょう。

有線無線の使い分け

有線無線の使い分けを考えることも重要です。有線LANのみなのか無線LANも取り入れるのかでは、工事の内容や利便性が大きく異なります。

有線LANは据え置き型のサーバや複合機で重宝しますが、無線LANも導入すればモバイルデバイスとの相互接続も可能です。会議室に無線LAN環境があればタブレットを用いた会議進行も容易で、店舗なら多くの来客に快適なWi-Fiを提供できます。

Wi-Fi機器の機能・性能

無線LANを取り入れるなら、Wi-Fi機器の機能・性能も重要です。Wi-Fi規格はバージョンによって通信速度・安定性やセキュリティレベルが異なり、機種によってアンテナの電波強度や最大同時接続台数が異なります。

最新のWi-Fi規格「Wi-Fi6」に対応したWi-Fiアクセスポイントなら、有線LAN並みに快適かつ安全な無線通信が可能です。高性能な機種なら、最大同時接続台数100台というものもあります。

またゲストWi-Fi機能のある機種なら、従業員用・来客用のネットワークを分離し、安全にフリーWi-Fiを提供可能です。

構内のレイアウト

接続デバイス台数や有線無線の使い分け、Wi-Fi機器の機能・性能が分かれば、具体的なレイアウトを考えられます。有線LANで対応できるエリアと無線LANが必要なエリアをイメージし、配線が邪魔にならないレイアウトを検討しましょう。

レイアウトだけでは対応できない場合は、オフィスの床にある配線を丸ごと床下に収納するOAフロアの設置もおすすめです。本来の床の上にパネルを敷き、床とパネルの間に配線類を収納します。オフィスの美観を保てるだけでなく、配線類の破損なども防げるでしょう。

オフィスのLAN工事の費用目安

LAN工事の費用は、複数フロア・部屋にまたがった配線になるか、LANケーブルを通せる配管があるかといった条件で変わってきます。あくまで目安ですが、壁内や床下・天井裏にLAN配管がある場合、小規模なLAN工事なら2万円前後です。LAN配管がない場合は5万円以上かかる場合もあります。

なお無線LANの場合、Wi-Fiアクセスポイントには電源ケーブルと既存のLANケーブルを接続するだけです。壁面の工事が必要ない場合、従業員がルーターなどから配線するだけで済みます。

オフィスのLAN工事の事業者を選ぶポイント

LAN工事の事業者は多種多様です。事業者選びのポイントには以下のものを挙げられます。

・関連サービスも一括提供できる
・サポートが充実している
・拡張性を見越したプランを提案してくれる

計画をスマートに実現してくれる、信頼できる事業者を選びましょう。

関連サービスも一括提供できる

工事事業者が提供するサービスはLAN工事だけというケースがあります。無線LANも導入したい場合や関連ICTサービスも導入したい場合、このタイプの事業者では対応し切れません。

そこで関連サービスも一括して導入できる事業者を選ぶ視点も重要です。このタイプの事業者ならICTサービスの利用を前提としたレイアウトを提案でき、トータルの費用も抑えられます。

サポートが充実している

LANケーブルの配線やネットワーク機器の設置が済んでも、LAN構築は完了していません。実際にはWi-Fi機器の設定や稼働テストも必要です。また運用中には接続トラブルが発生する場合もあります。そこで設定のサポートや迅速なトラブル対応など、サポートの充実した事業者を選ぶことも重要です。

拡張性を見越したプランを提案してくれる

LAN工事はオフィスの開設時だけでなく、ネットワーク機器の増設や社員の増加に伴い、継続的に必要になります。初回のLAN工事はあくまで基礎ととらえ、拡張性を加味してレイアウトを検討することが大切です。将来的な拡張を想定したプランを提案してくれるかどうかも、事業者選びのポイントと言えます。

無線LANと関連サービスの一括導入ならイッツコム！

イッツコムは無線LANの他に光回線やモバイル通信サービスなども提供しており、関連サービスを一括提供できるのが強みです。導入から運用までワンストップでサポートでき、これまでの豊富な導入実績を踏まえ、拡張性を見越して最適なプランを提案できます。

快適な無線LAN環境を簡単に構築「Wi-Fiサービス」

モバイルデバイスに対応するには無線LAN環境の整備が必須です。しかし無線LANの構築は難しそうというイメージがあるかもしれません。

そこで導入したいのが、Wi-Fiアクセスポイントを簡単に利用できる「かんたんWi-Fi」です。届いたAPにLANケーブルと電源ケーブルを接続するだけの簡単設定で、現在の社内ネットワークや社内システムの設定変更は必要ありません。イッツコムならそれ以外のネットワーク設計からLAN工事、機器設定や、保守までサポートしますので安心です。

法人向けの安定した光回線なら「イッツコム光接続サービス」

LAN工事はあくまで構内のネットワーク環境を整備するためのものです。通信の快適性はLANの外につながるインターネット回線に大きく影響を受けるため、高速かつ安定した光回線の整備も視野に入れましょう。

法人向け光回線「イッツコム光接続サービス」は、下り最大2Gbps・上り最大1Gbpsの高速回線で、一般的な上下最大1Gbpsよりも高速です。最新のインターネット方式「IPv6 IPoE」に標準対応し、夜間や休日などアクセスの集中しやすい時間帯でも速度低下を起こしません。

また光回線・プロバイダ一体型である上、基本サービスは光回線のみです。プロバイダ料金が別途発生することもなく、メールアドレスなどはオプション提供なので、他社サービスよりランニングコストを大きく圧縮できます。

工事不要で場所を選ばない「法人データSIM」

通信環境を整えるという意味では、固定回線のグレードアップではなく、モバイル回線を使うという選択肢もあります。モバイル回線なら工事不要で、接続場所も選びません。

イッツコムの「法人データSIM」は安心のNTTドコモ回線を使用したモバイル通信サービスです。「シェアプラン」による通信容量のシェアやモバイルWi-Fiルーターとのセット契約もできます。オフィス勤務者だけでなく外回りの営業パーソンも通信容量をシェアでき、通信料のムダが出にくいのも強みです。

テレワーク環境のアップデートもイッツコム

テレワークを導入すると在宅勤務者の通信環境も問題になりがちです。自宅の通信環境は人それぞれなので、仕事に支障をきたすレベルで通信速度が遅い場合もあります。

そこで在宅勤務者向けに導入したいのが、イッツコムの個人向けインターネットサービス「イッツコムひかり」です。下り最大2Gbpsの高速回線も選択でき、テレワーク中のファイル送受信や社内ミーティング、取引先とのオンラインでの打ち合わせをストレスなくスムーズに行えます。

まとめ

LAN工事には計画性が必要ですが、事業者によっては有線LANしか対応できなかったり、拡張性を見越した提案ができなかったりします。LANを構築するのはビジネスの基盤を整えるためです。工事後のビジネスまでサポートしてくれるような、信頼できる事業者を選びましょう。

イッツコムはWi-Fiサービスの他に光回線やモバイル通信サービス、在宅勤務者向けのインターネットサービスも提供しており、通信関連サービスを導入から運用までワンストップでサポートできます。通信環境の整備をお求めなら、オフィスもテレワークもトータルにグレードアップできるイッツコムにご相談ください。