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テレワークの導入方法は?ツール先行型のスモールスタートで導入の悩み解決

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、社員の安全を確保するためにテレワークを導入する企業が増えています。テレワークは業務効率化アップや、多様な人材の活用が期待できるため、導入を検討している人も多いのではないでしょうか。

しかし、テレワークはセキュリティ面が担保できなければ、情報漏洩といったリスクが潜んでいるのが現状です。そのため、テレワークとして活用できる数多くのシステムの中からセキュリティ面が充実しているシステムを選ぶことが大切です。

そこでこの記事では、テレワークに必要なシステムや、気になるセキュリティ面について解説します。環境を整えることでスムーズにテレワークの導入ができるでしょう。

テレワークの現状とは?導入率や導入目的の統計情報


働き方改革で導入が推奨されるテレワークですが、コロナ禍の打撃を受け導入企業が急増しました。地方・都心や中小企業・大企業で温度差はあるものの、テレワークを実施する意志がある企業は多数派です。まずはテレワークの実施状況について統計情報を交えて解説します。また、導入障壁を下げる補助金・支援制度があることも知っておきましょう。

2020年のテレワーク導入率(日本全国)

総務省が2021年に発表した統計情報によると、日本国内のテレワーク導入率は2020年8月末時点で47.5%に達しています。2019年時点の20.2%から2倍以上に増加しており、コロナ禍の影響で急速にテレワーク導入が進んだ形です。

2020年時点で今後テレワークの導入予定がある企業は10.2%で、テレワーク導入済みの企業と合わせた割合は58.2%に上り、テレワークを実施する意志のある企業が多数派となっています。

参考: 『令和2年通信利用動向調査の結果』

2021年のテレワーク導入率(東京都)

東京都が発表した統計情報によると、都内企業(社員30人以上)のテレワーク導入率は、2021年9月時点で63.9%に上ります。2020年は3月の24.0%からわずか1か月後の4月に62.7%まで急上昇しており、その後過半数の都内企業がテレワーク実施を続け、2021年は60%前後という高い水準で推移している状況です。

企業規模別で見ると2021年9月時点のテレワーク導入率は社員300人以上の企業で90%に上り、今後導入予定がある企業を含めると94.3%に達します。30人~99人規模の企業でも過半数がテレワーク導入済みですが、企業規模が大きいほどテレワーク導入は常識となっている状況です。

参考: 『テレワーク実施率調査結果|東京都』

テレワーク導入目的の傾向

総務省が2021年に発表した統計情報によると、2019年のテレワーク導入目的は「業務の効率性(生産性)の向上」が68.3%と最も高く、次いで「勤務者のワークライフバランスの向上」が46.9%となっています。2020年は意識の変化が見られ、導入理由は「非常時(感染症の流行など)の事業継続」が68.3%で最多です。

働き方改革を意識してテレワーク導入に努めるという流れの中でコロナ禍の打撃を受け、必要に迫られてテレワークを導入した企業も多いと考えられます。

参考: 『令和2年通信利用動向調査の結果』

産業別テレワークの導入状況

総務省が2021年に発表した統計情報によると、2019年から2020年にかけて、全産業でテレワークを導入する割合が大きく伸びています。特に情報通信業は92.7%と常識化しており、不動産業や金融・保険業も7割合近くが導入済み、テレワーク導入が難しいと考えられる運輸・郵便業でも30.4%に上りました。

ICT環境の整った情報通信業はテレワーク導入が容易です。業務内容によってはテレワーク導入が難しいケースもありますが、各産業で部分的にでもテレワーク導入を進めている状況がうかがえます。

参考: 『令和2年通信利用動向調査の結果』

テレワーク導入の補助金・支援制度も

テレワーク導入にはICT環境の整備などにさまざまな費用がかかります。大企業に比べて中小企業でテレワーク導入率が低い利用には、「テレワークを導入したいけれど資金繰りが厳しい」という状況があることも考えられるでしょう。

テレワーク導入は社会全体で取り組む課題となっており、省庁や地方自治体などがテレワーク導入企業に対する数十万円~数百万円の補助金制度を公開しています。

また、東京都産業労働局が実施する「テレワーク・ワンストップ相談窓口」や「ワークスタイル変革コンサルティング」のように、無料で専門家のサポートが受けられる相談窓口やコンサルティングサービスも生まれている状況です。補助金・支援制度を活用してテレワーク導入を進めましょう。

テレワークの導入プロセス


テレワークはすでに国内でかなり浸透している制度ですが、これから導入する企業に向けた補助金・支援制度も随時発表されています。働き方改革の文脈では、7段階の導入プロセスに分けられ、完全に遂行するには入念な準備が必要です。

素早くテレワークを導入したい企業にとってはややハードルが高いといえますが、コロナ禍の文脈ではツール先行型のスモールスタートが推奨されています。テレワークの導入プロセスを見ていきましょう。

テレワーク導入の検討から本格導入までのプロセス

働き方改革の文脈では、テレワークの導入プロセスは以下7つのプロセスに分けられます。経営層が明確なプランを示した上で、総務・人事部門や情報システム部門など関連部門でプロジェクトチームを結成し、現場部門のトップがリーダーシップを発揮することが大切です。

1.導入の検討と経営判断(導入目的・基本方針の決定)
2.推進体制の構築(プロジェクトチーム結成)
3.現状把握(業務分析)
4.導入に向けた具体的推進(テレワークルールやシステムの整備など)
5.試行導入
6.効果測定(問題点の発掘・対策実施)
7.本格導入

テレワーク導入に向けた8つの具体的推進

導入プロセスの中で特に作業量が多いのは4番目のプロセス、つまり導入に向けた具体的推進です。細かく分けると以下8つの取り組みに分類できます。

1.導入範囲(対象者)の決定:育児者・介護者や勤務年数など、社員の間で不公平感を生まない範囲設定
2.テレワーク形態の決定:在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務のどの働き方を導入するか、在宅勤務の頻度をどのくらいにするか
3.労務管理制度の見直し:始業・終業の報告や評価制度
4.社内制度・ルールの整備:利用者登録の承認プロセスやコスト負担、個人デバイスの使用可否など
5.システムの準備(セキュリティ):VPNやクラウドサービス、Web会議システムなど、セキュリティを加味したICT環境整備
6.文書の電子化:契約書の電子化など、ペーパーレス化のルール設定
7.執務環境の整備:コワーキングスペースの契約やテレワーカーの自宅の環境整備補助
8.教育・研修(意識改革):テレワークの目的や必要性を社員全員が理解、意識共有する

ツール先行型のスモールスタートという選択肢も

働き方改革の推進という目的では綿密な計画立案を求められますが、コロナ禍の影響でテレワーク導入のアプローチは変化しています。特に中小企業の場合は最低限必要なICTツールを整備して、「まずは導入してトライアル」というスモールスタートを切るのがおすすめです。これにより、テレワーク導入を以下のようなプロセスに簡略化できます。

1.基本方針の決定
2.労働時間管理や費用負担など、簡単なルール整備
3.Web会議システムやチャットツール、クラウドストレージやVPNの整備
4.ヒューマンエラーによるセキュリティ事故防止など、最低限の教育と意識改革
5.週1日や2日程度(労務管理制度変更の必要がない程度)でトライアルを始める
6.結果を見てルール改善

【テレワーク】4つのスタイルの特徴やかかる費用を比較


テレワークの働き方には、いくつかのスタイルがあります。自宅やレンタルスペースといった場所でテレワークする場合でも、スタイルによっては会社と同じような働き方が実現できます。ここでは4つのスタイルを紹介するので、比較して適した手段を選ぶと良いでしょう。

スタイル1|リモートデスクトップ型

リモートデスクトップ型は、会社のデバイスを遠隔操作する仕組みのテレワークスタイルです。クラウドサービスで専用サーバの設置が不要なため、ITに精通した社員がいなくても導入しやすいことが特徴です。また、初期費用やランニングコストがほとんどかからないため、テレワークの導入で費用をあまりかけたくない場合におすすめです。

特徴:会社のデバイスを使って遠隔操作する仕組み
データ保存:テレワークのデバイスには保存しない
作業環境:会社とほとんど変わらない
初期費用:安い

ただし、会社のデバイスの電源がオフになっている場合は動作しません。業務時間外や休日などでもテレワークする場合は、会社のデバイスの電源を入れておく必要があります。帰宅してからでは操作できないのがデメリットです。

スタイル2|仮想デスクトップ型

仮想デスクトップ型は、サーバ内の仮想デバイスを遠隔操作する仕組みのテレワークスタイルです。会社PC支給型のようにデバイスにデータを保存しないため、情報漏洩といったリスクを抑えられます。

従来であれば、パッチの適用やウイルスソフトのアップデートといった作業は社員自身で行う必要がありました。しかし、仮想デスクトップ型の場合はサーバ側にすべて任せられるため、業務効率のアップが期待できます。

特徴:サーバ内の仮想デバイスを遠隔操作する仕組み
データ保存:テレワークのデバイスには保存しない
作業環境:テレワーク限定
初期費用:高い

高いセキュリティを確保できる一方で、専用サーバの設置が必要なので初期費用は高めです。また、それぞれの社員が行った業務を一元管理できますが、メンテナンスなどでサーバが停止した時間は仕事が進められないこともあります。

スタイル3|クラウド・アプリ型

クラウド・アプリ型は、クラウド上のアプリケーションを利用する仕組みのテレワークスタイルです。クラウド・アプリの例としては、GmailやYahoo!メールといったフリーメールが挙げられます。

ソフトウェアのアップデートは開発元によって自動で行われるため、仮想デスクトップ型と同様に社員は業務に集中しやすいといえるでしょう。データの保存は自由に選べるのでセキュリティ面への懸念はあるものの、初期費用の安いことがメリットです。

特徴:クラウド上のアプリケーションを利用する仕組み
データ保存:保存するか否かを選べる
作業環境:アプリケーションを利用する場合は会社とほとんど変わらない
初期費用:安い

他のスタイルに比べて通信速度を気にする必要がないものの、データへのアクセスが容易であることがデメリットです。そのため、情報漏洩やハッキングといったリスク対策が求められます。

スタイル4|会社PC支給型

会社PC支給型は、他のスタイルとは異なり普段会社で使っているパソコンを持ち出す方法です。VPN(仮想専用回線)経由で会社のシステムにアクセスすることで、テレワークが実現します。

特徴:会社のパソコンを持ち帰り、VPN経由で会社のシステムにアクセスする仕組み
データ保存:テレワークのデバイスに保存する
作業環境:会社とほとんど変わらない
初期費用:やや高め

他のスタイルに比べて導入条件が少なく、スピーディーに導入できることがメリットです。ただし、データはテレワークのデバイスに保存するため、セキュリティ面を強化する必要があります。

テレワーク導入後の課題を解消するポイント


テレワークの導入にはさまざまな課題や問題点があるため、導入が難しい場合もあります。すべての社員が安心してテレワークを進めていくためには、まずはテレワークに対する不安を解消することが急務です。ここでは、テレワークへの不安を解消するために必要な3つの環境について解説していきましょう。

コミュニケーションの円滑化

テレワークの導入で懸念されるのは、社員同士のコミュニケーションが減ることです。テレワーク上での慣れない業務や、見えない相手への気遣いなどが原因でスムーズなやり取りがしにくい可能性があるでしょう。そのため、テレワークの導入には文字・音声・映像などによるコミュニケーションの確保や、情報共有する方法を構築する必要があります。

労務管理のシステム化

インターネット環境さえ整っていれば、場所を選ばずに仕事ができることがテレワークのメリットです。その一方で、社員の勤怠管理や業務管理が把握しにくいデメリットが生まれます。出社して仕事をするときのように働いている姿が見えないため、テレワークを導入する前に、勤怠管理や業務管理ができるシステムの導入を検討することが大切です。

社内環境のクラウド化

テレワークを導入するなら、どこからでも作業が行えるように、社内環境をなるべくクラウド化する必要があります。インターネットを介してどこからでも利用できるクラウド上のサービスを業務に利用すれば、オフィスだけでなく自宅や外出先でもそのサービスを利用して作業を進められることになり、大きな手間をかけることなくテレワーク環境を整備することが可能です。

テレワーク導入時に最も重要なのはセキュリティシステム

テレワークの不安を解消するために必要な環境のひとつとして、セキュリティ対策が挙げられます。インターネットを介して仕事をする以上、情報漏洩やウイルス感染といったリスクからは逃れられないのが現状です。

しかし、会社側がきちんとセキュリティ対策を講じていても、テレワークを行う社員の意識が伴わなければ意味がありません。テレワークの導入にあたっては、セキュリティ対策とともに社員のセキュリティ意識の改革に努めることを徹底しましょう。

セキュリティシステムが不十分な場合に考えられるリスク


セキュリティシステムが不十分なままテレワークを導入すると、第三者によるデータの盗み見や情報漏洩といったリスクが懸念されます。時代とともにインターネットの脅威の種類は増えているため、セキュリティ面には常に気をつけなければなりません。ここではテレワークのセキュリティシステムが不十分な場合に考えられるリスクをご紹介します。

VPNハッキング

テレワークの4つあるスタイルの中で、会社PC支給型はVPN経由で会社のシステムにアクセスする仕組みです。VNPを利用する場合、普段会社で使っているパソコンを各社員が持ち出せるので注意しなければなりません。

最近は特に、VPNの利用を狙ったサイバー攻撃が急増しています。VPNは一部の人しか通信できないプライベートネットワークであるため、通常は外部から入り込むことは難しい仕組みです。しかし、VPNハッキングで装置自体に入り込んで権限を取得すれば、プライベートネットワークでも侵入できてしまいます。

接続デバイスから社内LANへの攻撃

VPNのセキュリティは完全ではないため、デバイスの盗難による情報漏洩のリスクが懸念されます。デバイスの盗難によるリスクを最小限に抑えるためには、管理者によるアカウントロックがスピーディーに行える環境を構築しておくことが大切です。

テレワークを導入するにあたって、社員によるデバイスの管理徹底はもちろんのこと、セキュリティシステムの構築が必要になります。

ID・パスワード傍受など

テレワークを利用する場合、IDやパスワードの管理には十分に気をつけなければなりません。たったひとりのIDやパスワードさえ、盗み見されれば社内の機密情報が漏洩してしまうリスクがあるからです。このようなリスクを避けるためには、社内システムとテレワークのIDとパスワードを同じものにしないようにする必要があります。

イッツコムならセキュアなシステムが勢ぞろい!


テレワークシステムの導入における課題や問題点は、社員同士のコミュニケーション不足やセキュリティ面、環境整備などさまざまです。これらすべての課題を解決できるシステムをお求めなら、イッツコムがおすすめです。ここでは、イッツコムのテレワークシステムについてご紹介します。

コミュニケーションとマネジメント強化には「box」

社員同士のコミュニケーション活性化とマネジメント強化を図りたい場合は、イッツコムのboxがおすすめです。boxには、次のような業務に必要なものがそろっています。

・社内外の共同作業をシンプル化
・重要な業務の反復作業をオートメーション化
・1,500以上の業務アプリと統合
・機密性の高いデータを保護

さらに、Office365やG Suite、Slackといったアプリとも連携できるため、利用価値が広がります。boxは、テレワークでの課題が解消できるシステムです。

リモートでも業務効率を維持できる「ホットプロファイル」

社員が各々の場所で仕事をしていても、業務の効率化を維持したいならホットプロファイルがおすすめです。ホットプロファイルは次のような項目を一括管理でき、効率の良い営業活動が行えます。

・名刺をデータ化
・自社のWebサイトへのアクセス状況の把握
・さまざまなニーズに対応したSFA

マーケティング機能で自社のWebサイトにアクセスした企業を把握できるため、見込み客へのアプローチに便利です。今までアナログで作業していたことをホットプロファイルが自動処理し、必要なデータが検出できるためテレワークでも効率良く作業ができます。

社内外のセキュリティ対策には「モバイル閉域接続」

社内外のセキュリティを強化したいなら、モバイル閉域接続がおすすめです。モバイル閉域接続はテレワークによる社員の働き方改革に加えて、安全なセキュリティを確立できるサービスです。インターネットを介さず安全性の高い独自のネットワークでアクセスするため、情報漏洩やウイルス感染といった脅威を事前に回避できることが魅力です。

Zoom × box × ホットプロファイル × モバイル閉域接続

テレワーク環境はコミュニケーション不足による弊害が起こりやすいので、簡単に使えるWeb会議システムの導入は必須です。Zoomならスマホやタブレットでも直感的に利用でき、ミーティングの参加者側にはライセンスが必要ありません。ホスト側(主催者側)が有料版Zoomを利用していれば、時間無制限のオンラインミーティングが可能です。

Zoomミーティング中にはbox内のファイルを画面共有でき、Zoomのチャット画面ではホットプロファイルと連携したオンライン名刺交換もできます。Zoom × box × ホットプロファイルの組み合わせは、社内コミュニケーションだけでなくオンライン商談にも最適です。

さらにモバイル閉域接続と組み合わせることで、在宅勤務でもモバイルワークでも安全にツールを活用できます。

まとめ


テレワークは社員の働き方改革に有益ですが、社員同士のコミュニケーション不足やセキュリティ面など課題もあります。これらをスムーズにクリアするなら、イッツコムが提供するテレワークシステムがおすすめです。

マネジメント強化やセキュリティ対策のシステムはたくさんあるので、どれが良いのか目移りしてしまうでしょう。イッツコムなら、企業が置かれている課題や目的に応じたシステムをご提案いたします。ワンストップで必要なシステム環境を揃えられますので、これからテレワークの導入を検討している場合はぜひイッツコムにご相談ください。