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デジタルサイネージの効果を高める方法は?改善サイクルや効果測定も

デジタルサイネージは映像や音声による効果的な訴求ができ、さまざまな施設でインフォメーションやプロモーション、また環境演出にも活用されています。導入効果を高めるには、入念な計画に基づくコンテンツ配信が重要です。

デジタルサイネージの効果的な活用方法について、理解を深めたい方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、デジタルサイネージの導入効果や活用方法、効果を高めるポイントについて紹介します。

デジタルサイネージ導入の効果とメリットとは?

近年では駅中、病院、役所、イベント展示場といった、さまざまな場所で動画や画像を使用して、自社サービスの紹介や宣伝をする『デジタルサイネージ』が多く登場しています。このデジタルサイネージを導入すると、どのような効果があるのかご存知でしょうか。例えば次のようなメリットがあります。

あらゆる環境下で視認しやすい

従来のポスターは明るい場所でなければ広告を紹介することができず、外ではポスターが風化してしまい定期的な交換が必要というデメリットがありました。しかし、デジタルなコンテンツであるデジタルサイネージは、この問題を克服しています。

デジタルサイネージは画面が明るいため、遠くからでもはっきりと視認することができ、暗い場所でも見やすく表示することができます。また機械のメンテナンスをしっかりすれば、劣化することもありません。明るいということは、同時にあらゆる環境下で視認されやすいため、他の広告方法に比べて差を付けることができます。

ガソリンスタンドや、夜遅くまで営業しているお店で利用をすれば、利用者に対して分かりやすく、営業中であることをアピールすることができるので、おすすめの宣伝方法であると言えます。

動画を流すことができる

広告の種類も豊富で、今までにないアプローチを行うことができます。その中でも特徴的なものが動画です。動画を流すことで、サービスを利用者へ直感的に訴えることができます。分かりにくいサービスやシステムでも、動画にすれば分かりやすく伝えることができるため、利用者に「分かりやすい宣伝」を提供したい方にはおすすめです。

飲食店では料理を作る工程といった普段見ることができない映像や、利用者に訪れてほしい観光スポットを動画ならではの臨場感を持ってアピールすることができるので、今までにないバリエーションで宣伝を展開していくことができます。

表示する情報を簡単に切り替えられる

デジタルサイネージは1つの広告を展開するだけでなく、時間を設定すれば1度にさまざまな情報を展開していくことができます。商品を紹介する際、従来のポスターでは貼り出されたものしか宣伝できませんでした。

しかし、デジタルサイネージは表示する情報を簡単に切り替えて表示することができるため、1度にさまざまな情報を提供することが可能です。画像だけでなく、動画と画像を組み合わせて宣伝を行うことができるので、バリエーション豊富な宣伝方法を行うことが可能です。

複合施設などにデジタルサイネージを設置すれば、店舗毎の宣伝を行うことができるため、偏った宣伝ではなく施設内のおすすめをまんべんなく紹介していくことが可能です。簡単に切り替えられるだけでなく、時間を設定して宣伝することもできます。

手間やコストが抑えられる

従来のポスターは、完成品を貼り出すまでにさまざまな工程が必要でした。原案を提出し、提出したものから出力をしてサンプル化させ、印刷しポスターを貼り替えるというのが一般的でした。ポスターを貼り替えるためにこれだけの工程が必要な一方で、印刷物によってはすぐに破棄してしまうものもありました。手間やコストを考えると従来の方法は非効率だと言えます。

一方でデジタルサイネージはこのような工程が一切必要ありません。データさえ完成していればすぐに情報を表示することができます。作業工程がこれまでに比べて格段に減っているため、手軽さで考えるとデジタルサイネージは優れており、おすすめのツールと言えます。コストカットをして宣伝を検討している方におすすめです。

非日常的な空間を演出できる

デジタルサイネージは宣伝ツールだけではなく、非日常の空間を演出する装置として活用することができます。例えば、画像を幻想的なものに設定して展示場におけば、非日常的な空間を演出することができます。

宣伝するためのツールだけでなく、イベントに沿った画像を設定すれば、演出をより良いものにするツールにもなります。宣伝だけでなく利用者によって、活用方法がさまざまなものになると認識しておくとよいでしょう。

イベント会社だけでなく、結婚式の二次会やパーティー会場として利用されている飲食店でも活躍することが期待できるのでおすすめです。

【関連記事:デジタルサイネージとは?仕組み・導入効果や具体的な導入事例を解説】

デジタルサイネージが効果を発揮する目的・用途

デジタルサイネージは多彩な目的・用途に活用されます。例えば商業施設や交通機関の各種インフォメーション、販売促進やブランディング、空間・環境演出などです。広告収入を目的として交通広告や屋外広告にも活用されています。

インフォメーション

デジタルサイネージはさまざまな施設でインフォメーションツールとして活用されています。例えば以下のような活用方法です。

・商業施設や図書館・美術館などで館内のマップや営業時間の案内
・公共交通機関で時刻表や乗り換えの案内
・建設現場やマンションで住民向けの広報
・オフィスや工場で従業員向けの広報

ネットワークに接続して使うクラウド型 デジタルサイネージならPCやスマホからの遠隔操作も可能なので、地震や台風などの災害発生時にコンテンツを切り替え、避難経路を表示するなどの運用もできます。

プロモーション

デジタルサイネージは商品・サービスの販売促進や店舗のブランディングにも活用されます。例えば以下のような活用方法です。

・カフェ・レストラン・居酒屋など飲食店でおすすめメニューをアピール
・スーパーマーケットやドラッグストアで割引商品をアピール
・カーショップで店舗のイメージやサービス内容をアピール

デジタルサイネージは1つの画面に複数のコンテンツを同時に表示でき、スケジュール管理により複数サイネージのコンテンツをタイムリーに出し分けることもできます。従来のポスターや看板に比べ、コンテンツ差し替えの手間・コストを大幅に抑え、映像・音声も用いた効果的なプロモーションが可能です。

空間・環境演出

デジタルサイネージは空間や環境の演出にも活用されます。代表例は渋谷のスクランブル交差点です。多数の大型ビジョンが空間に溶け込み、街を彩る景色となっています。他にも、以下のようなシーンで印象的な空間・環境演出が可能です。

・ショールーム・工場見学施設・博物館などで映像表現による教育や知識育成
・公共施設などで地域をモチーフにしたデジタルアートによりランドマーク化
・コンサートなどのイベント会場で非日常的な空間を演出

空間・環境演出のために建物の一部を建て替えるには多額の費用を要します。デジタルサイネージならディスプレイを用いて毎回新鮮なイメージを作り出せるため、運用中のコストパフォーマンスで有利です。

交通広告・屋外広告

デジタルサイネージは広告収入を目的とした活用も広がっています。主な活用シーンは以下のような交通広告・屋外広告です。

・電車・バス・タクシーの車内ビジョン
・駅改札周辺の柱型デジタルサイネージ広告
・駅前や繁華街のビル壁面などに設置したデジタルサイネージ広告

出稿するデータは再利用でき、またテレビCMやWeb広告用に作成した素材の流用もできるため、コストを抑えて広告展開ができます。複数エリアでの同時展開やエリア内の車内ビジョンに一斉配信もでき、高いサーキュレーション(視聴率)が期待できることも利点です。

自社が保有する広告スペースをデジタルサイネージに置き換え、広告媒体として出稿元にアピールすることもできます。

デジタルサイネージの効果を高める改善サイクル(PDCA)

デジタルサイネージは機器を設置してコンテンツを配信すれば運用開始できますが、効果を高めるには改善サイクル(PDCA)を回し続けることが重要です。

例えば販売促進を目的とした運用なら、「売り場のどこでどのようなコンテンツを配信し、それによりどのような属性の顧客層に影響したか」を分析することが求められます。具体的な運用サイクルは以下のようなものです。

1.運用プラン作成
2.コンテンツ製作
3.配信スケジュール設定
4.効果測定

コンテンツの効果測定にはABテストが有効です。対象商品のPOSデータや各種センサー情報などから前後の変化を比較し、運用プランを改善し続けましょう。

デジタルサイネージの効果を高める運用方法

デジタルサイネージの導入効果を高めるにはいくつかのポイントがあります。例えば画像だけでなく動画や音声も用いてコンテンツ配信することや、動線・視線を考慮して機器のディスプレイサイズや設置場所を最適化することです。

通行人や買い物客が認知・理解しやすい情報量にまとめること、タイムリーなコンテンツ更新をすることも重視しましょう。

動画や音声も用いた目を引くコンテンツ配信をする

デジタルサイネージはJPEG/JPGやPNGといった画像ファイルの他、MP4やAVIなどの動画ファイル、PowerPointスライドショーも配信できます。

静止画だとインパクトが弱く、通行人の目に留まらないこともあるでしょう。そこで画像や文字にエフェクトで動きを加えたり、効果音やナレーションで音を加えたりすることが効果的です。

視覚・聴覚に訴えて注目を集めやすくすることで、配信コンテンツの視聴率を高め、効率的に情報を伝えられます。

動線・視線を考慮して最適化する

通行人・顧客の動線(回遊する経路)や視線の動きを想定し、デジタルサイネージのサイズや設置位置を最適化することもポイントです。

例えば長い通路なら比較的遠くを見て情報を探索するため、高めの位置に大型ディスプレイを設置することが考えられます。逆に商品が目の前にある状況なら、低めの位置に小型~中型ディスプレイを設置したほうが視認されやすいでしょう。

加えて、設置場所に応じてコンテンツを最適化することもポイントです。例えば商業施設の入り口でイベント情報を提供し、エスカレーターやエレベーター前で各階のセール情報やイチオシ商品を訴求して、施設内の回遊性を高めます。

認知・理解しやすい情報量にまとめる

デジタルサイネージの効果を高めるにはコンテンツの尺(長さ)も重要です。一般的に、通行人はコンテンツを視聴するために立ち止まることは少なく、買い物客はコンテンツよりも商品を注視します。

訴求内容を認知・理解してもらうためには、インパクトのあるコンテンツを作成し設置場所を最適化するとともに、短い尺で情報をまとめることがポイントです。

基本的には「一瞬で重要なメッセージを認知でき、10秒程度で全体を理解できる」コンテンツが望ましいでしょう。動画はなるべく短尺にし、ストーリー性があるものも30秒~1分程度にまとめます。静止画の場合も、なるべく瞬間的に内容を把握できるように、画像・文章の素材を調整しましょう。

タイムリーなコンテンツ更新をする

通行人の属性やアピールしたい商品・サービスはタイミングによって変動するため、コンテンツの更新頻度を高くすることもポイントです。「スタンドアロン型」と呼ばれる製品は1台ずつ手動の切り替えが必要ですが、クラウド型ならPCなど1つのデバイス から一括でコンテンツ更新ができます。

例えば飲食店であれば、モーニング・ランチ・ディナーの時間帯にコンテンツを切り替え、季節限定の特別メニューなども適宜アピールするとよいでしょう。スーパーマーケットなら午前中から夜間にかけて、ターゲット層(高齢者・ビジネスパーソン・主婦・共働き)向けに売れ筋の商品情報を出し分けます。

CMS(コンテンツマネジメントシステム)を導入すれば、配信コンテンツをスケジュール管理できるため、手間をかけずにタイムリーな情報提供が可能です。

デジタルサイネージの導入効果を測定する上で取得したい要素

デジタルサイネージにはメリットが多くある一方で、導入するまでのコストやランニングコストが従来のものに比べて高くなってしまう可能性があります。

導入後に効果があるのかどうかを知るためには、効果測定をする必要があります。デジタルサイネージでは、従来の宣伝ツールに比べて効果を分かりやすく測定することができます。デジタルサイネージを採用して気を付けるポイントは次の通りです。

・導入後のお店の混雑度
・利用者の性別
・年代
・映像で宣伝される商品に興味を持ったか
・購入までにつながったか

上記のようなポイントに注意をすれば、デジタルサイネージの効果をより詳細に測定することができます。ぜひこれらの要素で分析をして効果の有無を測定してください。

デジタルサイネージの効果測定は「アンケート」「カメラ」で!

デジタルサイネージの導入効果は、設置場所で通行人や買い物客の変化を知ることで測定できます。シンプルな方法は、設置場所付近でアンケート収集をすること。またAIカメラで混雑具合の変化などを分析することもできます。時間帯や配信コンテンツの違いでどのような反応があるかも測定しましょう。

アンケート

分かりやすいやり方は、デジタルサイネージ付近でアンケートを実施するというやり方です。アンケート調査をすることで、その効果を測定することができます。人が多く利用する複合施設では、このような測定方法は効果的なので、ぜひ行うようにしてください。

この時気を付けることは、利用者の性別、年代、商品に興味を持ったかどうか、また映像をきっかけに、実際に購入するまでにつながったかを中心にデータを集めるようにしましょう。1日だけでは成果が得られない可能性があるので、日付や時間別に複数回に分けてアンケートを行うようにしてください。

カメラ

アンケートでは利用者から直接の声を聞くことができますが、アンケートに答えてもらえない場合もあり、サンプルを集めるまでに一苦労することがあります。より効果的なデータを集めたいのであれば、カメラによるデータの収集方法がおすすめです。

デジタルサイネージでは効果測定システムを採用している商品もあり、合わせて利用することで、設置後の効果があるかを客観的に分析することができます。効果測定システムは、カメラを用いて分析をします。

カメラのメリットとしては、利用者がデジタルサイネージを見ているか、また設置後に周辺が混雑するようになったかという情報を検出できるところにあります。実際に設置場所周辺の変化を見ることで、客観的な効果の分析が可能になります。

更に、カメラから利用者の自然な表情を分析することにより、流れている映像の中でどの映像の興味を持ったか、映像を見たことにより利用者が好意的な感情に変化したかを測定できるため、より具体的に効果を測定することができます。

注目度によってどのような広告を流せば効果的かを客観的に分析することができるので、設置後どのように活用すべきか、戦略を検討する上では必要な測定方法だと言えるでしょう。

イッツコムのワンストップサポートでデジタルサイネージの効果を最大化!

デジタルサイネージの効果を発揮するには、運用ニーズに応じたシステム設計やコンテンツ製作、効果測定を反映した継続的な改善サイクルが求められます。運用体制が重要ですが、「自社努力で最大の効果を発揮できるか不安」という悩みもあるでしょう。

スマートな選択は、実績豊富なデジタルサイネージ事業者をパートナーとすることです。イッツコムは渋谷駅前や東急線の車内ビジョンなど、さまざまな場所・目的のデジタルサイネージ運用で豊富な実績があります。

効率的な運用や管理担当者のリソース削減を目的としているなら、「イッツコムサイネージクラウド」がおすすめです。1つのデバイスで遠隔にある複数拠点のサイネージを一括管理でき、配信設定は対象拠点ごとに出し分けすることも可能です。

まとめ

デジタルサイネージは映像や音声を使って従来の看板・ポスターより効果的な訴求ができます。施設内外でのインフォメーションやプロモーションの他、空間・環境演出に活用することも可能です。ただし運用に当たっては、入念な計画に基づくコンテンツ配信が求められます。

自社努力のみで運用が困難な場合、実績豊富な専門事業者をパートナーとするのが得策です。デジタルサイネージの効果的な運用をお求めなら、コンサルティングから運用保守までワンストップサポートができるイッツコムにご相談ください。