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VPN接続とは?VPNの基本やメリット・デメリットを分かりやすく解説

こんにちは!イッツコムの佐藤です!

「セキュリティのために自社でもVPNを使っているよ!」という方でも、実は「VPNを使ってはいるけれど、どのような仕組みなのかはよく分かっていない」と思うこともあるのではないでしょうか。

この記事では、VPNとはどのような仕組みの接続方法なのかを解説します。また、自社のニーズにマッチしたVPNを選択するためにも役立ちます。VPNについて詳しく知りたい方はぜひチェックしてください!


VPN接続とは?

そもそもVPNとはどのようなものなのでしょうか?VPNとは「特定の拠点間を仮想的な専用回線で接続する」仕組みです。

これだけ聞くと難しく感じるかもしれませんが、「本社と支社を社員しか使えないネットワークで接続するもの」と考えると分かりやすいでしょう。VPNはあらかじめ定められたユーザーだけが利用でき、外部からのアクセスはできません。

情報セキュリティが重要視されていることを考えると、VPNは外部から社内ネットワークにアクセスしたいときなどに欠かせない技術と言えます。

VPN接続と専用線の違いは?


先程、VPNとは仮想的な専用回線で接続するものと解説しましたが、「一般的な専用線とVPNはどう違うの?」と疑問に思う方も多いでしょう。VPN(仮想的な専用線)と専用線(物理的な専用線)の違いをまとめると下の表のようになります。

種類VPN専用線
使用するネットワークインターネット(公衆網)または閉域網専用線として敷設した回線
コスト安価高価
安定性低い高い
通信速度低下しやすい低下しにくい
外部ユーザーの影響受けやすい受けにくい
設計の自由度低い高い

上記の表はあくまでも一般的な傾向を示しています。コストや安定性などは利用するサービスや通信プロトコルによって大きく違うので注意してくださいね。VPNや専用線を導入するときは、用途に応じて適切なものを選ぶ必要があります。

イッツコムでは専用線を利用したアクセスサービスも提供していますので、興味のある方はぜひお問い合わせください。

VPN接続を利用するシーンって?

VPN接続は主にネットワーク接続のセキュリティ向上を目的として利用されます。例えば、インターネット経由のリモートアクセスや拠点間接続する場合です。他にも、接続エリアの問題でインターネット接続が制限を受ける場合や、IP電話のセキュリティを高めたい場合にも利用されます。

自宅や外出先から社内ネットワークに接続したいとき

コロナ禍でテレワークが浸透したことに伴い、社外ネットワークから社内LANへのアクセス、つまりリモートアクセスのニーズが高まっています。しかし、リモートアクセス時に問題になるのは、インターネットを経由することによる情報漏えいや不正アクセスのリスクです。

VPN接続をすればデータの暗号化やトンネリングによって安全な接続を確立でき、リモートアクセスのセキュリティを大幅に高められます。

離れた拠点間をLAN構築したいとき

本社と支社といった離れた拠点間を安全にネットワーク接続する方法としては、専用線を利用することが挙げられます。専用線は自社だけが使える物理的な専用回線なので、非常に高セキュアです。

しかし、拠点間の距離が遠いほどコストは高くなり、多くの企業にとっては現実的な選択肢ではありません。そこでVPN接続により拠点間接続すれば、専用線よりも大幅にコストを抑えて、仮想的なLAN環境を構築できます。

情報規制のある海外から日本のサイトにアクセスしたいとき

国によっては他国からのインターネット接続を厳しく制限しており、接続元の国や接続先のWebサイトによってはファイアウォールなどにアクセスが阻まれるケースもあります。VPN接続をすれば、国際的なインターネット接続におけるアクセス制限を回避することも可能です。

VPN接続はVPNサーバーが接続元であるように偽装するため、規制を受けない国のVPNサーバーを経由すれば、アクセス制限を回避できます。

IP電話のセキュリティを高めたいとき

インターネットはIP(Internet Protocol)ベースのネットワークですが、IP電話は音声情報を電話回線ではなくインターネット回線でやり取りする、IPベースの電話サービスです。

IP電話は電話回線不要で電話できる便利なサービスですが、不特定多数のユーザーが利用するインターネット回線を利用する以上、盗聴のリスクがあります。そこでVPN接続を組み合わせれば、音声情報を暗号化してIP電話のセキュリティ向上が可能です。

VPN接続の種類は大きく分けて4つ

VPN接続の種類は大きく以下の4つに分けられます。

・インターネットVPN
・エントリーVPN
・IP-VPN
・広域イーサネット

どの接続方法でVPNを構築するかによって、使用する通信回線や設計の自由度が異なります。新たにVPNを導入する方は、自社の使い方にマッチしているVPN接続を選んでください。ここでは4つのVPN接続の特徴を解説します。

インターネットVPN

「インターネットVPN」は、その名の通りインターネット(公衆網)を使ってVPNを使用する方法です。特別な回線を用意する必要がないため、環境整備に高額な費用がかかる心配はありません。

その一方であくまでもインターネットを利用するものなので、速度が遅くなるリスクやセキュリティが低下するリスクがあります。高いセキュリティが求められる機密情報を取り扱わない場合など、セキュリティより利便性やコストを重視する用途に向いています。

エントリーVPN

「エントリーVPN」は、アクセスポイントまでの経路を、インターネットVPNと同様に光回線をはじめとした既存のネットワークを使用する接続方法です。しかし、アクセスポイント以降は公衆網ではなく閉域網を使って相手先に接続します。

そのため、インターネットVPNよりセキュリティの高い接続を、専用線に比べて安価に実現できるのがメリットです。「インターネットVPNではセキュリティに不安があるけれど、VPNに高額な費用はかけられない」と考えている方に向いています。

IP-VPN

「IP-VPN」は、すべての通信経路においてそれぞれの通信会社が用意している閉域網を使用してVPNを実現します。閉域網は通信会社と契約を結んでいるユーザーしか使えないので、公衆網を利用する区間があるインターネットVPNやエントリーVPNに比べて通信が安定するのがメリットで、高度なセキュリティも実現できます。

閉域網で完結する分コストがかかるので、機密情報の送受信など高度なセキュリティが要求される用途で使われます。インターネットVPNやエントリーVPNを併用もおすすめです。

広域イーサネット

「多数の拠点間を結ぶVPNを構築したい」「カスタマイズの自由度の高い環境が必要だ」というニーズに応えてくれるのが広域イーサネットです。拠点間の接続を、IP網不使用でLANスイッチを介して接続することで、1つのネットワークのように取り扱えます。

そのため、カスタマイズの自由度を高められるのと同時に高速・低遅延な通信環境を実現できるのがメリットです。一方で環境を構築するための費用がかさんだり、提供エリアが限られていたりするというデメリットもあります。

VPN接続にはメリットが豊富!

VPNは接続方式ごとにメリット・デメリットがありますが、普通にインターネットを使うよりセキュリティを高められることが大きなメリットです。他にも、スマホやタブレットでも社内情報にアクセスできることや、専用線よりはるかに低コストであることもメリットと言えます。

安全に社内情報へアクセスできる

通常のインターネット接続時には通信パケットは平文で送受信されており、宛先やパケット内容を誰でも読み取れてしまう状態です。VPNは認証・トンネリング・暗号化といった技術を組み合わせることで、送信元や宛先を偽装する上、通信データの本体を通常の手続きでは読み取れない形で秘匿します。

テレワーク環境ではテレワーカーが社内ネットワークにアクセスすることも増えますが、サイバー攻撃の懸念を払拭して社内情報をやり取りできるのは大きなメリットです。

スマホやタブレットでも社内情報へアクセスできる

社内ネットワークへ安全にアクセスする方法としては専用線も考えられますが、専用線を利用できるのは基本的にPC同士です。セキュアな通信方法を用いずにスマホやタブレットで社内情報にアクセスする方法もありますが、認証設定が複雑になったり、情報漏えいのリスクが高まったりする問題もあります。

VPN環境を整えれば、ソフトウェアによる設定をするだけで、スマホやタブレットでも安全に社内ネットワークにアクセスできるのもメリットです。この意味でもテレワーク環境にVPN接続は必須と言えます。

VPN接続は専用線よりはるかに低コスト

専用線を利用すると拠点間を安全に接続できますが、拠点間の距離が遠くなるほど、また通信速度が高速になるほどコストは高くなります。さらに、テレワーク環境では在宅勤務者の自宅やシェアオフィスなどがネットワーク接続の拠点となるので、接続拠点が多過ぎるのも課題です。

VPNであれば距離や通信速度にかかわらず費用は一定で、拠点数が増えてもソフトウェアによる設定を少し変えるだけで対応できます。専用線よりはるかに低コストで、全拠点をセキュアに相互接続できるのも、VPN接続がテレワーク環境に必要と言えるポイントですよ!

VPN接続にはデメリットもあるので注意しよう!

よく「セキュリティに万全はない」といわれますが、VPNも例外ではありません。VPNを使うときに押さえておきたい主なデメリットは以下の3つです。

・通信速度が遅くなりやすい
・一部のサイトにアクセスできなくなる
・セキュリティが破られるリスクがある

以下で詳しく解説しますので、事前にチェックした上で考えられるリスクに対して適切に対策してくださいね!

通信速度が遅くなりやすい

VPN接続では専用のルータやサーバーなどを介してアクセスするので、その分通信速度が遅くなる傾向があります。

他にも、公衆網を利用するタイプのVPNでは、他のユーザーの通信でネットワークが混雑すると使い物にならないくらい遅くなるケースもあるので注意が必要です。

業務の基幹ネットワークとして使う場合など、通信速度が遅くなると致命的な影響を受けるケースでは、閉域網を使うIP-VPNなどの安定しやすいものを使うのがおすすめです。

一部のサイトにアクセスできなくなる

一部のWebサイトやアプリケーションは、VPN経由のアクセスを遮断しています。もし、業務上必要不可欠なサイトやアプリケーションに接続できなくなれば大問題です。

このようなトラブルを避けるためにも、通常のインターネット回線も併用しましょう。目的に応じてVPNと通常のインターネットを使い分けることが必要です。

セキュリティが破られるリスクがある

インターネットVPNやエントリーVPNなど、公衆網を利用する区間があるタイプのVPNでは、外部からの攻撃によってセキュリティが破られるリスクがあります。

VPNはセキュリティを強化できるとはいえ、絶対安全というものではありません。また、接続の種類によってセキュリティの強度は大きく異なります。そのため、自社がVPNにどの程度のセキュリティを求めているのかはっきりさせましょう。

セキュリティ強度や安定性などの問題で、VPNでは自社の要望を実現できないこともあります。イッツコムではそのようなときに使えるサービスをご用意していますので、VPN以外の選択肢を検討したい方はぜひご相談ください。

ビジネスの生産性を高めるVPN接続ならイッツコム!

拠点間のデータ通信やインターネット接続のセキュリティレベルを高めるならVPN接続は必須です。イッツコムはセキュアなデータ通信サービス「モバイル閉域接続」の他、有料版boxや有料版ZoomといったICTツールを提供しています。これらを組み合わせることで、通信のセキュリティレベルを向上させるだけでなく、ビジネスの生産性向上も期待できます!

モバイル閉域接続 × box

VPN接続はテレワーク環境に必須と言えますが、設定・管理の煩雑さやセキュリティレベルは懸念点です。イッツコムのデータ通信サービス「モバイル閉域接続」は、PCやスマホに専用SIMを挿入するだけで、安全な通信環境が確保できます。

管理者側にもユーザー側にも複雑な設定は必要ありません。社内ネットワークへの接続時にはインターネットを経由せず、インターネット接続時には社内ネットワークを経由するので、非常に高セキュアです。

容量無制限のクラウドストレージ「box」と組み合わせれば、社内のサーバーで管理するファイルにも、クラウドストレージ内のファイルにも安全にアクセスできます。boxはファイルの共同編集や業務フロー管理の機能もあり、さまざまなビジネスツールを連携できるので、コラボレーションの活性化・効率化に最適ですよ!

モバイル閉域接続 × Zoom

Web会議システム「Zoom」は、今やビジネスシーンでは欠かせない利用率の高い必須ツールです。特にテレワーク環境ではコミュニケーションの補助に不可欠となるでしょう。しかし、無料版Zoomにはグループミーティングの40分制限などの機能制限があり、ビジネスユースには向きません。

有料版Zoomなら時間無制限でミーティングできる上、ビジネスに役立つ豊富な機能を利用できます。Zoomの懸念点は通信経路のセキュリティ対策ですが、モバイル閉域接続と組み合わせれば安心です。

モバイルワーカーがZoom用に別途データ通信サービスを契約する必要もありません。さらにboxと組み合わせれば、Zoomミーティング中にbox内のファイルを画面共有でき、ミーティングの生産性を大きく向上させられます。

VPN接続の特徴を知って安全なビジネス環境を構築しよう!


今回はVPN接続の種類やそれぞれの特徴、メリット・デメリットなどをチェックしました。VPNの接続方式は4つあり、それぞれセキュリティ・コスト・利便性などに違いがあることを解説しました。

便利なVPNとはいえ、用途によってはVPNより閉域網を利用したネットワークを構築するほうがコストやセキュリティリスクの面で有利なこともあります。

イッツコムでは「モバイル閉域接続」と呼ばれる閉域網アクセスサービスを提供しているので、ぜひご検討ください。プランの提案から実際の導入、運用まで徹底サポートいたします!