VPNの仕組みを学ぼう!セキュリティ強化に役立つけれど過信は禁物
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こんにちは!イッツコムの狩野です!
読者の皆さんの中にも、会社でVPNを使っている方はいませんか?オフィスではVPNが使われる機会も多いので、何気なく使っているかもしれません。しかし、「VPNとはそもそも何?」と思うこともあるものです。
そこでこの記事では、VPNの仕組みや利用目的などを詳しくみていきます。VPNについて理解を深めたい方は必見ですよ。今回ご紹介する情報をチェックすれば、VPNのデメリットも学べるので、理解がより深まります。
VPNとはどのようなもの?
「そもそもVPNって何?」と疑問に思っているなら、「特定のユーザーのみが使える専用のネットワーク」と覚えておきましょう。
専用のネットワークといっても物理的に専用回線を引いてしまうものではなく、仮想的に専用ネットワークを構築するものです。ここで重要になる技術は以下の3つなので、ぜひチェックしておいてくださいね。
・トンネリング:自分と相手との間にデータが通るトンネルを作り、外部からアクセスできないようにする
・暗号化:通信を暗号化し、漏洩・改ざんリスクを低減する
・承認:送信元や宛先が正しいかどうかをお互いにチェックする
これらの技術を組み合わせることで、物理的な専用線ではないのに専用線のように利用することが可能です。
種類別にVPNの仕組みをチェック!
一言でVPNといっても、その仕組みはひとつだけではありません。よく使われるVPNの種類には以下の4つがあるので、覚えておいてくださいね。
・インターネットVPN
・IP-VPN
・エントリーVPN
・広域イーサネット
ここでは、それぞれのVPNがどんな仕組みなのか、メリット・デメリットは何なのかをご紹介します。
インターネットVPN
インターネットVPNを一言で説明すると、「公衆網を使ったVPN」です。拠点同士の通信にはすでに存在するインターネット網などを利用するため、比較的安価で使いやすいのがメリット。
「インターネットを使うのは危険なのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、先ほどご紹介した技術を活用して専用のトンネルを作ってしまうので、普通にインターネットを使うより安全です。
ただし、あくまでもインターネットを使うので、混雑すると遅くなったりつながりにくくなったりするというデメリットがあります。安定性が特に重要な用途なら、別の方法を使ったほうがいいかもしれません。
IP-VPN
IP-VPNの仕組みを図解すると上記の通りです。送信元と宛先のネットワークは、それぞれ閉域網内にあるIP-VPN用の設備に接続します。この設備は通信会社が用意しており、インターネットから切り離されたネットワーク上にあります。
接続したいネットワークはIP-VPNの設備にアクセスすればOKなので、IP-VPNは多数の拠点をVPNで接続したい場合に重宝する仕組みです。通信会社が用意するIP-VPN用の設備は大規模なルーターのようなものといえるでしょう。
閉域網を使う都合上、契約したユーザーしか利用できないので、インターネットVPNと比べてセキュリティおよび安定性が高いこともメリットです。
エントリーVPN
エントリーVPNは、ルーターのようなものを閉域網内に用意する点ではIP-VPNと変わりません。しかし、エントリーVPNが存在するネットワークまでのアクセスラインには公衆網を利用します。
ネットワーク全体が閉域網に含まれるIP-VPNとは異なり、公衆網が含まれる区間があるのでセキュリティや安定性が低下するのがデメリットです。その一方で安価に利用できるというメリットがあるため、用途によってはこちらを選んだほうがいいかもしれません。
広域イーサネット
広域イーサネットを図解すると上記の通りで、「IP-VPNと同じ構成では?」と思ってしまうかもしれません。通信会社が用意している閉域網内に設備を設置している点は変わりませんが、広域イーサネットはL2スイッチ(レイヤ2スイッチ)を使うのでひとつのネットワークとして取り扱えます。
IP-VPNではIPプロトコル以外の通信方式を使えませんが、広域イーサネットならほかの通信プロトコルが使えるのがメリットです。自由度が高まるため、高度なセキュリティと自由度を両立させたい用途に向いています。
VPNを使う目的はセキュリティの強化
ここまでの内容をチェックして、VPNの仕組みについてある程度理解できた方もいるのではないでしょうか?そしてVPNの仕組みを知ることで、「結局何のために必要なものなの?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
多くの場合において、VPNを使うのは「セキュリティを確保するため」です。皆さまの会社でもVPNを使っているかもしれませんが、多くの場合以下のような用途ではないでしょうか?
・機密情報の漏洩を防ぐために必要なセキュリティを確保する
・外部から安全に社内ネットワークにアクセスする
・複数拠点を安全に接続する
これらはいずれもセキュリティを高めることが目的だと分かります。多くの手間をかけてVPNを導入するのは、社内に守りたい情報がたくさんあるからです。
一方で通信速度が遅くなりやすいというデメリットも
VPNを使えばセキュリティは高まりますが、一方で経由するネットワークによっては通信速度が大幅に低下してしまうというデメリットがあります。
特にインターネットVPNやエントリーVPNなどの公衆網を使うものは、混雑などに影響されやすいので「極端に遅くなった」「速度が安定しない」というトラブルが発生しがちです。
これを防ごうとIP-VPNや広域イーサネットを構築すると、今度はコストが高くなるというデメリットに悩まされます。VPNにはメリットだけではなくデメリットもあるので、導入してから後悔しないためにも、ぜひ覚えておいてくださいね。
VPNのデメリットを解消するにはどうすればいい?
「VPNのセキュリティは魅力的だけど、デメリットも気になる」と思っている人もいませんか?VPNのメリットを享受しつつデメリットを緩和するためには、VPN以外の技術にも目を向けることをおすすめします。
ここではVPNのデメリットを解消する技術として「SD-WAN」と「閉域網アクセスサービス」をご紹介します。もしこれらのサービスに魅力を感じるなら、ぜひ積極的にご検討ください!
SD-WANを使って通信経路を選択する
SD-WANは「Software Defined WAN」の略称で、複数のネットワークを動的に運用するためのものです。
SD-WANを利用することでハイセキュリティな通信環境が必要なソフトウェアに関する通信をVPNに、一般的な通信をインターネットへの直接接続へ振り分けることもできます。VPNを必要とするもののみを選別して送受信できるので、VPNのデメリットを受ける通信を最小限にできます。
プログラムごとに通信経路を選択したりルーティング設定を細かくしたりすることもできるので、高い柔軟性を持った通信を実現するでしょう。
閉域網アクセスサービスを使う
「そもそもVPNを使わずにハイセキュリティな通信を確保する」というのもおすすめの方法です。そこでチェックしたいのが閉域網アクセスサービス!
閉域網アクセスサービスとは、拠点間の通信や外部から社内のアクセスなどを閉域網内のみで完結させる通信方法です。経路にそもそもインターネット(公衆網)を含まないので、VPNを使わなくてもセキュリティを高められますよ。
イッツコムでも閉域網アクセスサービスを提供していますので、VPNを使わないハイセキュリティな回線に興味がある方は、ぜひご検討ください!
イッツコムではモバイル閉域接続を提供中!
イッツコムで提供している閉域網アクセスサービスは「モバイル閉域接続」といい、専用SIMを使うことでスマホやタブレットからでも閉域網を使えます。
営業などで社外に出る機会が多い社員に専用SIMを挿入したスマホを渡せば、外出先からでも社内に保管された資料に安全にアクセス。機密データが入ったPCを持ち歩くのとは異なり、データを紛失するリスクを削減できることもメリットです。
手軽にセキュリティを向上させたい方だけではなく利便性を重視する方にもおすすめなので、ネットワークやセキュリティのことは、ぜひイッツコムにご相談ください!
まとめ
ビジネスシーンではVPNが使われることが多いもの。一言でVPNといってもいくつかの種類があり、それぞれ別の仕組みが使われています。
VPNを使う主目的はセキュリティの強化ですが、万全な備えではなくデメリットもあることを理解できたのではありませんか?
さらに高いセキュリティを求める方や利便性も見逃せない方は、VPNの代わりにイッツコムが提供している「モバイル閉域接続」を使うのがオススメです。モバイル閉域接続なら、外出先でスマホから閉域網ネットワークを利用できてとても便利ですよ。
ご興味がある方は一度イッツコムにご相談いただければ、状況をヒアリングして本当にニーズにマッチしているのかご案内します。導入コンサルティングやアフターサポートも一括提供していますので、ぜひご検討ください!