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防災インタビューVol.46

決して難しくない、ここから始める防災対策

放送月:2009年11月
公開月:2010年4月

国崎 信江 氏

危機管理教育研究所代表 

特別な配慮のいるお子さんがいる家庭の場合

日頃、離乳食やアレルギー対応食などを食しているお子さんがいる家庭においては、被災時に特別食がすぐに調達されない場合もあります。ですから普段の備えとして、お子さんの年齢や体質、障害に適応する食事をしっかり確保していただきたいと思います。そして単に備蓄するだけでなくしっかりと食べてもらえる工夫も必要です。たとえば、離乳食をよりおいしく食べてもらうための工夫として、カイロを一緒にセットして備蓄して温かい食事を提供します。これは過去の被災地のママさんから「赤ちゃんが冷たい離乳食を受け付けてくれなかった」という声からの教えです。 実験で試してみると、タオルでカイロと離乳食をゆるく巻いて50分ぐらい置いておくと、ほんのり温かくなります。案外忘れがちなのがスプーンやフォーク、カップなどです。飛散したガラスにまみれて使えなかったという声からもアルミ箔やラップにくるんで備えておきたいものです。
またベビーベッドで寝ている赤ちゃんがいる家庭で、ぜひ心掛けていただきたいことがあります。大地震の時、ベビーベッドは形状からいって倒れにくいのですが、中にいる赤ちゃんがどのような衝撃を受けるのかを考えていただきたいと思います。なるべく赤ちゃんが強く揺さぶられない環境をつくるために、たとえ夏場の暑い時期でも、赤ちゃんを寝かせるときにはタオルケットを1枚掛けていただきたいと思います。このタオルケットが1枚あるかどうかで、地震が起きたときに赤ちゃんの揺さぶられる衝撃が軽減されます。実験において、タオルケットがないと赤ちゃんが1回転してしまったということもありました。タオルケットを掛けた場合にはタオルケットが体に巻き込まれ、体が回転することがなかったのです。
そのほか、被災地のママさんが子どもの備蓄の中で困った物のひとつにオムツがありました。自治体で用意してくれているオムツもあるのですが、ご自身のお子さんのサイズに合わないという問題がありました。ですから日ごろから、より多めにオムツを備蓄しておくことをお勧めします。備蓄するコツとして、オムツ1パックを半分消費したあたりで新しいパックを購入することを意識されると安心だと思います。

「大地震で生き抜くための5つの習慣」 ?大地震への対応力を知る

大地震への対応力を知るために「まずは自助で生き残る」という意識を持っていただきたいと思います。発災直後は誰も助けに来てくれないという覚悟のもと、まずはご自身の対応力がどれほどあるのかをしっかりと認識していただきたいのです。
例えば自宅の耐震性について、室内の被害を軽減するための家具固定や、被災状況に見合う備蓄をしているか、そして併せて防災の知識がどれほどあって、ご自身の体力がどれほどあるのか、そういった細かいところまで、しっかりご自身の防災の対応力を認識していただきたいと思います。まずそこからしっかりと確認していかないと、自分自身は助かるという前提でシナリオを考えてしまい、有事の事態と備えにギャップが生じるかもしれません。また災害に備えて、家族間での連絡方法の確立も重要になります。家族が離れ離れでいるときの連絡手段として、わが家では何通りかの方法を決めています。例えば、第一手段は災害用伝言ダイヤル171、これで連絡が取れない場合には携帯電話の災害用伝言ダイヤルを使おうとか、これが駄目なら次はこれ、ということで4通り決めています。この災害用伝言ダイヤル171ですが、聞いたことはあるけれど実際に試したことがない方もいらっしゃると思います。毎月1日や、防災週間・防災とボランティア週間の日に試すことができますので、ぜひ実施してみてください。
次に避難所に行く必要がある状況を想定して、避難所までの距離や家族構成、ご自身の体力がどれほどあるのかを考慮して避難所まで無事にたどり着けるかを考えます。例えば、お子さんが複数いる場合には、お子さんのその体重を抱えて、どれほどの非常持ち出し袋を持つことができるのか、その総重量を抱えながら避難所までたどり着くことができるのかどうか、という点をしっかりと確認していただきたいと思います。見落としがちなのは、お子さんが中学生ぐらいになると、親が背負って移動することを考えない方もいらっしゃるのですが、中学生であっても足を骨折した場合には、母親が背負わざるを得ないかもしれません。そういった最悪の事態からご自身の体力を考えて、もしそのお子さんがけがをして自分では背負っていけない、といった場合は、ほかにどういう手段で救護所のある避難所まで家族を搬送するのかということも考えておくといいと思います。

災害時の家族の待ち合わせ場所

家庭内で災害時の取り決めの中で、待ち合わせ場所を決めておかないと、発災時になかなか家族と会えないということになるおそれがあるので、しっかり決めていただきたいのですが、ここでちょっとしたポイントがあります。
例えば、近くの小学校が避難所として指定されている場合には、「○×小学校ね」ということで待ち合わせ場所を決める方が多いようですが、その避難所には何百人という地域住民が避難されることが想定されます。その中で家族を探すのは大変困難な状況になります。一つ一つの教室をのぞいたり、体育館をのぞいたり、校庭をのぞいたりということで、その過程で行き違いになってしまう可能性もあります。ですから私がお勧めするのは、具体的にピンポイントの場所を決めておくということです。体育館であれば「バスケットゴールの下ね」、校庭であれば「鉄棒の近くね」というように具体的に決めると、待ち合わせも容易にすることができると思います。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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