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防災インタビューVol.46

決して難しくない、ここから始める防災対策

放送月:2009年11月
公開月:2010年4月

国崎 信江 氏

危機管理教育研究所代表 

防災グッズをそろえる際のポイント

防災グッズをそろえるときに「あれも欲しい。これも必要だ」ということで、ついつい重くなってしまったり、かさばってしまったりということになりがちです。これを解消するには、1つのアイテムで多用途に使える物をそろえていただくことです。例えば、大判のバンダナを用意すれば、三角巾や止血帯、アイマスク、それから寒いときに首に巻くマフラー、帽子、マスク、タオルなどに活用することができます。今、申し上げた物を一つ一つ用意すると、その分荷物が重くなりますので、こういった大判のバンダナで多用途に使える工夫をされるといいと思います。これ以外にもごみ袋が便利です。ごみ袋はレインコートの代わりになりますし、収納袋、トイレ、敷物にも使えます。また食品ラップは寒いときに直接体に巻けば保温効果も高くて、体を温めることができます。持病として関節痛のある方には、その関節痛を和らげる効果もあります。またガーゼの上から巻けば包帯にもなりますし、究極、目に巻きますとゴーグルの代わりにもなります。さらに断水の際にはお皿に敷けば、食器を洗わずに何度でも使えるということで、多用途に使えます。こういった視点でぜひ、できるだけ荷物を軽くしていただきたいと思います。
また、これから新しく防災グッズを備えるのでしたら、備える前に家の中を見渡してください。実は用途としては災害を意識しないで購入した物でも、視点を変えて考えると、災害時に使える物もたくさんあることに気付かれるかと思います。例えば、スポーツクラブやオフィスなどに設置されている水のサーバー、ウオーターサーバーが家庭にも普及しつつあります。このウオーターサーバーは視点を変えれば常に12リットルという大容量の水が備蓄されていることになりますから、災害時の備蓄にも活用できます。災害時に必要な水は多ければ多いほどいいので、たくさん備蓄をしていただきたいのですが、ただその備蓄方法に困っている方が多くいます。このようなシステムを利用するのも、一案ですし、雨水をためて、それを浄化して生活用水に使うという工夫をして、賢く水を備蓄していただければと思います。
このように「普段使っている物をいかに災害時に活用するのか」という視点を持っていただくと、意外と皆さまのご自宅にも災害時に活用できる物が発見できるかもしれません。

「大地震で生き抜くための5つの習慣」 ?ついでついでの防災の勧め

防災をしっかり対策していこうと意気込むと、どうしても気持ち的に負担に感じたり、面倒に思ってしまう方もいます。そんなときにお勧めなのが「ついでついでの防災」です。例えば、毎日の掃除のついでに本棚や食器棚に、飛び出しを防ぐ効果のある滑り止めシートを敷こうとか、年末で大掃除の季節には、どうせ窓をきれいにするのであれば、そのついでに飛散防止フィルムを貼ってしまおうとか、家具を少し移動して隅を掃除しようという場合には、そこで安全な配置を意識してついでに固定までしてしまうというような、ついでついでの意識があると気持ちも軽くなるかと思います。ほかにも日ごろ買い物に行くときに、100円ショップに行く用事があれば「ついでに防災用品もここでそろえてしまおう」という考えで包帯、ガーゼ、ばんそうこう、電池、レインコート、マスク、軍手、筆記用具などを購入するという方法があります。またスーパーのセールの日に合わせて災害時の食料を買い込むという方法もあります。もし区役所に行く用事があったらハザードマップをついでにもらっておこうとか、図書館に行く用事があったら防災の本を1冊ぐらいは読んでみようということで借りてみるとか、移動中など暇な時間があったら携帯の災害用伝言板にメッセージを伝えたい人のメールアドレスを登録しておくとか、そういったついでついでの防災をしていただくと負担に感じることも軽減されて、防災対策が進むのではないかと思います。
例えば、わが家では2週間分の食料の備蓄をしています。2週間分というのはとても量が多く、その分お金も掛かるので、躊躇される方もいますが、わが家では流通備蓄をしています。つまり2週間分用意しておいて、日常生活で消費したら補充する、という考えです。アルファ米や乾パンなどの非常食ばかりをそろえると、品質期限が迫り平時にそれを食べるとき、辛く感じてしまうこともあります。一般的に市販されている食料でも、賞味期限が1年ある物もたくさんありますので、それを1年ごとに交換する、という対策をとると、実はバラエティーに富んだ献立を作ることができます。例えば、スパゲティのソースからどんぶりの具、牛丼、親子丼や中華丼など、さまざまなレトルトの具材があり、これを温めてご飯と一緒に食べることで様々な料理ができます。ほかにも惣菜や果物の缶詰、野菜ジュースや果汁ジュース、それから日本人の食の知恵として梅干しなどの、保存が長期間きく物もあります。日本の伝統的な食である漬物や乾物類をうまく利用して、長期保存できる2週間分の献立を作っていただければ、災害時の栄養も偏りが減ると思います。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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