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防災インタビューVol.46

決して難しくない、ここから始める防災対策

放送月:2009年11月
公開月:2010年4月

国崎 信江 氏

危機管理教育研究所代表 

具体的な安全行動の指示

お子さんと母親が家に居たときに地震が起こった場合、実は同じ家の中に居てもすぐに助けに行けない場合も想定されます。揺れが強ければ強いほど、自分の身もコントロールできないような状況になります。例えば、母親がキッチンに居て、お子さんが子供部屋に居る、もしくはリビングに居るといった状況下において、やってはいけないことは「お子さんの名前を呼ぶ」ということです。もし、お子さんを心配してその場で何か言うとすれば、名前ではなくて具体的な安全行動の指示を出していただきたいです。もし「○○ちゃん、○○君、地震よ!」と叫びますと、子どもは親に呼ばれていると勘違いして、今いる安全な場所から危険な親の元に行こうとしてしまうかもしれません。ですから「机の下に潜りなさい」「たんすなどの倒れる物から離れなさい」というような具体的な指示を出していただきたいと思います。こういうことをしっかり頭に入れておかないと、地震は突然来るものですから、慌ててしまって、その子どもの安否を確認しようというあまり名前だけ呼んでしまうことになります。日ごろから災害時の指示を適切に出せるように様々な状況でどう守るかを考えておくと良いでしょう。

「大地震で生き抜くための5つの習慣」 ?必要な物を見極めるシンプルな暮らし

日本は今、地震の活動期に入ったと言われています。この時代を生きる私たちは、身の回りにあるものが生活する上で果たして必要不可欠な物であるかどうかを見極めて、シンプルな暮らしを心掛けていただきたいと思います。なぜならば、地震の際には家にある物すべてが凶器になるおそれがあります。大地震が発生したときに、家にある物が固定していなければ、当然のことながら移動したり、床に落ちて破損して飛散する危険性があります。ですから家の中にある物が凶器とならないように、今必要な物であるのかどうか、というのを見極めて、できる限りそうでない物は被災時に障害にならない場所に収納する、もしくは潔く捨ててしまうという決断もあろうかと思います。
ただ、実際にあまりシンプルにし過ぎると味気ないというか、素っ気ない感じがして、家の空間が冷たく感じると懸念される方もいらっしゃるかと思います。そうならないための知恵として、家にある物の素材を変えるというのもポイントです。写真立てをたくさん飾っているお宅では、その写真立てのフレームが木製やガラス製であったなら、それを革製や布製、紙製にしていただければ、破損して飛び散るという危険がなくなりますし、家族に当たってもけがをするというおそれもなくなります。他にも、照明、傘立て、ごみ箱などの身近な物の素材を変えてみてはいかがでしょうか。
また、家具の配置も大変重要です。どうしても必要な物の中には、例えば食器棚のような物もあります。そういった物はできるだけ配置を考えて、安全な空間を脅かさないような配置にしてください。具体的には避難に影響を及ぼすような場所、つまり入り口の近くに家具を置かないことや、寝ている無防備な状態のときに家具に襲われないような所に配置するなどの工夫をしていただきたいと思います。

家具の固定と中身が飛び出さない工夫

家具の固定・配置が運命の分かれ道になるということもあり重要ですが、家具の固定は家具の重量や設置場所、壁や天井材といった環境に応じて、突っ張り棒、チェーン、ベルト、ジェルマットなどを使い分けて固定していただきたいと思います。ただ、家具をしっかり固定すればするほど、中の物が飛び出しやすくなるということも忘れずにいてください。家具を固定したら、併せて中の物が飛び出さない対策もしていただきたいと思います。
食器や本など、棚からの滑り出しが予想されますので、棚板の上に滑り止めマットを敷く、そしてさらに扉があればその扉が開かないようなストッパーをつけておくといいと思います。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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