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防災インタビューVol.70

日頃からできる災害への備え

放送月:2011年12月
公開月:2012年2月

秦 好子 氏

元横浜市消防局防災課長

地震でガスが止まったら

このガスのメーターは阪神淡路のときの教訓をもとに、家が倒壊する前にガスが止まるというところが、とても大切なところです。阪神のときには倒壊した家屋から生ガスが出て、火災になるということがありました。今はその家屋が倒壊する前にガスが止まるということになっていますので、そのことをぜひ皆さん知っておくとよろしいかと思います。

「ガスが止まったけれど、どうしてですか」という問い合わせも随分あったようですが、むしろ小学生のほうが学校の環境教育などで学んで、よく知っていたというお話も伺いました。地震でガスが止まってしまった場合の復帰操作ですが、止まったガスを自分で回復ができるようになっています。メーターの後ろに黒いボッチが付いていまして、それを押すとガス管が壊れていないかどうか、自動的に点検をするようになっているのだそうです。従って、復帰操作をして、そのままガスが使えるお宅では、ガス管に問題はありません。それで「復帰操作をしてもガスが使えないときにはガス会社に連絡をしてください」という広報がされています。

実際、今回も横浜市内で3日間、計画停電で電気も使えずガスも使えないお宅があったと聞きました。復帰操作の仕方が分からず、ガス会社に電話したけれど、大変混んでいるのですぐに来ていただけなかった、電話で教えていただいたけれど自分ではできずに諦めていたそうで、近所の方が気付いて、復旧してようやく使えるようになったということがあったそうです。ご近所にお年寄りの方がいらしたら、お声掛けをしたり、復帰操作をしてあげるということも、これからの助け合いの一つかなと思っています。

自宅の耐震補強

地震の際には、同じ地域でも地盤の強い所、弱い所によっても揺れは違います。一般的に、建築基準法でいう56年以前の耐震の基準は旧耐震といって、今の地震に対応していません。旧耐震の所は市でも助成制度があって、耐震補強を勧めています。しかし、それは最低の基準ですので、もし新しいおうちでも、今回のマイコンメーターが動いた家、ガスが止まった家では設計事務所などに依頼して、耐震診断をしてもらって、耐震補強をよその一般的な基準よりもきちっとして、家具の転倒防止などをすることが、とても大切だと思います。基準は最低でしかありませんので、人間の健康と同じように強い所と弱い所がありますので、弱い所を補強するという意味で、新しいおうちでも耐震診断をあらためてして、補強していただくことを、ぜひぜひお勧めしたいと思います。

横浜市では、ホームページで自分の住所を入れると、非常の際にどんな被害を受けるかという想定を公表しています。「わいわい防災マップ」というところで見ていただくと分かると思いますが、建築年度だけではなくて、その土地の過去の履歴、元はどういう土地だったかということを見て、こういう地震のときにはこういう被害を受ける可能性があるということを知ることが、とても大事だと思います。横浜市は耐震補強や耐震診断も含めて、かなり積極的に防災に取り組んでいます。これは関東大震災で、全滅といわれるほどの被害を受けたのは横浜市だけですので、大都市の中でかなり痛い思いをしておりますので、そこのところは気にしていると思います。東京都でも各区で公表しておりますが、横浜市ほど地図にして公表しておりませんので、窓口に行ってお伺いすれば、教えていただけると思います。

どこの被災地に行っても、家が無傷であったおうちでは、心の復興も経済的な復興も非常に早いです。ですから、やはり住まいを安全にするということは基本でもあるし、何よりも大切だということを、被災地に行くたび実感しています。家が倒壊しなければ、もちろん減災になりますし、人的な被害も少なくなります。停電になっても、ガスが止まっても、水が止まっても、安心して家族が住める所があるということが一番です。これに勝るものはありません。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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