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防災インタビューVol.124

災害からわが身、わが命を守って、防災力をアップ

放送月:2016年1月
公開月:2016年8月

天寺 純香 氏

災害救援ボランティア推進委員会

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

「災害ボランティア活動、目からうろこのプチガイド」による安全喚起

災害ボランティア活動というのは、まず災害が起こった際に、災害ボランティアセンターが立ちあがり、社会福祉協議会が主体となって運営していくというものが多く、そこにわれわれがボランティアとして駆けつけるというような形で活動します。そういう中で、災害ボランティアの安全衛生について、もう少しボランティアセンターの中でもPRし、そして実際に活動する方々にも直接伝えることができるようにということで、「災害ボランティア活動、目からうろこのプチガイド」という簡単な冊子を有志で作りました。この冊子は、ボランティアセンターの中や、事前の研修の中で配布をして、普及活動を行っています。

この冊子には、自分が活動する上で「まず自分を見極めよう」「自分の体調を見極めよう」というようなことから、「今日のお手伝いはどんなことをやるのか」「誰が安全担当なのか」というようなことを確認できたり、作業を無事に進めていくためには、やはり現地に着いてすぐに作業を始めるのではなくて「休憩時間をしっかりとろう」「じゃあ時間を管理する人は、誰か役割分担でやろうか」、あるいはボランティアで集まると、結構知らない人と当日一緒に活動することが多いので、その中で「必ずリーダーを決めましょう」というようなことが、イラストを交えて分かりやすく書いてあります。「もし活動の中で、フラフラ、ボーッとしたり、おかしいなと感じたらすぐに活動をやめましょう」というようなことなども書かれていますし、非常に熱い気持ちで活動をするんですが、終わった後、きちんとクールダウンして、「活動の中でヒヤリとしたこと、ハッとしたこと、そうした危険因子があったらそれもまたボランティアセンターに報告して、次の日、もしできれば対策を講じて、同じようなヒヤリハットがなくなるような現場にしていきましょう」というようなことが小さな冊子としてまとめてあります。気持ちだけでボランティア活動をしないで、まずは自分の体調管理を見極めた上で、もし無理だなと思ったら無理をしない、そこで無理をしてしまうと結局被災地の方にご迷惑をかけてしまうことにつながりますよという、一番根本のところをお伝えできればと思って作りました。このようなことも非常に大切だということは、セーフティーリーダーの養成講座の中でも伝えています。

一過性ではなく、地域の防災に役立つボランティアを

災害ボランティアを志す方々というのは、被災地のために何とかしたいという非常に熱い心を持って集まり、活動しています。東日本大震災の時も、東北地方をはじめとする被災地で大学生などの若い方が災害ボランティアとして非常に頑張っていました。私も支援に入らせていただいて、この活動の状況を見て、これを一過性のブームにしたくないなという思いを感じたことがありました。それは何かと言いますと、災害ボランティア活動はやるのですが、その方が自分の地域に戻った時に、地域で防災活動をしているかと尋ねると、「いや、全然」という答えが多く返ってきたことです。また、ちょっとショックを受けたのが、東日本大震災の活動の最中、2011年9月に台風12号で紀伊半島豪雨災害が起こり、大きな被害が出ていた際に、東北のある地域でリーダーをしていた若者が、紀伊出身で地元も大変だけれど、自分は東北で頑張りますということを話していたことです。津波の被害を受けた東北で災害ボランティアとして活動するというのも、ひとつの活動ではあるのですが、自分の地域で防災活動をやった上でのボランティア活動なんじゃないのかなと思いました。どうしても災害ボランティアのボランティア活動だけがクローズアップされているのですが、その活動の延長上に防災活動があってほしいと思います。被災地での体験は、そこで活動されていたボランティアさん、個人にとってみれば貴重な財産ですが、その方の出身の地元にとってみても貴重な財産です。今後起こるかもしれない災害に対しての教訓を被災地の方からじかに聞いているわけですから、その聞いたことを、個人としてフェイスブックやSNSで発信している方は多いと思いますが、それを地域の防災活動に何とかつなげることができれば、また違った側面、違った活動に広がるのではないかと感じています。それぞれの活動の仕方はさまざまで、ご自分で団体を立ち上げて、継続して被災地応援をしているという方ももちろんいらっしゃると思いますが、その方々が必ずしも地域の防災をやっているかというと、そういうデータ的なものは特にないのですが「なかなかあまり聞かないな」というのが実感です。これからの災害を考えると、地域の防災にその経験を生かしてもらうことが大切だと思っています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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