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防災インタビューVol.136

危険予知の目を養い、災害に備える

放送月:2017年1月
公開月:2017年8月

サニー カミヤ 氏

日本防災教育訓練センター代表

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

北朝鮮からの脅威に備える

最近は北朝鮮からの脅威も出てきていますが、実際昨年は18回、失敗も含めて20回近くのミサイルの発射を日本海に向けて行いました。だんだん精度が増して、ちょっと狂って東京にもし飛んできた場合、ミサイルの種類にもよりますが、大体4、5分ぐらいで届いてしまうこともあります。そうなった場合に、自衛隊が果たして追撃できるのか、間に合うのかは分かりません。もちろん発射台から発射すれば、すぐに分かりますが、潜水艦の中から発射したり、移動発射台から発射していた場合は分からないこともあります。一番近くの九州に着弾するかもしれないし、東京かもしれません。そのような時には、日本ではJアラートという警報システムがあります。YouTubeでも聞くことができますが、発射したときに警報アラームが鳴るようになっています。エリアにもよりますが、スピーカーで流れたり、携帯に入ってきて、「弾道ミサイルが発射されました。近くの安全な場所に避難してください」というような放送が流れます。近くの安全な場所というのはどこでしょうか。核だとしたら、結局それで絶対助かるということはないですが、少しでも生きる可能性を自分で求めるとすれば、やはり地下の深くにずっと逃げ続けることかもしれません。あとはコンクリートの壁が厚いところに逃げ込むとか、「ここでアラームが鳴ったらここ」というように少しでも安全な場所を日ごろの自分の日常の動線の中で見つけておくことが重要です。例えば日曜日だったらビルとかは開いていないのでどうするのか、霞が関だったらどうするのかとかも考えていきながら、やはり24時間、冬だったらどうするのか、夏だったらどうするのか、あまり真剣に考えているとどんどん嫌になってしまうので、ある意味ゲーム的に考えていただければいいと思います。

こういうのを子どもに対してワークショップをやると、日ごろからゲームをやっているのでものすごく発想が豊かです。大人の場合ですと、まず「本当に北朝鮮は撃ってこないだろう」と思ってしまいます。実際にそれをシミュレーションした時には、皆メールで本当かどうかをチェックしていました。その間は、その人は逃げていないことになります。実際に核弾頭を載せるかどうか、それをやってしまうともう多分終わりだと思いますが、そういう時でも自衛隊に依存せず、自分自身で考えることが重要です。同じく、災害があっても、消防士や警察官に依存しないようにしないと、消防士というのは大体1000人に1人ぐらいしかいませんし、警察官も大体1000人に2人ぐらいしかいません。そのため、大きな災害が起こったときに119番してもまず自分の所に来る可能性は限りなく低くなりますので、やはり自分がどうしたらいいのかということを、そろそろ身に付けてもいいのではないかと思います。

このように防災というのは、いろいろなケースにおいて、問題意識行動、問題が起こったときに自分はどうするかを常に考えておくことが大切です。

自分事として考え、想定外を減らす

今、いろいろな防災向けのマニュアルや本があると思いますが、やはりよく言われるのは「自分事にして考えなさい」ということです。いかにそれを具体的に自分事にするかというのは、映像にしたり、音にしたり、自分の感性のフィルタを使って受け入れて、日ごろからそういう感覚を持って、ゲーム的に感じてもいいし、ご家族同士でやってみてもいいので、できるだけ機会を多くして、想定内を増やして、想定外を減らすことが重要です。

一問一答式の考えだとやはり不利になることが多いので、一問多答式の考えを日ごろから癖にしていただいて、そしていざというときに備えていただきたいと思っています。そして、またその時に優先順位を決められるようなところまでやっていただければさらにいいのではないかと思います。

自分の中で映像化して、イメージするということは、女性は結構得意だということが、やっていて分かったのですが、女性は、おままごと遊びをやったことがあるので、泥のだんごを「おいしいからはい」と言って差し出されると、「あむあむ」と食べる。「ヨモギが入っているから」と言うと、「ほんと、ヨモギの匂いがする」と、そういうふうなことができます。しかし、男性はこういうことをほとんど経験したことがないので、「これ泥じゃないか、食えないよ」となってしまうわけです。そうではなくて、やはり泥のだんごを本当のヨモギ餅なんだなと思って食べられるぐらいの感性、泥からヨモギの香りがするようなところまでイメージしてやっていただくと、結果的に、さっきのレスキュー隊と同じような感覚になっていくことができます。

実際に防災に関しては、防災グッズを揃えたりはしていても、なかなかイメージトレーニングはしていないのかもしれません。正直に言って、特別なグッズというのはもういらないと思います。日ごろ生活しているので、その中に既にあるもので十分で、生活している以上のものがどうして必要なのかなと思います。実際、食べ物でもやはり日ごろ食べているもの以外のものは、食べることはまず難しいのではないかと思います。それよりも、まず、実際やってみる、経験してみる、感じてみることが重要です。そしてそれを家族でシェアしてみる、そしてどうしたらいいのかということを決めて、そういうふうな癖というか、習慣にしていただくと、かなり自己防災能力が上がるのではないかと思います。そして、実際私たちが社会で生きていても、危険なことはたくさんあると思うので、防災だけに限らず、防犯というコンセプトも入れてもいいのではないかと思っています。

危険を少しでも減らすためには、誰かが言ってあげないと気付かない子どもたちには、きちんと大人が伝えなければいけないこともあると思います。自分の飲んだ空き缶を置きっぱなしにして電車を降りようとする若い子に「持って行け。この缶で誰かが転んで骨折したら、その人は病院に行って、この一日が全部無駄になるんだ」というようなことを、私自身、説教したりもしています。このように、世の中には、やはり頑固おやじみたいな人がいて、喝を入れたりする必要もあるのではないかと感じています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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