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防災インタビューVol.176

社会福祉協議会と災害ボランティアセンター

放送月:2020年5月
公開月:2020年9月

高橋 良太 氏

全国社会福祉協議会 地域福祉部長
全国ボランティア・市民活動振興センター長

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

災害ボランティアセンターに取り組む理由

阪神淡路大震災から社会福祉協議会が災害に携わるようになってきたというお話をさせていただきましたが、もともと社会福祉協議会は全国にあって、地域を基礎に活動を展開している組織です。その中でも市民の方々と一緒になってその地域課題を解決するという地域福祉が社会福祉協議会の役割ですので、そういう中にあって、大きな災害が発生した際に、地域の課題として市民の方々と一緒になってその課題である災害に立ち向かい、問題を解決することが使命のひとつになっています。これが、社会福祉協議会が災害ボランティアセンターに携わることになってきたひとつの理由だと思います。

さらに社会福祉協議会は全国にありますので、全国のネットワークを生かしながら、被災地だけでは賄えないような支援を全国の社会福祉協議会の仲間たち、そしてボランティアさんたちと一緒になって支援できるというのが社会福祉協議会の特徴でもあります。そういうもともと役割としてあった地域福祉、後方の支援、さらには全国のネットワークとして支援できることが、この災害ボランティアセンターに社会福祉協議会が取り組むことになった、もうひとつの理由だと言えると思います。

地域にはさまざな課題がありますが、そうした課題が災害になるとより鮮明化したり、さらにひどい状況になる場合があります。特に一人暮らしの高齢者の方や障害をお持ちの方などには、災害になると支援の手がなかなか届かなくなってしまったり、より厳しい状況になることがあります。さらに、今までは支援は必要なかったけれど、災害によって新しくさまざまな課題を背負ってしまう方々もいます。そういう方々に対して公的なサービスだけではなかなか支援が行き届かない、支援が十分ではないという場合に、ボランティアさんや地域の方々の力を借りながら支援をしていくことが必要になってくると思います。そのような災害時に、災害ボランティアセンターを媒介にしながら、ボランティアさんと課題を抱えている人たちをつなぐのが災害ボランティアセンターであり、社会福祉協議会の役割であると思います。

さまざまな形態のボランティアとボランティアセンターの役割

実際、災害時のボランティアというのは多岐にわたっています。台風や地震の時には、泥かきやがれきの撤去ということももちろんあるのですが、それだけではなく、被災された方のお話を聞く「傾聴ボランティア」というものもありますし、サロンのようなものを作って、子どもたちを遊ばせながら、その傍らでお母さんたちの話をお伺いするような形もあります。さらには、被災直後だけではなく、復興期にも、復興の途中で孤立をしないような見守りをするボランティアなど、さまざまなフェーズごとにさらにさまざまな活動があるというのが今の災害ボランティアの中身であろうと思います。

災害ボランティアセンターは、このように外から来るさまざまなボランティアさんを地元の被災者の方々に結びつける役割を担うことになりますが、何よりも大事なのは被災者中心に活動するということです。ボランティアさん自身がやりたいこともあるとは思いますが、被災者の方にもいろいろな思いがあるので、そこにどれだけ寄り添えるかというのが非常に大事になってくると思います。ボランティアさんは、自分は良いことをしているという思いから、自分の気持ちを押し付けてしまうことがありがちですが、被災者が望んでいないことをしてしまうのは良くないことです。また、ボランティアセンターを運営する側も、地元を主体として考えるのではなく、自分たち本位に動いてしまうこともありますし、自分たちが一番だと思ってしまい、他の人たちと協力をせずに活動してしまう方もいます。そのような中で、何よりも災害ボランティアセンターとして大事なのは、被災者中心、地元主体、さらには協働、共に働くことです。みんなが一緒になって被災者のための支援をしていく、そういうような姿勢がとても大事ではないかと思います。

被災地で行うボランティア活動はさまざまなものがありまして、被災家屋の片付けや泥出し、救援物資、生活物資の仕分けというのもあります。2018年の7月豪雨の際に、総社市では小学生も物資の片付けに来てくれました。年齢を問わず、できる活動はたくさんあります。泥出しのような力仕事はできなくても、避難所でのお手伝いや雨や泥で汚れてしまった写真の洗浄、足湯をするなど、年齢や体力にかかわらず自分ができる仕事というのがたくさんあるので、ぜひ皆さんに来ていただきたいと思います。

災害ボランティアセンターでは、あまり経験がない方や災害に関する知識のない方を対象に支援やコーディネートを行っていますし、実際に来ていただいた方にはボランティアセンターとして注意事項をお伝えしたりもしていますので、安心して来ていただくことができます。あまり経験のない方も、ぜひお問い合わせいただきたいと思います。

ボランティアはもちろん自由ですので、被災地にお知り合いや友達がいるような方については直接現地に行かれても大丈夫です。ボランティアセンターに必ず登録をして行かなければいけないというものではありませんので、自由に行って活動するということもあっていいと思います。さらにNPOやNGOも被災地で活動していますが、必ずしもボランティアセンターに登録しているわけではありません。このようにボランティアの活動もいろいろな形があるので、NPOやNGOのホームページなどにも活動の予定が書かれているので、そういうものも参考にしながら自分に合った活動、自分がやりたい活動をされるのがいいのではないかと思います。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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