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防災インタビューVol.165

災害に負けない社会を作るために

放送月:2019年6月
公開月:2020年11月

大津山 光子 氏

SEEDS Asia
海外事業統括

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

プロフィール

私は現在、NPO法人SEEDS Asiaで海外事業統括をしています。SEEDS Asiaは、災害に負けない持続可能な社会づくりを目指して活動している団体です。団体のロゴが竹の形になっており、衝撃があってもポキッと折れずにしなやかに育っていく「竹」をレジリエントの表象として活用しています。この団体は、もともとは1994年にインドで生まれた国際NGOのSEEDS Indiaという団体から阪神淡路大震災の経験を踏まえてのれん分けして、SEEDS Asiaになりました。Sustainable、 Ecological、Environmental、Development Societyの頭文字を取って、持続可能で環境に配慮した社会づくりを目指した団体ということで、SEEDS Asiaとなっています。

私が防災に関わり始めたきっかけは、1999年、阪神淡路大震災から4年後のことです。あしなが育英会という団体が震災児のためのケア拠点として、神戸にレインボーハウスというものを建てました。当時私は大学1年生になりたてで、私も昔父親を亡くしていたので、阪神大震災遺児と一緒に遊ぶ学生ボランティアというような形でそのレインボーハウスに付設された学生寮に住むことになりました。そこで当時小学校5年生だった女の子と出会い、彼女と遊んでいたら、「トイレに一緒に行こう」と言われました。彼女は暗い所が怖い、狭い所が怖いということで、1人で用を足せないような状況で、ドアを開けて用を足していましたが、彼女が6歳の時に被災して、就寝中の母親が亡くなってしまったという生い立ちを聞き、震災から4年たってもそういう状況が続いていることに非常に衝撃を受けました。このように子どもたちは、それぞれの形でSOSを発していたわけですが、本当に数秒間の地震がこんなふうに長い間影響を与えてしまう事を知り、「なぜ防げなかったのか」という思いと、災害について知ろうとしなかった自分というものが申し訳ないような気持ちがしました。

SEEDS Asiaの活動

私はSEEDS Asiaに2009年に入りましたが、その前の2008年にミャンマーでサイクロン・ ナルギスによる巨大災害が起きました。私は、サイクロン・ナルギスによる災害からの復興と防災を進めるためにミャンマーに7年ほど駐在をして、その後日本に戻ってきました。

日本でも、1995年に阪神大震災が起こり、つぶれた家から自助、共助によって助け出された方がたくさんおり、この時にやはり防災というのは行政だけの仕事ではないということに皆が気付きました。2005年に兵庫県で行われた国連の防災世界会議でも、防災行動枠組みとしてコミュニティ防災の重要性が組み込まれましたが、これは、日本の阪神大震災の際の自助、共助は大切だということを踏まえて、世界的な政策に入れられたわけです。しかしながら、政策に入ったからといって、翌日から実践ができるわけではありません。政策と実践の橋渡し役が必要だということで、1994年から活動していたSEEDS Indiaから分かれて、日本を拠点とした防災をアジアに広げるためのSEEDS Asiaが2006年に神戸を拠点としてできました。

現在このSEEDS Asiaは、11カ国で既に事業を展開しており、アジアでは、日本、インド、ミャンマー、バングラデシュ、フィリピンの5カ国で活動しています。アジアは世界の中の全陸地に占める割合は29.5%で、約3割ぐらいですが、世界の災害データベースであるEM-DATによると、世界で発生する災害の44%がアジアで発生しているということです。まさに日本が典型ですが、地震や火山の災害に加えて、台風や洪水など、風や水に関わる気象系災害がたくさん発生しやすい場所に位置しているという背景があります。被災者ベースで見ても、世界の被災者の70%はアジアなのですが、世界人口で見ると実はアジアには60%ぐらいしかいないので、人口に対して災害に遭う確率というのも非常に高くなっています。もちろんその背景としては、インドや中国などは人口がとても多く、さらに都市部にしか仕事がないので、都市部にどんどん人が集まって過密していく中でビルができたり、学校や病院など、いろいろなものができていくにもかかわらず、規制や基準が全く追い付いていないという状況があります。実際には、建築物に関する規制や基準が知られていなかったり、賄賂などにより基準を守らなくても建てられてしまうことが、アジアにおける災害の集中を生み出してしまう原因のひとつになっています。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。