道路ライブ映像を神奈川県のCATV4社が相互利用開始

厚木伊勢原ケーブルネットワーク株式会社
イッツ・コミュニケーションズ株式会社
小田原ケーブルテレビ株式会社
湘南ケーブルネットワーク株式会社

神奈川県中西部地域を代表するケーブルテレビ(CATV)4社(厚木伊勢原ケーブルネットワーク(株);社長 伊達耿介、イッツ・コミュニケーションズ(株);社長 野本弘文、小田原ケーブルテレビ(株);社長 市川和夫、湘南ケーブルネットワーク(株);社長 柏手茂)は、グループを超えて各社が持つ道路ライブ映像の相互利用を平成19年7月1日より開始する。

現在、CATV各社はサービスエリア内住民のために、エリア内の主要交差点のライブ映像をコミュニティ番組の中で提供し、生活情報として利活用している。しかしながら、車での行動範囲が広くサービスエリアを越えて移動するため、CATV視聴者の立場にたった道路ライブ映像の提供が望まれていた。4社のサービスエリア内には、神奈川県中西部幹線道路のジャンクションがあり、利用が多いことで広く知られている。このような重要ポイントの道路ライブ映像を、相互利用できることは各社にとって大きなメリットと言える。

なお4社のサービスエリアは、神奈川県内人口の20%(180万人)をカバーしており、都内エリアを含めると、実に270万人(123万世帯)が利用できる情報であり、CATVサービスの試金石とも言える。

配信する道路ライブ映像は、厚木伊勢原ケーブルネットワーク(株)は東名高速及び小田原厚木道路の厚木IC付近を、イッツ・コミュニケーションズ(株)は首都高速3号線用賀料金所付近を、小田原ケーブルテレビ(株)は小田原厚木道路及び西湘バイパスの早川口IC付近を、湘南ケーブルネットワーク(株)は国道134号線湘南大橋(新湘南バイパス)付近で、東京都と神奈川県中西部を結ぶ主要幹線道路を網羅している。

これらポイントは、東京・横浜方面から湘南海岸・伊豆・箱根・丹沢方面へのアクセスポイントで、休日のお出掛け情報として、また生活情報として渇望されていた道路ライブ映像である。

各局は、24時間いつでも道路ライブ映像が使えるため、コミュニティチャンネルを通じ、朝夕の交通情報として、また週末のお出掛け情報として、自由に番組編成することができる。(図-1参照)

4社は、平成18年6月より本格的な技術検討に入り、通信コストがかからない手法の開発及びテレビ放送品質の映像実現に注力した。数度にわたりライブ映像の配信実験を行い、インターネット回線を利用した道路ライブ映像相互利用システムを作り上げた。

システムの構成は、各局にストリーミングサーバを設置し、必要な局が各局に設置してあるストリーミングサーバにアクセスし映像を取得するもので、取得した情報をストリーミングプレイヤにてテレビ放送映像に戻し、放送素材として利用する。テレビ放送画面は、1画面フル映像を交互編成など各局のコミュニティチャンネルの状況に応じて編成を行なう予定である。(図-2参照)

複数のCATV局が共同で道路ライブ映像を相互利用するのは全国初の試みで、地域密着型メディアならではのサービスといえる。また、このシステムはインターネット回線を利用しているため、配信コストがかからず、拡張性もある。

今後4社は、配信技術の向上を図ると共に、各種イベント情報の共同配信にも取組んでいく予定である。
以上

参考資料

  • (図-1 道路ライブ映像とサービスエリア)
  • 首都高速3号線 用賀料金所付近 / イッツ・コミュニケーションズ(株)
  • 東名高速 厚木IC付近 / 厚木伊勢原ケーブルネットワーク(株)
  • 小田原厚木道路 早川口IC付近 / 小田原ケーブルテレビ(株)
  • 国道134号 湘南大橋付近(平塚) / 湘南ケーブルネットワーク(株)
  • (図-2 システム概要)