地域課題解決のためのスマートシティ推進事業に参画しています

 [2024.3.19]
 イッツコムは、総務省の「令和5年度 地域課題解決のためのスマートシティ推進事業」に参画し、「誰一人取り残されないためのスマートシティサービス」の実証事業を行っています。 
 総務省では、防災、セキュリティ・見守り、買物支援など地域が抱える様々な課題を、デジタル技術やデータの活用によって解決し地域活性化につなげるための施策を公募しており、イッツコムが会員参加している一般社団法人コンパクトスマートシティプラットフォーム協議会の施策が採択されました。
 イッツコムは、協議会に参加している企業と連携し、若葉台団地(神奈川県横浜市旭区)で実証事業を始めています。(協力:横浜市旭区、認定NPO法人 若葉台若葉台まちづくりセンター
 
  • 団地内の移動を支援する電動カート
 若葉台団地は、神奈川県住宅供給公社が開発し、約90ヘクタールの広大な敷地に総戸数約6,300戸がある大規模団地で、敷地内に小学校や商店街もあり、1つの町のようになっています。入居開始から約45年、住民の高齢化率が約54%(全国平均約29%)で、単身高齢者世帯の増加など、少子高齢化が大きな課題になってきています。
 今回の実証実験では、電動カートによる移動支援や若者世代との多世代交流の促進、安心して子育てできる見守り環境の構築、団地内の情報告知のデジタル化などを実施し、世代をつなぐ持続循環型まちづくりを目指していきます。
  • 約90ヘクタールに総戸数約6,300戸の若葉台団地
  • 電動カート試乗会

《電動カートによる移動支援》
 
 2月に実施した電動カート試乗会では、多くの高齢者の方々に乗り心地や利便性を体験していただきました。電動カートは運転免許が無くとも利用でき、電動車いすと同等の扱いで時速6km以内で歩道を安全に移動できるように設計されています。
 団地の中心部で買い物などを済ませた後、自宅のある棟まで電動カートを試乗された方に同行させていただきました。「私でも運転できるかしら?」と心配そうにシートに腰掛けられましたが、レバーを握るだけで進むことが分かると、難なく走行開始。前カゴに荷物を入れて、団地の中を進みます。丘陵地の自然を活かした敷地内は坂道も多くありますが、この電動カートは斜度13°の登坂力があるため、かなり急だと感じる上り坂も楽々と走行していました。10分ほどかけて自宅の棟に到着。エレベーターホールまで乗り入れることが可能です。最後に、試乗してみた感想などアンケートを取らせていただきました。

《eスポーツによる多世代交流》

 多世代eスポーツ交流会も、日本アクティビティ協会と連携して開催しました。
 日本アクティビティ協会は、高齢者の健康寿命延伸のためにゲームを活用する活動を行う団体です。協会は、交流会に先駆けて、団地敷地内にある若葉台小学校で講習を行っていて、交流会では、講習を受け「健康ゲーム指導士」に認定された児童が、高齢者にゲームを教える役目を担いました。
 小学生には馴染みのある太鼓を叩くゲームや、ハンドルを操作してサーキットを走行するゲームなど、高齢者に分かりやすく話しながら、世代間交流を楽しんでいました。また、実際にゲームをする人以外も、リズムにあわせて膝や肩を叩くなど会場全体で交流できるようにしています。こうした交流会を通してコミュニティ再生を進めていきます。
《テレビを活用したお知らせ・予約》

 ご自宅のテレビに団地内の情報をお知らせする「テレビ・プッシュ」のモニターも実施しています。
 テレビ・プッシュは、緊急時にはテレビが自動起動して、音声と画面で災害情報をお知らせする技術で、今回の実証では、地区センターのイベントなど、若葉台団地内の情報もお知らせしています。今後は、テレビのリモコン操作で電動カートの予約もできるよう計画中です。「テレビ・プッシュ」以外にも、スマートディスプレイ(画面付きスマートスピーカー)での情報伝達の試みも行われています。
 また、各賃貸棟の1階エレベーターホールや敷地内にある地区センターには、若葉台団地内の情報をお知らせするデジタルサイネージも設置し、地域情報伝達のDX化を進めています。
  • モニター宅のテレビ・プッシュ 
  • 賃貸棟のデジタルサイネージ 
《ICタグによる見守り》

 ICタグを活用した見守りサービスのモニターも実施しています。
 ICタグをつけた子どもや高齢者を、町に設置した見守りルータで検知するほか、住民の方々にアプリを活用して見守りルータの役割を担うボランティアとして協力してもらうことで、町ぐるみで見守るシステムです。
  • 見守りICタグ
  • 見守りルータ
  • アプリ「見守り人」
  これらサービスを住民の方々に使っていただく実証を通して、データ基盤・都市OSと連携し、子どもから高齢者まで、「誰一人取り残されないスマートシティ」の実現に向けて、社会実装を進めていきます。

担当者の想い ———————————
沖田マイケルアントニー
(事業戦略室 アライアンス営業部)

沖田「イッツコムでは、各種サービスのデータ連携に向けた情報通信ネットワークの構築・運営だけでなく、各種サービスの実装・連携内容に関しても、地域のみなさまをはじめ関係企業や団体様と直接向き合うことで地域課題の解決、地域の活性化につながるものと考えています。
これからも地域のみなさまに『安心と快適さ』をお届けし、豊かな生活環境を創造すべく進めて参ります。」