【成功事例】空き家を賢く活用する7つの方法!収益化するには?
目次
相続した実家や使われなくなった空き家を所有しているものの、「活用方法が分からない」「放置しても問題ないのだろうか」と悩んでいる方は少なくありません。
空き家は適切に活用すれば収益を生み出す資産になる一方、放置すると固定資産税の負担増加や老朽化、防犯面のリスクにつながる可能性があります。
この記事では、空き家を収益化する7つの活用方法や実際の活用事例、活用が難しい場合の選択肢、成功のポイントについて解説します。空き家の有効活用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
空き家は全国的に増えている?

空き家問題は全国的に深刻化しており、国や自治体が対策を進める重要な社会課題の1つとなっています。総務省の住宅・土地統計調査によると、 2023年10月1日時点の空き家数は900万2千戸、空き家率は13.8%に達し、いずれも過去最高を記録しました。空き家数はこの30年間で約2倍に増加しており、今後も増加する恐れが指摘されています。
特に課題となっているのが、賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家です。こうした空き家は地方部や西日本で割合が高い傾向が見られる一方、都市部にも一定数存在しています。
このような背景から、空き家を資産として有効活用する取り組みが全国で進められています。
(参考:総務省『令和5年住宅・土地統計調査住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果』)
放置は危険!空き家をそのままにするリスク

空き家を放置すると、税負担の増加や行政指導だけでなく、建物の老朽化や防犯面の問題などさまざまなリスクが生じます。所有しているだけで維持管理の責任は発生するため、「今は使う予定がないから」と放置するのは危険です。
ここでは、空き家をそのままにしておくことで起こり得る主なリスクを解説します。
固定資産税の負担が増える場合がある
住宅が建っている土地には、固定資産税の課税標準が軽減される「住宅用地特例」が適用されます。例えば、小規模住宅用地(住宅1戸につき200㎡以下の部分)では、固定資産税の課税標準が6分の1に軽減されるため、税負担を大きく抑えることが可能です。
しかし、適切な管理が行われていない空き家が「管理不全空家等」や「特定空家等」と判断され、自治体から勧告を受けた場合は、この住宅用地特例の対象外となります。つまり、土地に対する固定資産税や、地域によっては都市計画税の負担が増加します。
実際の増加幅は土地の面積や評価額、都市計画税の課税の有無などによって異なりますが、空き家を放置することで思わぬ税負担につながる点には注意しましょう。
(参考:国土交通省『固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置』)
50万円以下の過料が科される可能性
空き家の状態が著しく悪化している場合、自治体は所有者に対して修繕や管理を求める「助言・指導」を行います。それでも改善が見られない場合は「勧告」、さらに深刻なケースでは「命令」へと段階的に措置が強化されます。
この命令に違反した場合、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、50万円以下の過料が科される可能性がある点に注意しましょう。
また、命令を無視し続けるなど悪質なケースでは、自治体が所有者に代わって建物の解体や撤去を行う「行政代執行」が実施されることもあります。行政代執行にかかった費用は所有者へ請求されるため、多額の負担が発生する恐れがあります。
老朽化による資産価値の低下と倒壊リスク
空き家は、人が住まなくなると換気や清掃が行われにくくなり、湿気がこもりやすくなります。湿気は木材の腐食やシロアリ被害、雨漏りを招き、建物の劣化スピードを早める原因になります。一度大きく傷んだ建物は修繕費が高額になりやすく、資産価値も大きく低下するでしょう。
さらに、老朽化によって柱や基礎部分が弱くなると、地震や台風などの自然災害によって倒壊する危険性が高まります。屋根瓦や外壁の一部が落下し、近隣住民や通行人に被害を与えた場合には、占有者・所有者が損害賠償責任を負う可能性もあります。
不審火や不法侵入などのセキュリティリスク
管理されていない空き家は人の出入りが少なく、周囲からも異変に気付きにくいため、不法侵入や不審火の標的になりやすくなります。 窓ガラスの破損や施錠不備があると、無断で侵入されるだけでなく、犯罪行為の拠点として利用されるリスクもあります。
また、空き家の敷地内に粗大ごみや家庭ごみが不法投棄されるケースも少なくありません。さらに、放火や不審火による火災であっても、所有者が適切な管理を怠っていたことが重大な過失と判断された場合には、近隣への被害に対して損害賠償責任を負う可能性があります。
空き家の活用方法7選!

空き家は住宅として貸し出すだけでなく、宿泊施設やオフィス、地域コミュニティの拠点として活用することも可能です。ただし、立地や建物の状態によって適した活用方法は異なるため、初期費用や運営の手間も踏まえて検討しましょう。
ここでは、空き家を新たな収益源として活用する方法を7つ紹介します。
1.賃貸住宅
空き家の活用方法としてシンプルなものは、賃貸住宅にすることです。電車でアクセスできるエリアや駅近など立地条件が良ければ、郊外や地方でも入居ニーズが期待できるでしょう。状態が良好であれば最低限の手入れで活用でき、リフォーム・リノベーション費用を抑えられます。主な賃貸モデルは以下のようなものです。
- 地方移住者向けの戸建て賃貸
- 建物の維持を入居者に任せられるDIY可賃貸
- クリエイター向けなどコンセプトを確立したシェアハウス
- 高齢者世帯・被災者・障がい者など住宅確保要配慮者の入居を拒まないセーフティネット住宅
- 全国に点在する住宅に定額で住み放題ができるサブスク住宅
2.民泊
コロナ禍で下火になっていた民泊事業は、インバウンド需要のV字回復・拡大基調を受け、再び注目を集めています。駅から離れていても、魅力的な観光地に近いなど観光の拠点となり得る立地であれば、民泊としての運用を考えやすいでしょう。
特に日本の歴史や文化を感じさせる古民家なら、大掛かりなリフォームが不要で、訪日外国人旅行客から人気の民泊になる可能性もあります。
遠方の空き家であれば、住宅宿泊管理業者に管理業務を委託する「家主不在型」で運用するのがおすすめです。民泊新法(住宅宿泊事業法)に基づく民泊を運用できるのは年間180日以内のため、オフシーズンはマンスリーマンションにするなどの活用方法も検討しましょう。
3.フレキシブルオフィス
空き家をリフォーム・リノベーションして、コワーキングスペースやレンタルオフィスなどのフレキシブルオフィスとして活用するのもおすすめです。
テーブル・椅子や電源・Wi-Fi環境など最低限の設備を整えれば、ビジター利用や会員利用に対応できます。パーティションやスマートロックなども整備すれば、24時間365日の無人運営も可能です。
都心の駅近など立地条件の良い物件なら、安定した収益が期待できるでしょう。地方でもエリアによっては、ワーケーションやサテライトオフィスなど、多様化するオフィスニーズに応える施設として重宝される可能性もあります。
4.レンタル収納スペース
空き家の立地条件に難がある場合、市場拡大が続くレンタル収納スペース事業に活用するのもおすすめです。利用者から見てレンタル収納スペースは「物の出し入れがしやすいこと」が第一であるため、駅から離れていても、居住地から近ければ利用ニーズがあります。
賃貸借契約に基づくスペース貸しなら、特別な免許や資格が不要であることもポイントです。必要な設備は区画を分けるパーティションや空調のみで、比較的低コストで参入できます。スマートロックを整備すれば鍵の受け渡しがスムーズになり、「24時間無人運営」をアピールした集客も可能です。
5.古民家カフェ・レストラン
古民家の趣ある雰囲気を生かし、カフェやレストランとして運営する方法です。観光地や自然豊かな地域では、建物そのものが集客の魅力となり、地域の特色を生かした店舗づくりができます。 コンセプトやターゲットを明確にすれば、遠方からの来店やSNSでの話題化も期待できるでしょう。
一方で、飲食店営業許可を取得するための厨房設備の整備や、耐震補強、水回りの改修などが必要になる場合があります。初期投資が大きくなりやすいため、事業計画を十分に立てた上で進めてみてください。
6.ギャラリー・アトリエ
広い和室や土間、庭付きの空間を生かし、ギャラリーやアトリエとして活用する方法もあります。絵画や工芸品の展示スペース、作家の制作拠点、ワークショップ会場など、さまざまな用途に対応できます。
飲食店と異なり営業許可が不要なケースが多く、比較的少ない初期費用で始められる点が魅力です。また、古民家ならではの雰囲気が作品の魅力を引き立てる効果も期待できます。
ただし、アクセスが悪い立地では安定した集客が難しいため、地域コミュニティやファンとのつながりを築きながら運営する必要があるでしょう。
7.無人店舗(コインランドリー、ジムなど)
人手をかけずに運営できる「無人店舗」として空き家を活用するのも有力な選択肢です。コインランドリーや無人ジム、セルフエステ、無人販売所などは、自動精算システムや予約システムを活用することでスタッフを常駐させずに運営できます。
人件費を抑えながら継続的な収益を得やすい点がメリットですが、成功するためには地域ニーズの見極めが欠かせません。例えば住宅街であればランドリー需要が見込める一方、競合施設が多いエリアでは差別化が必要です。
また、設備導入費やメンテナンス費用が発生するため、収支計画は十分に検討しましょう。
【関連記事:無人店舗のビジネスモデルを事例とともに紹介!開業手順や費用の目安】
【関連記事:無人ビジネスの始め方とは?開業費用や必要な設備について解説】
活用が難しい空き家の選択肢

立地条件や建物の老朽化の状況によっては、活用するよりも売却や処分を選択したほうが合理的なケースもあります。無理に活用して赤字を抱えるのではなく、維持管理の負担を減らしながら資産整理を進めることも検討してみてください。ここでは、空き家活用が難しい場合の主な選択肢を紹介します。
そのまま売却
建物を解体せず、古家付き土地(現状渡し)として売却する方法です。解体費用をかけずに手放せることから、できるだけ費用を抑えて売却したい場合に適しています。また、古民家再生やDIYを目的に中古住宅を探す人もいるため、
リノベーション前提で購入を希望する層へのアプローチも可能です。
一方で、築年数が古い物件や建物の劣化が進んでいる物件は、買い手が見つかるまで時間がかかる場合があります。また、建物の解体費用を見越して価格交渉されるケースも少なくありません。売却前には不動産会社へ査定を依頼し、市場価値を把握しておくとよいでしょう。
解体して更地売却
建物を解体して更地にした上で売却する方法です。 購入者にとっては建物の撤去作業が不要になり、新築住宅やアパート用地として活用しやすい メリットがあります。立地条件が良い土地であれば、売却期間の短縮や価格面で有利になるでしょう。
ただし、木造住宅でも数十万円から数百万円程度の解体費用が発生する他、 更地になることで住宅用地特例が適用されなくなります。 つまり、売却までの期間が長引いた場合は固定資産税の負担が増える可能性があります。
相続土地国庫帰属制度を検討する
相続や遺贈などで取得した土地について、 一定の条件を満たせば国に引き取ってもらえる「相続土地国庫帰属制度」を利用する方法 もあります。利用が認められれば、今後の管理負担や固定資産税の支払いから解放されるため、活用も売却も難しい土地の最終的な選択肢として検討するとよいでしょう。
ただし、制度を利用するにはさまざまな要件を満たす必要があります。例えば、建物が残っている土地は対象外となっており、空き家がある場合は事前に解体しなければなりません。また、審査手数料や負担金の納付が必要であり、申請から承認まで一定の期間を要します。
空き家活用の成功事例4選

空き家活用をスムーズに進めるためには、先人のアイデアを学ぶことが大切です。あらかじめ実際の成功事例を知っておくことで、予期せぬトラブルや「こんなはずじゃなかった」という失敗を防げる場合があります。ここでは、空き家活用の成功事例を4つ紹介します。
1.街並みを一変させた空き家再生プロジェクト
空き家を賃貸物件に活用した成功事例として、大阪市の古民家が多く残る地域での空き家再生プロジェクトを挙げられます。
明治から戦前にかけて建てられた古民家が立ち並ぶ住宅街を、「空き家を住宅以外に用途変更する」ことで再生するものです。古民家をイタリアンレストランに作り変えたことを皮切りに、30以上の空き家を欧米の街をイメージしたおしゃれな店舗に改装し、カフェ・居酒屋・美容室など多種多様な業態の店舗に再生しました。
これにより「空き家を賃貸住宅に改装したものの、入居者が退去して新たな空き家が生まれる」という連鎖を解消し、かつては空き家だらけだった地域が活性化しています。
2.年間利用率を高めるDAO的な民泊運営
リゾートエリアや都市部の空き家を民泊として再生し、NFTによってDAO(分散型自律組織)的な民泊運営を成功させたA社の事例は、「宿泊者が物件の運営者でもある」という点が特徴的です。
A社の民泊サービスの宿泊者は、物件運営の手伝いや友人への物件紹介によって、次回の宿泊がお得になるトークンを取得できます。単に宿泊するだけでなく、地域イベントへの参加やコミュニティの拡大を促し、地方創生にもつながる仕組みです。
また年間180日以内という民泊の運営日数制限については、残りの約180日を物件の運営者でもあるコミュニティ参加者が活用することで、利用率を最大化させています。
3.立地条件を生かしたクリエイティブなシェアオフィス
築50年超の元社宅をシェアオフィスとして再生させたT社の事例です。T社が渋谷に所有するビルは、全4フロアのうち1〜2階は現役で稼働中でしたが、3〜4階は10年ほど遊休不動産となっていました。
インフラ設備の老朽化により大規模な改修も必要であったことから、渋谷駅から徒歩6分程度という好立地を生かし、元社宅フロアをクリエイター専用の工房型シェアオフィスとしてリノベーションします。
24時間365日無人運営でありながら、共用スペースは簡易ミーティングや会員同士の交流の場として活用でき、入居者のクリエイティブスキルによる地域貢献も期待できるシェアオフィスです。
4.地域ニーズをうまく取り込んだレンタル収納スペース
立地条件に難のある空き家をレンタル収納スペースとして活用した成功事例です。B社は東京都内の閑静な住宅街近くにあるビルを投資用に購入しましたが、借り手がつかず10年間放置されていました。
最寄り駅から遠く賃貸住宅には向かず、商店街の中にあるものの人通りが多いわけではなく、飲食店にも向かない立地です。ただ住宅街が近いため、地域住民向けのレンタル収納スペースとして改修することを決めました。パーティションで1帖前後の区画に小分けしたシンプルな内装です。
すぐさま 24時間無人運営のレンタル収納スペースは人気を博し、満室運営で安定した収入源となった他、新たな人流を生んだことで地域住民からも喜ばれています。
空き家活用を成功させるポイント

空き家活用を成功させるためには、地域の需要や収支を踏まえて活用方法を選ぶことが欠かせません。立地や建物の状態によって適した活用方法は大きく異なるため、事前調査や専門家への相談も検討しながら進めてみてください。
立地と需要のミスマッチを防ぐ
空き家活用で失敗する原因の1つが、地域の需要と活用方法が合っていないことです。活用方法を決める前に、そのエリアでどのようなニーズがあるのかを把握する必要があります。
例えば、都市部や駅近の物件であれば賃貸住宅やシェアオフィス、店舗などの需要が期待できます。一方、郊外や地方では古民家カフェや民泊、ワーケーション施設などが向いている場合もあるでしょう。
また、移住希望者向けに空き家バンクへ登録する選択肢もあります。
建物の魅力だけでなく、地域特性を踏まえて活用方法を検討しましょう。
コストと収支のバランスを計算する
空き家活用では収益だけでなく、初期費用や維持費も含めて収支を考える必要があります。特に築年数が古い物件は、水回りや屋根、外壁などの修繕費用が高額になるケースも少なくありません。
リフォーム費用をかけすぎると、家賃収入や事業収益で回収するまでに長い期間を要する 可能性があります。また、固定資産税や保険料、管理費などのランニングコストも発生します。活用を始める前に見積もりを取り、何年で投資を回収できるのかを試算しておくとよいでしょう。
建物にこだわらない選択肢も持つ
空き家活用というと建物を残すことを前提に考えがちですが、 必ずしも建物を生かすことが最適解とは限りません。 耐震性に問題がある場合や、シロアリ被害・雨漏りが深刻な場合は、多額の修繕費が必要になることがあります。
そのようなケースでは、 更地にして駐車場や資材置き場として活用したり、土地として売却したりするほうが合理的な場合もあります 。また、古家付きのまま売却して購入者に活用を委ねるのも選択肢の1つです。
補助金や専門家のサポートを活用する
空き家対策を推進するべく、自治体によってはリフォームや解体、購入費用などを支援する補助制度を設けています。例えば、広島県の江田島市では、空き家の購入や修繕に対して上限30万円、危険な老朽空き家の解体には上限50万円の補助制度が用意されています。
補助金の内容や条件、受付状況は自治体ごとに異なるため、自治体のホームページや窓口で確認してみてください。また、 活用方法に迷う場合は、不動産会社や空き家活用の専門事業者へ相談するのもおすすめ です。
専門家の知見を活用することで、空き家の状態や地域特性に合った選択肢を検討しやすくなります。
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まとめ

空き家を活用せず放置すると、特定空き家に指定され固定資産税が大きく増えるリスクがあります。一見活用が難しい立地や状態でも、ビジネスモデルによっては収益化が可能です。レンタルスペースなどに活用する場合はスマートロックや施設管理システムも導入し、効率的な運営を目指しましょう。
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