飲食店は多言語対応で売上アップ!今すぐ始める5ステップと成功事例
目次
インバウンド需要の回復に伴い、飲食店では外国人観光客への対応力がますます重要視されるようになっています。しかし、言語の壁や対応手段の不足により、来店の機会を逃してしまう店舗も見受けられます。
多言語対応は、専門的な知識や高額な設備投資がなくても、無料ツールや翻訳機器を活用することで、初めての店舗でも無理なく導入できます。
そこで本記事では、飲食店が多言語対応を導入する際に実践しやすい5つの具体策と、導入後に注意すべきポイントを分かりやすく解説します。
なぜ今、多言語対応が求められているのか?
訪日外国人観光客の急増に伴い、飲食店では「言葉の壁」を超えた対応が一層求められています。観光庁の調査によれば、2024年の訪日外国人旅行消費額において、飲食費は全体の21.5%を占め、宿泊費や買物代に次いで大きな割合を占めていました。特にアジア圏からの観光客は「日本食体験」を重視しており、日本食を楽しむことが訪日の主な目的の一つとなっています。
また、SNSや口コミサイトでの評価は来店判断に大きな影響を及ぼしており、「外国語メニューがなかった」「店員と意思疎通ができなかった」といった声がネガティブに拡散されるリスクもあります。つまり、多言語対応は“選ばれる店”になるための必須条件といえるでしょう。
多言語対応による飲食店の3つのメリット
多言語対応は「外国人観光客のための特別対応」ではなく、今や飲食店が“標準装備”として持つべき戦略の一つです。ここでは、多言語対応が飲食店にもたらす3つの具体的なメリットについて、分かりやすく紹介します。
顧客満足度とリピート率が向上する
言語の不安を抱えたまま来店する外国人客にとって、メニューや接客で自国語が使えることは非常に大きな安心材料になります。例えば、注文時に料理の内容やアレルゲン情報が正確に伝われば、誤解やトラブルを防ぐことができ、食事そのものへの満足度も高まります。
また、接客で簡単なあいさつや説明ができるだけでも「この店は親切だ」「もう一度来たい」といった好印象を与えられます。単なるサービスの質だけでなく、信頼関係の構築がリピート率の向上に直結します。
高単価商品の注文率がアップ
言葉が通じにくい状況では、価格や内容が分かりやすい安価な料理に注文が集中しがちです。しかし多言語対応により、セットメニューや限定商品、高価格帯の特産品などの魅力を的確に伝えることが可能になります。
例えば「地元産の和牛を使用した特製ステーキ」や「旬の食材を盛り込んだ懐石コース」など、商品の背景やストーリーを伝えることで、単なる食事を“体験型消費”に変えることができます。結果として、客単価の向上が期待できます。
「外国人対応の店」として選ばれやすくなる
多言語対応がされているかどうかは、来店前の店舗選びにも大きく関わります。GoogleマップやTripAdvisorで「英語メニューがある」「スタッフが親切に対応してくれた」といった口コミがあると、初めての訪日客でも安心して選べます。
また、外国人観光客向けのガイドブックや観光アプリは、多言語対応を評価基準の一つとして掲載店舗を選定する傾向があります。対応の有無がそのまま集客力に直結するケースも増えており、競合との差別化にもつながります。
初心者でも始めやすい!飲食店の多言語対応ステップ5
「多言語対応」と聞くと、「費用がかかりそう」「準備が大変」「スタッフに負担がかかるのでは」と不安に思われる方も少なくありません。
しかし、近年では無料で利用できる翻訳支援ツールや、導入しやすいサポートサービスが数多く登場しています。
ここでは、これから多言語対応に取り組みたい飲食店オーナーの方へ向けて、5つのステップに分けて分かりやすく解説します。
ステップ1:多言語メニューの作成
Google翻訳や、東京都が提供する「EAT TOKYO」などの無料メニュー作成ツールを活用すれば、すぐに多言語対応の準備が始められます。
料理名や素材だけでなく、アレルギー表示や食べ方の説明も加えることで、外国人のお客様にも親切なメニューになります。さらに、写真を掲載することで視覚的に理解しやすくなり、注文のハードルも下がります。
翻訳内容に不安がある場合は、ネイティブチェックを依頼することも検討すると良よいでしょう。
【関連記事:飲食店のメニュー翻訳アプリ・サービス8選!翻訳のポイントも解説】
ステップ2:スタッフの語学サポート体制
接客の基本である「いらっしゃいませ」「何名様ですか?」「ご注文をどうぞ」などの定型フレーズを英語で習得しておくことは、大きな安心材料になります。
言語に自信がないスタッフでも、ピクトグラム(絵文字サイン)や指差し表を組み合わせることで、スムーズな意思疎通が可能です。
観光庁や自治体が提供しているトレーニング動画や言語別マニュアルを活用すれば、短期間でも効果的なスタッフ教育が行えます。
ステップ3:翻訳アプリ・デバイスの導入
音声翻訳機「ポケトーク」などのデバイスを導入すれば、語学に不安があるスタッフでも自信を持って対応できるようになります。
あらかじめよく使う接客フレーズを登録しておけば、ランチタイムやディナータイムの混雑時にもスムーズな対応が可能です。これにより、業務の効率化と顧客満足度の向上が同時に期待できます。
ステップ4:SNSやデジタル看板で多言語情報発信
InstagramやTikTokなどのSNSを活用し、投稿時に多言語ハッシュタグ(例:#japanesefood #tokyofood など)を組み合わせることで、海外からの注目を集めやすくなります。
料理の写真や調理風景の動画を通じて、言語を越えて店舗の魅力を伝えることが可能です。また、店頭にデジタルサイネージを設置し、外国語でメニューや案内情報を表示すれば、非対面でもスムーズな案内につながります。
【関連記事:店頭デジタルサイネージの導入効果と活用案、選び方のポイントを解説】
ステップ5:地域特性に合わせた言語選定
来店者の多い国の言語を優先的に対応することがポイントです。2024年12月の訪日外国人入国者数では、韓国が約86万7,400人、中国が約60万4,200人、台湾が約49万1,200人と、中国語・韓国語圏からの来訪者が上位を占めています。
また、京都市の2024年7月時点の宿泊者構成比では、中国が30.4%、アメリカが18.3%、台湾が9.5%で、中国語圏からの来訪者の比率が英語圏を大きく上回っています。
京都・奈良では英語圏からの観光客も一定数いますが、実際には中国語・韓国語圏からの来訪者の方が多く、これらの言語に対応することで、より効果的な接客につながります。北海道や沖縄においても、韓国語・中国語への対応が重要です。
多言語対応の落とし穴と注意点
多言語対応は確かに効果的な施策ですが、うまく導入しないと「かえって逆効果」となるケースもあります。例えば、無料の自動翻訳機の誤訳や機器依存による接客トラブルなど、現場ならではの問題も存在します。
ここでは、多言語対応を成功させるために事前に知っておきたい注意点を整理し、失敗を回避するためのヒントを紹介します。
翻訳の“伝わらない問題”と対処法
無料の自動翻訳機では、表現の正確さに限界があり、料理名のニュアンスや文化的背景が適切に伝わらないケースがあります。
例えば「親子丼」や「おふくろの味」といった料理名は、直訳しても意味が通じにくく、誤訳が起きやすい語の代表例です。
このような誤解を避けるには、「料理名+写真+簡潔な説明」をセットにするのが効果的です。特に料理の特徴や味のイメージを伝える短い補足文があることで、メニューの理解度が大きく向上します。
機械に頼りすぎると逆効果?スタッフの対応力も重要
翻訳機の精度は年々向上していますが、それだけに頼りすぎると、スタッフによる接客の質が低下する恐れがあります。
例えば、機械翻訳の応対だけで済ませてしまい、目線や表情、相づちなどの非言語的な配慮が欠けることで、接客全体の印象が冷たくなってしまうかもしれません。
言語だけでなく、文化的背景や宗教上の配慮なども含めた対応力が求められるため、スタッフには最低限の多文化理解と柔軟な対応力を身につけてもらうことが大切です。そのためには、定期的な研修やマニュアル整備など、教育体制の強化も必要です。
通信環境・電池切れなどの“現場あるある”対策
翻訳機を導入しても、通信エラーやバッテリー切れなど、機器トラブルは現場で頻繁に起こり得ます。
特にクラウド型翻訳機の場合は、Wi-Fiやモバイル通信が不安定な環境では機能が制限されるため、事前の通信確認が欠かせません。また、翻訳機の電源が切れてしまうと即時対応ができなくなるため、予備機の用意や充電スケジュールの共有が効果的です。
あらかじめ使用ルールや管理方法を決めておくことで、トラブル発生時の混乱を最小限に抑えることができます。
成功事例に学ぶ!多言語対応で売上アップした飲食店
多言語対応は、訪日外国人観光客の増加に伴い、飲食店の売上向上に直結する重要な施策となっています。
ここでは、AI翻訳機「ポケトーク」を導入し、成果を上げた飲食店の事例を紹介します。
やきとり串八珍 新宿中央口店(東京都)
東京都内に展開する焼き鳥チェーン「やきとり串八珍」の新宿中央口店では、1日に最大50名の外国人観光客が来店することもあるそうです。ポケトークを導入したことで、閉店時間の案内や注文内容の提案など、細やかな接客が可能となり、外国人客からの注文にも変化が見られ、売上の増加につながったようです。
築地すし好 ―和― Nagomi(東京都)
東京駅構内にある「築地すし好 ―和― Nagomi」では、外国人客が総来店数の約1割を占めているそうです。ポケトークを活用することで、魚の種類やアレルギー情報などを正確に伝えることができ、接客の質が向上したといいます。その結果、外国人客の安心感につながり、満足度の向上やリピーターの獲得に寄与していると報告されています。
多慶屋(東京都・上野)
上野・御徒町にある総合ディスカウントストア「多慶屋」では、1日平均で約370名の外国人客が来店しているそうです。 39フロアにわたる広大な店舗の中には、外国語での接客対応が難しい売場もあるため、ポケトークが導入されたとのことです。
ポケトークを活用することで、商品説明や売場案内が円滑になり、外国人客の満足度が向上し、売上にも良い影響を与えていると報告されています。
飲食店の多言語対応ならイッツコムにお任せください!
イッツコムでは、AI翻訳機「ポケトークS」と法人向けデータSIM(国内通信)をセットでご提供しています。初期費用は不要、月額1,900円(税抜)/台の低コストで導入できるため、多言語対応をこれから始めたい店舗にも最適です。
ポケトークSシリーズは、英語を含む85言語に対応しており(※2025年3月現在)、言語切り替えの操作性に優れています。カメラ翻訳機能やオフラインでの音声再生も可能で、接客や業務の現場で高い実用性を発揮します。さらに、ISO 27001およびISO 27017の認証を取得しており、個人情報や通信の安全性にも配慮されています。
使用頻度が高い業種や店舗には、法人向けレンタルサービスのご利用がおすすめです。月額1,900円/台の定額料金で、SIMカードとのセットレンタルをご利用いただけます。通信料の上限を気にせず、安心してお使いいただけるプランです。
なお、すでにポケトーク本体をお持ちの方には、SIMカードのみのレンタルもご案内可能です。同一法人内で通信量をシェアできるプランもございますので、複数端末での運用にも柔軟に対応できます。
まとめ
多言語対応は、いまや「していて当然」と言われる時代に入りつつあります。Google翻訳のような無料ツールや、ポケトークに代表される翻訳デバイスを活用すれば、初めての方でも低コストかつ短期間で対応を始めることができます。今このタイミングで取り組むことが、他店との差別化につながる大きなチャンスです。
イッツコムでは、ポケトークSを初期費用無料でレンタル提供しています。飲食店での多言語対応に最適な翻訳機を、手頃なコストで導入したい方は、どうぞお気軽にご相談ください。