サイバー攻撃から企業を守る対策を!具体的施策と実践ガイド
目次
サイバー攻撃は企業にとって大きな脅威です。機密情報の流出や業務の停止など、深刻な被害を受ける可能性があります。しかし、自信を持って「十分なセキュリティ対策を敷いている」といえる企業は多くないのではないでしょうか。サイバー攻撃から企業を守るためには、個人レベルでの対策だけでなく、組織全体での取り組みが不可欠です。
そこで本記事では、企業が実践したいサイバー攻撃対策を解説します。自社のセキュリティ対策の現状を見直し、効果的な対策を講じるための一助となれば幸いです。
サイバー攻撃の脅威と対策の重要性
サイバー攻撃は日々進化し、企業に深刻な被害をもたらす脅威となっています。攻撃の手口を理解し、適切な対策を講じることが喫緊の課題です。ここでは、サイバー攻撃の実態と企業が取るべき対策について解説します。
サイバー攻撃の手口と脅威の理解
フィッシング詐欺やランサムウェアなどの手口が広く知られていますが、AIを悪用した攻撃など新たな手口も登場しつつあります。例えば、AIを使ったスピアフィッシングでは、攻撃者が個々のターゲットに対してカスタマイズしたメールを送信し、成功率を高めています。
このような手口を幅広く理解し、適切な対策を講じることが、企業にとって喫緊の課題といえます。自社のセキュリティ対策の現状を把握し、脅威に備えましょう。
【関連記事:サイバー攻撃とは?動向・目的・種類・被害事例とセキュリティ対策】
サイバー攻撃による具体的な被害事例と影響範囲
サイバー攻撃による被害は、企業規模を問わず深刻な影響を及ぼします。例えば2024年6月、大手出版社グループがランサムウェアを含む大規模なサイバー攻撃を受け、大きなニュースになりました。被害額は4億円を超えるとの報道もあります。
警察庁の資料によると、令和4年中に警察庁に報告されたランサムウェアによる被害件数は230件(前年比で57.5%増加)と増加しており、被害は企業・団体等の規模や業種を問わず広範に及ぶことが分かっています。
サイバー攻撃を受けた企業の末路
サイバー攻撃による被害は、金銭的損失だけでなく、顧客情報の流出による信用失墜など、企業の存続にも関わる深刻な問題となり得ます。事実、米国機関の調査「America’s Small Businesses Must Take Online Security More Seriously」によれば、サイバー攻撃を受けた中小企業の約60%が廃業に追い込まれたという結果が出ています。
こうした事態を避けるためにも、自社の規模や業種に関わらず、サイバー攻撃に適切な対策を講じなければなりません。例えば、テレワークの導入に伴い、社外からのアクセスを安全に管理する「モバイル閉域接続」のようなソリューションを活用するのも1つの方法でしょう。
個人レベルでできるサイバー攻撃対策
サイバー攻撃から身を守るには、個人レベルでの対策が欠かせません。ここでは、どなたでも実践できるサイバー攻撃対策を紹介します。
ウイルス対策ソフトの導入と定期的なアップデート
ウイルス対策ソフトは、サイバー攻撃から企業を守るための基本的かつ重要な防御手段です。最新のウイルス定義ファイルを使用し、リアルタイムでウイルスをスキャンすることで、未知の脅威にも対応できます。
しかし、ウイルス対策ソフトを導入するだけでは十分ではありません。新しいウイルスやマルウェアは日々進化しており、これに対応するためにはソフトウェア自体も最新の状態に保つ必要があります。定期的なアップデートを怠ると、最新の脅威に対して無防備となり、企業のセキュリティが脅かされる可能性があります。
強力なパスワードの設定と定期的な変更
強力なパスワードの設定と定期的な変更は、サイバー攻撃対策の基本です。「password123」や「自分の名前+生年月日」など、簡単に推測できるパスワードは避けたほうがよいでしょう。一般的に、大文字、小文字、数字、記号を組み合わせた12文字以上のパスワードを使用することが重要だといわれています。
複雑なパスワードを全て覚えるのが難しい場合は、パスワードマネージャーの利用を推奨します。これにより、ランダムに生成された複雑なパスワードを一元管理でき、ユーザーは1つのマスターパスワードを覚えるだけで済みます。
さらに、2段階認証の設定も重要です。仮にパスワードが漏洩しても、追加の認証手続きがあれば不正アクセスを防げます。手間に感じるかもしれませんが、セキュリティ対策に手を抜かないことが肝要です。
フィッシング詐欺への対処法
フィッシング詐欺は、巧妙に偽装されたメールやWebサイトを使って個人情報を盗み取る手口です。「あなたのアカウントが危険です!」などと脅し、偽のログインページへ誘導することもあります。
疑わしいメールは送信元アドレスをよく確認しましょう。本物そっくりでも、よく見ると微妙に異なっています。不審なメールは開かずに削除するのも有効です。万が一クリックしてしまっても、すぐにパスワードを変更すれば被害を最小限に抑えられます。
個人情報の適切な管理と取り扱い
個人情報が流出すれば、会社の信用に大きな影響を与えます。個人情報の保管場所を見直し、暗号化やアクセス制限を設定して、必要最小限の人だけがアクセスできるようにすることが重要です。
また、メールに添付して送信する際、パスワード付きZIPファイルを使用しているかもしれませんが、実は簡単に解読されるリスクがあります。代わりに、Boxなどのセキュアなファイル共有サービスを利用するほうが安全です。
印刷した書類は、シュレッダーで確実に廃棄しましょう。デスク上に放置しておくと、意外な情報漏洩のリスクがあります。1人1人の意識が会社全体の個人情報保護につながります。
企業としてのサイバー攻撃対策
サイバー攻撃から企業を守るには、多角的な対策が欠かせません。ここでは、企業としての具体的な施策を紹介します。
従業員教育によるセキュリティ意識の向上
従業員のセキュリティ意識を高めることは、サイバー攻撃対策の要です。「不審なメールは開かない」「強力なパスワードの設定と定期的な変更を徹底する」などの基本的なセキュリティ習慣を教育することで、サイバー攻撃による被害リスクを大幅に減らせます。
これには、定期的なセキュリティ研修の実施が不可欠です。最新の脅威やその対策について周知し、常に最新の情報を共有しましょう。必要に応じてシミュレーション訓練を行い、実践的なスキルを身につけさせることも効果的です。
ゼロトラストセキュリティなど複合的な対策の導入
ゼロトラストセキュリティは、「信頼せず、常に検証する」という考え方に基づいています。具体的には、社内ネットワークにアクセスする際に、デバイスやユーザーの認証を徹底的に行い、信頼性を確認します。このアプローチにより、内部からの脅威や外部からの攻撃を防ぐことができます。
ゼロトラストの概念は、単一の対策だけでなく、複数のセキュリティ対策を組み合わせて使用することを前提としています。例えば、ネットワークのセグメンテーションを実施し、アクセス制御リストを設定することで、特定のセグメントにのみアクセスを許可します。また、データの暗号化も重要です。暗号化により、たとえデータが盗まれても、内容が解読されにくくなります。
こうした複合的なセキュリティ対策を組み合わせることで、企業はサイバー攻撃に対する多層的な防御を構築できます。
自社のセキュリティ対策の現状評価と改善点の提示
自社のセキュリティ対策の現状を把握し、改善点を明確にしましょう。例えば、社内のシステムやデバイスの脆弱性を定期的にチェックし、必要なアップデートを適用しているでしょうか。
また、セキュリティポリシーの整備状況や、従業員のセキュリティ意識レベルも評価しましょう。改善すべき点が見つかったら、優先順位をつけて計画的に対策を進めることが鍵です。
必要に応じて、外部の専門家に現状評価を依頼するのもよいでしょう。客観的な視点で課題を洗い出し、最適な解決策を提案してもらえます。
セキュリティ対策の費用対効果と投資判断
セキュリティ対策にはコストがかかりますが、サイバー攻撃による被害を考えると、必要な投資といえるでしょう。実際、データ漏洩による企業の平均損失額は数億円に上る恐れがあります。限られた予算の中で、費用対効果を検討して対策を講じることが大切です。
例えば、多要素認証は比較的低コストで導入できることもあります。一方、高度な検知システムの導入には、まとまった費用が必要でしょう。自社の状況を踏まえ、優先順位をつけて投資を判断することが肝要です。
サイバー攻撃発生時の対応と危機管理
サイバー攻撃は避け難いリスクですが、日頃の備えと万全の対応で、被害を最小限に食い止めることは可能です。ここでは、サイバー攻撃発生時の対応手順や危機管理体制の整備などについて解説します。
サイバー攻撃発生時の対応手順の確立
まず、サイバー攻撃の兆候を早期に発見するための監視体制を整えることが重要です。ネットワークの異常なトラフィック、不審なログイン試行、データの異常な移動などを検知した場合は、速やかに対応チームに報告しましょう。
次に、被害の拡大を防ぐための緊急措置を講じます。例えば、感染したデバイスやセグメントをネットワークから遮断し、攻撃が広がらないようにします。また、重要なデータのバックアップを定期的に行い、システムが攻撃を受けても迅速に復旧できるように準備します。これにより、データ損失や業務中断のリスクを最小限に抑えることが可能です。
日頃から対応手順を文書化し、定期的に訓練を実施することで、有事の際に冷静かつ適切に行動できます。
危機管理体制の整備と訓練の実施
有事の際に迅速かつ適切に対応できるよう、社内の役割分担を明確にし、指揮命令系統を確立しましょう。また、定期的な訓練を通じて、対応手順の実効性を検証することが大切です。訓練では、実際のサイバー攻撃を想定したシナリオを用意し、対応の流れを確認します。問題点や改善点を洗い出し、体制の見直しにつなげましょう。
事後対応とセキュリティ対策の見直し
事後対応とセキュリティ対策の見直しも重要です。サイバー攻撃が発生した後は、原因究明と再発防止策の検討が欠かせません。攻撃の経緯や被害状況を詳細に分析し、侵入経路や手口を突き止め、セキュリティ上の弱点を洗い出しましょう。
その上で、システムの設定変更やルールの改定など、具体的な対策を講じる必要があります。また、従業員教育の内容も最新の脅威に合わせて見直すことが大切です。
さらに、関係者への報告と説明も重要です。特に顧客情報が漏洩した場合は、迅速に顧客に対して説明し、適切な対応を取ることが求められます。また、法的な報告義務を果たすために、必要な情報を関係機関に提出することも欠かせません。
定期的にこれらの対応手順を見直し、最新のセキュリティ脅威に対応できるようにしましょう。
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イッツコムはVPNハッキングや通信傍受対策に最適な閉域網接続サービス「モバイル閉域接続」や、メールに依存しない高セキュアなクラウドストレージ「Box」を提供しています。これらを組み合わせれば、サイバー攻撃から身を守ることが可能です。
VPNハッキングや通信傍受対策に最適な閉域網接続「モバイル閉域接続」
テレワークの普及に伴い、ネットワークに接続するデバイスの種類や場所が多様化しています。このような環境では、通信傍受や不正アクセス、内部からの情報漏えいといったサイバー攻撃を防ぐためのネットワークセキュリティ対策が不可欠です。
そのために有効なのが、データSIMを使用したモバイル回線とSIM認証を組み合わせた「モバイル閉域接続」です。インターネットを経由せず、NTTドコモ網やイッツコム網を利用した閉域網を通じて社内LANやデータセンターにアクセスする仕組みのため、外部の攻撃者は通信の存在自体を把握できません。
スマホやPC、ネットワークカメラなどに専用SIMを挿入するだけで使用可能で、簡単に導入・運用できるのもポイントです。また、インターネット接続時には社内LANを経由するため、社内のセキュリティポリシーを一貫して適用することができます。
情報資産の安全なクラウド管理には「Box」
メールを悪用したサイバー攻撃対策には、安全なコンテンツクラウドの活用が有効です。コンテンツ管理とコラボレーションを一元化することで、メール依存の情報共有から脱却し、セキュリティを強化できます。
「Box」は、各国の政府機関や金融機関、医療機関にも採用される、世界最高水準のセキュリティを誇るクラウドストレージです。有料版のBoxでは、7種類のアクセス権限の付与、70種類以上のログ監視、保存および通信データの暗号化、機械学習を活用したサイバー攻撃の検知など、さまざまなセキュリティ対策が講じられています。
Boxは容量無制限のため、機密情報を含むあらゆるファイルを安全に保存・共有できます。また、オンライン共同編集機能やユーザーに対する二要素認証を備えており、社内外を問わない安全なコラボレーション環境を提供します。
機械学習を利用した高精度なマルウェア検知機能を提供しているのも、Boxを採用する利点です。一般的なアンチウイルスソフトでは検知が難しい場合があるマルウェアも、Boxを通じて情報共有すればメールの添付ファイルを使用する必要がなくなります。
まとめ
サイバー攻撃は年々高度化し、個人や企業に大きな被害をもたらしています。身近な対策としては、ウイルス対策ソフトの導入や強力なパスワードの設定が有効です。企業は従業員教育によるセキュリティ意識の向上や、ゼロトラストセキュリティなど複合的な対策の導入が求められます。
平時からの備えはもとより、有事の際の迅速な対応が不可欠です。自社のセキュリティ対策を見直し、改善していくことが重要です。
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