クラウド買い切り vs サブスク型: ビジネス向けにおすすめなのは?
目次
クラウドストレージは、現代のビジネスに欠かせないツールの一つです。多くのビジネス向けクラウドストレージはサブスクリプション型が主流ですが、ランニングコストが負担に感じることもあるでしょう。一方、買い切り型であれば初期費用のみで利用できるものの、サービスや機能のアップデートが制限される可能性があります。
そこで本記事では、サブスク型と買い切り型のクラウドストレージを比較し、それぞれのメリットやデメリットを詳しく解説します。自社のニーズに最適な選択を見つける参考にしてください。
買い切り型とサブスク型のメリット・デメリット比較
ここでは、両者の特徴を比較し、それぞれのメリット・デメリットを解説します。自社のニーズに合った最適な選択肢を見つけましょう。
短期・長期の視点での費用面
まずは費用面から考えてみましょう。それぞれ、短期と長期の視点で異なる特徴があります。
・買い切り型
買い切り型のクラウドストレージは、初期費用が高額になる点が大きな特徴です。一括で費用を支払う必要があり、初期予算が限られている場合には負担が大きいと感じることもあるでしょう。しかし、一度支払えば追加費用が発生せず、総コストを抑えられる可能性があります。
一方で、サポートや機能アップデートが別途有料となる場合があり、その分のコストを見込む必要があります。
・サブスク型
サブスク型のクラウドストレージは、月額または年額で料金を支払う形式のため、初期費用を抑えやすいのが利点です。予算に余裕がないスタートアップ企業や短期的なプロジェクトに適しているでしょう。ただし、契約を続ける限り費用が発生することから、短期利用では経済的でも、長期間利用すると累積コストが増加することも考えられます。
また、多くのサブス型サービスでは、機能のアップデートやサポートが料金に含まれているため、予期せぬ追加コストを気にする必要がありません。常に最新機能を活用したい場合には、この点が大きなメリットです。
セキュリティとサポート体制の優劣
セキュリティとサポート体制は重要な要素であるため、両者の優劣を比較してみましょう。
・買い切り型
買い切り型は、導入時に提供されるセキュリティ機能が基本となり、定期的なアップデートが保証されない場合があります。そのため、新たなセキュリティ脅威に対応が遅れるリスクがある点には注意が必要です。特に、長期間利用する場合にはセキュリティを最新化することが難しいケースも考えられます。
一方、オンプレミス型(自社運用)の買い切り型サービスでは、物理的なデータ保管が可能で、自社独自のセキュリティポリシーを徹底できる点が大きなメリットです。
サポート体制はサービス提供者によって異なりますが、購入時のサポートが基本となるケースもあります。
・サブスク型
サブスク型では、サービス提供者が定期的にセキュリティアップデートを実施するため、最新の脅威にも迅速に対応できます。クラウドベースの高度な暗号化や多要素認証を利用できることが多く、サイバー攻撃への耐性が高い点も特徴です。
一方で、データが外部サーバーに保管されるため、データ漏洩リスクが懸念される場合があります。このリスクを軽減するには、信頼性の高いサービス事業者を選ぶことが重要です。
サポート面では、契約期間中にサポートが含まれるケースが多く、トラブル発生時に迅速な対応が期待できます。また、サービスのアップデートや新機能の追加に伴うサポートも提供されるため、常に最新の状態で利用可能です。ただし、契約が終了すればサポートも終了するため、契約の継続が前提となります。
機能の柔軟性とカスタマイズ性
機能の柔軟性やカスタマイズ性も、クラウドストレージ選びの重要なポイントです。買い切り型とサブスク型では、それぞれ提供される機能や拡張性に違いがあります。
・買い切り型
買い切り型は、初期導入時に提供される機能が基本となりますが、サポート期間内であれば部分的な機能アップデートや拡張が可能な場合があります。必要な機能が事前にそろっている場合は問題ありませんが、利用中にニーズが変化した際の対応には一定の制約があります。
一方で、特にオンプレミス型の場合、ユーザー側での高度なカスタマイズが可能です。自社の要件に合わせた独自の設定やシステム連携を行いたい場合には、大きな柔軟性を発揮できます。
・サブスク型
サブスク型では、サービス提供者が定期的にアップデートを行うため、常に最新の機能を利用できるのが特徴です。新機能が自動的に適用されることが多く、利用者側の手間が少ない点も魅力です。
ただし、提供される機能がパッケージ化されていることから、買い切り型と比べてカスタマイズの自由度は低めです。それでも、APIや統合ツールを活用することで他のソフトウェアと連携できるケースが多く、標準機能に加えて外部サービスを組み合わせることで柔軟性を補えます。
さらに、サブスク型では契約内容を変更することでストレージ容量や機能を拡張できます。事業の成長やチームの規模拡大に合わせてスケールアップできる点は、サブスク型の大きな魅力といえるでしょう。
買い切り型・サブスク型のクラウドストレージでおすすめなのは?
買い切り型クラウドストレージでは、pCloudとIcedriveが代表的です。ただし、Icedriveは日本語対応していないため、ここではpCloudを取り挙げます(2024年12月現在)。
一方、サブスク型クラウドストレージは種類が豊富ですが、ビジネス向けとしてセキュリティやコラボレーション機能に優れたBoxを紹介します。
買い切り型クラウドストレージの代表例:pCloud
pCloudはスイス発のクラウドストレージサービスで、個人向けには買い切り型のプランを提供しています。
ストレージ容量は500GB(Premium)、2TB(Premium Plus)、さらには10TB(Ultra)まで選択可能で、幅広いニーズに対応しています。セキュリティ面では、スイス国内のFADP(連邦データ保護法)に準拠し、ファイル転送時にTLS/SSL暗号化技術を使用しています。有料オプションの「pCloud Encryption」では、256ビットAES暗号化により、暗号化キーをユーザー自身が管理することが可能です。
また、ファイルやフォルダの共有機能も充実しており、家族や友人と安全にデータをやり取りできます。共有リンクに有効期限やパスワードを設定することで、セキュリティをさらに強化することができます。データは3カ所以上の異なるロケーションのサーバーに保存され、冗長性と安全性を確保しています。
ただし、複数ユーザーでの利用やアクセス制限が必要なビジネス向けプランについては、月間・年間のサブスク型のみの提供となっています。
サブスク型クラウドストレージの代表例:Box
Boxは、ビジネス向けに特化したサブスク型クラウドストレージとして広く利用されています。最大の特徴は、セキュリティと業務効率化を両立した機能です。
特筆すべきは、容量無制限で利用できる点です。ストレージ容量を気にすることなく大量のデータを保存できるため、特に大規模なプロジェクトや長期的なデータ管理が求められる企業にとって大きな利点となります。この柔軟性により、データの増加に伴う容量不足の心配が不要になり、業務効率をさらに高めることができます。
また、セキュリティの堅牢さも魅力の1つです。通信データの暗号化、多要素認証、データ損失防止(DLP)機能を搭載しており、機密情報を安全に管理できます。これらの機能は金融や医療といった高い安全性が求められる業界でも採用されており、安心して利用できるサービスです。
さらに、Boxは業務効率化にも貢献します。Microsoft 365やGoogle Workspaceなど主要なビジネスアプリケーションとシームレスに統合できるだけでなく、SlackやZoom、Salesforceなど1,500以上の外部アプリとも連携可能です。この柔軟性により、ファイル共有やコラボレーションをスムーズに行え、グローバルチームやリモートワーク環境でも活用されています。
【関連記事:Boxの料金は?機能・プランの選び方まで一挙解説】
ビジネスニーズに応じた最適なクラウドストレージの選択
企業のデータ管理や業務効率化を支えるクラウドストレージは、多様な選択肢があるため、自社のニーズに合ったものを選ぶことが重要です。
ここでは、効率性、コスト、セキュリティの観点からクラウドストレージ選びのポイントを解説します。
ファイル共有や共同作業を円滑かつ安全に行えるか
クラウドストレージをビジネスで選ぶ際には、まず利用目的を明確にすることが重要です。個人利用と企業利用では求められる機能やサービスが異なり、特に企業利用では、ファイル共有や共同作業を円滑に行える機能が欠かせません。
例えば、機密情報を扱う場合には、高度なセキュリティ機能が必須です。データの暗号化や、ユーザーごとに細かなアクセス権を設定できる機能があるサービスを選ぶことで、情報漏洩リスクを大幅に減らせます。
コストと機能性のバランスは良いか
コストと機能性の両面からのバランスを考慮することも不可欠です。低価格なサービスは一見魅力的ですが、必要な機能やセキュリティ要件を満たさない場合、業務効率が低下したり、情報漏洩などのリスクが高まる可能性があります。
一方で、過剰な機能を備えた高額なサービスを選択すると、自社にとって不要な機能に対して高いコストを支払うことになり、予算の無駄遣いにつながる恐れがあります。
コストと機能性の適切なバランスを見極めるためには、まず自社の業務に必要な機能を明確にすることが重要です。前述したように、共同作業を円滑に進めるためのリアルタイム編集機能や、アクセス権の細かい設定が可能なセキュリティ機能が必要かどうかを検討しましょう。さらに、業務規模や将来的な拡張性を考慮し、データ容量や料金プランが柔軟に対応できるサービスを選ぶことも大切です。
多くのクラウドストレージサービスでは無料トライアルを提供しているため、実際に使用してみることで、コストに見合った価値があるかどうかを確認するのもよいでしょう。
トラブル回避やアップデート対策は万全か
業務に支障をきたさないよう、トラブルは未然に防ぎ、安定した運用を維持するための対策が必要です。例えば、安定したネットワーク環境は不可欠です。通信が不安定であると、業務効率が低下するだけでなく、データ損失や同期エラーといったリスクが高まるため、ネットワークの整備は利用開始前に確認しておくべき重要なポイントです。
また、定期的なアップデートを通じて最新の機能やセキュリティ対策を自動的に反映させることも重要です。これにより、データ保護とシステムの安定性を確保しながら、業務の効率化を図ることが可能です。
さらに、日本語でのサポートが充実したサービスを選ぶことで、導入後のトラブル対応もスムーズに進められます。特にクラウドストレージを初めて導入する企業にとって、サポート体制の質は運用の成否を大きく左右する要素です。問い合わせ対応やトラブルシューティングが迅速かつ的確であるサービスを選ぶことで、安心して長期利用を進められるでしょう。
ビジネス向けのクラウドストレージならBox
ビジネス向けでは、買い切り型よりも柔軟性と拡張性に優れたサブスク型のクラウドストレージが主流です。中でも Box は、多様なコンテンツを安全に一元管理できるだけでなく、パートナー企業との円滑なコラボレーションを可能にする法人向けのコンテンツクラウドとして注目されています。
契約方法と料金の柔軟性
Boxの契約方法には「直接契約」と「代理店契約」の2種類があります。代理店契約では、国内代理店を通じて任意のプランを購入することが可能で、国内ユーザー向けの特別価格が適用されるため、コストパフォーマンスに優れています。また、支払い方法も現金振込や口座振替に対応しており、柔軟な選択肢を提供しています。
イッツコムも国内代理店であり、Boxの法人向けプランでは以下の料金プランを用意しています。
- Businessプラン: 月額1,800円(税抜)/1ユーザーID
- Business Plusプラン: 月額3,000円(税抜)/1ユーザーID
- Enterpriseプラン: 月額4,200円(税抜)/1ユーザーID
お得に導入するならイッツコム
イッツコムは、日本語対応のサポートを含めたお得な料金プランを提供しており、導入から運用までワンストップでサポートします。
・手厚いサポート体制
初期設定や利用方法に関するサポートを充実させており、初めてBoxを利用する企業でも安心して運用を開始できます。
・コストパフォーマンス
国内代理店価格で利用可能なため、コストを抑えつつ高品質なクラウドサービスを導入できます。
Boxの導入を検討している企業様は、ぜひ国内代理店のイッツコムにご相談ください。
まとめ
サブスク型のクラウドストレージは、継続的な費用が発生する点で懸念されるかもしれません。しかし、買い切り型は個人向けが主流であり、ビジネス用途ではサブスク型のほうが適しているケースが多いのが現状です。
中でも Boxは、容量無制限、高度なセキュリティ、1,500以上の外部アプリとの連携などが可能な点で、ビジネスユースに最適なコンテンツクラウドとして高く評価されています。
公式Webサイトから契約する場合、利用料がやや割安になる一方で、サポート体制は販売代理店経由のほうが充実しています。特に導入から運用までのサポートが必要な場合は、手厚い支援を提供するイッツコムを利用することで、導入時や運用中の課題をスムーズに解決できます。
Box法人向けプランを検討している企業は、ぜひイッツコムに相談してみてください。