Wi-Fiがつながらない・遅くなる原因は?ビジネス利用のWi-Fiを快適にするコツも
目次
ビジネスにはWi-Fiは必要不可欠なものとなり、オフィスや店舗などでのインターネット環境の整備は必須です。Wi-Fiを利用している際に、突然何らかのトラブルが発生してWi-Fiがつながらなくなったり、通信速度が遅くなったりして業務に支障が出てしまった経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
Wi-Fi通信の安定性や速度に問題があると、業務効率は当然下がります。では、Wi-Fiがつながらない・遅いときに考えられる原因はどのようなものなのでしょうか。そこで、この記事ではWi-Fi通信が不安定になったり速度が低下したりする原因と対処法について解説します。
通信の安定性や速度の面で課題を抱えている方は、この機会に環境を見直してみるとよいでしょう。職場に適切なインターネット環境・Wi-Fi環境を用意することで、日々の業務をスムーズに進められるようになります。
Wi-Fiがつながらない・遅くなる原因
Wi-Fiがつながらなくなったり遅くなったりする原因はさまざまですが、トラブルが発生している箇所は大きく「デバイス」「ネットワーク機器」「通信回線」の3つに分けられます。ここでは、それぞれの部分でどのような原因がWi-Fi環境に影響を及ぼすのかを見ていきましょう。効果的な対策を考える上でも、原因を明確にすることは大切です。
デバイスの不具合
Wi-Fiに接続するPCやスマホ、タブレットなどのデバイス側に何らかの不具合が発生し、正常に通信できなくなるケースがあります。
特定のデバイスのみWi-Fiに接続できない場合は、デバイスの不具合を疑いましょう。具体的な不具合の一例は以下の通りです。
・ハードウェアの故障
・ソフトウェアの不具合
・接続設定の間違い
単純な接続設定のミスなどの場合は、すぐに修復できることが多いでしょう。一方で故障などの際は修理や交換が必要になるケースもあるため、まずは根本的な原因がどこにあるかを探りましょう。
ネットワーク機器の不具合
社内ネットワークを構成するネットワーク機器や、それらを接続するケーブル類に不具合が発生している場合もWi-Fiに障害が発生します。
社内にあるデバイスの多くがWi-Fiにつながらなくなった場合は、ネットワーク機器を疑いましょう。一般的に社内ネットワークで使用されていることが多い機器の一例は以下の通りです。
・ONU(回線終端装置)
・ルーター
・スイッチングハブ
なお、これらの機器類を接続するにはLANケーブルを用いるため、ケーブルが断線・劣化して正常に通信できない可能性も考えられます。
通信回線の不具合
契約しているインターネット回線に何らかに障害が発生しているときも、インターネットへのアクセスが安定しません。料金滞納や通信量の上限に達したなどの理由で制限が課せられている場合もこれに該当します。
通信回線に不具合が発生しているときは、ユーザー側で対処するのは難しいでしょう。予備の回線があるなら通信経路を切り替えつつ、復旧するのを待ちましょう。
【関連記事:『回線速度が遅いときの原因は?適切な対処で快適なビジネス環境を手に入れよう』】
Wi-Fiがつながらない・遅いときの対処法
ビジネスには快適なWi-Fi環境が欠かせません。突然、Wi-Fiにつながらなくなったり通信速度が遅くなったりしたときは、当然速やかな対処が求められます。ここからは、具体的な対処法を9種類紹介します。
原因が何か分からないときは、ひとつずつ順番に試していくことがおすすめです。原因を突き止められたら、関連する対処法をピックアップして試してみましょう。
1: デバイス・ネットワーク機器を再起動する
デバイスやネットワーク機器が故障しているわけではなく、ソフトウェア面の不具合が疑われるときは再起動が有効です。特定のデバイスのみがWi-Fiに接続できない場合はそのデバイスを、多くのデバイスが接続できない場合はネットワーク機器を再起動しましょう。
再起動が完了したら、正常につながるか確認します。再起動後もWi-Fiに接続できない場合は、次の対処法に進みましょう。
2: デバイスのWi-Fi接続設定をやり直す
デバイスのWi-Fi設定を変更した後につながらなくなった場合は、設定が間違っている可能性が大きいでしょう。最初にデバイス側のWi-Fi設定がOFFになっていないかを確認し、OFFになっていたらONに変更します。
Wi-FiがONになっているのにもかかわらず接続できないときは、一度Wi-Fi接続設定をリセットしましょう。リセットが完了したら再度SSIDやパスワードなど、接続に必要な情報を入力します。設定ミスが原因だった場合は、この方法で正常にアクセスできる状態に戻るでしょう。
3: ルーターの設定をリセットして再設定する
ルーター側の設定変更やファームウェアアップデートによって接続できなくなったときは、ルーターの設定をリセットして再設定するのが有効です。リセットする具体的な方法は使用している機器によって異なるため、マニュアルなどで確認して作業します。
リセットが完了したら、マニュアルを参考にしながら必要な設定を済ませましょう。ルーターの設定が完了したら、Wi-Fiに接続できるようになったか確認します。
4: 違う周波数帯の電波を使用する
2023年1月時点において、Wi-Fiで使用する電波は3つの周波数帯に分けられます。それぞれの特徴は以下の通りです。
周波数帯 | 特徴 |
2.4GHz帯 | ・遠方まで届きやすい ・障害物に強い ・利用している機器が多く干渉しやすい |
5GHz帯 | ・干渉しにくく通信速度を確保しやすい ・障害物によって減衰しやすい ・一部のチャンネルがDFS(気象レーダー波などを検出した際にWi-Fiの電波を停止する機能)の対象になっている |
6GHz帯 | ・チャンネルの幅が広く、より速い通信速度を確保しやすい ・遅延が少ない ・5GHz帯より障害物によって減衰しやすい |
2.4GHz帯には速度が遅い反面遠くまで届きやすい、5GHz帯や6GHz帯は速度が速い反面減衰しやすいという特徴があります。つながらなくて困っている場合は2.4GHz帯に切り替え、遅くて困っている場合は5GHz帯や6GHz帯に切り替えてテストしてみるとよいでしょう。
ただし、デバイスによっては特定の周波数帯に対応していないケースがあります。使用するデバイスの対応状況を確認し、適切な周波数帯の電波を利用しましょう。
5: ルーターとデバイスの位置を近づける
ルーターとデバイスの位置が離れすぎていると、電波が弱くなって通信速度が不安定になることもあります。Wi-Fiにつながらなくなったときは、デバイスをルーターに近づけて通信状況が改善するかチェックしましょう。
ルーターにデバイスを近づけることで通信状況が改善するときは、ルーターをオフィスの中心に設置するなど、距離が離れないようにする対策が有効です。
6: 同時接続台数が多いルーターに交換する
オフィスでは多くのデバイスを同時に接続する機会が多いため、ルーターの最大同時接続台数を意識する必要があります。製品によっては最大100台 といった多くのデバイスを接続できるものもあるため、そのようなものを選ぶとよいでしょう。
中には最大同時接続台数が10台未満と少ないものもあり、選ぶルーターによってはここが原因でWi-Fiの通信状況が悪くなる可能性があります。オフィスの規模に合わせて十分なスペックをもったルーターを選ぶことが大切です。
7: 有線接続を利用する
より安定した通信環境を必要とするデバイスは、Wi-Fiではなく有線接続を利用することをおすすめします。有線接続はネットワーク機器とデバイスをLANケーブルで接続し、Wi-Fiに比べて安定しやすいのがメリットです。
障害物や他の電波を発する機器の影響を受けにくく、ルーターとデバイスがある程度離れていても高速で安定した通信を確保できます。デスクトップPCをはじめとした場所を固定して使用するデバイスの場合は、特に有線接続がおすすめです。
8: IPv6接続を使用する
インターネットへの接続方式として、2023年1月時点ではIPv4とIPv6という2つの方式が使用されています。光コラボを含め、NTTが提供しているフレッツ光の仕組みを利用して提供している光回線では、IPv4接続を利用した場合はPPPoEという通信方式のみに対応しています。
PPPoEはネットワーク同士を接続する部分が混雑しやすく、速度が低下しやすいのがデメリットです。IPv6接続ではPPPoEに加えてIPoE方式も利用でき、IPoE方式は混雑に強く速度が出やすいという特徴があります。
そのため、フレッツ光の仕組みを利用した光回線を利用するときは、IPv6接続に対応していてIPoE方式を利用できる回線事業者・ISPを利用するのがおすすめです。
9: 回線事業者とプロバイダを変更する
すでに契約している回線事業者やISPが、速度が遅いプランしか提供していないケースがあります。そのような状況で通信速度や安定性の面で悩んでいるなら、契約変更を検討しましょう。最大通信速度が速いプランを契約していても、実効速度が遅く安定しない場合も同様です。契約を変更するときは、実効速度を公開しているところであれば確認してから契約するとよいでしょう。
新たな回線事業者・ISPを契約するときは、サービスエリアにオフィスの所在地が含まれているか、料金面で問題ないか、必要なサービスを提供しているかを確認することをおすすめします。
【関連記事:『Wi-Fi6とは?5Gとの違いやメリット、おすすめ機器をわかりやすく解説』】
ビジネスで利用するWi-Fiを快適に利用するポイント
Wi-Fiをはじめとしたオフィスの通信環境を快適にするには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。速度や安定性、通信方式など、必要なポイントをきちんと押さえておくことで、Wi-Fi環境の不具合による業務スピードの低下を防げます。ここからは、特に注意したい4つのポイントについて詳しく見ていきましょう。
法人向けの光回線サービスを選ぶ
オフィスで使用する光回線は、法人向けのものを選ぶのがおすすめです。法人向けの光回線はビジネス向けのサービスが充実しているものが多く、個人向け光回線と利用シーンや利用人数、導入方法などに違いがあります。
なお、光回線を契約するときにチェックしたいのは通信速度です。用途によって必要な通信速度が異なるため、快適に利用するためにも以下の水準を目安にして選びましょう。
・メールやメッセージアプリの使用: 3Mbps以上
・ブラウジング: 5Mbps以上
・動画視聴: 20Mbps以上
・オンラインゲーム: 100Mbps以上
ビジネスではさまざまなファイルを送受信する機会が多いため、実測値で100Mbps以上出ていることを目安にするとよいでしょう。なお、通信速度は1秒間に送受信できるデータ量を示しています。
IPv6 IPoEに対応したプロバイダを選ぶ
IP(インターネットプロトコル)とは、インターネット上でコンピューター同士がやりとりをするデータ通信の方法を定めた規約ですが、現在使用されているものは主にIPv4とIPv6です。なお、IPv4よりIPv6のほうは通信が安定しやすく、速度が出るという特徴があります。
また、接続方式はIPoE方式とPPPoE方式の2種類があり、IPoE方式はPPPoE方式と比較してネットワークが混雑しにくく、速度が低下しにくいのがメリットです。
これらのメリットを考えると、契約先の回線事業者やISPを選ぶときはIPv6 IPoE方式に対応したものを選ぶことがおすすめです。接続方式に関しては、回線事業者やISPの公式サイトに記載されていることも多いため、契約前にチェックするとよいでしょう。
Wi-Fiアクセスポイントを設置する
オフィスが広い場合や多数のデバイスを接続する場合は、Wi-Fiルーターだけでは通信できるエリアが狭くて対応できないケースがあります。そのようなときは、通信エリアを広げつつ接続できるデバイス数を増やすためのWi-Fiアクセスポイントを設置するのがおすすめです。
Wi-FiアクセスポイントはWi-Fi通信に特化したネットワーク機器のひとつで、設置することでより安定した通信を提供できるようになります。他にも、メッシュWi-Fiを構築するなどの対策も有効です。
オフィスの状況によってどのような対策が最適か異なるため、さまざまな方法を比較・検討するとよいでしょう。
【関連記事:『Wi-Fiアクセスポイントとは?LANの仕組みや機器の機能も一挙開設』】
Wi-Fi 6Eに対応したWi-Fi機器を導入する
Wi-Fiルーターを新設する場合は、最新の規格に対応したものを導入することが大切です。2023年1月時点における最新規格はWi-Fi 6Eであるため、Wi-Fi 6Eに対応したものがすすめです。
Wi-Fi 6Eは2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯の3つを利用できるため、より高速かつ安定した通信か環境を確保できます。高速で安定した光回線を契約しても、Wi-Fiの規格に問題があると通信速度が遅くなる可能性がある点に注意しましょう。
【関連記事:『Wi-Fi6やWi-Fi6Eはいつから利用できる?特徴やメリット、利用上の注意を解説』】
快適なWi-Fi環境ならイッツコムにお任せ
イッツコムではビジネスでのWi-Fi利用に最適な「かんたんWi-Fi」、イッツコム光接続サービス」、「専用線インターネット接続サービス」を提供しています。オフィスやサテライトオフィス、店舗などにおいて快適な通信環境は欠かせません。Wi-Fi環境をグレードアップし、ビジネスを加速させましょう。
高性能のアクセスポイントを簡単に増設「かんたんWi-Fi」
Wi-Fiルーターは機種によって同時接続接続数や通信エリアが限られます。オフィスや店舗全域で快適にWi-Fi接続するなら、Wi-Fiアクセスポイントによる機能増強がおすすめです。
イッツコムが提供するかんたんWi-Fiは、契約後に機器が届けばすぐに利用開始できるスタイルの業務用フリーWi-Fiアクセスポイントです。ゲストWi-Fi機能を使えば来客用のフリーWi-Fiと業務用Wi-Fiを分離できるのも大きなメリットです。
「ハイエンド6」プランなら、最新のWi-Fi規格「Wi-Fi6」対応で高速かつ安定したWi-Fi接続ができる上、1AP当たり最大100台まで同時接続できます。365日の遠隔サポートにも対応しており、トラブルの際も安心です。
高速で快適な法人向け光回線「イッツコム光接続サービス」
現在利用している光回線の速度や安定性が気になる場合は、イッツコム光接続サービスがおすすめです。イッツコム光接続サービスでは、上り最大2Gbps/下り最大1Gbpsの回線を提供しています。
また、新しいインターネット接続方式「IPv6 IPoE」にも標準対応し、夜間・休日など混雑しがちな時間帯に通信速度を落としにくいのも強みです。またプロバイダ・光回線一体型のサービスであるため、他社サービスよりランニングコストを抑えられる上、ひとつの窓口でスピーディにトラブルシューティングができます。
基本サービスは回線のみで、メールアドレスやドメイン、固定IPはすべてオプション提供です。必要に応じてサービスを取捨選択できるため、コストを最適化できます。自社サーバを運用する場合は、ぜひ固定IPも併せてご検討ください。
高い安定性を求めるなら「専用線インターネット接続サービス」
社内システムと自社サーバを安定した回線で接続したい場合や、緊急性が高い情報を送受信するシステムを構築する場合は、専用線インターネット接続サービスの利用がおすすめです。
イッツコムでは、通信速度や安定性を最重要視するユーザーに向けて最大速度が上下ともに1Gbpsの専用線を提供しています。専用線なので他のユーザーに影響されることはありません。なお、固定IPはオプションにてご提供いたします。
まとめ
オフィス内の通信環境を確保する上でWi-Fiは欠かせませんが、突然つながらなくなったり速度が低下したりするケースがあります。そのようなときは、快適なビジネス環境を確保するためにも原因を追究し、適切に対処することが大切です。
契約している通信回線の問題で、対処が難しいと感じることもあるでしょう。そのようなときは、用途に合わせて最適な通信手段を選べるイッツコムのサービスをぜひご検討ください。
イッツコムではWi-Fiアクセスポイントや光回線 、専用線などを幅広く用意しています。ニーズに合った通信手段をご提案しますので、一度お問い合わせください。