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ファイル転送サービスのセキュリティは安全?ビジネス向けファイル共有方法の選び方

容量が多いファイルを共有する方法には社内サーバーやNASなどがありますが、社外のユーザーと共有しなければならないなどの理由によりファイル転送サービスを使っている方もいるのではないでしょうか。

しかし、ファイルサーバーはセキュリティリスクが高いため、注意深く使用しなければなりません。そこでこの記事では、ファイルサーバーのセキュリティはどの程度のものなのか、さらに安全なファイル共有方法があるのかをご紹介します。

さまざまなサービスを比較・検討することで、ビジネスに使用するのに最適なファイル共有方法が分かるでしょう。

ファイル転送サービスとはどのようなもの?


ファイルを共有したい側が当該サービスの公式サイトからファイルをアップロードし、受信する側がダウンロードするシステムが「ファイル転送サービス」です。

メールの添付ファイルには容量の上限があるため、大容量ファイルを共有する際に用います。一般的なファイル転送サービスの使用方法は以下の通りです。

1. 送信側がファイル転送サービスの公式サイトからファイルをアップロードする
2. アップロード完了後に発行されるダウンロード用URLを取得する
3. ダウンロード用URLを受信側にメールやメッセージで送信する
4. 受信側がダウンロード用URLにアクセスしてファイルをダウンロードする

このように簡単な手順でファイル共有ができ、複雑な準備が必要なく使いやすいのがメリットと言えるでしょう。

ファイル共有・転送サービスを利用する注意点


ファイル転送サービスは無料で利用でき、大容量ファイルを手軽に送受信できて便利です。ただし、セキュリティ機能は最低限であるため、人為的なミスに注意が必要です。ここでは、ダウンロードとアップロード、それぞれの注意点について解説します。

ダウンロードするとき

ファイル共有・転送サービスを利用すると、指定された受信者にはダウンロード用のURLが記載されたメールが届きます。悪意ある第三者が通知メールを偽装して、フィッシング詐欺や不正プログラム・ウイルスの送信を狙うケースもあるため受信者は注意しましょう。

ダウンロード用のURLをクリックする前に、メールのアドレスや件名を確認し、そしてファイル内容の整合性、拡張子を確かめることが大切です。拡張子が「.exe」「.bat」「.js」のファイルを開くと、自動的に不正プログラムを実行される恐れがあります。

アップロードするとき

社内情報は機密情報であるため、ファイル共有・転送サービスによる送受信が可能かどうか、社内セキュリティポリシーを確認することが大切です。

また、送信先を間違えれば情報漏えいにつながります。メールを送る前に、必ず送信先のメールアドレスに間違いがないかもチェックしましょう。さらに、ファイルを暗号化して送信すれば、万が一誤送信した場合もセキュリティリスクを抑えられます。

無料ファイル転送サービスは危険!?考えられるリスク


企業によっては、社員が私物のデバイスやソフトウェアを業務で利用することを認めています。許可済みであれば問題ありませんが、未許可の外部サービスを利用するケースに注意しましょう。ここでは、無料のファイル転送サービスを利用する際のリスクについて解説します。

セキュリティレベルがコントロールできない

企業が把握・許可していないデバイスやソフトウェア、クラウドサービスを社員が業務で利用する場合があります。これを「シャドーIT」と呼び、情報漏洩のリスクが高まる行為です。

個人メールやSNSだけでなく、ファイル共有・転送サービスを自己判断で利用することにはリスクが伴います。特に、外部サービスはプログラムがパッケージ化されているため、セキュリティレベルをコントロールできません。

アップロード・ダウンロード履歴が管理できない

外部サービスの場合、サーバーを管理するのはサービス提供会社です。社内ファイルサーバーとは異なり、利用履歴は管理できません。

会員登録すれば利用履歴を確認できるファイル転送サービスもありますが、基本的にアップロード後にできる操作は限定的です。特に無料サービスは管理機能が不十分であるため、情報漏洩の原因究明は困難で、対応が遅れる恐れがあります。

誤送信してしまう可能性がある

ファイル共有・転送サービスでは、送信者が受信者にダウンロードURLを記載したメールを送信し、ファイルを共有します。したがって、メールの送信先を間違えることは情報漏洩に関する大きなリスクです。

すぐに誤送信に気付いてファイルを削除できれば問題ありませんが、セキュリティ機能が不十分なサービスの場合、取り返しがつかない場合もあるでしょう。

有料ファイル転送サービスにはどんなセキュリティ機能がある?


ファイル転送サービスにはセキュリティリスクがあるとはいえ、無策のわけではありません。暗号化やパスワード設定機能などの基本的なセキュリティは多くのサービスが備えています。

無料版ではなく有料版のサービスを使用することでセキュリティレベルを上げられるケースもあるため、より高いセキュリティレベルを求めるなら有料版へのアップグレードも検討しましょう。

暗号化

ファイル転送サービスでは、通信の傍受を防ぐためにサーバーとクライアントとの間の通信をTLSで暗号化するのが基本です。送受信するデータを暗号化しておくことによって、経路上でデータを盗まれたり改ざんされたりするリスクを減らせます。

暗号化は基本的な通信セキュリティのひとつです。ファイル転送サービスを使用する際は、通信がきちんと暗号化されるかどうかを事前にチェックしましょう。

ダウンロード制限

ファイル転送サービスによっては、ダウンロードの上限回数や期間を制限しているところがあります。そのようなサービスを選択すれば、ファイルがいつまでもサーバー上に残り続けることを防げるでしょう。

サービスによってはアップロードしたファイルを任意のタイミングで手動削除できるものもあります。ファイル共有が完了したら、すぐにサーバーからデータを削除すればより安全です。少しでもサーバー上にデータを保存している時間を短くしたい場合は、手動削除に対応しているサービスを選びましょう。

パスワード設定

第三者にファイルをダウンロードさせないためには、パスワードを設定するのがおすすめです。パスワードが掛かっていなければ、ダウンロードリンクを知っていれば誰でもダウンロードできてしまいます。

しかし、パスワードを設定しておけば万が一ダウンロードリンクが流出したとしても、パスワードが流出していなければファイルを盗まれません。パスワード設定も暗号化と並んで基本的なセキュリティのひとつです。利用したいファイル転送サービスがパスワード設定に対応していることを忘れずに確認しましょう。

さらに安全で使いやすいファイル共有手段ならクラウドストレージ!

ファイル転送サービスは大容量ファイルを手軽に共有できますが、セキュリティ面に不安があったりアクセスログを確認できなかったりといくつかデメリットがあります。そのため、セキュリティが高いファイル共有方法を模索している方も多いのではないでしょうか。

その際におすすめなのがクラウドストレージです。クラウドストレージは大容量ファイルを簡単に送受信できるだけではなく、アクセス権限の設定やログの取得を始めとした高度なセキュリティに対応しているものも存在します。

あらかじめクラウドストレージ上のフォルダを共有しておくことでファイルの送受信がスムーズになり、ビジネスの効率を上げるためにも役立つでしょう。

クラウドストレージ利用時にはどんなセキュリティ対策がある?


クラウドストレージのセキュリティレベルはサービスによって異なり、提供元のセキュリティポリシーに依存します。ビジネス利用では、セキュリティレベルが高いサービスを選ぶとともに、アカウント管理を始めとしたユーザー側の対策も重要です。

ビジネス向けのクラウドストレージを探している方は、これから解説する3つのポイントをチェックして強固なセキュリティを実現しているものを選びましょう。

サイバー攻撃への対策

クラウドストレージ提供元のサーバーがサイバー攻撃を受け、データが流出したり使用不能に陥ったりするリスクがあります。サイバー攻撃の被害に遭うと保存していた自社のデータが流出する危険性があるため、きちんと対策が施されているか確認しましょう。

基本的なサイバー攻撃対策は提供元に委ねられているものの、自社でもいくつかの対策が可能です。特に重要な情報はアップロードする時点で暗号化するなどして、万が一ファイルが流出しても重要な情報が漏えいしないようにしましょう。

不正行為への対策

情報漏えいの原因は外部からの攻撃だけではなく、内部の人間による不正行為もあります。機密情報を取り扱っている社員が悪意をもって情報を盗むケースにも注意しましょう。

自社の社員だからといって全面的に信頼せず、必要な情報のみにアクセスできる体制にするのがおすすめです。そのためには、フォルダごとに細かくアクセス権限を設定できるサービスを選び、各社員の権限を適切に管理する必要があります。

不可抗力への対策

自然災害や戦争、破壊行為によってデータが失われるリスクにも注意が必要です。これらは発生そのものを防ぐのは不可能なので、データを定期的にバックアップする必要があるでしょう。

自社サーバーとクラウドの双方にデータを保存する、2つ以上のクラウドストレージを併用するなどの対策が考えられます。バックアップはクラウドストレージ提供元が行うものではなく、利用するユーザー側に求められる対策です。クラウドストレージを使用するなら、同時にバックアップ体制もきちんと整えましょう。

ビジネス向けにおすすめ!クラウドストレージなら「box」


ファイル転送サービスは大容量ファイルの送信には適していますが、長期保存を前提としたファイル・フォルダ管理には対応していません。「box」は世界で最も信頼を集めるファイル共有サービスのひとつです。boxの有料版は非常に高セキュアかつ多機能で、ファイルサーバーから移行すると大幅な業務効率化が期待できます。

ファイル共有・転送サービスとboxの違い

一般的なファイル共有・転送サービスは、一時的な置き場であるサーバーを介し、URLをやり取りすることでファイルを共有します。一方、boxはクラウドストレージでフォルダを管理し、サーバーごと共有できるサービスです。

社内LAN内で管理するファイルサーバーをクラウドストレージに置き換えたものと考えると分かりやすいでしょう。boxとファイル転送サービスの主な違いは以下の通りです。

 boxファイル転送サービス
ファイル共有方法クラウドストレージでフォルダを管理し、インタラクティブに送受信ダウンロードURLを受け取った相手のみダウンロードが可能
オンラインで閲覧・編集ダウンロード不要で閲覧・編集ができる基本的に不可(ダウンロード・削除のみ)
1ファイル当たりの容量上限アカウントの種類により異なり、最大15GBまで無制限のサービスもある
保存可能なストレージ容量無制限基本的にストレージ利用には対応しない
データ保存期間無制限基本的に制限あり
セキュリティフォルダ・ファイルごとに詳細なアクセス権限が設定できるアップロード・ダウンロードに関する簡易的なセキュリティ機能
バージョン管理機能最大100世代までバージョン管理機能なし
SaaSアプリとの連携標準でMicrosoft365・Google Workspaceに対応連携機能なし

boxがビジネスに向いている理由

boxは単なるファイル共有サービスではなく、ビジネス利用に適したさまざまな機能を備えています。主な機能と期待できるソリューションの例は以下の通りです。

・非常に高度なセキュリティ機能
ガバナンスとコンプライアンスの簡素化によって訴訟リスクを回避し、組織の内外で行う作業の監査ができる

・ファイルの同時編集機能や既存アプリの統合機能
外部業者とのコラボレーションの効率化や営業の生産性向上が期待できる

・Box Relayによるワークフロー管理
営業・マーケティング・法務・人事といったあらゆる部門のワークフローを自動化し、業務効率化と人為的なミスの削減が可能

・1,500以上の業務アプリを統合
あらゆるコンテンツをセキュアなプラットフォームで一元管理し、ビジネススピードを緩めずにセキュリティ対策ができる

boxを快適に利用するのに役立つイッツコムのサービス


イッツコムでは、boxを快適に使用するために役立つ高速インターネット回線やセキュリティ重視の通信回線を提供しています。大容量ファイルをスムーズに送受信するのに役立つため、この機会にぜひご検討ください。

今回はboxと併用したい「イッツコム光接続サービス」と「モバイル閉域接続」の2つを詳しくご紹介します。

「イッツコム光接続サービス」で高速・安定の通信環境を実現

ダウンロードやアップロードの速度はインターネット回線に左右されます。機能が優れたファイル共有サービスを利用していても、回線スペックが低いと業務効率が低下するため、高速な光回線を導入するとよいでしょう。イッツコムの法人向け光回線「光接続サービス」の主なメリットは以下の通りです。

・イッツコム独自の光回線網を利用するため、高速かつ安定したインターネット接続が可能
・通信回線に特化し、現在のメールや自社サイトを維持して乗り換えられる上、低コスト
・イッツコムの多彩なサービスと組み合わせて一括導入できる

外出先でも安全にファイルを送受信できる「モバイル閉域接続」

イッツコムの「モバイル閉域接続」は、VPNの仕組みを利用したセキュアな通信サービスです。デバイスに専用SIMを挿入するだけで導入でき、通信キャリアのモバイル回線網とイッツコムネットワークを閉域網で接続します。

エリア内のどこからでも、インターネットを経由せず社内ネットワークに接続できるのが利点です。モバイル閉域接続の導入によって、以下のことが実現できます。

・ペーパーレスで営業に行ける
・場所や時間を選ばない働き方ができる
・スマートフォンやドライブレコーダー、監視カメラの動画が簡単に共有できる
・社外のデバイスから社内セキュリティポリシーを維持して通信できる

まとめ


ファイル転送サービスはメールやメッセージに添付できない大容量ファイルをスムーズに送受信できますが、セキュリティに懸念があります。高いレベルのセキュリティを確保しつつファイル共有の利便性を追及するなら、ファイル転送サービスよりクラウドストレージがおすすめです。

イッツコムでは、ビジネスユースに特化したクラウドストレージとして「box」を提供しています。boxは容量無制限で利用でき、アクセス権限の設定やログ取得にも対応しているためより安心して使用可能です。

サイバー攻撃や不正行為への対策も行いやすいので、安全なビジネス向けクラウドストレージをお探しの方は、ぜひイッツコムにご相談ください。