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大容量ファイル共有のおすすめサービス8選!セキュリティ対策も解説

ビジネスシーンでファイルを送信する際、「メールに添付するには容量が大き過ぎる」といった状況はありがちです。大容量ファイルの共有が必要になった場合、活用を考えたいサービスとして、ファイル転送サービスやクラウドストレージを挙げられます。

どちらもインターネット経由で手軽に利用できますが、「セキュリティは大丈夫なのか」「本当に使えるサービスはどれなのか」という悩みもあるでしょう。この記事では、大容量ファイル共有に使えるおすすめサービスやセキュリティ対策について、詳しく解説します。

※各種サービスについての詳細は2024年10月時点での情報です

共有ファイルが大容量に!サイズを抑えるには?

ビジネスにおいて大容量のファイル共有が必要なシーンはよくあります。メールの添付ファイルの場合、一般的には2MB~3MB程度に抑えるのがビジネスマナーとされています。しかし画像ファイルや動画ファイルはもちろん、文書ファイルやPDFファイルも、3MB以上となることは珍しくありません。

容量を抑える方法として、ファイルを圧縮し、解凍用パスワードを別のメールで送ることも考えられます。この「PPAP」はマルウェアの感染経路となるなど複数のセキュリティリスクが知られており、PPAPを廃止して、ファイル転送サービスやクラウドストレージの活用に切り替える企業も一般化しています。

【関連記事:PPAPはここが危険!禁止の理由や非推奨・有効な代替策を徹底解説

【大容量のファイル共有方法】ファイル転送サービスのおすすめ3選

ファイルを共有したい側が当該サービスの公式サイトからファイルをアップロードし、受信する側がダウンロードするシステムが「ファイル転送サービス」です。

メールの添付ファイルには容量の上限があるため、大容量ファイルを共有する際に用います。一般的なファイル転送サービスの使用方法は以下の通りです。

1.送信側がファイル転送サービスの公式サイトからファイルをアップロードする
2.アップロード完了後に発行されるダウンロード用URLを取得する
3.ダウンロード用URLを受信側にメールやメッセージで送信する
4.受信側がダウンロード用URLにアクセスしてファイルをダウンロードする

このように簡単な手順でファイル共有ができ、複雑な準備が必要なく使いやすいのがメリットといえるでしょう。ここでは、無料で大容量のファイル共有ができるおすすめファイル転送サービス3選を紹介します。

GigaFile(ギガファイル)便

GigaFile(ギガファイル)便は、ユーザー登録不要で簡単に大容量ファイルを送受信できる、完全無料のファイル転送サービスです。公式Webサイトからファイルやフォルダをドラッグ&ドロップするだけで、1ファイル当たり300GBまで、個数無制限でアップロードできます。

無料サービスでありながらダウンロードパスワードを設定でき、ファイルの保存期間を3日~100日まで任意設定できるなど、最低限のセキュリティ機能も備えます。表示される広告は多いものの、複数ファイルの一括アップロードもでき、手軽に大容量ファイルを送受信したいニーズに対応できるサービスです。

データ便

データ便は、シンプルなインターフェースで直感的に操作できる、基本無料のファイル転送サービスです。会員登録不要の「ライトプラン」の場合、1回当たりファイル数100まで、合計容量2GBまでアップロードできます。ファイルの保存期間は1時間から7日間まで設定可能です。

ダウンロードパスワードやダウンロード通知の設定、SSL暗号化通信といった、基本的なセキュリティ機能にも標準対応します。アップロード時に「セキュリティ便」を設定するとダウンロード許可申請のプロセスを挟むため、手間は増えますが、宛先間違いによる情報漏えいを防止できます。

無料会員登録をする「フリープラン」なら、1回当たり5GBまでのファイルをアップロードでき、7日間分の送信履歴を確認できる仕様です。また、有料の「ビジネスプラン」なら1回当たりのアップロード容量は無制限になります。

firestorage

firestorageは、会員登録をすると使い方の幅が広がるファイル転送サービスです。未登録会員でも1ファイル当たり2GBまで、ファイル数無制限でアップロードできます。ダウンロードパスワードや保存期間(1時間から7日間)の設定も可能です。

無料会員登録をすると、アップロードされたファイルの削除やダウンロード通知・アクセスログ確認など、情報漏えい防止に役立つセキュリティ機能を利用できるようになります。有料の正会員登録をすると1ファイル当たり10GBまでアップロードでき、ダウンロードページをカスタマイズできるなど、ビジネスユースに対応しやすくなるのが利点です。

大容量のファイル共有にファイル転送サービスを利用する注意点

ファイル転送サービスは無料で利用でき、大容量ファイルを手軽に送受信できて便利です。ただし、セキュリティ機能は最低限であるため、人為的なミスに注意が必要です。ここでは、ダウンロードとアップロード、それぞれの注意点について解説します。

ダウンロードするとき

ファイル共有・転送サービスを利用すると、指定された受信者にはダウンロード用のURLが記載されたメールが届きます。悪意ある第三者が通知メールを偽装して、フィッシング詐欺や不正プログラム・ウイルスの送信を狙うケースもあるため受信者は注意しましょう。

ダウンロード用のURLをクリックする前に、メールのアドレスや件名を確認し、そしてファイル内容の整合性、拡張子を確かめることが大切です。拡張子が「.exe」「.bat」「.js」のファイルを開くと、自動的に不正プログラムを実行される恐れがあります。

アップロードするとき

社内情報は機密情報であるため、ファイル共有・転送サービスによる送受信が可能かどうか、社内セキュリティポリシーを確認することが大切です。

また、送信先を間違えれば情報漏えいにつながります。メールを送る前に、必ず送信先のメールアドレスに間違いがないかもチェックしましょう。さらに、ファイルを暗号化して送信すれば、万が一誤送信した場合もセキュリティリスクを抑えられます。

無料ファイル転送サービスは危険!?考えられるリスク

企業によっては、従業員が私物のデバイスやソフトウェアを業務で利用することを認めています。許可済みであれば問題ありませんが、未許可の外部サービスを利用するケースに注意しましょう。ここでは、無料のファイル転送サービスを利用する際のリスクについて解説します。

セキュリティレベルがコントロールできない

企業が把握・許可していないデバイスやソフトウェア、クラウドサービスを従業員が業務で利用する場合があります。これを「シャドーIT」と呼び、情報漏えいのリスクが高まる行為です。

個人メールやSNSだけでなく、ファイル共有・転送サービスを自己判断で利用することにはリスクが伴います。特に、外部サービスはプログラムがパッケージ化されているため、セキュリティレベルをコントロールできません。

アップロード・ダウンロード履歴が管理できない

外部サービスの場合、サーバを管理するのはサービス提供会社です。社内ファイルサーバとは異なり、利用履歴は管理できません。

会員登録すれば利用履歴を確認できるファイル転送サービスもありますが、基本的にアップロード後にできる操作は限定的です。特に無料サービスは管理機能が不十分であるため、情報漏えいの原因究明は困難で、対応が遅れる恐れがあります。

誤送信してしまう可能性がある

ファイル転送サービスでは、送信者が受信者にダウンロードURLを記載したメールを送信し、ファイルを共有します。従って、メールの送信先を間違えることは情報漏えいに関する大きなリスクです。

すぐに誤送信に気付いてファイルを削除できれば問題ありませんが、セキュリティ機能が不十分なサービスの場合、取り返しがつかない場合もあるでしょう。

安全かつ利便性の高い大容量ファイル共有ならクラウドストレージ!

ファイル転送サービスは大容量ファイルを手軽に共有できますが、セキュリティ面に不安があったりアクセスログを確認できなかったりといくつかデメリットがあります。そのため、セキュリティが高いファイル共有方法を模索している方も多いのではないでしょうか。

その際におすすめなのがクラウドストレージです。クラウドストレージは大容量ファイルを簡単に送受信できるだけではなく、アクセス権限の設定やログの取得を始めとした高度なセキュリティに対応しているものもあります。

あらかじめクラウドストレージ上のフォルダを共有しておくことでファイルの送受信がスムーズになり、ビジネスの効率を上げるためにも役立つでしょう。

【大容量のファイル共有方法】クラウドストレージのおすすめ5選

クラウドストレージは、ファイルサーバ機能に特化したクラウドサービスです。ディレクトリ構造でファイル・フォルダを管理し、インターネット経由でのファイル共有や同時編集に活用できます。共有フォルダに格納したファイルのみ、特定のユーザーに閲覧だけ許可して一時的に共有するなど、柔軟な活用が可能です。

ここでは、大容量ファイル共有に活用できるおすすめクラウドストレージ5選を紹介します。

Dropbox

Dropboxは、シンプルな操作で大容量ファイルを共有できるクラウドストレージです。

  • ストレージ容量:無料プランは2GB、有料プランは2TB以上(チーム全体で9TB~1,000TB)
  • 1ファイル当たりのアップロード容量:Webブラウザからは最大350GB、アプリは最大2TB
  • Dropbox Transferによる転送ファイル容量:無料プランは最大100GB、有料プランは最大100GB(アドオン使用の場合は最大250GB)

ストレージ内のファイルは共有リンクを使って簡単に共有できますが、「Dropbox Transfer」を使用すると、Dropboxアカウントの容量を消費せずに大容量ファイルを転送できます。ファイルへのコメントや動画・画像・PDFファイルの直接編集など、クリエイティブ業務の生産性向上に役立つ機能性も魅力です。

OneDrive

OneDriveは、Windowsユーザーにはおなじみのクラウドストレージです。

  • ストレージ容量:家庭向け無料プランは5GB、一般法人向け有料プランは最大1TB以上
  • 1ファイル当たりのアップロード容量:Webブラウザからは最大250GB、Mac用デスクトップアプリは最大20GB

Windows PCはOneDriveと標準で同期され、エクスプローラーからOneDriveの同期ストレージへ簡単にアクセスできます。ファイルを右クリックすると、「共有」を選択するだけで大容量ファイルを共有でき、アクセス権限の設定やバージョン履歴の確認なども可能です。

「Microsoft 365 Business Basic」以上の有料プランならMicrosoft 365と統合され、Teamsの中で直接ファイルを共有することもできます。

Googleドライブ

Googleドライブは、Google Workspaceに含まれるクラウドストレージサービスです。GoogleスプレッドシートやGmailなどの保存先としても利用されます。

  • ストレージ容量:個人向け無料プランは15GB、ビジネス向け有料プランは最小30GB・最大5TB以上
  • ユーザー当たりのアップロード容量:最大5TB(24時間以内に750GB)

保存・共有したGoogleドキュメント・スプレッドシート・スライドなどを、複数ユーザーで同時にオンライン編集できるのが強みです。また「共有ドライブ」機能を利用すると、組織内で安全かつ利便性の高いファイル共有ができます。

MEGA

MEGAは、低コストで大容量ファイルを保存・共有したいユーザーに人気があるクラウドストレージです。

  • ストレージ容量:個人向け無料プランは10GB、有料プランは3TB~10PB(1万TB)
  • ファイルの転送容量:個人向け無料プランは制限付き、有料プランは3TB~10PB(1万TB)

ストレージ容量・転送容量は1TB単位で細かく調整でき、使用容量に応じた従量課金制となっていることが特徴です。1TB当たりの月額料金が比較的安く、予算に応じて最大10PBまで利用できます。

強力なエンドツーエンド暗号化を採用し、サービス事業者すら保存内容を読み取れません。セキュリティ対策として有効な仕組みですが、パスワードとアカウント回復キーを紛失した場合、ファイルにアクセスできなくなることは注意点です。

Box

Boxは、企業向けに開発されたクラウドストレージです。世界標準のコンプライアンス・セキュリティ基準に準拠し、各国の政府機関も採用する圧倒的な信頼性を誇ります。

  • ストレージ容量:個人向け無料プランは10GB、全ての法人向け有料プランは容量無制限
  • 1ファイル当たりのアップロード容量:個人向け無料プランは最大250GB、法人向け有料プランは最小5GB・最大150GB

大きな魅力は、容量無制限のストレージで全てのファイルを安全に一元管理できることです。業務効率化・生産性向上をサポートする多彩なツールを備え、さらにMicrosoft 365やGoogle Workspaceをはじめとする1,500以上のアプリを1つのプラットフォームに統合でき、社内外ユーザーとのあらゆるワークフローを自動化できます。

【関連記事:Boxとは?クラウドコンテンツ管理の魅力や解決できる課題を解説

クラウドストレージ利用時にはどんなセキュリティ対策がある?

クラウドストレージのセキュリティレベルはサービスによって異なり、提供元のセキュリティポリシーに依存します。ビジネス利用では、セキュリティレベルが高いサービスを選ぶとともに、アカウント管理を始めとしたユーザー側の対策も重要です。

ビジネス向けのクラウドストレージを探している方は、これから解説する3つのポイントをチェックして強固なセキュリティを実現しているものを選びましょう。

サイバー攻撃への対策

クラウドストレージ提供元のサーバがサイバー攻撃を受け、データが流出したり使用不能に陥ったりするリスクがあります。サイバー攻撃の被害に遭うと保存していた自社のデータが流出する危険性があるため、きちんと対策が施されているか確認しましょう。

基本的なサイバー攻撃対策は提供元に委ねられているものの、自社でもいくつかの対策が可能です。特に重要な情報はアップロードする時点で暗号化するなどして、万が一ファイルが流出しても重要な情報が漏えいしないようにしましょう。

不正行為への対策

情報漏えいの原因は外部からの攻撃だけではなく、内部の人間による不正行為もあります。機密情報を取り扱っている従業員が悪意をもって情報を盗むケースにも注意しましょう。

自社の従業員だからといって全面的に信頼せず、必要な情報のみにアクセスできる体制にするのがおすすめです。そのためには、フォルダごとに細かくアクセス権限を設定できるサービスを選び、各従業員の権限を適切に管理する必要があります。

不可抗力への対策

自然災害や戦争、破壊行為によってデータが失われるリスクにも注意が必要です。これらは発生そのものを防ぐのは不可能なので、データを定期的にバックアップする必要があるでしょう。

自社サーバとクラウドの双方にデータを保存する、2つ以上のクラウドストレージを併用するなどの対策が考えられます。バックアップはクラウドストレージ提供元が行うものではなく、利用するユーザー側に求められる対策です。クラウドストレージを使用するなら、同時にバックアップ体制もきちんと整えましょう。

大容量ファイル共有ならクラウドストレージ「Box」がおすすめ

大容量ファイルを共有する際、クラウドストレージは作成・編集したファイルの中で共有の必要なものの、共有設定をするだけで済みます。ファイル転送サービスのように「一旦別のストレージにコピーする」という手間やリスクが生じません。

セキュリティ機能に優れたサービスも多く、特に「Box」は7段階のアクセス権限設定や暗号化・二要素認証・SSOなど強力なセキュリティ機能を備えます。さらに、Boxの法人向け有料プランは容量無制限です。

50世代以上のバージョン管理にも対応し、誤ってファイルを編集・削除してしまっても、いつでも以前の状態に復元できます。1,500以上のアプリを統合し、Box上で多彩なプロジェクトを一元管理できる他、協力会社のユーザーも交えた安全な承認フローなどを作成することも可能です。

まとめ

大容量ファイルの共有が必要になった際、単にファイルを送受信するだけならファイル転送サービスでも事足ります。ただしセキュリティ機能が限定的なサービスも多く、組織的な管理もしにくいため、ビジネスシーンでの多用はおすすめできません。

一方、クラウドストレージはファイルサーバ機能を備え、ファイルの共同編集機能やバージョン管理機能なども活用できます。数あるクラウドストレージの中でも、セキュリティ・容量・アプリ連携などの点で総合的にベストといえるのは「Box」です。

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