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通訳と翻訳の違いとは?依頼手順や費用相場、AI機器の可能性を解説

通訳と翻訳には、訳出の即時性やアウトプットは口頭かテキストかといった違いがあります。異なる言語話者の双方向コミュニケーションには通訳が必要です。熟練の通訳者が必要ないシーンでは、AI通訳機の活用も広がっています。

ビジネスシーンで言語を訳す必要が生じ、通訳・通訳者について理解を深めたい方もいるのではないでしょうか。本記事では、通訳者を依頼するハードルやAI通訳機の強みについて紹介します。

翻訳と通訳の違いとは?

翻訳と通訳はどちらも言語を訳す仕事ですが、明確な違いもあります。翻訳は「読んで分かる」言葉に置き換えるのに対し、通訳は「聞いて分かる」言葉に置き換える仕事です。まずは、翻訳と通訳がどのような仕事かを解説します。

翻訳とは

翻訳者(translator)は、文書や動画を対象として、ある言語から別の言語へテキストで訳すのが主な仕事です。書記言語(文字で表された言語)のみを扱う場合の他、映画やドラマなど映像作品の口頭言語(音声で表された言語)を別言語のテキストとして訳すこともあります。

例えば、英語文で書かれた書籍や文書を日本語文に訳したり、映画の中で話される日本語を英語文の字幕に置き換えたりする仕事です。どちらにせよアウトプットは目に見える形で残るため、ミスや誤訳が目立ちやすく、訳出には正確性が求められます。納期に間に合うように、推敲を重ねて訳出の質を高めなければなりません。

通訳とは

通訳者(interpreter)は、異なる言語を使う人同士が意思疎通できるように、話者の言語を相手方の話し言葉に訳して伝えるのが主な仕事です。母国語の異なる話者が参加する会議や商談などにおいて、口頭言語をリアルタイムで訳し、スムーズなコミュニケーションを補助します。

翻訳と通訳の大きな違いは、翻訳は「読んで分かる」言葉に置き換えるのに対し、通訳は「聞いて分かる」言葉に置き換えることです。また通訳は翻訳より短時間で訳出する必要があるため、通訳者には柔軟性や臨機応変な対応が求められます。

翻訳より通訳サービスが適しているプロジェクトとは

通訳は即時的に口頭で訳し、翻訳は時間をかけてテキストで訳します。通訳者と翻訳者は保有するスキルが異なるため、プロジェクトによっては通訳サービスが必要です。例えば、即時的な訳出や双方向コミュニケーションが求められるときは、翻訳よりも通訳サービスが適しています。

リアルタイムでのやりとりを求めるとき

翻訳者は時間をかけて訳したテキストを納品するのが主な仕事ですが、通訳者は会議などの場に参加し、ヒアリングから訳出までをスピーディに行うことが主な仕事です。

会議参加者や医療従事者などが話す内容をリアルタイムで母国語に変換し、会話の内容を即時的に理解したりコミュニケーションを取ったりする目的には、翻訳ではなく通訳が求められます。

正確さよりも即時性を求めるとき

通訳者に求められる訳出の精度は、翻訳者に比べると必ずしも高くありません。もちろん通訳者は正確な訳出を目指しますが、完全な訳出よりも重要なことは即時性です。このため正確性より即時性を優先し、情報の一部を省略する場合もあります。

翻訳は編集・校正やレビューの工程を通じて、アウトプットのクオリティを高めることが重要です。訳出の正確さを確保しやすい一方、高い即時性は求められません。正確さよりも即時性を求めるなら、通訳サービスを利用するのが適しています。

双方向のコミュニケーションを求めるとき

原文の意味を理解したいだけなら翻訳者が対応できますが、コミュニケーションの方向が双方向のとき、翻訳者ではなく通訳者が必要です。

通訳者は国際的な会議などの場において、異なる言語の話者の間に立ち、スムーズな双方向コミュニケーションを補助できます。例えば英語話者と日本語話者が話した内容を口頭で訳し、言語の違いを吸収して会話を成立させることが可能です。

言語化されない情報も求めるとき

比喩表現や慣用表現、時事問題に絡むユーモアなどのニュアンスをいかに訳すかは、通訳者と翻訳者の両方にとって難しい課題です。

特にリアルタイムな会話の中では、ボディランゲージを組み合わせたり重要な単語が省略されたりすることもあります。口調・抑揚・声色の意味も汲み取り、ターゲット言語の文化に合わせて訳出することが必要です。話し言葉特有の表現を的確に訳すには特殊なスキルが求められるため、言語化されない情報も求めるなら通訳者の採用が向いています。

通訳・翻訳者の就業形態

通訳者はフリーランス・社内通訳・ガイド通訳といった就業形態があります。社内通訳として専任の通訳者を雇用することもできますが、企業規模や業態によってはフリーランスやガイド通訳と適宜契約することも一般的です。ここでは、通訳者がどのような働き方かを解説します。契約の際はキャリアや得意分野の参考になるでしょう。

フリーランス

通訳者の大半はフリーランスです。多くの通訳者が専門の派遣会社に登録したり、個人事業主として経営したりして活躍しています。とはいえ高度な逐次通訳や同時通訳ができる人材は希少です。翻訳家・大学教員・文筆家など他の仕事と兼業している方も珍しくありません。

未経験可など比較的難易度の低い案件から、IT・金融・医療などさまざまな分野で実績を積むことが一般的です。通訳者の人柄や雰囲気を重視するクライアントもいるため、身だしなみや作法にも気を使える方も多いでしょう。

社内通訳

社内通訳は、外資系企業やテレビ局などの企業に入社し、専任の通訳者として活躍する働き方です。正社員や契約社員として雇用される他、業務委託契約を締結する就業形態もあります。

日常的に通訳が必要な企業に所属し、定例会議への参加やイベント・出張への同行などを通じて、日々通訳者としてのスキルを磨く働き方です。社内通訳者として経験を積み、実績や能力が報酬に反映されやすいフリーランスへ転向する方も珍しくありません。

ガイド通訳

ガイド通訳は、主に訪日外国人を対象に、日本各地の文化・伝統・生活習慣などを外国語で紹介する働き方です。観光ガイドとしての役割があるため、他の通訳業務とは異なり、発言する内容を自身で考える必要があります。

無資格でも有償の通訳案内業務を行うことは可能です。国家資格である全国通訳案内士に合格・登録すると、JGA(日本観光通訳協会)による無料業務紹介や旅行会社とのマッチング会なども利用できます。

主な案件は訪日外国人の観光ツアーに同行して日本各地を案内するものです。日本企業の研修や視察に訪れた外国人を案内したり、バイヤーの買い付けに同行したりする案件もあります。

通訳を依頼する際の手順と費用相場の傾向

通訳を依頼するに当たっては、通訳者がなぜ必要なのかを再整理した上で、依頼の詳細を固めることが大切です。通訳者・企業によって実績や得意分野は異なるため、希望に適う通訳サービスかどうかを慎重に精査しましょう。なお、費用相場は通訳者のランクやシーン・言語別で異なります。

なぜ通訳者が必要なのかを再整理

企業が通訳者を必要とする理由はさまざまです。例えば「外国語で交渉できる人材がいない」「重要な商談の言語面のサポートを万全にしたい」といった状況が考えられます。目的に応じて目指すべき成果も変わるでしょう。

正確な訳出には深い業界知識が求められることも多く、目的や成果によって必要な通訳者のレベルも変わります。検討の結果、AI通訳で事足りることが分かれば、通訳者の発注は必要ありません。このため「なぜ通訳者が必要なのか」という根本的な問題から再整理することが大切です。

依頼の詳細を固める

通訳者を依頼する必要性や目的・成果を再整理したら、通訳会社に発注する前に、依頼の詳細を固めます。依頼する目的・日時・案件名の他に、対面形式かオンライン形式かを明確化することが必要です。対面の場合は場所、オンラインの場合は使用するWeb会議システムなども確認しておきましょう。

また通訳形式は「逐次通訳」「同時通訳」「ウィスパリング通訳」といった種類があるため、案件に適した形式を選ぶことも大切です。

実績や得意分野が明確な通訳者・企業を選ぶ

依頼の詳細を固めたら、派遣契約か業務委託契約かという就業形態を決めた上で、依頼先(通訳・翻訳専門会社やマッチングサービス、クラウドソーシングなど)を選びましょう。

日常的に通訳する必要がある場合、同じ通訳者を中長期的に活用できる派遣契約が向いています。反対に、特定のイベントなど単発または散発的な通訳が必要な場合、場面に応じた通訳者を適時活用できる業務委託契約が向いているでしょう。

実績と評判は客観的な判断が難しい場合もあります。専任の通訳コーディネーターを手配する企業なら、案件ごとに最適なサービスを提案でき、計画に不安のある方でも安心です。

またIT・金融・不動産などの業種によって、通訳者に必要な業界知識は異なります。得意分野や取り扱い言語も加味して、目的を叶えられそうな企業を選びましょう。

費用相場はレベル・シーン・言語別で異なる

費用相場は一概にはいえませんが、専門性が上がるほど料金も高くなります。通訳者にはS・A・B・Cといったクラス分けがあり、日常会話レベルの通訳ができるCクラスより、国際会議や医療分野など専門性の高いスキルを持つSクラスのほうが高額です。

シーン別でも費用は異なります。会食や現地視察に比べて、商談やシンポジウムのほうが、単価は高い傾向です。

言語別でも、対応できる通訳者の希少性に応じて費用は変わります。日英通訳よりも、希少言語通訳のほうが高額な傾向です。また発言者と通訳者が交互に話す逐次通訳より、聞き手の耳元でささやくように通訳するウィスパリング通訳や、通訳ブースから即時に訳す同時通訳のほうが高額になります。

通訳費用以外にも、対面形式の場合は交通費や宿泊費、同時通訳なら機材・通訳ブースの費用などもかかるため、決して安価なサービスではありません。

AI時代に通訳・翻訳者は不要?

AI通訳機は対応言語が多く、訳出の精度も高くなっており、即時性や利便性の観点で活用場面は広がっています。一方で表情やボディランゲージを把握できないため、場面によっては依然として通訳者が必要です。通訳者が必要なシーンとして、各国の首脳・大臣・大使などが出席する国際会議の場を挙げられます。

反対に、熟練の通訳者を必要としないシーンでは、AI通訳機は有力な選択肢です。例えば出張中のコミュニケーションや海外拠点との会議、建設現場の外国人労働者や店舗の訪日外国人客の応対には、ハンディ型のAI通訳機が活躍します。自社の課題によっては、AI通訳機が最適なソリューションとなり得るでしょう。

AI通訳機「POCKETALK(ポケトーク)」で通訳採用の悩みを解決!

通訳者は手配に手間がかかり、費用も高額になることがあります。希少言語の通訳や、複数言語の同時対応を求めるなら、なさおらです。「通訳者じゃなくてもカバーできるシーンならAI通訳機を使いたい」というニーズがあっても、訳出の精度や対応力には懸念もあるでしょう。

こういった悩みをスマートに解決できるのが、80以上の言語に対応するAI通訳機「POCKETALK(ポケトーク)」です。音声認識・カメラ翻訳やテキスト表示・音声出力の機能を備え、翻訳にも通訳にも瞬時に対応できます。

高度な通訳スキルが求められる医療現場でも多数の導入実績があり、ハンディ端末1つでスピーディに高精度の通訳ができるのは大きな魅力です。

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まとめ

通訳と翻訳には、即時的に口頭で訳すか、時間をかけてテキストで訳すかという違いがあります。発言者と聞き手の理解できる言語が異なる場合、双方向コミュニケーションには通訳が必要です。通訳者を依頼するには手間・費用などの課題があるため、シーンによっては利便性の高いAI通訳機を活用しましょう。

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