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店舗移転に伴う手続きや費用は?新店舗で備えたい設備投資もチェック

店舗の移転は業績改善やリブランディングなどを目的に実施します。現店舗の閉店と新店舗の開店、両方にさまざまな手続きと費用が必要になるため、早めに計画の詳細を詰めましょう。飲食店の場合、フリーWi-Fiの提供を前提とした設備投資も重要です。

店舗経営に何らかの課題を抱えており、間違いのない店舗移転のポイントが知りたい方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では飲食店を中心に、店舗移転の目的・メリットや手続き、成功のコツなどを紹介します。

店舗の移転に適した5つの状況

店舗を移転したいと考えるタイミングにはいくつかのパターンがあります。具体的には以下のような状況および目的があるときです。

1.好立地エリアで集客力と売上を上げたい
地域経済を支えた工場や大学の移転に伴うターゲット層・固定客の激減などをきっかけに、より集客の見込めるエリアへ移転して業績不振を改善したい。

2.事業規模の縮小で経営改善したい
固定費がかかり過ぎて赤字体質だったり、人手不足で手が回らなかったりする場合、よりコンパクトな経営ができる店舗に移転すれば経営改善ができるのではないか。

3.事業規模を拡大してさらなる飛躍がしたい
人気店で店舗が手狭になり、より十分なスペースや客席が必要になった。

4.リブランディングと店舗コンセプトを打ち出したい
店舗の業態・性質やイメージに合ったエリアへ移転したい。あるいは新たな土地でより強く独自性を打ち出し、他店との差別化を図りたい。

5.経営目標やニーズ変化に合わせて業態を転換したい
カフェスペース併設のコワーキングスペースを出店するなどし、事業継続性を向上させたい。

店舗を移転する流れ

店舗移転には現店舗の閉店と新店舗の開店が必要です。現店舗の経営状況などによって移転の流れは異なりますが、おおむね以下のような順序で進めます。

1.移転先の店舗探し
2.店舗移転のお知らせ
3.現店舗の閉店
4.新店舗の開店準備
5.新店舗の開店

ここでは、各プロセスの概要やポイントを解説します。

1.移転先の店舗探し

店舗の移転を考え始めたら、早めに移転先店舗を探しましょう。新店舗のコンセプトを大まかに決め、事業計画・資金計画を立てつつ、優良物件の見逃しがないようにアンテナを張っておくことが大切です。

後悔のない物件探しにはさまざまなリサーチが必要となるため、十分な検討期間を確保しましょう。エリアの通行量・客層や駅からの動線、競合店や仕入れのしやすさなど、周辺環境のリサーチも必須です。

2.店舗移転のお知らせ

新店舗の開店にめどがついたら、顧客や仕入れ先などに、手紙やメールで店舗移転の旨をお知らせしましょう。通知漏れを抑えるために、WebサイトやSNSにも「店舗移転のお知らせ」を掲載します。閉店日はもちろん、開店日や移転後の新住所・地図・電話番号・営業時間なども記載しましょう。

店舗移転のお知らせには、リピーターや取引先を大事にするという意味の他に、新店舗のブランディングという意味もあります。例えばオープニングイベントで特定の属性のキーマンを招待し、新店舗のコンセプトに合ったコミュニティを形成することも狙えるでしょう。

3.現店舗の閉店

現店舗の閉店には各種手続きや工事が必要になります。賃貸物件の場合、物件の貸主や管理会社に解約予告をしましょう。退去時には原則として内装や外装の原状回復が必要です。

内装を取り払って必要な修繕を行うか、建物の骨組み以外の内装がないスケルトン状態まで戻すかによって、修繕・解体にかかる費用が変わってきます。賃貸契約書の原状回復条項を確認しておきましょう。またリース契約の厨房機器の解約、移転先で就業できない従業員の解雇予告も必要です。

4.新店舗の開店準備

新店舗の開店日に間に合うように、内装・外装の工事などの準備を進めましょう。主な施工内容は以下の通りです。

・床や壁の施工
・照明・陳列棚・テーブル・椅子など什器の搬入と設置
・リースの厨房機器の搬入と設置
・電気工事とインターネット・Wi-Fi環境の整備
・看板の制作と施工

現店舗から流用する什器などもピックアップしておきましょう。施工業者の手配やスケジュール調整は複雑になりがちなため、専門のデザイン・施工業者に依頼するのもおすすめです。

5.新店舗の開店

準備が整ったら新店舗を開店し、営業をスタートさせます。開店キャンペーンを開催するなど、スタートダッシュのために集客施策も検討しておきましょう。

SNSを活用して新店舗の模様を写真や動画で配信すれば、開店準備中から期待感を高められます。新店舗の認知向上やブランディング、既存顧客の誘導などに活用できるため、情報発信にも力を入れましょう。

店舗の移転に伴う手続きと費用

現店舗の閉店と新店舗の開店のどちらにも、行政機関への書類提出が必要です。さまざまな費用もかかるため、抜け漏れがないように注意しましょう。飲食店の場合、開店前に、新店舗のLANケーブル配線やWi-Fi環境整備を計画することも大切です。ここでは、現店舗の閉店と新店舗の開店それぞれについて、必要な手続きと費用を解説します。

現店舗の閉店に必要な手続き

現店舗を閉店する際、複数の行政機関に書類を提出しなければなりません。業態や保険加入の有無などによって提出書類は異なりますが、飲食店の場合は以下のような書類を提出します。

・税務署:個人事業の開業・廃業等届出書、給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書などの提出
・保健所:廃業届の提出や飲食店営業許可書の返却
・警察署:風俗営業許可を得ている場合、返納理由書や許可証を返納
・消防署:防火管理者解任届出書の提出
・公共職業安定所:雇用保険適用事業所廃止届、雇用保険被保険者資格喪失届、雇用保険被保険者離職証明書の提出
・日本年金機構:健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届、雇用保険適用事業所廃止届出(事業主控)のコピーの提出
・労働基準監督署:労働保険確定保険料申告書の提出

現店舗の閉店にかかる費用

現店舗の閉店に際しては以下のような費用がかかります。営業終了後にも契約を解約するまでにかかる費用があるため、計算漏れがないように注意しましょう。

・解約予告期間分の賃料や水道光熱費
・原状回復工事の費用
・廃棄物の処理費用
・リース契約の途中解約違約金
・従業員の給料や解雇手当

新店舗の開店に必要な手続き

新店舗の開店にも、複数の行政機関へ書類の提出が必要です。業態によって提出書類は異なりますが、飲食店の場合は以下のような書類を提出します。

・税務署:開業届の提出
・保健所:開業届や飲食店営業許可証の申請
・警察署:深夜酒類提供飲食店営業開始届出書や風俗営業開始届出書の提出
・消防署:防火管理者選任届出書や防火対象物設備使用開始届書などの提出

新店舗の開店にかかる費用

新店舗の開店に当たっては以下のような費用がかかります。

・物件取得費(保証金・礼金・仲介手数料・前賃料など)
・店舗設備費(内外装工事費・看板施工費・店舗クリーニング費など)
・宣伝広告費
・初期仕入れ費用
・運転資金

コワーキングスペースなどでテーブルやカウンターにコンセント・スイッチを埋め込み、「各席コンセント」「Wi-Fi完備」とするなら、造作家具のオーダーや電気工事・Wi-Fi機器導入にかかる費用も計算に入れておきましょう。

フリーWi-Fiを提供して訴求力を高めたり、フードデリバリー代行サービスの導入でWeb経由の売上も確保したりする場合、インターネット・Wi-Fi環境の改善はいずれ検討することになります。壁・床・天井の施工がしやすい開店前の段階で、拡張性を見込んでLANケーブル配線をすることも検討しましょう。

【関連記事:店舗・飲食店におすすめのWi-Fiは?ケース別の導入方法や選び方

店舗移転の物件選びを成功させるコツ

移転先店舗を探す際、現地の不動産会社や仕入れ業者などが持つ「未公開物件」の情報を収集することや、現地に足を運んでリサーチすることが重要です。また「居抜き売却」で開店資金を確保することも考えられるでしょう。ここでは、新店舗の物件選びを成功させるコツを解説します。

複数チャネルで優良物件を探す

希望のエリアで条件に合った物件があるかどうかを、自力で見つけるのは困難な場合もあります。有益な情報を持っている業者と良好な関係を築き、優良物件の情報を手に入れやすくしましょう。

現地の物件情報に強い不動産会社の他に、仕入れ業者が繁盛店の傾向や閉店の情報などに明るい場合もあります。既存顧客・見込み顧客の声をヒアリングし、ターゲット層から見た最適なエリアや物件の傾向を分析するのも参考になるでしょう。

現地に足を運んでリサーチする

新店舗での事業を成功させるなら立地は重要なポイントです。例えば駅の北側と南側、繁華街と住宅街では、通行量も雰囲気も大きく異なる場合があります。通りが1本違うだけで、通行量や集客力に差が出るエリアもあるでしょう。

そこで、希望エリアに足を運び、街を歩いてみるのがおすすめです。街の雰囲気や昼と夜の通行量の違い、営業時間帯にターゲット層を集客できそうかどうか確認しましょう。内見の際は店舗内の動線を確認しておくことも大切です。

「居抜き売却」で開店資金を確保する

店舗移転の費用を抑えるなら、専門の事業者が手がける「居抜き売却」を選択するという方法もあります。内装や設備を撤去せずに売却することで、高額になりがちな原状回復工事がかからず、むしろまとまった売却益を得ることも可能です。浮いた資金を新店舗の開店費用に充てることもでき、設備投資や広告宣伝を考えやすくなるでしょう。

「かんたんWi-Fi」の高性能APで新店舗の集客力アップ

新店舗がどのような業態でも、集客力を高めるならWi-Fi環境の整備は重要です。Wi-Fi完備の店舗は日本人だけでなく外国人旅行客にもニーズが高いため、新店舗の魅力の1つとしてアピールしましょう。

充実したWi-Fi環境を低コストで整備するなら、イッツコムの「かんたんWi-Fi」がおすすめです。高性能なWi-Fiアクセスポイント(AP)を何台でも自由に設置でき、複雑な構造の店舗でも快適なWi-Fi接続を提供できます。

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【関連記事:Wi-Fiのアクセスポイントとは?LANの仕組みや機器の機能も一挙解説

まとめ

店舗の移転は業績改善やリブランディングなどを目的に実施します。現店舗の閉店と新店舗の開店、両方にさまざまな手続き・費用が必要になるため、早めに計画の詳細を詰めることが大切です。

新店舗でフリーWi-Fiを提供する場合、APをどこに何台設置するのが最適かも検討し、LANケーブルをなるべく露出させずに配線しましょう。

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