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インターネット回線の種類や調べ方と比較検討のポイントを解説

インターネット回線は固定回線とモバイル回線に大別でき、固定回線は光回線が主流です。サービス事業者によって、IPv6 IPoE対応か、固定IPアドレスの払い出しに対応できるかなどの違いがあるため、特にビジネスユースの場合はスペックを細かく比較しましょう。

そこでこの記事では、インターネット回線の種類や選定ポイントについて紹介します。

主なインターネット回線は光回線とモバイル回線

インターネット回線はプロバイダの設備まで有線接続する固定回線と、無線接続するモバイル回線に大別できます。固定回線は家庭向け・法人向けともに光回線が主流です。まずは、インターネット回線にはどのような種類があるかを解説します。

光回線:光ファイバーケーブルによる固定回線

光回線は国家が重要な社会インフラと位置付けるブロードバンド回線で、固定回線の代表格です。最大通信速度は上り・下りともに1Gbpsが標準です。基本的に通信制限はかかりません。

プロバイダの設備まで光信号でデータ伝送するため、導入に当たって光ファイバーケーブルを物件内に引き込む回線工事を行います。導入時の手間を除けば、安定して常時接続できるというメリットは強みであり、家庭向け・法人向けともに主流のインターネット回線です。

提供事業者も豊富で、フレッツ光や光コラボ(光コラボレーションモデル)といったNTT系の他、電力会社やケーブルテレビ局が自前のインフラを活用して整備した独自回線も選べます。

【関連記事:独自回線と光回線は何が違う?光回線の種類一覧と特徴を徹底整理

ADSL:アナログ電話回線による固定回線

ADSLは光回線が台頭するまで主流だった、アナログ電話回線を用いて高速データ通信をする固定回線です。2000年代初頭では画期的なブロードバンド回線でしたが、光回線のインフラ整備と普及率拡大が進み、ADSL提供事業者は撤退を表明しています。

【フレッツ・ADSL】
・2022年1月末以前にフレッツ光提供となっていたエリア:2023年1月末サービス終了
・その他の全てのエリア:2025年1月末サービス終了

【Yahoo! BB ADSL】
・2024年3月末サービス終了

ADSLは離島や山間部など一部地域を除いて利用できなくなっており、2025年1月末には完全にサービス終了となる見込みです。ADSLサービスの契約者には光回線やモバイル回線への乗り換えが推奨されています。

CATV:CATV回線による固定回線

CATVはケーブルテレビ局が放送用のメタル回線(CATV回線)を用いて提供するインターネット回線です。無線放送とは異なりケーブルを通じて双方向通信ができるため、放送用と通信用の信号を同時に送受信してインターネット回線としても活用します。

テレビ放送やインターネット回線に加えてIP電話もセット契約できるなど、主要な放送・通信サービスを総合的に提供する事業者も一般的です。ただし、インターネット速度は光回線ほど速くありません。

なお、局内からのCATV回線網を光ファイバーケーブル網に置き換え、テレビ放送・光回線・光電話を一括提供する事業者も増えています。

モバイル回線:5GやWiMAXによる無線通信

モバイル回線は4G・5GやWiMAXなど、デバイスから基地局まで無線通信するタイプのインターネット回線です。携帯電話のキャリア回線と同様に、持ち運びを前提としたモバイルWi-Fiルーター、または据え置きを前提としたホームルーターとセットで契約します。

スマホと同じく機器内にSIMカードを挿入し、SIMカード内に登録された契約情報に基づいて、電波でデータを送受信するものです。固定回線とは異なり、導入時に開通工事が必要ありません。

ただし通信経路上で電波干渉を受けやすく、スペック上の通信速度(理論値)は高速でも、光回線には劣る傾向があります。また電波の混雑を回避するために、利用制限のあるサービスが一般的です。

【関連記事:Wi-Fi6とは?5Gとの違いやメリット、おすすめ機器をわかりやすく解説

インターネット回線の契約情報や通信速度の調べ方

利用中のインターネット回線について、「どの事業者のどのプランを契約しているか」がはっきりと分からない場合もあるでしょう。これらを調べるには、契約書などから契約情報を確認したり、配線や設置機器から判断したりする方法があります。またインターネット回線の実効速度については、無料のWebサービスで簡単に測定可能です。

契約情報を確認する方法

利用中のインターネット回線は、契約書を確認すれば事業者情報や回線種別・プラン内容などを読み取れます。契約書が見つからない場合、引き落とし口座の通帳やクレジットカードの利用明細書、契約内容を記載したメールなどからも判断可能です。

サービス紹介冊子や取扱説明書が残っていれば、事業者の名称や電話番号などを確認でき、詳細な契約内容の問い合わせができます。

配線や設置機器から判断する方法

固定回線の場合はコンセントやケーブルの種類、接続機器に記載された情報を確認する方法もあります。

・ADSL:モジュラージャックからモジュラーケーブルでスプリッタやADSLモデムを接続
・CATV:アンテナ端子から同軸ケーブルで混合分配器やケーブルモデムを接続

光回線の場合、戸建てタイプは室内に直接光ファイバーケーブルを引き込むため、判断が容易です。集合住宅や商業ビルの場合、建物内の配線方式によりコンセント・ケーブル・機器の種類が異なります。

・光配線方式:光コンセントから光ファイバーケーブルでONU(光回線終端装置)を接続
・LAN方式:LANケーブル差込口からLANケーブルでPCやルーターを接続
・VDSL方式:モジュラージャックからモジュラーケーブルでVDSL装置を接続

インターネット回線の通信速度を測定する方法

インターネット回線はサービスによって通信速度がさまざまです。契約中のインターネット回線の通信速度を知りたい場合、Google検索で「スピードテスト」をキーワード検索してみてください。インターネット回線スピードテストの無料サービスが複数ヒットするでしょう。

スピードテストのサイトにアクセスすれば、上り速度(アップロード速度)・下り速度(ダウンロード速度)などの測定ができます。サイトによってはどの程度快適にインターネット利用できるかという目安も表示されるため、回線乗り換えの指針を得る手段としても便利です。

光回線とモバイル回線はどちらがおすすめ?

ADSLはサービス終了が確定しており、ケーブルテレビ局もCATV回線によるインターネット回線から光回線に移行中です。つまり、実質的に固定回線の有力な選択肢は光回線のみといえます。ただし、状況によってはモバイル回線も選択肢になり得ます。

ここでは、ニーズの違いに応じて、光回線・モバイル回線どちらを選ぶべきかという判断基準を見ていきましょう。

光回線がおすすめな方

光回線は常時接続を前提とした固定回線のため、基本的に通信容量の制限がなく、モバイル回線よりも通信速度・安定性に優れます。光回線は以下のような方におすすめです。

・通信の速さや安定性を重視している
・通信容量や速度制限を気にせずインターネットを利用したい
・長期的な契約を考えている
・動画やゲームなど大容量通信が多い

モバイル回線がおすすめな方

モバイルWi-Fiルーターは持ち運びができ、出先のインターネット接続に重宝します。これは光回線にはないメリットです。モバイルWi-Fiルーターもホームルーターも、回線工事は必要ありません。ただし常時接続を前提とするなら光回線のほうが有利です。モバイル回線は以下のような方に向いているでしょう。

・物件のルールやサービス提供エリアの問題で光回線を導入できない
・工事不要でインターネットを利用したい
・1日でも早くインターネットを利用したい
・インターネット利用が少なく常時接続環境は必要ない

インターネット回線を選ぶポイント

インターネット回線を比較する際、いくつかの注目すべきポイントがあります。基本的な比較ポイントは通信速度の速さやコストパフォーマンスです。サービス提供エリア内の回線しか利用できないことにも注意しましょう。IPv6 IPoE対応かどうか、固定IPアドレス払い出しの可否、NTT系か独自回線かもチェックしたいポイントです。

通信速度の速さで選ぶ

快適にインターネットを利用するには、利用目的に応じた通信速度が必要です。光回線の最大通信速度は上り・下りともに1Gbpsが一般的で、2Gbps・5Gbps・10Gbpsといった高速回線を提供する事業者もあります。

モバイル回線は光回線より通信速度が遅い傾向で、特に上り速度は低速です。長距離無線通信は電波干渉の影響を大きく受けるため、実効速度(実際の通信速度)は理論値(スペック上の最大通信速度)を大きく下回る場合があります。

特にビジネスユースの場合は通信速度が重要となるため、オフィスや店舗のインターネット回線は光回線がおすすめです。

コストパフォーマンスで選ぶ

インターネット回線を契約すると初期費用や月額料金がかかります。主な初期費用は、光回線なら開通工事費、モバイル回線なら端末代金です。サービスによってはこれらの分割払い、分割払い分を相殺する形での工事費・端末代金の実質無料、乗り換えユーザー向けのキャッシュバックなどを提供しています。

確実にかかるのは回線使用料やプロバイダ料金といった月額基本料金ですが、これらもサービスによっては一定期間の割り引きを実施していることがあります。

料金の安さだけで選ぼうとすると、パフォーマンスに満足できないなどの問題も起こりかねません。しっかりとスペックを比較しましょう。

サービス提供エリアで選ぶ

インターネット回線はサービスによって提供エリアが異なります。自宅やオフィスの所在地によって、利用できるサービスは限定されることに注意しましょう。

例えば5Gbpsや10Gbpsなどの超高速光回線は提供エリアが限定的で、利用したくても選択肢から除外せざるを得ない場合があります。モバイル回線も高速通信が期待できる5Gの提供エリアは現状、限定的です。事前にサービス紹介ページから提供エリアを確認しておきましょう。

IPv6 IPoE対応のサービスを選ぶ

インターネット回線は加入者側のネットワーク端末からプロバイダの設備まで、つまりインターネットの入り口までをつなぐアクセス回線です。

従来のインターネット接続方式「IPv4 PPPoE」は、プロバイダの設備で認証を行うため、接続ユーザーの多い時間帯は渋滞が発生します。これは夜間や休日に通信速度が遅くなる根本的な原因の1つです。

新方式の「IPv6 IPoE」はアクセス回線そのもので認証を行うため、接続ユーザーが多い時間帯でも快適に通信できます。通信の安定性を求めるなら、IPv6 IPoEに対応している事業者・プランを選びましょう。

【関連記事:Wi-Fi6とIPv6の違いとは?メリットや利用方法をわかりやすく解説

固定IPアドレス払い出しの可否で選ぶ

インターネット回線を通じて外部からリモートアクセスなどをする場合、固定IPアドレスの払い出しに対応していることも重要なポイントです。IPアドレスはインターネットに接続する機器の住所のようなもので、動的IPアドレスと固定IPアドレスに分かれます。

・動的IPアドレス:機器の再起動や回線の再接続の際に自動的に別のアドレスが割り当てられる
・固定IPアドレス:再起動や再接続にかかわらず常に同じアドレスを利用する

社内でVPNサーバを運用したりWebサーバ内に保存した自社サイトを公開したりする場合、固定IPアドレスが必要です。固定IPアドレスの払い出しは基本的に法人向けのサービスであるため、必要であれば法人向けサービスを選択肢に入れましょう。

NTT系か独自回線かで選ぶ

光回線の場合、NTT系か独自回線かを検討することもポイントです。フレッツ光や光コラボは圧倒的な全国エリアカバー率を誇りますが、回線を共有する契約ユーザー数が多過ぎるため、思ったほど通信速度が出ない場合もあります。

契約ユーザー数の少ない独自回線は、事業者ごとに提供エリアは限られる一方、通信速度の高い安定性を期待できることがポイントです。

またNTT系の光回線と独自回線を併用することで、一方の回線に障害が起こっても、もう一方の回線でインターネット接続を継続できます。同じ考え方で、光回線とモバイル回線を併用することも有効です。

【関連記事:インターネット回線の冗長化とは?仕組みや具体的な構成例を一挙解説

オフィスや店舗のインターネット回線を強化するならイッツコム!

イッツコムは安定・快適な独自回線「イッツコム光接続サービス」と、ビジネス用モバイル回線として最適な「法人データSIM」を提供しています。オフィスや店舗に加え、営業担当者や建設現場・イベント会場などのインターネット回線も、一括提供が可能です。

安定・快適な独自回線「イッツコム光接続サービス」

オフィスや店舗に導入するインターネット回線は、通信速度・安定性が高く、速度制限のかからない光回線がおすすめです。しかし法人向け光回線は家庭向けのものより高価な場合が多く、選択肢に悩むかもしれません。

「イッツコム光接続サービス」なら、下り最大2Gbps・上り最大1Gbpsの高速回線を、家庭向け光回線並みの低コストで導入できます。IPv6 IPoEに標準対応するため、時間帯によらず安定した通信ができることも魅力です。シンプルなサービス構成により、固定IPアドレスとのセット契約でも安価に利用できます。

またイッツコム自前の光回線網による独自回線であるため、NTT系光回線の障害発生時に継続利用でき、2回線目の光回線としても最適です。

ビジネス用モバイル回線なら「法人データSIM」

オフィスや店舗のインターネット回線は法人向けの高速光回線が最適ですが、出先の営業担当者などモバイルワーカー向けにはモバイル回線の契約を検討しましょう。

イッツコムの「法人データSIM」は、NTTドコモ回線を使用するため、NTTドコモのサービスエリア内ならどこからでもインターネット接続できます。

法人向けならではの「シェアプラン」なら、複数SIMカードをお得なセット料金で利用できる上、データ容量を複数ユーザーでシェアできます。ユーザー間で月間通信量に差があっても、コストの無駄を抑えられるのがメリットです。

また、モバイルWi-Fiルーターとのセット契約も可能です。Wi-Fi経由で複数デバイスからインターネット接続ができるようになり、光回線を導入できない建設現場やイベント会場などで活躍するでしょう。

まとめ

オフィスや店舗のインターネット回線は、月額定額制で使い放題の高速光回線がおすすめです。営業担当者や建設現場・イベント会場などのインターネット回線としては、法人向けのデータSIMカードが便利に活用できます。

イッツコムなら「イッツコム光接続サービス」と「法人データSIM」により、施設内外のインターネット利用のニーズに対応できます。インターネット回線の導入をお求めなら、ニーズに合った柔軟な提案ができるイッツコムにご相談ください。