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店舗・飲食店におすすめのWi-Fiは?ケース別の導入方法や選び方

店舗・飲食店はWi-Fi環境を整えることで売上アップや店舗運営の効率化を期待できます。しかし、どのようにWi-Fi環境を整備すればよいか、具体的によく分からないという店舗もあるでしょう。

そこでこの記事では、店舗・飲食店におすすめのWi-Fiを詳しく解説します。店舗にWi-Fiを導入するメリットやパターン別の導入方法、最適な機器の選び方についても紹介するので。ぜひ参考にしてください。

店舗にWi-Fiが必要な理由とは?

店舗・飲食店にとって、フリーWi-Fiの提供は重要な来客向けサービスの1つです。インバウンド対応という意味でも売上に影響するでしょう。またWi-Fiは業務用端末のネットワーク構築にも活用できるため、店舗運営の効率化につながります。

売上アップにつながる

スマホやインターネットの活用が一般化する中、Wi-Fi環境の整備は店舗の売上を左右する要素といえます。出先で動画視聴やゲームをするなど、通信データ量の多い利用方法も拡大しています。無料のインターネット通信ができる店舗は、来店誘導・顧客獲得の点で有利でしょう。

フリーWi-Fiは日本人だけでなく訪日外国人からもニーズが高く、Wi-Fi環境を整備するとインバウンド消費も促進できます。また店内の写真をSNSにそのままアップロードして口コミを拡散してもらえるなど、さまざまな面で売上アップの効果を期待できるのがメリットです。

【関連記事:飲食店にWi-Fiサービス導入!メリットや選定ポイントを徹底解説】

店舗運営の効率化にもつながる

POSレジや監視カメラ、デジタルサイネージなど各種電子機器を活用する店舗も多いでしょう。これらの機器をLANケーブルで有線接続すると配線が混乱しやすく、店内の美観を損ないます。

Wi-Fiを導入すれば、自由なレイアウトですっきりと各種機器を運用できる上、ケーブルに足を引っ掛けるなどのトラブルも防止可能です。

さらにタブレット注文システムやバックヤードのPC端末などもWi-Fi接続でき、従業員用のネットワークを改善して店舗運営を効率化できます。AI翻訳エンジンを搭載したハンディ端末をWi-Fi接続し、訪日外国人向けの接客力向上につなげることも可能です。

【関連記事:Wi-Fiとは?利用シーンや関連知識を初心者にも分かりやすく解説】

店舗のWi-Fi導入はインターネット回線とセットで考えよう

店舗にWi-Fi導入する際、インターネット回線とセットで考えることが大切です。インターネット回線がなければWi-Fi経由のインターネット接続はできません。店舗で活用するインターネット回線は主に、固定回線(光回線)・モバイル回線(ホームルーターまたはモバイルWi-Fiルーター)のいずれかです。

Wi-Fi利用にはインターネット回線が必要

来客にフリーWi-Fiを提供するなど、店舗からWi-Fi経由でインターネット接続をするには、Wi-Fi環境だけでなくインターネット回線も必要です。

Wi-Fiは社内LANやホームネットワークといったLAN内における無線通信技術で、Wi-Fiの親機(Wi-Fiルーターなど)と子機(PCやスマホなど)を無線接続するのに用います。

インターネット回線はLANからプロバイダの回線設備まで、つまり「インターネットの入り口までを接続する」アクセス回線です。

この関係はコードレス電話と同様で、外部と電話をするための電話回線がインターネット回線に当たり、親機・子機間を電波でつなぐ無線通信技術がWi-Fiに当たります。

【関連記事:光回線とWi-Fiの違いとは?法人におすすめのWi-Fi環境整備を解説】

インターネット回線は固定回線とモバイル回線の2種類

インターネット回線は固定回線とモバイル回線に大別されます。固定回線の代表格は光回線です。光ファイバーケーブル網によるアクセス回線であるため、導入の際は回線工事を行い、店舗の中に物理的な回線を引き込みます。

モバイル回線は携帯電話と同じように4G LTEや5Gなどの移動通信システムを利用するものです。長距離無線通信によりプロバイダの設備と接続するため、導入に当たって回線工事は必要ありません。

光回線の店舗導入イメージ

光回線は安定した高速通信ができるため、店舗のインターネット回線として有力な候補です。導入時には回線事業者とプロバイダを別々またはセットで契約し、店舗内に光コンセント・ONU(光回線終端装置)・Wi-Fiルーターを設置します。

・光コンセント:アクセス回線の終端
・ONU:光信号と電気信号を変換する機器
・Wi-Fiルーター:インターネット接続機能とWi-Fi機能を兼ね備えた機器

上記3つの接続は回線工事の際に完了するため、運用時にはWi-Fiルーターとデバイスを随時Wi-Fi接続します。

モバイル回線の店舗導入イメージ

店舗に導入するモバイル回線の候補となるのは、モバイルWi-Fiルーターとホームルーターの2種類です。いずれも端末自体がモバイル回線によるインターネット通信機能とWi-Fi機能を兼ね備えるため、その他の設備は必要ありません。

モバイルWi-Fiルーターは持ち運び可能な小型機器で、ホームルーターは据え置きを前提とした、筐体が大きめの機器です。

どちらも電源を接続すれば店舗内のWi-Fi設備として機能します。契約後すぐに使い始められますが、通信速度や通信制限の面で光回線に劣るサービスが多いことは注意点です。

【店舗のおすすめWi-Fi】インターネット回線未導入店舗の場合

インターネット回線未導入の店舗がフリーWi-Fiを提供する場合、光回線やモバイル回線の契約が必要です。光回線を導入するとWi-Fiルーター(ホームゲートウェイ)経由でインターネット接続ができるようになります。光回線を導入できない場合、ホームルーターやモバイルWi-Fiルーターを店舗に据え置きすることも可能です。

1.光回線+Wi-Fiルーター

インターネット回線未導入店舗がまず検討したいのは、「光回線+Wi-Fiルーター」という構成です。インターネット通信速度は一般的な光回線でも下り最大1Gbpsで、2Gbps以上の高速回線も選択できます。

モバイル回線は長距離を電波で無線通信するため、通信速度が不安定になりがちです。その点、光回線は電波干渉をほとんど受けない光ファイバーケーブルでデータ通信し、安定した高速通信ができます。

月額料金は定額制で、通信制限もかかりません。法人向けサービスの選択肢も豊富です。Wi-Fiルーター(ホームゲートウェイ)はプロバイダからレンタルを受けられる他、サービスによっては市販品に買い替えもできます。

2.ホームルーター

光回線を導入できない店舗の場合、ホームルーターの月額契約が有力な選択肢です。電源コードを挿すだけでWi-Fi環境を導入できるため、LAN配線が難しいバックヤードやイベント時の一時的な出店などにも対応できます。将来的に光回線を契約しても、バックアップ回線として継続利用できるのもポイントです。

ただし個人向けサービスが多く、法人向けサービスは限られます。電波によるアクセス回線のため公表値より実効速度は遅くなりやすく、大容量のデータ通信をすると通信制限がかかるケースもあることは懸念点です。

3.モバイルWi-Fiルーター

小規模な運用なら、月額料金が安価なモバイルWi-Fiルーターを店内に据え置きすることも考えられます。

充電ケーブルを挿したままにすれば店舗利用もできますが、持ち運びが前提の機器です。小さな筐体に必要最低限の機能を詰め込んでいるため、電波強度・同時接続台数やセキュリティ機能などはホームルーターに劣ります。

法人向けサービスもありますが、1日当たりや月間の容量制限が厳しく、常時接続に向かないサービスが多いことも懸念点です。来客が多いと通信速度の低下により利便性を損ないやすいため、あくまで簡易的なWi-Fi設備として考えましょう。

【店舗のおすすめWi-Fi】インターネット回線導入済み店舗の場合

Wi-Fi接続時のインターネット通信速度は、Wi-Fi区間の最大通信速度に制限されます。インターネット回線が導入済みでも、店舗の広さ・構造や来客数などによってはWi-Fi接続に問題が生じる場合もあるでしょう。この場合はWi-Fiアクセスポイント(AP)の増設がおすすめです。APは購入またはレンタルを選べます。

Wi-Fiアクセスポイントを購入

Wi-Fiの親機が1台だけで問題ないのは、店舗面積が狭かったり、来客数(同時接続台数)が少なかったりする場合です。Wi-Fi機器の機能不足・台数不足で快適なWi-Fi環境を構築できない場合、Wi-Fiアクセスポイント(AP)の導入をおすすめします。

APはWi-Fi機能に特化した通信機器です。電源ケーブルを挿し、ルーターとLANケーブルで接続するだけで、Wi-Fiの電波を送受信する機器を好きな位置に増設できます。

APはメーカーや家電量販店から購入することもできますが、業務用APは高額です。細かい設定は全て自身で行う必要があり、購入後のサポートも限られるため、店舗スタッフによる即時のトラブル対応が難しい懸念もあります。

【関連記事:Wi-Fiのアクセスポイントとは?LANの仕組みや機器の機能も一挙解説】

Wi-Fiサービス(APレンタル)を契約

APを購入して増設するのは、店舗管理者やスタッフにネットワーク関連の知識がなければ難しいでしょう。AP導入に不安がある場合におすすめなのは、法人向けのWi-Fiサービスを契約し、高性能APをレンタルする方法です。

事前にヒアリングした要件を基に設定済みのAPが届くため、設定の手間がかかりません。壁面や天井への設置工事をセットで依頼することもでき、複数APをスムーズに増設可能です。購入すると高額なAPを月々数千円で利用できる上、電話サポートや出張修理などのサポートも受けられます。

店舗に最適なWi-Fiの選び方

店舗にWi-Fiを導入する際、業務用Wi-Fi機器を選ぶことが大切です。安価な市販品・サービスは個人や家庭での利用を想定したものが多く、性能・機能面で不十分な場合があります。Wi-Fi区間の通信速度や同時接続台数、セキュリティ機能やゲストWi-Fi対応の有無も注意したいポイントです。

業務用Wi-Fi機器を選ぶ

Wi-Fi機器は業務用と家庭用の2種類に大別されます。個人向けインターネット回線で貸与されるWi-Fi機器は、基本的に家庭用機種です。店舗ではなく自宅などにおける小規模運用を想定した機種であるため、機能が限定的で、店舗導入には懸念が残ります。

業務用Wi-Fi機器は最大通信速度・同時接続台数などが全体的に高性能です。家庭用機種よりセキュリティ機能も充実しています。

費用は家庭用Wi-Fi機器より高額になりますが、顧客満足度や売上向上のためには業務用Wi-Fi機器を選ぶことが大切です。

Wi-Fi区間の通信速度で選ぶ

最大通信速度が十分な機種を選ぶことも大切です。Wi-Fi機器は対応Wi-Fi規格によって最大通信速度に大きな差があります。例えば「Wi-Fi6」対応機種はWi-Fi区間の最大通信速度が2.4Gbps、1世代前の「Wi-Fi5」対応機種は区間最大1.3Gbpsや867Mbpsなどです。

またWi-Fi5は多台数接続時に通信の順番待ちが発生しますが、新しいデバイスの多くが対応するWi-Fi6はこの問題を解決しており、来客が多い店舗でも快適なWi-Fi通信を提供できます。

【関連記事:Wi-Fi6とIPv6の違いとは?メリットや利用方法をわかりやすく解説】

同時接続台数で選ぶ

最大同時接続台数も重視すべきポイントです。家庭用Wi-Fi機器は最大同時接続台数が10台前後という機種も多い一方、業務用Wi-Fi機器は50台以上や100台以上の同時接続に対応できるものもあります。

座席数が10席未満でも、来客は1人で複数台のデバイスをWi-Fi接続しようとする場合もあるでしょう。また監視カメラやPOSレジなどもWi-Fi接続する場合、それらの台数分を差し引いてWi-Fi機器の同時接続台数を検討することが必要です。

Wi-Fi通信をする機器が密集したり、親機・子機間にコンクリートの壁を挟んだりすると、電話の混信や減衰により通信速度が不安定になる場合もあります。子機の台数をエリアごとに想定し、導入する親機の性能や配置・台数を検討しましょう。

【関連記事:【解決】Wi-Fiの速度を上げるには?Wi-Fiの遅い原因と高速化方法を徹底解説】

セキュリティ機能で選ぶ

「フリーWi-Fiは危険」という認識で利用を敬遠される恐れもあります。Wi-Fi導入により店舗の売上アップにつなげるには、セキュリティ機能も重視したいポイントです。

基本的なセキュリティ機能として、Wi-Fi通信の認証規格には「WPA3」「WPA2」「WPA」があり、暗号化の仕組みを組み合わせてセキュリティを担保します。

最も安全な暗号化方式はAESです。WPA3はAESとの組み合わせが標準で、WPA2はAESより安全性の低いTKIPと組み合わせる場合もあります。Wi-Fi6はWPA3に標準対応するため、Wi-Fi6対応のWi-Fi機器を導入するのがおすすめです。

【関連記事:WEPとは?Wi-Fi暗号化の仕組みや脆弱性、改良の歴史を解説】

ゲストWi-Fi対応機種を選ぶ

一般的な家庭用Wi-Fi機器はゲストWi-Fi非対応のため、来客と従業員が同じSSIDでWi-Fi接続します。SSIDを共有すると、来客はWi-Fiネットワークを経由して業務用デバイスにアクセスできてしまうことが懸念点です。

業務用Wi-Fi機器はSSIDでWi-Fiネットワークを分離できる機種が多く、来客にはインターネット接続だけを提供できます。安全なフリーWi-Fiを提供するには、ゲストWi-Fi機能が必須です。

【関連記事:実店舗開業時にWi-Fiを導入!効果や押さえておきたいポイントとは?】

AP増設でWi-Fi環境を改善するなら「かんたんWi-Fi」がおすすめ!

店舗に快適なWi-Fi環境を整備するには、どのような親機を何台どこに設置するかという計画性が大切です。壁や天井にも設置できるAPは有力なソリューションですが、自社努力で設定・運用するには不安があるかもしれません。

イッツコムの「かんたんWi-Fi」なら、高性能APを初期費用0円、月額2,000円からの低コストで増設できます。設定済みのAPが届いたらケーブルを差し込むだけで運用開始でき、無料オプションでステッカー・卓上POPの作成も可能です。プロによる年中無休の電話サポートも標準付帯するため、運用中の負担も軽減できます。

電波出力の自動調整機能により、複数APを設置しても電波干渉を抑えて快適なWi-Fi通信ができます。ゲストWi-Fiにも対応し、SSIDごとやデバイスごとに通信帯域を制限することも可能です。

さらに「ハイエンド6」プランのAPはWi-Fi6対応で、Wi-Fi区間の最大通信速度は2.4Gbps、同時接続台数は1AP当たり100台です。来客に安全・快適なフリーWi-Fiを提供しつつ、業務用デバイスもストレスなくWi-Fi接続でき、店舗のWi-Fi課題をスマートに解決可能です。

なお、APの設計・工事・運用・保守をワンストップでサポートする「カスタムWi-Fi」もご用意しています。下り最大2Gbpsの法人向け光回線「イッツコム光接続サービス」とのセット導入もでき、手間をかけずに高品質なWi-Fi運用が可能です。

まとめ

店舗にWi-Fiを導入すると売上アップや店舗運営の効率化につながります。インターネット回線未導入の場合は安定性の高い光回線を導入し、ゲストWi-Fi対応のAPを増設してWi-Fi環境を整えましょう。

イッツコムの「かんたんWi-Fi」なら高性能APを簡単に増設できます。「カスタムWi-Fi」によるワンストップサポートや「イッツコム光接続サービス」のセット導入も可能です。店舗のWi-Fi運用をお求めなら、さまざまなニーズに柔軟に対応できるイッツコムにご相談ください。