外部接続に対応する社内ネットワークの構築!リスクから学ぶ安全対策
目次
外出先や自宅・シェアオフィスなど、社内ネットワークに外部接続する機会はますます増えています。だからこそ、セキュリティ対策が欠かせません。しかし、どのようなリスクにどのように備えれば良いのか分からない、という方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、外部接続に付きまとうリスクと有効なセキュリティ対策について紹介します。社内ネットワークへの正しい接続方法が分かれば、安心して多様な働き方を導入できるでしょう。
外部接続が原因の社内ネットワークへの被害
企業がもつ情報の多くはコンピューターで管理されています。取引上のやり取りや、社員同士の意思疎通に使っているのもコンピューターです。スピーディーで管理しやすいため、今やコンピューターなしのビジネスは考えられません。一方、それに伴う犯罪も増加しています。どのような被害が実際に起きているのか、詳しく見てみましょう。
外部接続によるリスク
モバイル機器や自宅のパソコンを使った社内ネットワークへの外部接続は、ビジネスでの素早い対応やリモートワークを実現しています。しかし、インターネット使用に関する大きなリスクを生んでいるのもその外部接続です。
外部接続によるリスクには以下のようなものが挙げられます。
・なりすまし
・不正アクセス
・ウイルス攻撃
・盗み見
・盗聴
形はそれぞれですが、このような犯罪の目的は「情報を盗み出すこと」や「企業のコンピューターを攻撃してビジネスを妨害すること」です。セキュリティ対策のスキを狙う犯罪者は、社内ネットワークへの外部接続を利用しています。
リスクに遭遇する原因
社内ネットワークへの外部接続がどのように犯罪に利用されてしまうのでしょうか。主な原因を解説します。
・インターネットに直接アクセスする
仕事で使っているパソコンやモバイル機器で外出先からインターネットに直接アクセスする場合、社内で実施しているセキュリティ対策が適用されません。アクセスしたモバイル機器に記録している情報は簡単に流出します。
ウイルス感染の危険性も高まります。インターネットへの直接アクセスと社内ネットワークへの接続によりウイルスが持ち込まれてしまえば、ネットワークを介した感染拡大へとつながってしまうでしょう。
・盗難や紛失、盗み見などによってIDやパスワードが流出
外部接続に使用するデバイス機器から直接アクセス情報が盗まれるという危険性もあります。盗んだIDやパスワードを使い、社内ネットワークに何食わぬ顔で入り込むのです。情報を盗むだけでなく、ホームページやファイルの改ざんなど、さまざまな攻撃に利用されます。
リスクを回避する方法
社内ネットワークへの外部接続を安全に行うにはどうすれば良いのでしょうか。以下のような方法が考えられます。
・社外でインターネットにアクセスする場合にも社内ネットワークを使う
・不正アクセスをいち早く見つける監視体制を構築する
・私用デバイスを業務に使用しない
最も重要なのは、十分に保護されていない環境下でインターネットにアクセスしないということです。社内ネットワークのセキュリティレベルを上げたとしても、外部接続するデバイスから直接インターネットにアクセスしていたのでは意味がありません。社内システムのセキュリティ対策と安全意識を高める社員教育で、多くのリスクは回避できます。
外部接続に強い社内ネットワークにするコツ
まず行うべきは、社内ネットワークのセキュリティ対策です。安心して外部接続できるシステム作りが欠かせません。
新型コロナウイルスの影響によるリモートワークへの移行で、以前より多くの社員が社内ネットワークへ外部接続するようになっています。IT知識に乏しい社員も少なくありません。社員任せのセキュリティ対策ではなく、ビジネス全体を守る総合的な対策が求められています。
IP閉域網のVPNを導入する
社内ネットワークのセキュリティ対策として活用しているのが「VPN」です。VPNには以下のような種類があります。
インターネットVPN | ・既存のインターネットを利用したVPN ・コストは安いが安全性は低い |
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広域イーサネット | ・広域LANを使ったネットワーク ・ネットワーク構築がしやすい ・提供地域やアクセス回線などに制限がある |
エントリーVPN | ・光ブロードバンド回線と閉域網を使ったネットワーク ・安価で導入できるが速度や品質がビジネス向きではない |
IP-VPN | ・通信事業者による閉域IP網を使ったネットワーク ・コストはかかるが安全性が高く通信が安定している |
安全性と安定した外部接続を考えれば、外部と遮断した閉域網を利用するIP-VPNがビジネスには最適ということになります。
認証システムを強化する
社内ネットワークの利用者を管理する際に用いるのが「認証システム」です。認証システムを強化すれば、なりすましのリスクを軽減できます。認証システムには以下のような種類があります。
認証システムの種類 | 認証方法 | 効果 |
---|---|---|
CAPTCHA | コンピューターと人間を識別するテスト | 機械プログラムを利用した不正行為の防止に効果的 |
二段階認証 | IDとパスワードなど、2つの認証情報で利用者を識別する | 認証情報の漏洩がたびたび起きている |
二要素認証 | 種類の異なる2つの情報を組み合わせて安全性を高めた認証方式 | より高度な認証方法として効果を上げている |
リスクベース認証 | 利用者のIPアドレスやWebブラウザの履歴に基づき分析し、怪しい場合には追加認証などを行う | 利便性と安全性を両立 |
生体認証 | 身体的特徴や声紋、署名などで識別する | 精度の高い認証方法 なりすましによる不正アクセス防止に大きな効果がある |
アクセス履歴のログをとる
ログを確認すれば、誰が社内ネットワークにアクセスし、どのような操作を行ったのかが分かります。なりすましやマルウェアによる被害を最小限に抑えるためには、アクセスログ管理の徹底が有効です。
ログ管理には、アクセスログをしっかり保存し、管理ツールを使って分析することが必要です。担当者にとっては負担のかかる仕事ですが、セキュリティ対策には欠かせません。
正しい社内ネットワークへの接続方法
社内ネットワークへの外部接続を適切に行うためには、安全性の高いシステム作りと社員教育を同時進行で行わなければなりません。利用者の意識を高めていくことで、外部接続によるリスクはかなり軽減されるでしょう。社内ネットワークに外部接続する際の注意ポイントを3つ紹介します。これらは、規則化している企業も少なくありません。
社内ネットワーク以外使わない
インターネットへの直接アクセスが原因で起きる情報漏洩を防ぐためには、インターネット接続のルールを決めておくことは重要です。
業務で使用するモバイル機器(パソコン・スマートフォン・タブレットなど)には、機密情報や社内ネットワークへの認証情報などが保存されています。それらの情報を盗まれるリスクを考えると、インターネットへの直接アクセスは禁止するのが正解です。検索などの場合にも、社内ネットワークを介してインターネットを利用するようにしましょう。
プライベートのデバイスを使わない
使い慣れた私用デバイスが使いやすいと感じる社員もいることでしょう。しかし、ビジネス情報が残ってしまうリスクやファイルの紛失、盗み見などのリスクが伴います。
また、プライベートのデバイスにダウンロードしたアプリにも注意が必要です。何気なく使っているアプリが情報漏洩につながるケースも否定できません。業務には、社用デバイスのみを使うようにしましょう。
定期的にパスワードを変更する
社内ネットワークのセキュリティ対策として、利用者の管理は必須です。利用者の認証にはIDやパスワードを使用しますが、「一度決めてしまえばおしまい」ではありません。定期的にパスワードなど認証コードを変更することで、セキュリティレベルを高めます。
また、定期的にパスワードを変更していれば、不正アクセスに気付かなかったとしても、被害を最小限に食い止めることができるかもしれません。
クラウド化するインフラに対応するポイント
政府が推し進める働き方改革も相まって、コンピューター上でやり取りする情報量はますます増えています。ビジネスを左右するのは、安全で安定した通信環境です。セキュリティ対策のせいで通信速度が遅くなってしまうと、スピーディーなビジネスは行えません。
大容量の情報処理に利用されるのがクラウドです。クラウドサービスを上手に活用するために覚えておきたいポイントを紹介します。
高速の光回線にアップグレードする
クラウドサービスを利用するようになると、取り扱う情報量はさらに多くなることでしょう。インターネット回線を変えるだけで、それらの情報をもっと効率的に活用できるかもしれません。ビジネスに最適なのは、大容量のデータを安定して送受信できる光回線です。
回線速度の速い光回線を使えば、業務で使う接続デバイスが増えてもビジネスに必要な通信速度を確保できます。快適な通信環境に今や光回線は欠かせません。
安全性の高いプラットフォームを選ぶ
クラウドサービスを上手に活用するためには、さまざまなソフトやサービスを組み合わせてシステムを構築します。似たようなサービスでも品質や価格が違うため、どれを選ぶべきか迷ってしまうこともあるでしょう。そこで、優先すべきは安全性です。
安全性の高い商品はコストもかかります。しかし、それは「情報」という資産を守るための投資です。安全性を犠牲にして失うものは、それよりさらに高額なものになるでしょう。
イッツコムの高速プライベート回線とboxなら外部接続も安心!
安全性と安定した通信環境を実現したいなら、イッツコムの光回線をご利用ください。専用線インターネット接続サービスでは、社内ネットワークとイッツコムのアクセスポイントを光ファイバー専用回線で接続します。専用線を利用するため、大容量データも安心して送受信できるのが強みです。
容量無制限のファイル共有クラウドサービス「box」を併用すれば、情報共有の安全性はさらに高まります。他にも、ビジネススタイルに合わせたさまざまな光接続サービスやオプションがあります。安全でスピーディーな外部接続を、イッツコムの光回線で実現しましょう。
まとめ
社内ネットワークへの外部接続には、不正アクセスやなりすましなどのリスクが付きまといます。安全なシステムの構築と社員教育がセキュリティ対策の要です。
効率的なビジネスには、安全性に加え、安定した通信環境も欠かせません。大容量データをスムーズに送受信でき、外部接続も安心して行えるイッツコムの光回線なら、快適でセキュアなビジネスを実現できます。自社ビジネスに最適な通信環境をお考えなら、ぜひイッツコムにご相談ください。