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名刺のデータ化はなぜ必要?メリットや方法と名刺管理ツールの選び方

名刺のデータ化は社内人脈の可視化や利活用に役立ちます。クラウド型の法人向け名刺管理ツールなら、全社的な情報共有と柔軟なデータ活用ができ、SFAやMAなど支援ツールとの連携もしやすくなります。

名刺管理に課題を抱えており、名刺のデータ化について理解を深めたい方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、名刺データ化の重要性や具体的な方法、名刺管理ツールの選定ポイントについて紹介します。

名刺のデータ化とは?

名刺のデータ化とは、紙の名刺に記載された属性情報(個人名・企業名・役職・連絡先など)をデータとして保存・管理し、PCやスマホからいつでもアクセスできるように分類整理することです。

この作業はExcelなどの汎用表計算ソフトでもできますが、専用の名刺管理ツールを利用するほうが便利です。名刺管理ツールは、以下の観点で分類できます。

・「オンプレミス型」か「クラウド型」か
デバイス内にデータを保存するか、インターネット経由でいつでもどこからでもアクセスできるか

・「個人向け」か「法人向け」か
ユーザー個人のみで情報を利用するか、企業全体で情報共有するか

クラウド型の法人向け名刺管理ツールなら、名刺をデータ化するだけでなく、デバイスや場所を問わず全社的に名刺情報を共有および活用できます。

【関連記事:名刺の整理方法をアナログ・デジタル別で解説!名刺管理ツールの必要性とは?

名刺データ化のメリットと解決できる課題

人脈に関する情報は企業にとって重要な資産です。名刺のデータ化で情報資産を守りつつ、効果的にデータ活用ができる仕組み作りを検討しましょう。特にクラウド型の名刺管理ツールは導入メリットが大きく、さまざまな課題の解決に役立ちます。

名刺情報の確実な蓄積と紛失防止

名刺のデータ化は、確実に情報を蓄積し、紛失を防止することに効果的です。紙の名刺は営業活動を通じて増え続けるため、整理・保管の難しさが課題になります。以下のような原因で名刺情報にアクセスできなくなるケースも珍しくありません。

・オフィス内で保管場所が分からなくなる
・出先で名刺入れごと紛失する
・劣化・破損して重要な情報が読み取れなくなる
・災害により焼失・水没する
・管理方法によっては盗難のリスクも

名刺をデータ化すれば、こういったリスクを回避できます。全データのバックアップを取るのも容易です。データ化が済んだ名刺は不要となるため、シュレッダーで処分できます。

社内人脈の可視化と全社共有

名刺をデータ化すると、社内人脈を可視化できることもメリットです。紙の名刺を蓄積するのは営業パーソンだけではありません。経営層はもちろん、デザイナー・エンジニアや人事担当者など、さまざまな人材が名刺を交換します。

各社員が個人で保管している名刺を全てデータ化することで、企業として保有している人脈を一元管理・可視化し、全社員による共有が可能です。名刺情報からクライアントや協力会社との関係性も把握でき、アプローチすべきキーマンを探しやすくなるでしょう。

営業の属人化防止と組織的な連携

営業パーソンが個人で名刺を管理している場合、組織的な営業活動が難しいことも懸念点です。各営業パーソンがどのような人脈を持ち、どのようにアプローチし関係構築をしているかが外から見えにくく、顧客情報の属人化や営業活動のブラックボックス化が起こり得ます。

名刺情報をデータとして管理すれば、「営業組織内で情報共有する」という仕組み作りがしやすくなるでしょう。営業マネージャーは営業報告書や営業成績と照らし合わせて、アプローチ漏れやキャパシティオーバーなどに気付きやすくなります。営業パーソン間でフォローを考えやすくなり、営業効率向上につなげやすくなるのもポイントです。

【関連記事:業務の属人化とは?デメリット・原因や解消・標準化方法をわかりやすく解説

社員の離職に伴う顧客離れの防止

社員が離職すると、個人管理している名刺情報とともにクライアントとのコネクションが失われることもあります。同業他社への転職や独立に際し、自社で獲得した人脈ごと移籍してしまう恐れもあるでしょう。

「人脈の接点」となっていた人材が不在になると、誰もフォローに回れず、企業にとって大きな損失となります。特に営業パーソンが数名程度の中小企業の場合、トップセールスが顧客ごと失われると、経営の立て直しが困難になる場合もあるでしょう。

このような事態を防止するためにも、名刺をデータ化し、営業組織内で人脈を共有することは重要です。上長や部下がサポート役として適時顔合わせなどを行うことで、優秀な営業パーソンが離職しても継続してアプローチを続けられます。

【関連記事:セールスイネーブルメントとは?意味・必要性・具体例や必須ツールを解説

人脈情報の検索や更新の簡便化

名刺をデータ化すると、人脈に関する情報を整理しやすくなります。せっかくの人脈も、必要なタイミングで思い出せなければ効果的に活用できません。大量の紙の名刺は整理するだけでも手間を要しますが、素早く情報を検索するとなればさらに困難です。

名刺をデータ化し、業種・所在地・役職などで情報整理しておけば、瞬時にアプローチすべき人材・企業をリストアップできます。異動や転職・独立などに伴う情報更新、企業規模や保有技術などの情報追加も容易になり、最新の情報にアップデートしやすくなることもポイントです。

データ活用による積極的なアプローチ

名刺をデータ化すると、データ活用も容易になります。例えば、対象セグメントのメールアドレスを素早く抽出してターゲティングメールを一斉配信すること、オンライン会議やウェビナーの招待リストを効率的に作成・管理することなどです。

過去に失注した見込み顧客や、しばらく取引がなかった休眠顧客については、原因や時期などと併せて情報記録しておきましょう。そうすることで、改めてアプローチすべきタイミングも把握しやすくなります。

名刺をデータ化する方法

名刺のデータ化はExcelなどで手入力する手もありますが、データの共有や利活用を考えるとおすすめできません。

入力を効率化する方法としては、名刺のスキャンとOCR(光学文字認識)の組み合わせや、入力代行サービスの利用が挙げられます。データの共有から利活用までを効率化するなら、名刺管理ツールに直接取り込むのがおすすめです。

Excelなどで手入力

名刺をデータ化する簡易的な方法は、Excelファイルなどに手入力するものです。ビジネスの基本ツールであるExcelなら、どの企業でも簡単にデータ化を始められます。

ただし、大量の名刺情報を手入力するには膨大な手間・手間がかかり、打ち間違いやデータ重複などが起こりやすいことも懸念点です。共有がしにくい上、検索効率も低く、社員のデバイスにコピーを作成するとバージョン管理が難しくなる問題もあります。

Webアプリ版のExcelやGoogleスプレッドシートを利用する方法もありますが、画面の小さいスマホから閲覧や入力がしにくいことも懸念点です。

OCR(光学文字認識)

手入力より簡単なデータ化の方法は、スキャナやスマホのカメラなどで名刺の画像を取り込み、アプリのOCR機能を使うことです。OCR機能は画像から文字情報を抽出でき、ツールによっては氏名・住所などを自動的に分類してデータ化できるため、手入力より手間・時間を削減できます。

とはいえ、OCRの精度はツールにより異なることが注意点です。かすれや汚れで不鮮明な文字、特殊なフォントや筆記体などは正確に読み取れないことも多く、読み取り後のチェックや修正作業が求められます。

入力代行サービス

OCR機能より高精度なデータ入力を求めるなら、名刺情報の入力代行サービスを利用する方法もあります。出張スキャンを依頼したり名刺を郵送したりして、専門の事業者に入力作業を委託できる仕組みです。

手間をかけずに高精度な入力が期待できますが、名刺の枚数や入力項目が多いほど料金は割高になります。また納品形式はExcelファイルやCSVファイルとなるため、ファイルの管理・共有方法は自社での検討が必要です。

名刺管理ツール

名刺のデータ化および管理・活用を一本化するなら、クラウド型の法人向け名刺管理ツールを使うのがベストです。手入力やOCR機能でデータ活用に最適な情報整理ができる他、ツールによってはアプリ内機能からオペレーターによる高精度な入力代行サービスを利用できます。

スキャナやスマホのカメラで名刺の画像を取り込むと、データはベンダーのサーバへ送信され、オペレーターによる高精度なデータベース化が自動化される仕組みです。名寄せにも対応でき、各社員から名刺情報を一気に取り込んで企業の人脈情報として一元管理できます。

名刺管理ツールを選ぶポイント

名刺管理ツールは多種多様ですが、ビジネスユースならクラウド型の法人向けツールを社内で標準化することがおすすめです。ツールの選定ポイントとしては、機能性や情報セキュリティ、関連ツールと一体型または連携できることを挙げられます。

必要な機能があること

クラウド型の法人向け名刺管理ツールには以下のような機能があります。

・名刺情報のデータ化:OCR機能や入力代行サービスでデータ化
・名刺情報の名寄せ:重複した名刺情報を統合
・情報のデータベース化:システム利用者全員で情報共有
・マルチデバイス対応:PC・スマホ・タブレットからいつでもどこからでも同じデータにアクセス
・情報検索:企業名・担当者名などで瞬時に該当情報をリストアップ
・コミュニケーション:名刺情報から簡単な操作で電話やメール

ツールによって搭載機能は異なるため、組織として必要な機能があるかどうかを精査しましょう。

セキュリティ機能が優れていること

クラウド型の名刺管理ツールは、名刺情報をベンダーのサーバに保存します。重要な個人情報の漏えいを防ぐために、サーバの保守管理体制は重要です。また、サーバへのアクセスはインターネットを経由します。通信データの暗号化に対応していることも必須です。

スマホで利用する際、紛失・盗難時のセキュリティ機能にも留意しましょう。MDM(モバイルデバイス管理機能)に対応しているツールなら、リモートでワイプ・ロックなどの操作ができ、第三者によるシステム侵入を防止できます。

【関連記事:端末管理(MDM)システムで業務用デバイスの管理を円滑化!導入のコツは?

関連ツールと連携できるか一体型であること

関連ツールと連携できるか、または一体型であるかも重要です。名刺管理ツール単体では機能が限られるため、人脈情報をマーケティング・営業・カスタマーサクセスなどに活用する場合、MA(マーケティングオートメーション)・SFA(営業支援システム)・CRM(顧客関係管理システム)などとの連携が求められます。

ツールによっては連携機能があり、人脈情報をそのまま外部ツールのメルマガ配信機能や営業履歴・商談履歴の管理機能などに活用可能です。一体型なら1つのツールで組織内のデータ活用を完結できます。

【関連記事:SFAとは?CRMとの違いや導入のポイント、MA・名刺管理との連携を解説

「ホットプロファイル」で名刺のデータ化と営業支援やマーケティング支援を一本化

名刺のデータ化にはクラウド型の法人向け名刺管理ツールがおすすめです。ただしデータ活用には機能不足なツールも多く、連携機能があっても別途SFAやMAを導入することになり、トータルコストや使い勝手に難があります。

「ホットプロファイル」は、名刺管理とSFAやMAを一本化したクラウド型ツールです。手間をかけずに名刺情報をデータベース化し、システム利用者全員で人脈情報や営業関連情報をリアルタイム共有できます。

顧客に関連する企業ニュース・人事異動ニュースも自動収集するため、施策実行から分析までワンストップサポートできるのが強みです。「いまホットな顧客」の自動通知機能や出先からのリアルタイム報告機能を備え、問い合わせフォームの作成管理やターゲティングメールの配信などにも対応し、組織の生産性向上や業績向上を叶えます。

まとめ

名刺のデータ化は、企業の重要な資産である人脈情報の確実な蓄積と共有、および利活用に必須の活動です。クラウド型の法人向け名刺管理ツールは、社内人脈の柔軟な活用に寄与します。ただしツール単体では機能不足の場合も多いため、SFAやMAと組み合わせ、より効率的にデータ活用できる仕組みを作ることが重要です。

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