スマホ・タブレット・PCのWi-Fi接続手順と接続トラブル対処法
目次
Wi-Fi経由でインターネット接続すると「パケット通信料がかからない」というのは大きなメリットです。しかし正しく接続操作をしても、「つながらない・遅い・途切れる」といったトラブルが発生する場合もあります。
Wi-Fi接続の正しい手順や問題発生時の解決方法を知りたい方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、スマホ・タブレット・PCのWi-Fi接続方法、接続トラブルの対処法について紹介します。
Wi-Fi接続とは?
Wi-FiはWi-Fiルーターとスマホなどの機器間を、電波で無線接続するための通信規格です。例えばPCでインターネット接続をする際、LANケーブルでネットワーク機器と有線接続することもありますが、この機器間の接続を無線接続に置き換えます。
Wi-Fiはあくまで機器間の通信を担うため、インターネット接続には光回線などのインターネット回線が必要です。
Wi-Fiは無線LANの代表的な規格
Wi-Fi接続とは、親機(Wi-Fiルーターなど)と子機(スマホ・PCなど)を、特定の周波数帯(2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯)の電波を使って無線接続することです。これはコードレス電話の親機・子機の関係と似ています。使用する周波数帯などに違いはありますが、子機で電話をする際に親機と電波で通信する関係は、Wi-Fiの親機・子機の関係と同様です。
LANケーブルなどで機器間を接続するネットワーク(LAN/Local Area Network)を有線LAN、電波で無線接続するものを無線LANと呼びます。Wi-Fiは代表的な無線LAN規格です。例外もありますが、一般的には「無線LAN=Wi-Fi」として認知されているでしょう。
Wi-Fi経由でインターネット接続するイメージ
Wi-Fiは機器間の無線接続に使われる技術です。Wi-Fi親機と子機があればWi-Fi接続できますが、インターネット接続をするにはインターネット回線が求められます。
建物にインターネット通信用のケーブルを引き込む固定回線は、光ファイバーケーブルを用いる光回線が主流です。モバイルWi-Fiルーターやホームルーターを親機として、携帯電話通信のようにモバイル回線を利用するケースも増えています。インターネット接続のイメージは以下の通りです。
・光回線+Wi-Fi:子機とWi-FiルーターをWi-Fi接続し、ONU(光信号とデジタル信号の変換を行う 装置 )を経由してインターネット接続
・モバイル回線+Wi-Fi:子機とモバイルWi-FiルーターやホームルーターをWi-Fi接続し、4GやWiMAXなどのモバイル回線を経由してインターネット接続
【関連記事:Wi-Fiとは?利用シーンや関連知識を初心者にも分かりやすく解説】
Wi-Fi経由でインターネット接続するメリット
動画視聴やアプリのダウンロード時、「Wi-Fi接続を推奨」という旨のメッセージを見たこともあるでしょう。これは「Wi-Fi接続ならパケット通信料がかからない」ためです。また携帯電話回線より高速なインターネット通信をしやすく、LAN配線不要で機器間を接続できることも、Wi-Fi接続のメリットです。
パケット通信料がかからない
スマホなどからWi-Fi接続をすると、パケット通信料がかかりません。パケット通信料がかかるのは、4Gや5Gなどの携帯電話回線を経由してインターネット接続をした場合です。携帯電話回線とは別の、Wi-Fi親機が接続されたインターネット回線(光回線など)を使用することで、「インターネット接続し放題」になります(携帯電話回線を利用するホームルーターの場合、一定期間の容量制限がかかるケースもあります)。
・自宅で光回線を利用している場合:光回線は月額定額制。Wi-Fi経由で光回線からインターネット接続をしても通信料金は変わらない
・出先でフリーWi-Fiを利用する場合:施設が提供するフリーWi-Fiに接続すると、その施設が契約する光回線などからインターネット接続をするため、利用者に負担はかからない
安定した高速インターネット接続ができる
携帯電話回線より高速インターネットアクセスがしやすいことも、Wi-Fi接続のメリットです。4Gや5Gといった携帯電話回線は規格上の通信速度は十分速いものの、エリアや時間帯によっては、トラフィック集中(多数のユーザーによる大量のデータ通信)などにより非常に低速になるケースがあります。
光回線とWi-Fi接続を組み合わせれば、携帯電話回線が不調なときでも、安定したインターネット接続が可能です。光回線やWi-Fi規格のスペックによっては、上り(アップロード)・下り(ダウンロード)ともに数百Mbpsクラスの安定した高速通信もできます。
LAN配線不要で複数デバイスを同時接続できる
Wi-Fiはマルチデバイス対応の無線通信規格です。PCやスマホ・タブレットの他、各種IoT機器も対応しています。1台のWi-Fiネットワーク機器(Wi-Fiルーターなど)で、複数機器を簡単に同時接続できるのもメリットです。
LANケーブルがなく有線接続できない機器でも、Wi-Fi経由で機器間のデータ通信やインターネット接続ができます。
LANケーブルの配線が必要なくなるため、室内のレイアウトや機器の移動が自由になり、美観を保ちつつ配線に足を引っ掛けるなどの事故を防止できることもポイントです。
スマホ・タブレット・PCでWi-Fi接続をする手順
Wi-Fi接続をするには、親機が提供するWi-Fiネットワークを子機側で選び、SSIDやパスワードを入力することが必要です。子機側の操作方法は機種によって若干の違いはありますが、スマホ・タブレット・PCで大差はありません。
まずは接続先のSSIDとパスワードを確認
まずはWi-Fi接続に必要な、Wi-Fi親機のSSID(ネットワーク名)とパスワード(暗号化キー)を確認しましょう。工場出荷時の初期値は、Wi-Fiネットワーク機器本体に貼り付けられたラベルに記載されています。
比較的新しい機種は2.4GHz帯と5GHz帯によるWi-Fi接続に対応しているため、2つの周波数帯で別々のSSIDを用意し、使い分けられることが一般的です。
ラベルが見当たらない場合や初期値から変更している場合、Webブラウザ経由で設定画面にアクセスするか、専用アプリから確認しましょう。
【関連記事:SSIDとは?調べ方や関連機能、セキュリティ対策まで徹底解説】
iPhoneやiPadでWi-Fi接続
iPhoneやiPadでWi-Fi接続する手順は以下の通りです。
1.ホーム画面から[設定]をタップ
2.設定画面で[Wi-Fi]をタップ
3.[Wi-Fi]ボタンがオフ(無色)ならオン(緑色)にする
4.利用可能なネットワーク一覧から、Wi-Fiネットワーク機器のSSIDと一致する文字列を探してタップ
5.Wi-Fi親機のパスワードを入力し、[接続]をタップ
6.選んだSSIDの左側にチェックマークが付き、画面上部にWi-Fiアイコン(扇型)が表示されれば接続完了
Androidスマホ・タブレットでWi-Fi接続
Androidスマホ・タブレットでWi-Fi接続する手順は以下の通りです。なお、メニュー名や操作方法はメーカー・機種によってやや異なります。
1.ホーム画面から[設定]をタップ
2.[無線とネットワーク]をタップ(機種によって[ネットワークとインターネット]や[Wi-Fi]などメニュー名が異なる)
3.[Wi-Fi]をタップ
4.[Wi-Fi]ボタンがオフ(灰色)ならオン(色付き)にする
5.利用可能なネットワーク一覧から、Wi-Fiネットワーク機器のSSIDと一致する文字列を探してタップ
6.Wi-Fi親機のパスワードを入力し、[接続]をタップ
7.選んだSSIDの下に「接続済み」や「接続されました」と表示され、画面上部にWi-Fiアイコン(扇型)が表示されれば接続完了
Windows PCでWi-Fi接続
Windows PC(Windows 10搭載)でWi-Fi接続する手順は以下の通りです。
1.タスクバーのWi-Fiアイコン(扇型)をクリック
2.Wi-Fiパネルが無効(無色)の場合はパネルをクリックして有効(青色)にする
3.利用可能なネットワーク一覧から、Wi-Fiネットワーク機器のSSIDと一致する文字列を探して[接続]をクリック
4.Wi-Fi親機のパスワードを入力し、[次へ]をクリック
5.選んだSSIDが一番上に移動し、「接続済み」と表示されたら接続完了
MacでWi-Fi接続
MacでWi-Fi接続する手順は以下の通りです。
1.メニューバーのWi-Fiアイコン(扇型)をクリック
2.利用可能なネットワーク一覧から、Wi-Fiネットワーク機器のSSIDと一致する文字列を探してクリック
3.Wi-Fi親機のパスワードを入力し、[接続]をクリック
4.選んだSSIDの左側にチェックマークが付いたら接続完了
WPSによるパスワード入力不要のWi-Fi接続も
Wi-Fi親機と子機の両方がWPS(Wi-Fi Protected Setup)に対応している場合、Wi-Fi親機のWPSボタンを押すだけの簡単接続も可能です。Android端末やWindows PCの場合、まず子機側を以下の状態まで操作します。
・Android端末:[設定]からWi-Fiの詳細設定(簡単設定)メニューに進み、[WPSプッシュボタン]をタップ
・Windows PC:タスクバーのWi-FiアイコンからWi-Fi親機のSSIDを選択し、パスワード入力画面を表示させる
この状態でWi-Fi親機側のWPSボタンを数秒間(機種によって秒数は異なります)押し、子機側に表示されるダイアログに従って操作すると、パスワード入力不要でWi-Fi接続ができます。
Wi-Fiやインターネットに接続できないときの対処法
Wi-Fi接続の操作をしても、Wi-Fiやインターネットにうまく接続できない場合もあります。原因は電波状況や設定の不具合などさまざまです。「つながらない・遅い・途切れる」といった状況を分析すると、原因の見込みがつきます。ここでは、ケース別の対処法を見ていきましょう。
機器の位置調整や周波数帯の切り替え
「Wi-Fi接続はできるが不安定・途切れがち」という場合、Wi-Fi親機と子機の位置関係を調整し、電波環境を改善しましょう。
Wi-Fiの電波は機器から遠くなるほど弱くなり、経路上の障害物による反射・吸収も起こります。親機・子機の距離を近付け、障害物を極力少なくすることがおすすめです。
またWi-Fiは他の電子機器からの電波干渉も受けます。2.4GHz帯と5GHz帯のSSIDを切り替えることで、「よりつながりやすい周波数帯」によるWi-Fi接続が可能です。
子機の再起動や設定のリセット
「他の子機ならWi-Fi接続できる」という場合、子機の設定ミスや一時的な不具合が考えられます。この場合は子機の再起動やネットワーク設定のリセット(削除)をして、再度Wi-Fi接続を試してみましょう。Wi-Fi機能や機内モードのオン・オフを切り替えるだけでつながる場合もあります。
全ての機器の再起動
「全ての子機がWi-Fi接続できない」という場合、Wi-Fiネットワーク機器の一時的な不具合や機器間の接続不良が考えられます。以下の手順で全ての機器の再起動を試してみましょう。
1.子機の電源を切る
2.Wi-Fiルーターの電源を切る(ACアダプターを抜く)
3.Wi-FiルーターとONUをつないでいるLANケーブルを抜く
4.ONUの電源を切る(ACアダプターを抜く)
5.ONUと光コンセントをつなぐ光ファイバーケーブルをしっかりと接続し直す
6.1分程度待ち、ONUの電源を入れる
7.ONUからWi-FiルーターのWANポートにLANケーブルを差し、Wi-Fiルーターの電源を入れる
8.子機の電源を入れ、接続確認
ファームウェアのアップデート
全ての機器の再起動を試してもWi-Fi接続・インターネット接続がうまくいかない場合、Wi-Fi親機のファームウェア(PCやスマホのOSのようなもの)をアップデートしましょう。
アップデートの方法は機種によって異なります。一般的な更新方法は、WebブラウザからWi-Fi親機の管理画面にアクセスする方法や、専用アプリからアップデート要求をする方法です。
障害・メンテナンス情報の確認
ファームウェアをアップデートしても問題が解決しない場合、回線事業者やプロバイダの障害・メンテナンスが原因かもしれません。通信障害が発生すると、復旧まで数時間かかる場合もあります。
メンテナンスは30分程度で終わる場合もありますが、設備の入れ替えなどだと長期間に及び、「毎日インターネット接続できないタイミングがある」というケースもあるでしょう。
障害・メンテナンスの情報は事業者の公式Webサイトで公開されるため、携帯電話回線などでアクセスしてチェックしてみることをおすすめします。
「かんたんWi-Fi」でWi-Fi接続の悩みを一挙解決!
Wi-Fi接続やインターネット接続がうまくいかない場合、「同時接続台数が多過ぎる」「Wi-Fi親機が最新のWi-Fi規格に対応していない」といった原因も考えられます。この場合は設定の見直しなどでは問題を解決できません。根本的な解決策としておすすめなのは、Wi-Fiアクセスポイント(AP)を増設することです。
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まとめ
Wi-Fiはスマホ・PCやWi-Fiルーターなどの機器間を無線接続する技術です。ケーブルレスで機器間を接続できるため、LANケーブルによる有線LANよりも利便性が高く、ビジネスシーンでも活用が一般化しています。ただしインターネット接続をするには光回線などのインターネット回線が別途必要です。
またWi-Fi区間の通信速度や安定性は、親機の性能や電波干渉などさまざまな要因で低下します。根本的な解決方法は、親機の買い替えや増設です。より快適なWi-Fi環境をお求めなら、Wi-Fi機器の導入から運用保守までトータルサポートできるイッツコムにご相談ください。