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Wi-Fiの速度は「規格」で決まる!?無線LANルーターの選び方やおすすめの回線

Wi-Fiにも通信速度や規格があるのか、詳しく知りたいという方もいるのではないでしょうか。規格ごとの特徴がわかれば、自社に必要な商品を絞り込むことができます。通信速度やセキュリティ面などは、導入するうえで知っておきたい情報です。

そこでこの記事では、それぞれの規格の特徴を解説するとともに、無線ルーターの選び方やおすすめの商品についても紹介します。多くの従業員がネットワークを使用する企業では、ストレスのない通信速度や安全性に優れたタイプを選ぶとよいでしょう。

Wi-Fiの速度が変わる?無線LANの「規格」とは

インターネットを利用する際に、通信速度は重要なポイントです。通信速度を決定づけるのは、回線の種類だけではありません。どのWi-Fiを選ぶかによっても通信速度は影響を受けます。無線LANにも規格があり、速度が異なるためです。ここではそれぞれの規格について、詳しく解説します。

2つの周波数帯で分けるWi-Fi通信

通信規格を解説する前に、Wi-Fiには2つの周波数帯があることを覚えておきましょう。5GHz帯と2.4GHz帯の2つです。5GHz帯は「安定した高速通信」を実現しています。2.4GHz帯は対応する機種が多いのが特徴です。周波数帯それぞれの特徴や、どのような通信・端末に向いているのかを以下にまとめました。

5GHz2.4GHz
特徴・家電から出る電波と干渉しない
・通信が安定している
・高速通信ができる
・壁や扉、天井などの障害物に弱い
・通信距離が遠くなると、電波が弱くなる
・電波が届く距離が遠い
・障害物に強く、安定して通信できる
・通信速度は5GHzより遅くなることがある
・家電から出る電波と干渉しやすい
・通信が不安定になりやすい
向いている通信や端末・動画の再生や、容量の大きいファイルの送信
・無線キーボード
・ゲーム
・パソコン
・スマートフォン
・デジカメ
・ゲーム
・スマートフォン
・パソコン
・Wi-Fi対応プリンター
・ビデオカメラ

Wi-Fiはこのように、周波数帯によってメリットとデメリットがあります。用途によって周波数帯を選ぶことが大切です。

インターネットを利用する場所に障害物がないかどうかも、判断のポイントとなります。2階建てや3階建ての一戸建住宅の場合、5GHz帯は電波が途切れる可能性も否定できません。いっぽうで2.4GHz帯は電子レンジなど、身近な家電製品の干渉を受けやすくなります。障害物には強いものの、電波が不安定になりやすいことが特徴です。

6つのWi-Fi通信規格

Wi-Fiの通信規格はあわせて6種類あります。5GHz帯には11acと11a、2.4GHz帯には11gと11bのそれぞれ2種類です。この4つの種類に加えて、どちらの周波数帯でも使える11n/aと11n/gの規格があります。

これら6つの規格の中で、通信速度が最も速いのが「11ac」です。それまでで最も速かった11nより、およそ11.5倍速くなっています。11acの高速化を支えているのは、1つの信号に含まれる情報量の多さです。情報量はおよそ4倍に増えています。6種類の通信規格の特徴をまとめました。

通信規格策定時期周波数帯速度(理論値)電波干渉障害物
IEEE802.11acWi-Fi 52013年12月5GHz433Mbps~6.93Gbps強い弱い
IEEE802.11nWi-Fi 42009年9月5GHz
2.4GHz
65Mbps~600Mbps強い
弱い
弱い
強い
IEEE802.11g2003年6月2.4GHz54Mbps弱い強い
IEEE802.11b1999年10月5GHz54Mbps弱い強い
IEEE802.11a1999年10月2.4GHz11Mbps弱い強い
IEEE802.111997年6月2.4GHz2Mbps

2020年登場!7つ目のWi-Fi通信規格

2020年に登場した7つ目となる規格が11axです。これまでの規格のなかで、最も早い通信速度を実現しています。

11acとくらべても、通信速度はおよそ4倍と驚きの値です。11axは5GH帯zと2.4GHz帯の両方の帯域をカバーしています。通信速度が遅いとされる2.4GHz帯でも、効率よく電波の変調ができる最新技術の応用で、通信速度の高速化を実現しました。

高速通信なら「IEEE802.11ac」を選ぼう

高速通信を求めているのなら、おすすめは「IEEE802.11ac」です。その他の規格とくらべて、圧倒的な速さを実現しているのが大きな特徴でしょう。Wi-Fiは通信環境によって速度が変化しますが、11acが高速を維持できる理由はどこにあるのでしょうか。11acの高速化の理由を解説します。

理由1.帯域幅が大きい

高速化の理由はまず、「帯域幅」が大きいことです。従来よりも拡大されていることで高速化を実現しています。道路に例えると、狭い道路を慎重に走っていたところ、広い道路になってのびのび走れるところをイメージするとよいでしょう。それと同様に、帯域幅を拡大したことにより、同じ情報量を送る際にも短時間での通信を可能にしています。

理由2.多値化技術で大容量

ふたつ目の理由として挙げられるのは、「多値化技術」の採用です。多値化技術とは、情報を運ぶ信号の技術革新を指します。具体的には、ひとつの信号が運べる情報量が増えたということです。荷物を運ぶ車を乗用車から大型トラックに変えたことをイメージしてみましょう。1度に運べる量が増えたことによって高速化につながりました。

理由3.MIMO拡張方式を導入

3つめの理由としては、MIMO拡張方式の導入が挙げられます。情報を伝達する通り道を増やし、高速化を実現しました。道路に例えると、今まで1本しかなかった道路が、複数できたことになります。1車線で渋滞を起こしていたのが、3車線4車線と増えたことで交通量が増えてもスムーズに走れるわけです。

無線LANルーターにはセキュリティ規格もある

無線LANルーターは、通信速度の規格だけではなく、セキュリティ規格もあります。セキュティが脆弱なルーターは危険です。通信の不正傍受や、正規のユーザーへのなりすましなどの恐れがあります。本来のアクセスポイントと同じ暗号キーなどを使って、別のアクセスポイントに誘導する攻撃も考えられるでしょう。以下で詳しく解説していきます。

最新規格「WPA3」

WPA3はセキュリティ対策を高めた最新の規格です。通信の暗号化をさらに強固なものにしています。WPA3の特徴は、「SAEハンドシェイク」と呼ばれる技術の導入です。仮に通信内容が抜き取られても、高度な暗号化処理によって解読を防ぎます。

WPA3は、パスワードによるログインが一定回数失敗すると、ロックがかかる仕組みです。これにより、「総当たり攻撃」と呼ばれるような手当たり次第にパスワードを入力して侵入しようとする攻撃から守ることができます。

初代Wi-Fiセキュリティ「WEP」

WEPは、いわば初代Wi-Fiセキュリティです。考え方はWPA3と変わりません。データを暗号化して解析されるのを防ぎます。仕組みとしては、送信者も受信者も共通の秘密の鍵を使い、暗号化された情報にアクセスするというものです。

万全に見えるセキュリティ対策ですが、セキュリティの脆弱性が指摘されています。秘密の鍵が毎回同じで、暗号化も不十分なためです。

2代目Wi-Fiセキュリティ「WPA」

WPAは、脆弱性が指摘されるWEPに代わる2代目のWi-Fiセキュリティとして誕生しました。特徴は、秘密の鍵のセキュリティを大幅に強化したことでしょう。鍵の暗号を解読されないよう、パケットごとに新しい鍵が生成されるようになりました。しかし、基本的な技術はWEPを応用しているため、万全ではないといわれています。

3代目Wi-Fiセキュリティ「WPA2」

WPA2はWPAの動作を基本としながら、さらにセキュリティを向上させました。大きな改良点は暗号化方式です。最長256ビットの暗号鍵を利用できるCCMPという技術を取り入れ、より暗号化を複雑にしました。これにより、悪意ある第三者が情報にアクセスしようとしても、鍵を開けることができないようにしています。

無線LANルーターを選ぶ時のポイント


無線LANルーターを選ぶ際のポイントは、大きく分けて3つです。ひとつ目は、複数の規格に対応するルーターが望ましいといえるでしょう。互換性が高いほうが、利便性も高まります。

ふたつ目は、端末側の規格にあわせて選ぶことです。端末に接続できなければ意味がありません。3つ目は、家電製品との混信を避けることです。それぞれについて、詳しく解説します。

複数の規格を扱えるものがおすすめ

市販されているルーターの多くは、別の規格と組み合わせて使えるものがほとんどです。5GHzと2.4GHzを切り替えて使えるものや、複数の規格を同時に利用できるものもあります。

例えば、11gの親機に2つの子機を接続した場合、通信速度を半分ずつしか利用できません。しかし、11gと11aを同時に使うことで、2つの子機は別々の親機の速度を利用できるなどです。家庭内でもインターネットを利用する機器が増えているので、複数の規格を扱えるものが便利でしょう。

規格は使用端末に合わせる

規格を選ぶ際には、使う端末がその規格を利用できることが大前提です。例えば、最新の11axのルーターを購入したとしても、子機側のパソコンやスマートフォンが11axに対応していなければ意味がありません。端末がどのような規格に対応しているかを確認する必要があります。

ネット家電を利用する場合には、家電側の対応規格も確認しましょう。新しい家電だからといって、最新のルーターに対応しているとは限りません。

混信を避けるなら5GHz帯

家電製品との混信を避けるなら、5GHz帯がおすすめです。電子レンジやBluetoothが利用している周波数帯は2.4GHz帯です。このため、2.4GHz帯のルーターを使ってネットに接続している際に電子レンジなどを使うと、まれに回線が落ちることがあります。

5GHzにすればこうしたストレスからも解放されるでしょう。5GHzなら通信が安定し、高速通信を実現しています。家電との混信がどれほど心配かも、ルーター選びの際に考える必要があるでしょう。

イッツコムひかりは高セキュアで高速通信!

どのようなルーターを選べばよいか迷っている方におすすめなのが、「イッツコムひかり for Business」です。通信ONU(光回線終端装置)に無線ルーター機能が内蔵されています。そのため、新たにルーターを確保する必要はありません。

2ギガコースを利用する場合、ONUまでの通信速度は最大2Gbpsです。高速通信が利用できます。ONUの有線LANポートの伝送速度は1,000Mbpsで、最大3台まで接続可能です。

イッツコムの法人向けWi-Fiサービスなら、商業施設やオフィスなどあらゆるシーンにも対応できます。同時に複数の機器を接続する場合でも問題ありません。高い安定性と高い処理能力を実現しています。イッツコムなら導入から保守・点検まで、すべてワンストップで対応可能です。

まとめ


Wi-Fiの規格によって、通信速度やセキュリティ対策の充実度は大きく異なります。しかし商品を選ぶ際には、使用する端末が対応しているかどうかの確認などが必要です。

社内のWi-Fi速度に不満のある方がいれば、「イッツコムひかり for Business」がおすすめです。通信速度やセキュリティ面、双方とも充実しています。お客様の企業規模に合わせてプランをカスタマイズできますので、ぜひイッツコムにご相談ください。