法人用Wi-Fiをオフィス・事務所に導入!機能と選び方を徹底解説
目次
法人用Wi-Fi機器の主な選択肢は、業務用Wi-Fiルーターと業務用Wi-Fiアクセスポイント(AP)の2種類です。いずれも家庭用機器と比べて、機能・性能やサポート内容の面で高い水準を備えています。
一方で、業務用Wi-Fiルーターのみで対応できるニーズは限られます。施設構造や用途によってはアクセスポイントの導入が不可欠となり、結果として現状の課題解決にとどまらない導入効果が見込めます。
本記事では、法人用Wi-Fi機器の特徴や選び方に加え、高性能アクセスポイントの魅力と活用イメージを解説します。アクセスポイント専用機ならではの機能を正しく理解し、利便性とセキュリティを両立したネットワーク構成を目指しましょう。
法人用Wi-Fi機器の選択肢は「業務用Wi-Fiルーター」「アクセスポイント」の2種類

Wi-Fiルーターは、アクセスポイント機能とルーター機能が一体型の無線LAN機器です。Wi-Fi親機として複数の子機(PC・スマホなど)と相互接続しつつ、LAN内の機器とインターネットの相互接続を制御します。
ビジネスユースの場合、小規模なネットワークなら業務用Wi-Fiルーター1台で全ての通信を制御することもありますが、アクセスポイント専用機を要所に設置する運用が一般的です。
家庭用Wi-Fiルーターと業務用Wi-Fiルーターの違い
Wi-Fiルーターは家庭用と業務用に分けられます。市販品の多くは家庭用Wi-Fiルーターで、高額な製品であってもホームユースを想定した設計です。一般家屋で数名が利用する程度なら問題ありませんが、オフィスでは通信速度の低下やセキュリティ機能の不足が課題になります。
一方、メーカーのWebサイトなどで購入できる業務用Wi-Fiルーターは、ビジネスユースを前提に設計されています。家庭用と業務用の主な違いは以下の通りです。
| 家庭用Wi-Fiルーター | 業務用Wi-Fiルーター | |
|---|---|---|
| 推奨同時接続台数 | 最大10台前後 | 最大40台など |
| セキュリティ機能 | 基本的なセキュリティ機能 | IEEE 802.1X認証(認証サーバ方式)、UTM(統合脅威管理)機能・VPN機能などに対応 |
| 遠隔管理 | 不可または限定的 | ユーザー企業や保守・管理会社による遠隔監視や制御が可能 |
| メーカー保証 | 1年間など | 3年や5年など |
| 保守 | × | 最長7年など |
| 法人専用窓口 | × | ○ |
業務用Wi-Fiルーターと業務用Wi-Fiアクセスポイントの違い
小規模なオフィス1室なら、業務用Wi-Fiルーター1台で隅々まで快適なWi-Fi通信を提供することは可能です。一方、複数の部屋・フロアにまたがるオフィスの場合、業務用Wi-Fi アクセスポイントを要所に設置することが一般的です。
| 業務用Wi-Fiルーター | アクセスポイント | |
|---|---|---|
| ルーター機能 | ○ | ×(別途Wi-Fiルーターまたは有線ルーターが必要) |
| 推奨同時接続台数 | 最大40台など | 最大20〜100台など |
| 機器構成例 | Wi-Fiルーター1台で全ての子機を無線接続、スイッチ経由でその他のPC・サーバなどを有線接続 | 有線ルーターからスイッチ経由でPC・サーバや複数アクセスポイントを接続し、広範囲・多台数の子機を各アクセスポイントに無線接続 |
| 拡張性 | LAN最上流のWi-Fiルーターを交換する際、インターネットが一時的に不通になり、ネットワーク全体の再設定が必要 | 有線LANの末端に自由に何台でも設置し、壁・天井にも設置できる。交換時の手間・リスクも抑えられる |
| 遠隔管理 | ○ | ○ |
| 法人専用窓口 | ○ | ○ |
【関連記事:アクセスポイントとは?LANの仕組みや機器の機能も一挙解説】
法人用Wi-Fi機器の選び方は?高性能アクセスポイントの魅力

ビジネスユースのWi-Fi親機には、多数の端末を安定して同時接続できる性能が求められます。Wi-Fi6/6E以降やWPA3-Enterprise、マルチSSID・VLAN機能に対応していることも重要です。高性能アクセスポイントであれば、これら全ての要件を満たします。サポート内容の充実度にも着目しましょう。
推奨同時接続台数に余裕があること
従業員は1人で複数端末をWi-Fi接続する場合があります。Wi-Fi親機の同時接続台数は、ユーザー数ではなく端末数で考えることが必要です。
スペック上の推奨同時接続台数は「安定して同時接続できる端末数」を指し、この台数を超えても接続自体は可能ですが、通信速度の大幅な低下などのトラブルを招きます。従業員のオフィス内移動や将来的な端末数増加も想定し、推奨同時接続台数に余裕のある機種を選びましょう。
業務用Wi-Fiルーターの場合、高性能な機種でも1台でWi-Fi接続できる端末数は数十台程度です。また通信エリアも本体近辺に限られます。
アクセスポイントは高性能機種なら、親機1台当たり子機50台や100台の安定した同時接続が可能です。部屋数・フロア数の多いオフィスも、アクセスポイントなら容易に対応できます。
Wi-Fi6/6E以降に対応していること
Wi-FiのバージョンにはWi-Fi6・Wi-Fi6E・Wi-Fi7などがあり、親機が対応する規格によって最大通信速度が異なります。Wi-Fi5世代の機種はメーカーサポートが終了しており、ファームウェア更新も行われないため、セキュリティ面からもWi-Fi6以降に対応した機種の導入が必須です。
| Wi-Fi6/6E | Wi-Fi7 | |
|---|---|---|
| 規格名 | IEEE 802.11ax | IEEE 802.11be |
| 最大通信速度(規格上の理論値) | 9.6Gbps | 36Gbps(MLO時46Gbps) |
| 利用できる周波数帯 | 2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯(Wi-Fi6E) | 2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯 |
| 最大帯域幅 | 160MHz幅 | 320MHz幅(6GHz帯のみ) |
| 変調方式 | 1024QAM(10bit) | 4096QAM(12bit) |
| 最大同時通信台数(OFDMAとMU-MIMOの併用) | 8台 | 16台 |
| スペックを生かせる光回線速度 | 1Gbps、2Gbps | 5Gbps、10Gbps |
Wi-Fi7はWi-Fi6/6E以上の高速通信が可能ですが、アクセス回線の最大通信速度によってはオーバースペックになります。また、Wi-Fi7で通信するには親機・子機の双方がWi-Fi7対応である必要があります。PCやスマホのWi-Fi7対応率が低い場合、高額なWi-Fi7対応の親機を導入する必要はありません。
アクセスポイントはレンタルも可能で、事業者によっては初期費用が無料です。交換の手間やリスクを抑えやすいため、必要なスペックの機種を無理なく選択できます。
セキュリティ規格はWPA3-Enterpriseに対応していること
セキュリティ対策の面で重視したいのは、Wi-Fi6以降およびWPA3-Enterprise(WPA3-EAP)に対応したWi-Fi親機を選ぶことです。Wi-Fiのセキュリティ規格はWPA・WPA2・WPA3といった種類があり、最も強固な認証・暗号化方式を採用するのはWPA3です。
Wi-Fi6/6E以降はWPA3に標準対応しており、中間者攻撃による通信内容の盗聴・改ざんや、辞書攻撃・総当たり攻撃による不正アクセスを防ぎます。認証方式はパーソナルモードとエンタープライズモードに分けられ、高性能アクセスポイントはWPA3-Enterpriseによる、より安全な認証が可能です。
- パーソナルモード(WPA/WPA2/WPA3-Personal):家庭用Wi-Fiルーターでも使える、個人向け認証モード。WPAやWPA2はPSK方式(WPA-PSK/WPA2-PSK)、WPA3はより安全なSAE方式で認証(WPA3-SAE)
- エンタープライズモード(WPA/WPA2/WPA3-Enterprise):業務用Wi-Fiルーターやアクセスポイントで使える、法人向け認証モード。認証サーバ(RADIUSサーバなど)と連携し、ユーザーごとに個別のID・パスワードや電子証明書で認証(IEEE 802.1X認証)
【関連記事:Wi-Fiセキュリティ規格の種類と暗号化・認証方式の関係を徹底解説】
マルチSSID・VLAN機能に対応していること
多くのユーザー・端末がWi-Fiを利用する環境で業務用Wi-Fi親機の効果を最大化するには、マルチSSID・VLAN機能に対応した機種を選ぶことが重要です。
- マルチSSID機能:複数のSSIDを設定・運用できる機能。接続先SSIDごとに、通信規格(Wi-Fi6E・Wi-Fi6・Wi-Fi5など)、認証・暗号化方式(WPA3-SAEやWPA3-EAPなど)、周波数帯(6GHz帯・5GHz帯・2.4GHz帯)などを個別に設定できる
- VLAN機能:VLAN対応スイッチと連携し、SSIDごとにアクセス可能なネットワークを分離する機能。「ゲスト用Wi-Fiはインターネットのみ許可」「営業用Wi-Fiは営業部ネットワーク(PC・サーバ・プリンタなど)とインターネットに接続を許可」などの設定が可能
マルチSSID・VLAN機能を活用すれば、端末の種類や利用者の属性が混在するオフィスでも、各端末に最適な通信環境を提供できます。また、ゲスト用Wi-Fiのみ帯域制限や通信時間制限を設けることで、来客の利用増加による業務用Wi-Fiの帯域圧迫や通信速度低下を防ぐ運用も可能です。
サポート内容が充実していること
家庭用Wi-Fiルーターと業務用Wi-Fiルーター・アクセスポイントの大きな違いとして、法人専用サポート窓口を利用できる点が挙げられます。高性能機種は通信速度・利便性・セキュリティを強化できますが、無線通信機器ならではの設定の複雑さや、トラブルシューティングの難しさも伴います。
そのため、最適なネットワーク構成の提案から導入時の設定、トラブル対応や増設まで一貫して任せられるサービスを選ぶことが重要です。Wi-Fi経由でネットワークが使えなくなると業務が停滞するため、特にネットワーク技術に詳しい人材がいない場合は、年中無休のサポート付きサービスが必須です。
法人用Wi-Fi機器を導入するメリット

有線LANがメインのネットワークやWi-Fiルーター1台のみの無線LAN環境に比べ、高性能アクセスポイントを要所に設置する運用には多くのメリットがあります。例えば、オフィスレイアウトの自由度が上がることや、より快適・安全なゲスト用Wi-Fi(フリーWi-Fi)を提供できるようになることです。
オフィスレイアウトの自由度が上がる
多台数接続に対応できる業務用Wi-Fi親機を導入すると、これまでLANケーブルで配線していたPCやプリンタなどを無線接続できるようになり、固定位置に縛られなくなります。オフィスのレイアウトを大きく変更したり、従業員の増減に合わせて各種機器の台数を変更したりするのも容易です。
PoE(Power over Ethernet)に対応するアクセスポイントであれば、LANケーブル1本でデータ転送と給電を行えるため、電源工事を行わずに壁や天井へすっきりと設置できます。設置場所を選ばず、オフィス全体に快適なWi-Fi環境を整備できる点が特徴です。
配線の取り回しが難しい場所や電源を確保しにくい場所でも、無理なく執務スペースとして活用でき、オフィスレイアウトの自由度がさらに高まります。また、乱雑になりがちなLANケーブル配線や電源タップのタコ足配線を避けられるため、防災面の安全性を高められることもメリットです。
ゲスト用Wi-Fi(フリーWi-Fi)を安全に提供できる
来客に快適なフリーWi-Fiを安全に提供できるようになることもメリットです。マルチSSID・VLAN機能に対応する高性能アクセスポイントなら、業務用とゲスト用のネットワークを分離し、来客にはインターネット接続だけを提供できます。
オフィス内のPC・サーバなどへのアクセスを接続先SSIDで制御でき、不正アクセスや情報漏えいのリスク低減に役立ちます。ゲスト用Wi-FiにはWPA3-SAEなどセキュアな認証方式の他、メールアドレスやSNSアカウントによる利便性重視の認証方式を設定することも可能です。
フリーアドレス制度に対応しやすい
部署間を横断したコミュニケーションや自律的な働き方の促進のために、フリーアドレスを実現したいニーズもあるでしょう。従業員が固定席を持たず、ノートPCなどを活用して好きな席で働くオフィススタイルを取り入れるには、高性能アクセスポイントでオフィス全域をカバーすることが必須です。通信環境を意識することなく会議室や個室ブースなども自由に行き来できるようになれば、業務効率・生産性の向上につながります。
また、これまでは雑然としていて「来客に見せられない」といった印象があったエリアも、「映える」オフィス空間に生まれ変わります。清潔感のあるオフィス環境や働き方の柔軟さを対外的にアピールしやすくなり、企業イメージの向上や採用活動などにも役立つでしょう。
オフィスの移転にも対応しやすくなる
事業拡大に伴う人員増加やスペース不足の解消、リモートワーク比率の変化などにより、オフィスの移転を考えることもあるでしょう。有線LANがメインのネットワーク構成の場合、移転先で適用することが難しく、再配線のコストも大きくなります。
アクセスポイントを活用して有線LAN・無線LANの比率を変えると、再現すべき配線を最小化できます。通信チャネルや電波出力の自動調整機能がある高性能アクセスポイントなら、再設置後のトラブルも回避しやすく、低コスト・スムーズな移転がかないます。
法人用Wi-Fi機器を導入する際の注意点

業務用Wi-Fi親機は非常に有用ですが、電波を通じてデータ転送を行うため、有線接続に比べると注意点が多くなります。電波の特性やWi-Fi親機の機能を理解し、通信速度の安定性や十分なセキュリティを確保できる運用を目指しましょう。
通信速度が不安定になりやすい
Wi-Fi通信のデータを運ぶ電波は、他の通信機器や障害物・距離の影響で干渉・減衰が起こりやすく、LANケーブルによる有線接続に比べて通信速度は不安定になりがちです。
業務用Wi-Fiルーターは原則として光コンセント近くに設置する必要があり、最適な設置場所を調整しにくい課題があります。こういった問題は、高性能アクセスポイントを各部屋の壁・天井に設置することで解決できます。
とはいえ、社内LANの上流近く(ルーター周り)など遅延・障害を避けるべき経路は、極力LANケーブル接続にするのが得策です。
多角的なセキュリティ対策が求められる
Wi-Fi接続はLANケーブル接続に比べて、セキュリティ上の注意点も多くなります。例えば、通信内容の盗聴やWi-Fi親機への不正アクセスです。
必須のセキュリティ対策として、WPA3-SAEやWPA3-EAPといったセキュアな暗号化・認証方式の標準化、親機本体の管理パスワードの変更、ファームウェアの定期更新などが挙げられます。マルチSSID・VLANの計画的な設定、万が一の際に迅速に利用できるサポート窓口も重要です。多角的なセキュリティ対策のためにも、信頼できる事業者を通じた高機能・高性能アクセスポイントの導入が求められます。
オフィスのWi-Fi課題は「かんたんWi-Fi」の高性能アクセスポイントで一挙解決!

Wi-Fi環境を整備したい部屋数や同時接続台数が多い場合、またセキュリティを重視する場合、高性能アクセスポイントの導入が必須です。
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「ハイエンド6」プランのアクセスポイントは高速・高セキュアなWi-Fi6に対応し、1アクセスポイント当たり100台まで快適に同時接続できます。マルチSSID・VLANなど法人向けのセキュリティ機能も完備しており、フリーWi-Fiの安全な提供にも問題なく対応可能です。
オプションでPoE給電装置を導入すると、レイアウトの自由度もさらに高まります。24時間対応の訪問修理も受けられ、万が一の際も安心なアクセスポイント運用ができます。
まとめ

業務用Wi-Fiルーター1台で対応できるWi-Fiニーズは限定的です。高性能アクセスポイントを要所に設置すると、オフィスレイアウトの自由度が高くなり、エリアを問わず安定した多台数接続ができるようになります。アクセスポイントは有線LANの末端に接続するため、ネットワーク構築・更新の柔軟性に優れることも利点です。
マルチSSID・VLAN機能を活用すると、ユーザーが接続先SSIDを使い分けるシンプルな仕組みにて、ゲスト・全従業員・特定部門などの属性に応じて利用可能なネットワークを制御でき、利便性とセキュリティを両立した運用がかないます。
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