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Zoom背景ぼかしのデバイス別設定方法!使えない原因と対処方法も

テレワークなど柔軟な働き方の導入に伴い、Zoomミーティング中のプライバシー配慮が問題になることもあります。他人に見せたくないものを映さないために搭載されているのが背景ぼかし機能ですが、使い方がいまひとつ分からないという方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、Zoom背景ぼかしの前提条件とデバイス種類別の使い方、使えない原因と対処法について紹介します。有料ライセンス取得によるバーチャル背景・背景ぼかしの運用管理にも目を向け、Zoomの背景ぼかしを使いこなしましょう。

Zoomの背景ぼかしを利用する条件


Zoomの背景ぼかしを利用するには、「対応バージョンのアプリを使用すること」「デバイスのスペックがシステム要件を満たしていること」の2点を満たすことが必要です。まずは背景ぼかしを利用する必須条件と、きれいにぼかすコツを見ていきましょう。

【必須条件1】Zoomアプリのバージョン

背景ぼかしは「バーチャル背景」に追加された機能です。背景ぼかしを利用するには、対応バージョンのZoomアプリをインストールする必要があります。PCやスマホ・タブレットで、以下バージョンのZoomアプリをインストールしましょう。

・Windows PCやMac:バージョン5.5.0以降のZoomデスクトップクライアント
・iPhone/iPadやAndroid端末:バージョン5.6.6以降のZoomモバイルアプリ

【必須条件2】デバイスのスペック

背景ぼかし機能はビデオの前景と背景を区別し、リアルタイムで背景のみをぼかします。使用デバイスには複雑な計算処理に対応できるスペックが必要です。

Zoomデスクトップクライアントはバーチャル背景の「グリーンスクリーンなしの画像のみ」のシステム要件を満たすこと、Zoomモバイルアプリはバーチャル背景のデバイス要件を満たすことも求められます。主なシステム要件は以下の通りです。

・Windows PC:Windows 7・8・10(64 ビット)・11、第5世代のIntel i3デュアルコアプロセッサ以上など
・Mac:macOS 10.13以降、第6世代のi5デュアルコアプロセッサ以上など
・iPhone:iPhone 8以降
・iPad:第5世代iPad以降またはiPad Pro
・Android端末:Android 8.0以降、arm64プロセッサ8コア以上、メモリ3GB以上など

背景ぼかしの品質を上げるコツ

背景をきれいにぼかすにはデバイスの演算処理能力も重要ですが、前景・背景の映り方を変えることでも品質は変わります。基本的に「前景と背景のコントラスト」が重要です。以下のようなポイントを意識しましょう。

・高品質なカメラを使用する
・背景の色をなるべく統一する
・髪や衣服と背景の色が被らないようにする
・照明の明るさや色を均一にする
・顔だけでなく背景も照らす

システムの負荷を抑えるという意味でも、前景・背景を区別しやすいセッティングをすることが大切です。

【関連記事:Zoomのバーチャル背景とは?設定方法や自然に見せるコツを解説

Zoomミーティングで背景ぼかしを使う方法


ここでは、PC・スマホ・タブレットで背景ぼかしを使う手順を紹介します。Zoomミーティングが開始になってから慌てないよう、しっかりと把握しておきましょう。

バーチャル背景を有効化

背景ぼかしはバーチャル背景の一種であるため、利用するにはバーチャル背景の有効化が必要です。有効化設定は以下の手順で確認やオン/オフができます。

1.Zoomウェブポータル(https://zoom.us/signin)にサインイン
2.ナビゲーションメニューで、[設定] をクリック
3.[ミーティング]の[バーチャル背景]オプション([ミーティング内(詳細)]セクション)に移動し、設定が有効であることを確認

Zoomの有料ライセンスを取得すると、アカウントレベル/グループレベルでバーチャル背景の有効化設定ができます。オプションがグレー表示の場合はアカウントレベル/グループレベルでロックされているため、管理者に問い合わせましょう。

PCでZoomミーティング中に背景ぼかしを設定

Windows PCやMacの場合、Zoomミーティング中に背景ぼかしを設定する手順は以下の通りです。

1.Zoomデスクトップクライアントを開き、サインイン
2.ミーティングに参加
3.画面下部[ビデオの開始 ] / [ビデオの停止]の右横にある[^]をクリック
4.[背景をぼかす]をクリック

なお、ミーティング中に背景ぼかしを設定する場合、バージョン5.9.3以降のZoomデスクトップクライアントが必要です。

PCでZoomミーティング参加前に背景ぼかしを設定

Windows PCやMacの場合、Zoomミーティング参加前に背景ぼかしを設定する手順は以下の通りです。

1.Zoomデスクトップクライアントを開き、サインイン
2.プロフィール画像をクリックし、[設定]をクリック
3.[背景とフィルタ]を選択
4.[ぼかし]オプションをクリック

Zoomウェブポータルでバーチャル背景を有効化した直後だと、[バーチャル背景]タブがない場合もあります。この場合はZoomデスクトップクライアントから一旦サインアウトし、再度サインインしましょう。

スマホやタブレットでZoomミーティング中に背景ぼかしを設定

iPhone/iPadやAndroid端末の場合、以下の手順でZoomミーティング中に背景ぼかしを設定できます。

1.Zoomモバイルアプリを開き、サインイン
2.ミーティングに参加
3.画面下部のメニューから[…詳細]をタップ
4.iPhone/iPadは[背景とエフェクト]、Android端末は[バーチャル背景]をタップ
5.[ぼかし]をタップ

iPhone/iPadでZoomミーティング参加前に背景ぼかしを設定

iPhone/iPadの場合、以下の手順でミーティングルーム入室前に背景ぼかしを設定できます。

1.Zoomモバイルアプリを開き、サインイン
2.画面下部のメニューから[…詳細]をタップ
3.[設定]セクションの[ミーティング]をタップ
4.[ビデオ]セクションの[背景とエフェクト]をタップ
5.[バーチャル背景]タブから[ぼかし]を選択
6.次回以降も背景ぼかしを自動適用する場合、[ビデオ]セクションの[次のためにバーチャル背景を保存]をタップし、[すべてのミーティング]を選択

Android端末でZoomミーティング参加前に背景ぼかしを設定

Android端末の場合、ミーティング前に背景ぼかしを設定する項目がありません(2023年4月時点)。ただし背景ぼかしの設定は次回ミーティングに引き継げるため、本番ミーティング前に以下の手順を踏みましょう。

1.Zoomモバイルアプリを開き、サインイン
2.画面下部のメニューから[…詳細情報]をタップ
3.[設定]セクションの[ミーティング]をタップ
4.[ビデオ]セクションの[次のためにバーチャル背景を保存]をタップし、[すべてのミーティング]を選択
5.テスト用のミーティングルームに入室
6.画面下部のメニューから[…詳細]をタップ
7.[バーチャル背景]タブから[ぼかし]を選択
8.退室すると、以降のミーティングに背景ぼかし設定を引き継げる
9.本番ミーティングに参加時、入室と同時に背景ぼかしが適用される

背景ぼかしをオフにする

背景ぼかしをオフにする方法は、バーチャル背景の選択画面で[None] / [なし]を選択するだけです。背景ぼかしのオン/オフはいつでもできます。ただし、オフにした状態で退室すると次回ミーティングの入室時にオフ設定が引き継がれる場合もあるため、入室前に設定をチェックしておきましょう。

Zoomの背景ぼかしが使えない原因と対処法


Zoomの背景ぼかし機能は、アプリのバージョンや機種によっては非対応です。古い機種や低スペックな機種は、最新バージョンのアプリをインストールしても使えないケースが多いでしょう。ここでは、背景ぼかしを使えない原因と対処法を解説します。

Zoomアプリのバージョンが古い

背景ぼかしは、バージョン5.5.0のZoomデスクトップクライアント、バージョン5.6.6のZoomモバイルアプリで利用可能になった新機能です。デバイスにインストールしているアプリがこれら以前のバージョンの場合、システム要件を満たしていても背景ぼかしは使えません。Zoomデスクトップクライアントをアップデートする方法は以下の通りです。

1.Zoomアプリを開き、サインイン
2.画面右上のプロフィール写真をクリック
3.[アップデートの確認]をクリック
4.[更新が利用可能]と表示されたら[更新]をクリック

iPhone/iPadはApp Storeから、Android端末はGoogle Playストアから、「Zoom – One Platform to Connect」を検索してアップデートしましょう。

Windows PCのスペック不足

Zoomデスクトップクライアントの最新バージョンをインストールしても、「バーチャル背景は使えるのに背景ぼかしの表示が出ない」「選択しようとするとエラー表示が出る」といったケースがあります。これはデバイスのスペック不足が原因です。Windows PCの場合、以下のようなケースで背景ぼかしを使えません。

・Windows 10の32ビット版を使用している
・CPUがi3の4世代目以前やi5以上の2世代目以前
・CPUがAMD製で、2.0Ghz未満または論理コア8つ未満

Macのスペック不足

MacもWindows PCと同様に、スペック不足で背景ぼかしが使えないケースもあります。サポートされているプロセッサは以下の通りです。

・Apple M1
・第6世代以降のi5デュアルコアプロセッサ
・第4世代以降のi7 4コア以上

例えば、2020年リリースのMacBook Airはi3搭載モデルもありますが、これはシステム要件を満たしません。macOSを最新版にアップデートしても背景ぼかしは使えないため、システム要件を満たすMacを使う必要があります。

iPhoneやiPadが古い

iPhoneやiPadも、古い機種だと背景ぼかしを使えない場合があります。必要なシステム要件をもう一度おさらいします。

・iPhone 8以降
・第5世代以降のiPad
・iPad Pro

Android端末は背景ぼかし非対応のメーカーも

Android端末はiPhone/iPadよりシステム要件が複雑です。まず「Android 8.0以降」「3GB以上のメモリ」を搭載していることが必要で、CPUやGPUの要件もあります。

また「メーカーによっては非対応」という問題もあるため、最新の上位機種でも背景ぼかしを使えない場合があることは注意点です。Zoom公式によると以下メーカーのAndroid端末のみをサポートしています。

・Google
・OnePlus
・Oppo
・Redmi
・Samsung
・Vivo
・Xiaomi
・Huawei

Zoomにサインインしていない

背景ぼかしを利用するには、Zoomにサインインすることが必要です。最新バージョンのアプリをインストールし、システム要件を満たしていても、サインインしていなければ背景ぼかしは利用できません。

背景ぼかしは無料アカウントでも利用できるため、サインアップ・サインインしましょう。なお有料アカウントを契約すれば、アカウント単位やグループ単位で背景ぼかしの利用可否をコントロールすることもできます。

最低限のコストでZoom運用を管理するならイッツコム!

Zoomのバーチャル背景・背景ぼかしはプライバシー保護に役立ちます。しかし従業員によっては、ビジネスにふさわしくないバーチャル背景画像を使用したり、通信帯域やシステムへの負荷が大きいビデオを使用したりする場合もあるでしょう。

管理者が有料ライセンスを取得すれば、アカウント単位やグループ単位でバーチャル背景・背景ぼかしの利用方法をコントロールできます。例えば背景ぼかしの使用可否、バーチャル背景で使用できる画像の制限やビデオの使用可否などです。

またホストが有料ライセンスユーザーなら「ミーティングの40分制限」はなく、実質無制限(30時間/1回)で利用できるのもメリットです。

イッツコムなら日本語サポート込みの有料版Zoomを、プロプラン1ライセンスから契約できます。管理者向けのマニュアルも充実しているため、適切な管理を考えやすくなることも利点です。

まとめ


Zoomの背景ぼかしは、バーチャル背景に追加された新機能です。ZoomデスクトップクライアントでもZoomモバイルアプリでも利用できますが、古いバージョンは対応していません。iPhone/iPad以外のシステム要件はやや複雑で、「比較的新しい機種なのに使えない」という場合もあります。

また背景ぼかしを使用するにはZoomのアカウント取得も必要です。参加者の背景ぼかしを管理するなら、有料ライセンスを取得しましょう。Zoomの背景ぼかしを使いこなすなら、プロプラン1ライセンスから契約できるイッツコムにご相談ください。