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光回線の固定IPアドレスとは?プロバイダとの関係や活用方法を解説

企業がネットワークを利用する上で、プロバイダの固定IPアドレス利用は必須です。「プロバイダの固定IPアドレスが、どのようなものなのか知りたい」「プロバイダの固定IPアドレスを導入するメリットは何か」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

テレワークが増えてきた昨今では、社外にいても社内のネットワークにアクセスするために、固定IPアドレスの重要性が再注目され始めています。

そこで、この記事では「プロバイダの固定IPアドレス」について解説します。企業がプロバイダの固定IPアドレスを取得するメリットを知り、ぜひ導入を検討しましょう。

プロバイダと固定IPアドレスの関係とは?


そもそも、IPアドレスとは何を指すのでしょうか。IPアドレスとは、スマホやPCなどの機器が、どこからアクセスしているか識別するために必要な数列です。手紙や宅配が住所を頼って届くのと同じように、IPアドレスが特定できないとインターネット回線につなげません。ここでは、IPアドレスの必要性や仕組みを解説します。

1.IPアドレスとプロバイダの関係

IPアドレスとは、IP(Internet Protocol)ベースのネットワーク内の各デバイスに割り当てられる識別番号(住所)です。PCやサーバーなどが一意のIPアドレスを持つことで、インターネットのような広大なネットワークでも個々の機器を識別し、データを正しい送信元・宛先間で送受信できます。

インターネット内の住所となるIPアドレスを発行し、インターネット接続を仲介する事業者がプロバイダ(ISP)です。インターネットの接続経路となる光回線などの通信回線と、IPアドレスを発行するプロバイダの両方を契約することで、インターネットを利用できます。

なお、WebサイトのURLに「○○.co.jp」などという文字列がありますが、これはWebサーバーのIPアドレスを人間が認識しやすい文字列に置き換えたものです。

2.動的IPアドレスは流動的な住所

IPアドレスには、2つの種類があります。最初に動的IPアドレスについて見ていきましょう。動的IPアドレスとは、DHCP機能により自動でIPアドレスを割り振りするものです。そのため、いつIPアドレスが変わるか分からないという点が動的IPアドレスの特徴となります。

例えば、PCでインターネットにつないで、その後にもう一度つなぎ直したとします。その際に、最初にインターネットにつないだときと、再度インターネットにつないだときとでIPアドレスが変わることが動的IPアドレスの特徴です。動的IPアドレスは自動でIPアドレスが割り振りされるため、IPアドレスを管理する必要がなくなり、重複の心配もなくなります。またIPアドレスの自動振り分けは、一定期間で変わる場合もあります。

3.固定IPアドレスは固定的な住所

固定IPアドレスとは、故意に変更しない限り、IPアドレスが変わらない設定のことを指します。固定IPアドレスと動的IPアドレスとの違いは、IPアドレスが変わるか、変わらないかという点です。

固定IPアドレスでは、変えようとしない限りは、IPアドレスが変わることはありません。そのため、どのIPアドレスがどの機器に振り分けられているかを見分けることが容易です。対して動的IPアドレスでは、IPアドレスが一定期間ごとに自動で振り分けられるため、IPアドレスが変わります。固定IPアドレスを使えば、IPアドレスの変更がないまま、端末の利用が可能です。

4.固定IPアドレスはプロバイダの有料サービス

インターネットを利用する際、特に設定を変更しなければ自動的に動的IPアドレスを利用しています。動的IPアドレスはプロバイダの基本サービスとして提供されるため、サービス内容に特記されることもありません。

これに対し、固定IPアドレスは有料サービスです。動的IPアドレスはインターネット接続時に使われていないIPアドレスを自動割り当てするだけで済みますが、固定IPアドレスは顧客のために常に特定のIPアドレスを確保する必要があります。このため「固定IPアドレス○個で○○円」といったオプションサービスで提供されるのが一般的です。

プロバイダから固定IPアドレスを取得する3つのメリット


ここでは、プロバイダの固定IPアドレスを使う4つのメリットについて解説します。固定にする必要として第一に挙げられるのがテレワークに最適という点です。コロナ禍の影響もあり、多くの企業がテレワークを実施しています。固定IPアドレスを使うことで、安心して社外でもインターネットをつないで仕事ができるようになるでしょう。

1.テレワーク中でも社内のファイルサーバーにアクセスできる

固定IPアドレスのメリットとして、テレワーク中でも社内のファイルサーバーにアクセスできることがあります。ファイルサーバーのIPが固定の場合、アドレスを知っていればアクセスが可能です。

逆に社内のファイルサーバーが固定IPアドレスでなかった場合、IPアドレスが毎回変わってしまうため、アクセスできません。テレワーク中に、わざわざ出勤する必要が出てきてしまい、非効率的です。社外からも社内サーバーにアクセスするためには、固定IPが必要不可欠と言えるでしょう。

2.指定されたIPアドレス以外のアクセスを制限し、セキュリティを強固にできる

固定IPアドレスのメリットとして、指定されたIPアドレス以外のアクセスを制限し、セキュリティを強固にできることも挙げられます。指定されたIPアドレス以外のアクセスを制限することで、不特定多数のインターネット機器からの接続を遮断できるため、セキュリティが強固となります。

仮に、悪意のあるユーザーによってパスワードが見破られてしまった場合、固定IPアドレスを振り分けられていない端末を遮断できれば、パスワードが見破られていたとしてもアクセスできず、セキュリティ面に不安を覚える必要がなくなります。

指定されたIPアドレス以外のアクセスを制限することで、セキュリティを強固にできる点は、固定IPアドレスの大きなメリットと言えるでしょう。

3.24時間連続して監視できる

固定IPアドレスには、24時間連続して監視できるというメリットもあります。IPアドレスが変わることがなくなるため、1つのIPアドレスを追ってさえいれば、24時間連続して監視できる仕組みです。

その代表的な例がWebカメラです。Webカメラに振り分けられた固定IPアドレスによって、外にいたとしても24時間どこからでも監視が可能です。

固定IPアドレスを必要とする企業って?


では、プロバイダの固定IPアドレスはどのような企業が利用するとメリットを享受できるのでしょうか。テレワークでのセキュリティに関して不安を感じる企業や、Webカメラなどで監視する必要がある企業、自社運営のWebサイトを提供したい企業、リモートアクセスを利用したい企業が挙げられます。ここからは、その理由について詳しく見ていきましょう。

1.テレワークでのセキュリティが不安な企業

テレワークのように遠隔から作業することにセキュリティに関しての不安を感じる方も多いでしょう。その際に、固定IPアドレスを用いることで、特定のIPアドレス以外からのアクセス制限などを設けることで、セキュリティの不安を軽減できます。

2.Webカメラなどで監視する必要がある企業

Webカメラで動画を記録する際に、Webカメラに固定IPアドレスを使うことで24時間リアルタイムの動画を記録できます。

オフィスや工場の防犯カメラで利用されることが多く、医療施設でも、各部屋にWebカメラを取り付けることで、患者さんの様子を確認できるようになります。医療従事者に限りがある施設や、近づくことが難しい感染症施設でも役立ちます。

3.自社運営のWebサイトを提供したい企業

Webサイトを提供するには、データの保存や送受信を担うサーバーに、常に特定のIPアドレスを割り当てる必要があります。動的IPアドレスでは時間経過でIPアドレスが変わってしまうため、IPアドレスの変更を知らないユーザーは目的のWebサイトにたどり着けません。

自社内にあるWebサーバーに固定IPアドレスを設定することで、自社運営のWebサイトを提供できます。

4.リモートアクセスを利用したい企業

社外ネットワークから社内LANへリモートアクセスをする際にも固定IPアドレスが必要です。ファイルサーバーやWindows PCのリモートデスクトップ機能を利用する際には、固定IPアドレスでサーバーやルーターの住所を固定化し、接続元のデバイスを認証します。

また、VPNサーバーを自社構築してセキュアなリモートアクセス環境を構築する際も、同様に固定IPアドレスが必要です。

プロバイダの固定IPアドレスを導入するときの注意点


固定IPアドレスは基本的にサーバー運用をしたいユーザー向けに提供されるため、一般ユーザー向けに割り当てられる動的IPアドレスとはいくつかの点で考え方が異なります。ここからは、固定IPアドレスを導入する際の注意点について解説します。

固定IPアドレスを提供していないプロバイダもある

固定IPアドレスは基本的にオプションサービスです。プロバイダによっては固定IPアドレスの払い出しに対応していないこともあります。法人向けサービスは対応していることが多いものの、個人向けサービスには固定IPアドレスのオプションがない場合も珍しくありません。

追加で料金が発生することもある

プロバイダからすると、契約者のために特定のIPアドレスを常に確保する固定IPアドレスは、空いたIPアドレスを適時割り当てる動的IPアドレスより高コストです。固定IPアドレスはオプションサービスとして払い出しを受けるか、特別なプランの基本サービスとして提供されます。

料金システムとしては、「固定IPアドレスひとつにつき月額料金○円増し」というサービスが一般的です。サービスによって1APにつき1,000円程度から1万円程度まで幅広く、いずれにせよ動的IPアドレスの場合よりコスト増となります。

IPv6 IPoEとの併用ができないこともある

IPアドレスの規格は「IPv4」か「IPv6」のいずれかで、これらは互換性がありません。プロバイダサービスのインターネット接続方式が「IPv6 IPoE」の場合、従来のIPv4アドレスにアクセスできない場合があります。

またIPv6の固定IPアドレスを使っている場合、「IPv4 PPPoE」によるアクセスを受けられないケースも少なくありません。IPv4・IPv6の両方に対応できるプロバイダもありますが、IPアドレスやインターネット接続方式の仕様には注意しましょう。

セキュリティを強化する必要がある

固定IPアドレスは情報サービスの自社提供に必須ですが、インターネット上の住所であるIPアドレスを固定化することで、サイバー攻撃の標的としてロックオンされやすくなる懸念もあります。

そこで不正アクセスなどの標的型攻撃に対するセキュリティ対策が必須です。ファイアウォールやセキュリティソフトの導入、VPNサーバーの運用によるセキュアアクセスなど、ネットワークセキュリティを高める取り組みが求められます。

固定IPアドレスを取得できるプロバイダならイッツコム!


イッツコムの法人向け光回線「イッツコム光接続サービス」なら、固定IPアドレスをリーズナブルに利用できる上、ビジネスユースに対応する回線速度と安定性が魅力です。また「モバイル閉域接続」を組み合わせれば、外部ネットワークから低コストかつ安全にアクセスできます。

オフィス内の固定IPアドレス払い出しには「イッツコム光接続サービス」

「イッツコム光接続サービス」は、安定した高速回線と固定IPアドレスの払い出しを両立させ、さらにランニングコストを抑えられる法人向け光回線サービスです。

通信速度は一般的な光回線を上回る下り2Gbps・上り1Gbpsである上、最新のインターネット接続方式「IPv6 IPoE」に標準対応するため、時間帯にかかわらず安定した高速回線を利用できます。

「固定IPアドレスプラン」なら標準で固定IPアドレスひとつを払い出し、オプションで3つまたは7つの固定IPアドレスを追加できます。さらに光回線・プロバイダ一体型のサービスなので、他社サービスよりランニングコストを抑えられ、トラブルの際のサポート窓口も一本化できます。

SIM認証でスマートなリモートアクセス「モバイル閉域接続」

リモートアクセスのセキュリティ対策には社外ネットワークのデバイスにも固定IPアドレスを付与することが効果的ですが、デバイスの量に比例してコスト増となる懸念があります。

そこで導入したいのが、SIM認証で閉域網接続ができるモバイルデータ通信サービス「モバイル閉域接続」です。モバイル閉域接続はPCやスマホに専用SIMを挿入するだけで経路判別し、インターネットを経由せずに社内LANへアクセスできます。

SIM認証により社内LANへアクセスするデバイスを制限できる上、社外ネットワークで固定IPアドレスを取得する必要がなくなるため、セキュリティ強化とコスト削減を両立できるのがメリットです。

PCやスマホ以外にも、SIM対応の監視カメラやドライブレコーダーでも利用できます。複数SIMで通信容量をシェアする「シェアプラン」も利用でき、トータルの通信容量ベースで費用を計算できるため、狭帯域で運用できるデバイスとの相性も抜群です。

まとめ


テレワークが増える昨今、固定IPアドレスを設定しておくことで安心して社外からもサーバーにアクセスすることが可能になります。固定IPアドレスは、デバイスごとのアクセスをプライベート回線にするためにも必須と言えます。プロバイダに連絡することで簡単に導入できるので、自社に最適なプランを選びましょう。

イッツコムでは、法人向けに固定IPアドレスの提供とともに高速通信を可能にする光回線も提供しています。余計なオプションが付いていないため、予算や企業規模に応じた最適なプランを選べるのが特徴です。固定IPアドレスの導入をご検討の方は、ぜひイッツコムまでお気軽にご相談ください。