Web会議を録音する方法は?ポイントやZoomの録音機能の使い方
目次
Zoom WorkplaceなどでWeb会議をする機会が増えると、会議内容の録音について考えることもあるでしょう。会議は複数の方法で録音できますが、プライバシーや設定ミスなどの注意点もあります。
この記事では、Web会議を録音する際のポイントや具体的な方法、Zoom Workplaceのレコーディング機能の使い方を解説します。高機能なクラウドレコーディングも使いこなし、議事録の管理や共有を効率化しましょう。
Web会議を録音する主なメリット
Web会議を録音しておくと会議後のトラブル防止や振り返りなどに役立つため、主催者側の判断でレコーディング機能などを活用するのがおすすめです。
トラブル防止のための証拠を残せる
Web会議の内容を録音するメリットの1つは、会議後のトラブルを防止するための証拠を残せることです。録音データには、文字では表現しにくい言葉の抑揚・間・ニュアンスや、発言に対する参加者の反応なども、そのまま記録されます。発言者と発言内容、決定事項の経緯などが明確に記録されることで、口頭でのコミュニケーションにありがちな「言った言わない」という問題を防止できます。
議事録の作成や振り返り・情報共有に役立つ
Web会議の録音は、議事録の作成にも役立ちます。メモを取りながらWeb会議に参加することもできますが、人手で全ての内容をメモに残すことは難しく、重要な内容の聞き逃しや記入漏れも発生します。
録音しておけばメモを取る必要がなくなり、参加人数が限られる会議でも、全員が議論やヒアリングに集中できます。アプリの文字起こし機能を使い、議事録作成を効率化することも可能です。
データ化した議事録は、会議参加者はもちろん参加しなかった関係者とも共有しやすく、共通認識を築くことに役立ちます。会議の振り返りや情報共有という意味でも、録音は重要です。
Web会議を録音するとき注意したいポイント
誰でも自由にWeb会議の内容を録音できると、プライバシーやセキュリティの問題が生じることもあります。録音の音声品質や設定上のトラブル、音声データの共有方法やストレージ容量なども懸念点です。主催者側が録音に関するルールを取り決め、参加者に周知することが大切です。
事前に相手の許諾を得ることが必要
Web会議システムは社内ミーティングやオンライン商談、会員制のオンラインセミナーなど、さまざまな目的に利用されます。参加者にはさまざまな立場の人物が含まれ、プライバシーや企業秘密に関わる内容が共有される場合も多いでしょう。
特に社外ユーザーを含めたWeb会議を録音・録画する場合、後々トラブルに発展する恐れもあるため、事前に参加者から許諾を得ることが必要です。また情報流出を避けるために、録音を許可するメンバーやデバイス、保存内容や共有相手なども適切に管理しなければなりません。
録音方法によっては音声品質や設定トラブルが起こる
録音方法や使用ツールによって、音声品質は変わります。大勢が参加するWeb会議の場合、複数名の発言や環境音が入り混じり、「重要な内容が聞き取りにくい」「誰が何を話しているか判別しにくい」といった問題も起こります。
録音方法によっては、ステレオミキサー(音量ミキサー)を操作して録音する音声チャネルを切り替えるなど、事前設定も必要です。設定ミスがあると、「録音したはずができていなかった」といった問題も起こります。
アプリの仕様やデバイスの位置関係など、トラブルの発生要因が多い録音方法の場合、きれいに録音するには知識と慣れが必要です。
ストレージ容量や共有など録音後の管理も懸念点
録音データの管理も注意点です。ビジネスシーンのWeb会議は長時間の録音となることも多いでしょう。音声ファイルはテキストファイルに比べてファイルサイズが大きく、毎回のWeb会議の録音データを蓄積するとストレージ容量を圧迫します。また、ローカルストレージに保存すると共有にも手間がかかります。保存後の管理や共有のことも考え、クラウドストレージの活用も検討しましょう。
Web会議を録音する3つの方法
Web会議を録音する方法は主に3種類あります。OS標準のレコーディングアプリを使うとコンピュータ音声を録音でき、スマホやICレコーダーなど外部デバイスでスピーカー再生音を録音することもできます。ただし設定ミスなどの注意点もあるため、基本的にはWeb会議システムのレコーディング機能で録音する方法がおすすめです。
内蔵アプリでコンピュータ音声を録音
Web会議に参加するPCにインストールされたアプリを使えば、システム音声(内部音声)やマイク音声(外部音声)を録音できます。どのWeb会議システムでも録音方法は共通で、「イヤホンをつけたままでも録音できる」のが主な利点です。
OS標準のアプリに加え、ストアで公開されている無料・有料アプリも活用可能です。録画や文字起こし対応など、機能はアプリによって異なるため、目的に合ったものを選ぶことが重要です。OS標準アプリでの録音方法は以下の通りです。
- Windows 10/11:「Windows」キー+「G」でXbox Game Barを起動し、アプリ画面や出力音声、マイク音声を録音
- Mac:QuickTime Playerを起動し、アプリ画面とマイク音声を録音(出力音声は不可)
外部デバイスでスピーカー再生音を録音
イヤホンをつけずにWeb会議に参加する場合、PC以外のデバイスでスピーカーの再生音を録音する方法もあります。
手軽な方法は、手持ちのスマホをPCのスピーカーの近くに置き、無料のボイスレコーダーアプリを使用することです。例えばiPhoneの場合、標準搭載された「ボイスメモ」アプリを使って、PCのスピーカー再生音と自身の声をまとめて録音できます。より高品質な録音を求める場合、専用のICレコーダーなどを使用する方法もあります。
ただし、デバイスの位置関係などによっては、音声のバランスが悪かったりハウリングを起こしたりするため、上手に録音するには工夫が必要です。
【関連記事:大人数参加のWeb会議におすすめのデバイス環境・プランや設定方法】
Web会議システムのレコーディング機能で録音
Zoom Workplace、Microsoft Teams、Google MeetなどWeb会議に使用するアプリのレコーディング機能を利用すると、簡単な操作で録音や録画ができます。Web会議システムはオンラインミーティング中の通信データを管理するため、イヤホンをつけていてもいなくても、安定した録音が可能です。
サービスによって、「無料版では録音できない」「参加者による録音をコントロールしづらい」など、機能の使い勝手に違いがあります。録音に関する機能を加味して、使用するWeb会議システムを選ぶことも大切です。
例えばZoom Workplaceは、無料版でもローカルレコーディングができ、参加者の録音可否も柔軟にコントロールできます。参加者それぞれの音声を個別に録音したり、自動文字起こしやミーティング内チャットを保存したりすることも可能です。
【関連記事:Zoom有料版「プロプラン」を利用すべき理由とは?無料版との比較を解説】
【ローカルレコーディング】ZoomでWeb会議を録音・録画する方法
Zoom Workplaceのレコーディング機能はローカル・クラウドの2種類があります。無料プランのユーザー(ベーシックユーザー)が利用できるのは、PC内ストレージを保存先とするローカルレコーディングのみです。iPhone/iPadやAndroid端末でレコーディング機能を利用したい場合、有料プランにアップグレードしてクラウドレコーディングを行います。
ここではローカルレコーディング機能で録音する方法を解説します。
ローカルレコーディングの条件と準備
Zoom Workplace無料プランを利用するユーザー(ベーシックユーザー)は、ミーティングのホストになった際に、PCのストレージへ録音・録画を保存するローカルレコーディングが利用できます。事前に以下の設定を確認・変更しておきましょう。
- Zoomデスクトップクライアントの設定:歯車アイコン(設定)→[レコーディング]の順にクリックすると、保存場所の変更や参加者ごとの録音ファイルを個別保存する設定が可能
- Zoomウェブポータル(https://zoom.us/signin#/login)の設定:[マイアカウント]→[設定]→[ミーティング]を開き、[チャット自動保存]のトグルをオンにすると、チャット内容を全て自動保存できる。また、[自動字幕][全文の文字起こし][字幕の保存]の各トグルをオンにすると、自動文字起こしや字幕の手動保存が可能になる
ホストがローカルレコーディングを開始する手順
Zoomミーティングのホストがローカルレコーディングを利用する基本的な手順は以下の通りです。
1.ホストとしてZoomミーティングを開始する
2.[レコーディング]をクリック(メニューが表示されている場合、[このコンピュータにレコーディング]を選択)
3.録音・録画中は「レコーディングしています」と表示されている部分から一時停止や停止ができる
4.[参加者]をクリックすると、現在レコーディング中のメンバーと録音・録画の状況が確認できる
5.ミーティング終了後にレコーディングをMP4形式に変換
6.変換が完了するとファイルの入ったフォルダが開く
事前に字幕や自動文字起こしの設定をしておけば、簡単な操作で文字起こしの自動化と保存も可能です。[字幕]メニューをクリックすると、発言の自動文字起こしを開始できます。さらに、[文字起こし]→[文字起こしを保存]の順にクリックすると、自動文字起こしのテキストファイルをダウンロードできます。
参加者がローカルレコーディングを開始する手順
Zoomミーティングの参加者は、ホストから許可されれば、自らローカルレコーディングを開始して、録音・録画を自身のPCに保存できます。ホストが個別の参加者にローカルレコーディングを許可する手順は以下の通りです。
1.ホストとしてZoomミーティングを開始する
2.[参加者]をクリックして参加者一覧を表示する
3.許可したい参加者にカーソルを合わせ[…]をクリックし、[コンピュータへのレコーディングを許可する]を選択する
4.参加者は[レコーディング]からローカルレコーディングを開始できる
また、参加者全員の許可設定を一括で行うこともできます。[ホストツール]をクリックし、[次のことを参加者全員に許可:]欄の[コンピュータにレコーディングする]や[コンピュータにレコーディングするようリクエストする]を選択すると、参加者全員がローカルレコーディングを直接開始したり開始許可のリクエストをしたりできるようになります。
【クラウドレコーディング】ZoomでWeb会議を録音・録画する方法
Zoom Workplaceの有料ライセンスユーザーは、Zoomクラウドを保存先とするクラウドレコーディング機能を利用できます。同一アカウント内の保存データはZoomウェブポータルから一元的に管理でき、組織内ユーザーとの共有も容易です。
クラウドレコーディングの条件と準備
Zoom Workplaceの有料プランへアップグレードすると、有料ライセンスを割り当てられたユーザーがミーティングのホストになったとき、ローカルレコーディングとクラウドレコーディングを使い分けられます。
クラウドレコーディングは、Zoomクラウドにレコーディングを保存し、Zoomウェブポータルから簡単な操作でレコーディングの検索・編集・共有や詳細な管理ができるようになる機能です。クラウドレコーディングはiPhone/iPadやAndroid端末でも開始できます。
また、アクティブスピーカー・ギャラリービュー・共有画面を個別にレコーディングするなど、ローカルレコーディングよりも詳細な録音・録画設定が可能です。事前にZoomウェブポータルから設定を確認・調整しておきましょう。
なお、Zoomクラウドの容量は、「プロ」「ビジネス」プランは1ライセンス当たり10GB、「エンタープライズ」プランなら容量無制限です。
ホストがクラウドレコーディングを開始する手順
Zoomミーティング中にクラウドレコーディングを開始する手順は以下の通りです。
1.有料ライセンスユーザーがZoomミーティングを開始する
2.[レコーディング]ボタンをクリック
3.[クラウドにレコーディング]を選択してレコーディングを開始
4.[レコーディングの一時停止/レコーディングの停止]または[ミーティングの終了]をクリックし、レコーディングを停止する
5.レコーディング処理が完了するとZoomからホストのメールアドレスに通知メールが送信される
参加者がクラウドレコーディングを開始する手順
クラウドレコーディングを開始できるのは、ミーティングのホストと共同ホストのみです。参加者がクラウドレコーディングを行うには、ホストから共同ホストに指定される必要があります。手順は以下の通りです。
1.有料ライセンスユーザーがZoomミーティングを開始する
2.[参加者]をクリックして参加者一覧を表示する
3.共同ホストにしたい参加者にカーソルを合わせ[…]をクリックし、[共同ホストに指定]を選択する
4.共同ホストは[レコーディング]からクラウドレコーディングを開始できる
また、[ホストツール]をクリックし、[次のことを参加者全員に許可:]欄で[クラウドレコーディングを開始するようにホストにリクエストする]を選択すると、参加者全員が録画の開始をリクエストできるようになります。参加者が[レコーディング]からリクエストを送り、ホストが[レコーディングを開始]を選ぶと録画が始まります。
クラウドレコーディングの共有方法
録音した音声ファイルを共有する際、ローカルレコーディングの場合は一旦クラウドストレージにアップロードするなど手間がかかります。クラウドレコーディングの場合はZoomクラウドへ直接保存され、簡単な操作で共有設定も行えます。
1.Zoomウェブポータルにサインインする
2.[アカウント管理][記録管理]の順にクリックすると、クラウドレコーディングの一覧が表示される
3.ミーティングID・トピック・キーワードや日付範囲を指定して、共有するクラウドレコーディングを検索
4.レコーディングのページで[共有]をクリックする
5.[このクラウドレコーディングを共有する]ポップアップウィンドウで、[共有設定]を調整する
6.[共有情報のコピー]をクリックしてリンク(及びパスワード)をコピーし、メールやビジネスチャットなどに貼り付け共有する
Web会議の録音・録画を効率化するZoom Workplaceの導入ならイッツコム!
録音・録画ができるWeb会議システムは複数ありますが、機能が不足していたり、有料版を利用すると高コストになったりします。
そこで導入したいのが、多機能・高性能かつ低コストの「Zoom」です。無料アカウントにはミーティングの40分制限がありますが、有料アカウントなら実質無制限(30時間/1回)で利用できます。
ウェビナーアドオンを購入すればZoomウェビナー機能も利用でき、最大1万人参加のウェビナー開催も可能です。ミーティングやウェビナーの模様は安全なクラウドに保存できます。
有料アカウントが必要なのはホストのみで、参加者は無料アカウントで高機能なミーティングやウェビナーに参加できるため、他社サービスより大幅に低コストであることも利点です。イッツコムなら日本語サポート付きの有料版Zoomをプロプラン1ライセンスから提供しています。管理者向けの各種マニュアルも充実しているほか、請求書払いにも対応しています。
【関連記事:Zoomの法人契約は代理店経由ですべき?有料プランの選び方を解説】
まとめ
Web会議の録音は、「言った言わない」という問題の防止や、議事録の作成に役立ちます。スマホや外部アプリなどを使って上手に録音するには、知識と慣れが必要です。また、参加者による任意の録音を許可すると、プライバシーやセキュリティの問題が生じます。
Web会議システムのレコーディング機能を用いて、許可されたユーザーのみが録音し、録音データの保存・共有方法も主催者側で管理することがおすすめです。Zoom Workplace有料プランは、高機能なクラウドレコーディング機能を利用でき、組織内で安全かつ効率的な録音の管理・共有ができます。
クラウドレコーディングの活用をお考えなら、有料プランの導入・運用をきめ細やかにサポートできるイッツコムにご相談ください。