Excelで工数管理をする簡単な方法とは？業務効率化に効くツールも解説

人材不足の深刻化で生産性向上の必要性が叫ばれる中、多くの企業にとって業務効率化を目的とした工数管理は重要な課題です。業務効率化に取り組む必要性を感じており、標準ツールのExcelで工数管理する方法をお探しの企業担当の方もいるのではないでしょうか。

工数管理は、ひとつのプロジェクトにかかる時間や人員を管理することです。工数管理がビジネスに与える効果や、Excelによる管理方法とメリット・デメリットを知ることで、どのように工数管理をすべきか具体的に検討できます。クラウド型ツールによるスマートな工数管理にも目を向け、重要なビジネス課題の解決を目指しましょう。

そこでこの記事では、工数管理の重要性やExcelによる工数管理表の作成方法、クラウド型ツールによる効率的な工数管理についてご紹介します。

工数管理とは？

工数とは、ある作業を行うために必要な作業時間・作業量です。一般的には人数と時間の積で表されます。

工数管理とは、プロジェクト達成までの時間や人件費を一元管理することです。プロジェクト全体の業務プロセス・作業量・コスト・担当者・進捗状況などを、表計算ソフトや専用ツールを使って可視化し、プロジェクト管理の指針とします。

工数管理の重要性とメリット

工数管理は業務効率化や利益向上のために必須といえる活動です。工数管理をするとプロジェクトの予測が立てやすくなり、適材適所の人材配置がしやすくなるなどのメリットを享受できます。ここでは、工数管理の重要性やメリットを見ていきましょう。

工数管理による業務効率化は必須

人材不足が深刻な問題となり、生産性向上が叫ばれる中、業務効率化を目的とした工数管理が重視されている状況です。

工数管理により投資対効果の関係を最適化することで、売上アップとは別のベクトルで利益の向上を目指します。プロジェクト進行を個人の裁量に委ねるのではなく、俯瞰して捉え、組織的な活動として効率化することが重要です。

プロジェクトの予測が立てやすくなる

工数管理のメリットのひとつは、プロジェクトの予測が立てやすくなることです。プロジェクトには企画・制作・構築といったステージがあり、各ステージに複数の業務プロセスがあります。プロジェクトが大規模になるほど工程は複雑化するため、計画性は必要不可欠です。

また工程ごとに達成まで何日かかるかを想定し、デッドラインも設定することで、プロジェクト進行中に軌道修正しやすくなります。予測と結果を分析することで、類似案件の見積もりに反映できるのもポイントです。

適材適所の人材配置がしやすくなる

誰がどの工程に携わるかを俯瞰できることも、工数管理のメリットです。工程ごとの担当者と作業量を一覧することで、各従業員の業務負荷を可視化できます。

特定従業員への業務の偏りがあれば分散・シェアを考えやすく、職位やスキルバランスを加味してチーム構成を是正しやすくなるのもポイントです。適材適所の人材配置がしやすくなるため、各従業員のモチベーションやエンゲージメントにも好影響を及ぼし、業務効率化にもつながります。

Excelの工数管理表はテンプレートが必須？

Excelによる工数管理表はWBS形式またはガントチャート形式が主流です。WBS形式の工数管理表は一般的なタスク管理表に近いもので、ガントチャートはWBSを元に、カレンダーを組み合わせてプロジェクトのスケジュールを可視化します。いずれもExcelで自作でき、テンプレートも活用可能です。

WBSとガントチャートは自作できる

WBS（Work Breakdown Structure/作業分解構造）とは、プロジェクトの作業単位を大・中・小のカテゴリに分解し、木構造（階層構造）でまとめたものです。各担当者の作業レベルまで分解し、誰がどの作業を行うかを把握しやすくします。

ガントチャートとは、タスク管理・プロジェクト管理に用いられる表です。WBSを元に縦軸にタスクのリスト（階層構造）、横軸に時間（日付のスケジュール）を取り、プロジェクト進行を視覚的に分かりやすくまとめます。どちらの表も簡単なものなら、Excelの基礎的な知識・スキルがあれば作成可能です。

テンプレートを使って簡単作成も

Excelはインターネット上から多種多様なテンプレートをダウンロードし、利用できます。WBSやガントチャートのテンプレートも豊富です。自社の運用方針に合ったものを探す手間はかかりますが、一から表を作成する必要がありません。ちょうどいいテンプレートが見つかれば表作成の手間を大幅に削減できるでしょう。

Excelでテンプレートを使わず工数管理表を作る方法

シンプルな工数管理表を作りたいならWBSが向いています。ガントチャート作成にも作業の分解は必須なので、WBS形式の工数管理表にカレンダーを追加すれば、ガントチャートも作成可能です。ここでは、WBSやガントチャートを簡単に作成する方法を解説します。

1.【WBS】作業を分解する

まずはWBSを作成するために、プロジェクトの作業を大中小のカテゴリに分解しましょう。例えば商談の工数管理表なら、商談ステージ（大カテゴリ）を商談化・提案の合意・プレゼン・見積提示などに分け、商談プロセス項目（中カテゴリ）として商談化ステージをニーズ確認・予算確認・決済者確認・スケジュール確認などに分解します。

表作成ではまず1行名に工数管理表の名称を記載しましょう。続いて1列目に[No.]列を作り、右側に[タスク名]列を作って、プロジェクトの階層構造をタスクリストとして縦軸に記載します。

2.【WBS】タスクごとに担当者を割り振る

作業を分解したら、それぞれのタスクに担当者を割り振ります。この時点で業務負荷やスキルバランスを加味し、偏りのない適材適所のチーム編成を考えましょう。

表作成ではそれぞれのタスクに担当者を関連付けられるように、[タスク名]列の右側に[担当者]列を記載します。

3.【WBS】タスクごとに開始日・終了日を記載する

それぞれのタスクに担当者を割り振ったら、タスクごとに開始日と終了日を記載します。プロセスの流れや担当者の業務負荷を加味し、実現可能なスケジュールを考えましょう。

表作成では[担当者]列の右側に[開始日]列と[終了日]列を記載します。これでWBSは作成完了です。

4.【ガントチャート】進捗ステータスを設定する

WBSに要素を追加してガントチャートを作成できます。まずは進捗ステータスを設定しましょう。[終了日]列の右側に[ステータス]列を作成します。

ステータスは種類が限られるため、以下の手順でドロップダウンリストを設定し、入力値を標準化するのがおすすめです。

1.[ステータス]列のセルを全て選択
2.メニューバーの[データ]タブ内[データの入力規則]をクリック
3.ポップアップウィンドウの[設定]画面で[入力値の種類]を[リスト]に変更
4.[元の値]に「未着手,作業中,完了」と入力し、[OK]をクリック

5.【ガントチャート】カレンダーを作成する

進捗ステータスを設定したら、[ステータス]列の右側に1日刻みで日付列を並べ、カレンダー表示ができるようにします。なお、日付は関数の真偽判定に利用するため、書式を開始日・終了日と統一（○月○日形式など）することが必要です。

6.【ガントチャート】タスクの日程を色付け（棒グラフ化）する

さらに各タスクの予定作業日を色付けし、ひと目でプロジェクトの工程が分かるようにしましょう。各タスクの日程を色付け（棒グラフ化）する手順は以下の通りです。

1.カレンダー領域の全セル（この場合はG3セルから）を選択
2.メニューバーの[ホーム]タブ内[条件付き書式]の[新しいルール]をクリック
3;ポップアップウィンドウの「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択
4;この場合はカレンダーの日付が2行目、開始日がD3セル以降、終了日がE3セル以降にあるため、数式に「=AND（G$2>=$D3,G$2<=$E3）」を入力し、[書式]をクリック 5.[セルの書式設定]画面が開くので、[塗りつぶし]タブで好みの色を選び、[OK]をクリック 6.前画面に戻るので[OK]をクリック 7.カレンダー領域の全セルに書式が適用され、自動的に色付けが反映される
【ガントチャートイメージ】

Excelで工数管理をするメリット

ExcelでWBSやガントチャートを作成し工数管理するメリットは、ツール整備や教育に追加コストがかからないことです。Excelを日常的に利用する企業なら、新しい表を作成・管理するだけで工数管理ができます。ここでは、Excelで工数管理をするメリットを見ていきましょう。

ツール整備にコストがかからない

WordやExcelはビジネスの基本ソフトなので、多くの企業がMicrosoft Officeのライセンスを取得しています。ライセンスを取得している場合、Excelの工数管理に追加コストはかかりません。表を自作する場合も、無料テンプレートを使用する場合も、ツール整備にかかるコストは不要です。

教育コストがかからない

Excelはさまざまな表作成に使用されるため、経理や人事などのバックオフィス部門をはじめ、多くの従業員が操作に習熟しています。工数管理表を作成する場合にも求められる知識・スキルは変わらず、教育コストもかかりません。複雑な関数やマクロを組み込まない限り、簡単に工数管理表を作成できます。

Excelで工数管理をするデメリット

Excelによる工数管理は手軽に導入できる一方、運用中には以下のような問題も生じます。

・複数メンバーで共有しにくい
・スマホでの素早い確認に向かない
・引き継ぎや共同編集のトラブルも

表の作成は簡単でも、運用中にさまざまな混乱を生むため、業務効率化につながるとは限りません。ここでは、Excelで工数管理する際の注意点について詳しく見ていきます。

複数メンバーで共有しにくい

Excelはあくまで表のファイルを作成するツールです。クラウド型サービスのように共有前提のデータベースにアクセスするのではなく、作成したファイルにアクセスします。

このため工程管理表をファイルサーバで管理したり、メールで共有したりすることが必要です。閲覧するユーザー数が多くなるほど共有に支障を生じやすくなるのは、実務上の懸念点です。

スマホでの素早い確認に向かない

テレワークなどの柔軟な働き方を導入する企業が増え、スマホやタブレットを業務利用することも一般化しています。Excelはスマホ版も利用できますが、狭い画面に最適化されているとはいえず、表示に難があるのは懸念点です。

またExcelファイルはデータ量が多くなると動作が重くなってしまうことも多々あります。スマホで素早く工数管理表を確認したいときに読み込みが遅く、業務効率が低下したり、ストレスの原因になったりする場合もあるでしょう。

引き継ぎや共同編集のトラブルも

Excelによる工数管理表を洗練するには作り込みが必要ですが、関数やマクロに習熟した従業員は多くないでしょう。作り込むほど関数やマクロの仕様はブラックボックス化され、担当者が休職または退職すると、誰も操作できないことも考えられます。

また共同編集にも向きません。共有ブック機能を利用すると、特定機能が使えない、上書き保存できないといった問題も起こります。他にも、閲覧用にファイルをコピーすると最新版がどれか分からなくなるなど、さまざまなトラブルが起こる点に注意が必要です。

工数管理はクラウド型ツールがおすすめ

クラウド型ツールならいつでもどこからでも簡単にアクセスできます。共同編集も容易で、マルチデバイス対応ならスマホからもアクセスでき、Excelにありがちなトラブルは起こりません。

プロジェクト管理やタスク管理に加え、関連機能もひとつのプラットフォームで利用できるため、工数管理の目的である業務効率化に大きな効果を発揮します。

工数管理に最適なクラウド型ツールはイッツコム！

工数管理の中でも営業プロセスは複雑で状況の変化も起こりやすく、動的な工数管理が求められます。営業チームの工数管理には、クラウド型営業支援ツール「ホットプロファイル」が最適です。ホットプロファイルは案件・商談管理やタスク管理の他に、営業アプローチリストやグラフ/レポート機能も利用でき、工数管理を大幅に効率化します。

また、他社との工数管理データなどの共有の際は「Box」がおすすめです。Boxは各国の政府機関や多数のリーダー企業が採用する信頼性の高いクラウドストレージです。日本でも文部科学省などの政府機関や民間企業の約1.1万社が既に利用しています。セキュリティ面で懸念されるメール添付でのファイル共有を避けられ、業務に必要なデータも一元管理できます。

営業チームの案件・商談管理やタスク管理に最適な「ホットプロファイル」

クラウド型営業支援ツール「ホットプロファイル」は、名刺のスキャンやCSVファイルの読み込みだけで安全なクラウド上に顧客データベースを作成し、顧客情報と関連付けて案件・商談管理やタスク管理ができます。

商談化からクロージングまでの活動や進捗状況を可視化し、商談に関わる営業報告やタスクも一元管理できる上、商談に紐づく相手先担当者の役割も明確化できる仕組みです。

商談管理画面では金額や受注確度などの変化が一目瞭然で、金額・受注確度の低下や経過日数など商談状況に応じたアラートも設定できます。また各タスクには顧客情報・商談履歴・報告履歴などを自動的に関連付け、優先順位を付けて対応漏れを防止できるのも魅力です。

営業アプローチリストやグラフ/レポートも「ホットプロファイル」

ホットプロファイルは営業アプローチリストやグラフ/レポート機能も利用できます。Webから問い合わせのあったお客様や過去に失注した再アプローチが必要なお客様など、営業活動履歴や企業属性から戦略的な営業アプローチリストを簡単に作成可能です。

アプローチリストの専用画面では、営業報告・商談履歴・Webアクセス履歴など、お客様に関連するあらゆる情報を1画面で把握できます。さらに営業担当者に依頼したタスクの対応状況や活動に対する進捗状況もリアルタイムで把握可能です。

目標達成状況や営業活動量などはダッシュボードグラフでリアルタイムに確認できます。グループウェアなどに画面を埋め込み、社内ポータル上で確認することも可能です。また営業活動内容や案件に関する金額・確度などは、Excel形式のカスタムレポートとして出力でき、工数管理に大いに役立ちます。

他社との情報共有を「Box」で一元管理

他社とプロジェクトを進める上でも工数管理は欠かせません。工数やタスクを確認するには、状況やデータの共有が必要ですが、メールでのやりとりはセキュリティ面に懸念が残ります。また、メールサーバの容量も気になるところです。

そこで、世界最高峰のセキュリティレベルを誇る、容量無制限のクラウドストレージサービス「Box」の導入がおすすめです。あらゆるファイルを安全なクラウド上で一元管理し、他社とデータを共有する場所としても最適です。

各ファイルにはコメントやタスクを設定できるため、コンテンツベースの工数管理が容易になります。なお、1,500以上の外部アプリのファイルマネージャーとしても利用でき、データ活用の基盤としても最適です。

イッツコムは日本語サポート込みのBoxを提供しています。また、無償のサポートデスクは、管理者だけでなくユーザーからの電話・メールでのお問い合わせも可能です。まずは1カ月無料のトライアルで使用感を確かめましょう。

まとめ

Excelによる工数管理は簡単に始められるものの、ファイルの共有・管理に難があり、業務効率化を阻害しかねません。いつでもどこからでも情報共有できるクラウド型ツールによる工数管理を採用し、生産性向上や利益向上を目指しましょう。

イッツコムは商談・案件管理やタスク管理、営業アプローチリストやグラフ/レポート機能も利用できる「ホットプロファイル」を提供しています。関連サービスとして容量無制限のクラウドストレージ「Box」や快適なモバイル回線「法人データSIM」などのセット導入も可能です。

ビジネス課題の解決に効く工数管理をお求めなら、複数サービスの組み合わせで業務効率化や生産性向上をサポートできるイッツコムにご相談ください。