デジタルサイネージの価格相場と購入形態による比較
目次
デジタルサイネージを導入したいと考えている方の中には、「コスト面が気になる」「価格を知りたい」という方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、デジタルサイネージの導入と運用にかかる費用についてご紹介します。コンテンツ制作費、工事費用、電気代といった費用の内訳、購入とリースの2つの方法、さらに価格を抑えたいときに考えるべきポイントまで理解できます。ぜひ参考にしてみてください。
デジタルサイネージ導入の価格相場
デジタルサイネージを導入する際の費用は、何にどれだけかけるかによって変動します。まずはディスプレイやSTB、CMSといったものが必要ですが、それぞれの価格には幅があるため一概にいくらとはいえません。
たとえば、それぞれの器具にある程度こだわった場合は100万円前後になることもあります。もちろん、より費用を下げることも可能なので目安として覚えておきましょう。
デジタルサイネージ導入時の費用内訳と価格相場
デジタルサイネージを導入するときには、ディスプレイの費用以外にもSTBやCMS、コンテンツ作成費がかかります。
ディスプレイの価格は大きさや設置する場所によって異なります。屋内用の小さなものであれば10万円程度からありますが、屋外用になると80万円くらいかかることもあります。
STBとはSet Top Boxの略で、デジタルサイネージのコンテンツを再生するプレイヤーです。機能によって1万円から10万円と価格に幅があります。また、ディスプレイに内蔵されているタイプは、価格もディスプレイに含まれます。
CMSはコンテンツマネジメントシステムの略で、コンテンツの放映スケジュールを作成し配信するといったコンテンツ周りの管理を行うシステムのことです。遠隔でコンテンツ内容を操作できることも特徴のひとつで、複数のデジタルサイネージを運用する場合はCMSが不可欠になります。
最近ではクラウドサービスを利用したCMSが一般的となっていて、1つの端末あたり月額4,000円から1万円程度で利用できます。
コンテンツとはデジタルサイネージで配信する動画や静止画のことです。コンテンツ作成費は内容や時間、修正回数によって大幅に変わります。また、費用を抑えたい場合は自社で作成することも可能です。
デジタルサイネージ機器設置にかかる費用
デジタルサイネージはさまざまな場所に設置できます。床に置くタイプだけでなく、壁にかけたり天井から吊り下げたりするものもあります。設置方法によっては工事が必要となるため、工事費用も考慮しなければなりません。
壁にかけたり天井から吊り下げたりする場合、専用の器具の費用が2万円から15万円程度かかります。業者に依頼するとさらに工事費が必要ですが、こちらは現場や導入台数によって変わるので、事前に見積もりを出してもらいましょう。
導入後の保守・運用にかかる費用内訳と価格相場
デジタルサイネージを導入した後も保守や運用にかかるランニングコストがあります。たとえば電気代です。一般的なディスプレイの明るさだと1日15時間の使用で約700円かかり、1か月あたりの費用は2万円ほどになります。ディスプレイをさらに明るくすると1日で約3,000円、1か月だと10万円近くになることもあります。
さらに、保守点検を業者に依頼すると、1つの施設あたり5,000円から2万円前後が費用の相場となります。
導入時にかかる費用だけを考えていると、経営に大きな影響を与えてしまうかもしれません。デジタルサイネージの導入を検討する際は、導入後の運用や管理の費用まで考慮に入れましょう。
デジタルサイネージは購入とリースのどちらが得か
デジタルサイネージを導入する方法には「購入」と「リース」の2種類があります。どちらが正解と決まっているわけではありません。何を重視するかによって適切な導入方法は異なります。それぞれのメリットとデメリットを把握した上で、自社に合った導入方法を選びましょう。
デジタルサイネージを購入するメリット
デジタルサイネージを購入するメリットは、月額費用が安くなりやすい、税金の控除を受けられるケースがある、所有権が買主に移転するといったことが挙げられます。
デジタルサイネージを購入すると、リース料の金利や事務管理コストを節約できるため、月々の支払いに関してはより安い費用で運用できる可能性が高くなります。ただし、税金面を考慮すると必ずしも総支払額が安くなるとは言い切れないので注意しましょう。
デジタルサイネージをリースするメリット
デジタルサイネージをリースによって導入するメリットは、初期費用を節約できる、月々の負担を無理のない額に調整しやすい、動産保険をつければ故障の不安を軽減できるといったことが挙げられます。
デジタルサイネージを導入する際にはさまざまな費用がかかります。購入する場合、100万円以上の支払いが必要になることもあるでしょう。リース契約を利用すれば初期費用を安く済ませて月々の負担も軽減できます。保険によって故障による費用リスクも軽減できるので安心です。
デジタルサイネージ導入にかかる費用の価格相場表
デジタルサイネージの導入にかかる費用は、購入する場合とリースする場合で比較したいポイントがいくつかの項目に分かれるため、表にすると分かりやすくなります。ここでは、デジタルサイネージを導入する際にかかる費用を具体的な例を挙げて解説した上で、一目でわかる比較表をご紹介します。
47インチ壁掛けのデジタルサイネージ(24時間稼働)を購入する場合
47インチ壁掛けのデジタルサイネージを購入する際にかかる費用は、初期費用で55万円です。ディスプレイにかかる費用とコンテンツ制作費を合計した金額となります。運用サポートが必要なければ業者に支払うランニングコストはかかりません。自分たちで運用することで費用をかけずにデジタルサイネージを利用できます。
ただし、コンテンツの更新や配信運営、外部コンテンツとの連携、保守管理といったサポートサービスを委託すると、さらに費用がかかることを覚えておきましょう。
また、24時間稼働させると、その分の電気代も別途必要になります。1日あたり1,200円前後を目安に考えてみましょう。
47インチ壁掛けのデジタルサイネージ(24時間稼働)をリースで導入する場合
47インチ壁掛けのデジタルサイネージをリースで導入する場合、リース料率を2%とすると55万円の2%で、月額1万1,000円で利用できます。1年にすると13万2,000円、5年契約だと66万円です。
購入する場合は55万円なので、5年リースの66万円と比較すると購入したほうが安くなります。まとまった金額を支払えるなら、総額を安く済ませられる購入を検討してみてもいいでしょう。
ただし、リース契約にはまとまった金額を用意する必要がなく、初期費用を安くできるというメリットがあります。次に紹介する表を参考に、自社に合った導入方法を選んでみてください。
リースと購入の比較対象表
物件価格が100万円、リース料率が3年の場合2%、5年の場合1.85%、10年の場合1.7%として、月額費用を算出して以下にまとめました。リース期間が長くなるほどリース料率は下がります。月額費用を抑えたい方は長期的に利用することを検討してみてもよいでしょう。
購入後の月額費用に関しては、利用するサービスによって異なります。下記の月額10万円は、配信運営、保守管理サービスを利用した場合の月額料金です。
リース | 購入 | |
---|---|---|
月額費用(3年) | 12万円 | 10万円 |
月額費用(5年) | 11万8,500円 | 10万円 |
月額費用(10年) | 11万7,000円 | 10万円 |
動産保険 | あり | なし ※付ける場合は費用がかかる |
処分費用・手間 | リース会社が行う | 買主が行う |
所有権 | リース会社 | 買主 |
デジタルサイネージの価格を抑えたいときに考えるべきこと
価格を抑えるためには目的をはっきりさせる必要があります。膨大な費用をかけられるのであれば、さまざまな部分にこだわるのもいいでしょう。しかし、可能な限りデジタルサイネージにかける費用を抑えたいと考えている方は、ここでご紹介するポイントを考慮した上で、どこに費用をかけるべきか検討してみてください。
ディスプレイの最適化
ディスプレイは高精細だと電気代が高くなるため、ランニングコストがかかります。また、大きければ大きいほどよいというものではないので、目的や設置場所に合ったサイズを選ぶことが大切です。費用を抑えたければ、最適なものを導入しましょう。
さらに、必要のない機能はつけないことも意識しましょう。たとえば、屋内に設置するにもかかわらず防水機能といった無駄な機能が付属しているケースがあります。屋内利用に限れば、手持ちのテレビやPCディスプレイ、タブレット端末を利用するというのも導入費用を安く済ませる裏技です。
ディスプレイを選ぶ際は設置環境、サイズ、輝度、耐久年数、温度といったポイントを基準に選びましょう。
映像再生・マネジメントの方法
デジタルサイネージを始めるとき、多くの場合、CMSも同時に導入します。便利なシステムですが、小規模な店舗や企業にとっては高機能すぎたり価格が高すぎたりする場合があります。安く済ませたいなら、自分たちでマネジメントするのもひとつの手段です。
映像再生やマネジメントの方法はいくつかあります。もちろん、普通のPCを使用してもいいですが、小型PCも十分に活用できます。
たとえば、スティックPCやドングルPCといったアイテムは費用を節約したい方にぴったりです。スティックPCは液晶テレビのHDMI端子に差し込むことで、ドングルPCはディスプレイに接続することで、いずれもデジタルサイネージとして利用できます。
比較的安価な小型PCを利用する方法は初期費用を抑える効果があります。ただし、実践するには相応の専門知識が必要なことを覚えておきましょう。
自分でコンテンツデザインする
デジタルサイネージを導入する際はコンテンツを制作する費用もかかりますが、自分たちの手でコンテンツデザインができれば、その費用を節約できます。
ただし、デジタルサイネージのコンテンツを作成するには知識やノウハウが必要になります。消費者の目を引きつけ情報を伝えるのがコンテンツの本来の目的です。それを達成する最適なコンテンツを作るのは経験のない素人には難しく、結果的にコストパフォーマンスが低下する恐れがあります。
安さだけを追求すると大きな機会損失となるケースもある
価格を抑えようと思えばさまざまなところで節約できますが、その分大きな機会損失となるリスクがあります。
デジタルサイネージの目的は、最適なコンテンツを魅力的に伝えて、より多くの顧客に来店、購入してもらうことです。つまり、見てもらえないコンテンツをサイネージ化してもコスト分のリターンは見込めない恐れがあります。無駄な出費にならないように、費用を抑えるべきポイントはしっかりと見極めましょう。
多くの場合デジタルサイネージサービス企業と連携して導入を行う
デジタルサイネージは、多くの場合、デジタルサイネージサービス企業と連携して導入します。月額費用といったコストがかかる場合が多いですが、プロが持っている顧客誘導に関する専門知識はコンテンツ作成には欠かせないものです。また、導入後の保守点検を任せられるので、結果的には高い費用対効果を得られるでしょう。
デジタルサイネージを最大限に生かして本来の目的を実現するには、信頼できる企業と連携することが重要です。
デジタルサイネージ導入時の連携企業の選定基準
デジタルサイネージを導入するときの連携企業はどこでもよいわけではありません。信頼できる企業を選ばないと、かけたコストに対してあまり効果が出ない恐れがあります。ここでは、連携企業の選定基準を3つご紹介します。ポイントを押さえて、後悔のない企業選びをしましょう。
コンサルティングでしっかり顧客の話を聞いてくれる企業
契約前のコンサルティングでしっかり話を聞いてくれるかどうかは企業選定の大切な基準のひとつです。
効果的にデジタルサイネージを活用するには、顧客が達成したいことやデジタルサイネージを導入する目的を理解してもらう必要があります。デジタルサイネージはあくまで手段でしかありません。デジタルサイネージを駆使して顧客のニーズを実現する的確な方法を提案してくれる企業と連携することが成功への近道です。
実績としてブランディングがうまくいっている企業
デジタルサイネージに関する実績があり、かつ、ブランディングがうまくいっている企業も連携企業の候補のひとつです。
デジタルサイネージを導入した実績だけでなく、ブランディングにつながった実績を持つ企業であれば、安心して導入から保守、運用まで任せられます。自分がその企業を信頼できるかというポイントにもなるため、過去の実績は必ず確認するようにしましょう。
【知識・経験がない場合】導入から保守点検まで一括で依頼できる企業
デジタルサイネージに関する知識や経験がない場合、導入だけでなく保守点検まで一括で依頼できる企業を選ぶとよいでしょう。導入するときだけの付き合いだと、実際に運用していく中で何か困ったことやトラブルがあったときに相談する相手がいなくなってしまいます。
導入前のコンサルティング、システム設計・構築、コンテンツ制作から、運用スタート以降の回線工事や提供、配信・運用、保守・管理までワンストップで提供している企業なら、知識や経験がなくても安心です。
まずは「問い合わせ」で情報収集をする
デジタルサイネージの導入を検討中の方はお気軽にイッツコムにご相談ください。豊富な実績をもとに、導入から運用、保守点検までワンストップでサービスを提供します。少しでも興味のある方は、まずは「問い合わせ」をして情報収集をすることから始めてみましょう。
イッツコムへのお問い合わせは専用のフォームから行います。お問い合わせを入力して送信すれば、メールで返信させていただきます。
まとめ
デジタルサイネージの価格は希望するサービス内容によって異なります。費用を抑える方法もありますが、コストパフォーマンスが低下する恐れもあるので、節約できるポイントをしっかりと見極める必要があります。
また、法人として継続的にデジタルサイネージを利用することを考えているのであれば、情報収集の段階から企業とコンタクトを取ることが大切です。
デジタルサイネージの導入を検討している方は、豊富な導入実績を持ち、導入から保守点検までワンストップでサービスを提供しているイッツコムにお問い合わせください。コンサルティングを入念に行い、目的に合った企画をご提案、導入、運用・保守までサポートします。